2025年06月18日

【映画評】国宝

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公開前から映画館の幕間予告編で拝見するも「日本アカデミー賞狙いの吉沢亮と横浜流星の腐女子向け低予算ギャグ映画」程度の雑な認識で鑑賞対象外でしたが、ここまでちゃんとした映画だったとは。先入観というのは恐ろしい。

映画『国宝』公式サイト-

イントロダクション
日本映画の歴史に刻まれる、美しく熱い、圧倒的傑作が誕生。
吉田修一自身が3年間歌舞伎の黒衣を纏い、楽屋に入った経験を血肉にし、書き上げた渾身作「国宝」。任侠の一門に生まれながらも、歌舞伎役者の家に引き取られ、芸の道に人生を捧げた主人公・喜久雄の50年を描いた壮大な一代記。

そんな「国宝」が、世界最高峰のスタッフ&キャストと奇跡のような集結を果たし、堂々の映画化。
本作のメガホンを執るのは、李相日監督。『フラガール』では日本中を感動の涙で包み、第30回日本アカデミー賞最優秀作品賞、最優秀監督賞、最優秀脚本賞を受賞した、常に最新作が期待される監督。脚本は奥寺佐渡子。『サマー・ウォーズ』、ドラマ「最愛」など、アニメ・実写に限らず、複雑に絡みあう人間関係や、心のひだの部分にも光を当てる表現で、様々な脚本賞の受賞歴を持つ日本を代表する脚本家。撮影にはソフィアン・エル・ファニ。『アデル、ブルーは熱い色』で第66回カンヌ国際映画祭パルム・ドールの獲得経験を持ち、今回李監督たっての希望を受けて参加。世界にも通ずる視点でとらえた撮影にも要注目。美術監督には『キル・ビル』の種田陽平。歌舞伎という禁断の世界を美しく、鮮やかに演出する。また、四代目中村鴈治郎が本作の歌舞伎指導に入り、本編に俳優としても参加。緻密で繊細な所作を、女形を演じる俳優陣へ擦り込み、作品を更に高みへと引き上げる。

キャストにも、日本を代表する超豪華俳優陣の顔ぶれ。主演である稀代の女形・立花喜久雄を演じるのは、その美貌をもちながら、どんな役でも演じ切る圧倒的演技力で、脚光を浴び続ける吉沢亮。喜久雄のライバルとなる歌舞伎名門の御曹司・大垣俊介を演じるのは、第48回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞が記憶に新しく、その他数々の受賞歴を持つ横浜流星。そして歌舞伎名門の当主・花井半二郎に、もはや世界的名俳優と名高い渡辺謙。更には、高畑充希、寺島しのぶ、田中泯、永瀬正敏、森七菜、三浦貴大、見上愛、黒川想矢、越山敬達、嶋田久作、宮澤エマといった、日本映画には欠かせない主演級の俳優たちが一堂に揃い、物語を更に美しく、熱くする。

制作は『キングダム』シリーズ、『ゴールデンカムイ』シリーズのCREDEUS(クレデウス)が担い、観る者を圧倒するエンターテインメント作品へ昇華。超一流の原作&ストーリー&キャスト&スタッフが圧倒的熱量で贈る『国宝』。人生で観るべき、魂が震える映画体験を――

ストーリー
後に国の宝となる男は、任侠の一門に生まれた。この世ならざる美しい顔をもつ喜久雄は、抗争によって父を亡くした後、上方歌舞伎の名門の当主・花井半二郎に引き取られ、歌舞伎の世界へ飛び込む。そこで、半二郎の実の息子として、生まれながらに将来を約束された御曹司・俊介と出会う。正反対の血筋を受け継ぎ、生い立ちも才能も異なる二人。ライバルとして互いに高め合い、芸に青春をささげていくのだが、多くの出会いと別れが、運命の歯車を大きく狂わせてゆく...。

誰も見たことのない禁断の「歌舞伎」の世界。血筋と才能、歓喜と絶望、信頼と裏切り。もがき苦しむ壮絶な人生の先にある“感涙”と“熱狂”。何のために芸の世界にしがみつき、激動の時代を生きながら、世界でただ一人の存在“国宝”へと駆けあがるのか?圧巻のクライマックスが、観る者全ての魂を震わせる―― 。




そんな「どうでもいい」作品を観に行こうと思い至った理由は「アニプレックスが初めて手掛ける実写映画」という触れ込み。<正確にはアニプレックスは製作委員会筆頭に留まり実際はアニプレックスが設立した戦略子会社(ミリアゴンスタジオ)が担っています> 散々馬鹿にされ続けたアニメ側から頭脳の逆輸入というのは痛快。とはいえ何で松竹ではなく東宝と組んだのだろう?

内容については尺3時間に相応しい目まぐるしい展開。音響も映像も演者もケチのつけようがなく。前半で描かれた「シャフ度」は洒落なのでしょうか?

ただ中盤の森七菜絡みシーンがさっぱり分かりませんでした。俺寝てたのかなあ?いきなり「お兄ちゃん」からのセックスからのぶん殴られからの看板に泥を塗りましたからの仕事を取るためにあいつと寝やがってからのフィアットでどさ回り。唐突に始まったこれら一連の流れがさっぱり理解できず。(鑑賞後、公式サイトの相関図見て何となく理解は出来ました)

とはいえ恥ずかしながら歌舞伎など真剣に観た事もないので、(断片的ダイジェスト的ながら)貴重な体験となりました。そうだよな映画鑑賞というより体験。隣席の外人さんが身を乗り出して観ていたのが印象的だった。あとクライマックスシーンでクレジットにない瀧内公美が突然現れ全部食って俺得。

国内での歌舞伎人気復興と本作の海外興収に期待。

満足度(5点満点)
☆☆☆☆☆



Posted by kingcurtis 固定リンクComments(6)映画 
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コメント
歌舞伎「家」に溶け込み宝となっていったフィクションを日本「家」の粗探し毎日明け暮れる存在が映像にする。
これだけで一本の作品。
>先入観というのは恐ろしい。
ツケを支払っていない客なんだからしょうがないね。
Posted by 投了 at 2025年06月18日 21:26
 「国宝」とは、本来「人」を指すモノ。ところで、未だに同和問題とかいうけれど、こっちの同和は国宝になれるんだから、特権だよね。
Posted by 国宝 at 2025年06月19日 09:49
歌舞伎のイロハのイくらいはわかるつもりです。
映画としては良作。原作未読なので、
話の面白さでいうと、まずまずですかね。
伏線は回収するものの、勝手に解決してるし。
歌舞伎なのにナントカ屋の掛け声が無いのもおかしな話。
Posted by at 2025年06月21日 22:58
四半世紀ぶりに映画館で映画を見た
なんでこんなに尺が長いのかは本気の歌舞伎シーンの為だったのね
でも50年を3時間でまとめるのは無理がある
また四半世紀後に生きてたら映画館に行こうかなw
Posted by れろれろ at 2025年07月01日 15:42
>何で松竹ではなく東宝と組んだのだろう?
松竹と組んだら、しょうもない歌舞伎俳優を使わないといけないからw
Posted by ss at 2025年07月05日 22:54
本日鑑賞しました。
評判どおり素晴らしい出来。映画館で観て良かった。
それにしても吉沢さん泥酔騒動の火消しがうまく行って良かったですね。
下手したらこんな名作がお蔵入りになっていたかもしれなかったのですから。
Posted by ポーさん at 2025年07月13日 16:27
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