2025年03月18日
【映画評】セプテンバー5

イントロダクション
賞レース最有力候補の呼び声! 報道のあり方を問う、現代へのメッセージ
平和の祭典で起きた衝撃の実話を描いた本作は、極限の状況でテロと対峙した人々の1日をノンストップのサスペンスで描き、社会性とエンタメ性を見事に両立した傑作として、第81回ヴェネツィア映画祭で上映されるや、大絶賛を受け、一気にアカデミー賞をはじめとする賞レースの最有力候補に浮上した。
報道の自由、事件当事者の人権、報道による結果の責任は誰にあるのか?SNSの普及で人類全体がメディアになりえる現代、世界各地で続く戦争や、大統領選や日本の選挙など、新旧メディアの報道のあり方が、これまでに無い注目を浴びる現在を生きる私たちに鋭く問い掛ける、傑作映画が誕生した。
ストーリー
全世界がテロと対峙した衝撃の1日、その時何が起こっていたのか?1972年9月5日ミュンヘンオリンピックでの、パレスチナ武装組織「黒い九月」による、イスラエル選手団9名を人質にするテロが発生。全世界が固唾を飲んで見守った歴史的なTV中継を担ったのは、なんとニュース番組とは無縁のスポーツ番組の放送クルーたちだった。過激化するテロリストの要求、機能しない現地警察、錯綜する情報、極限状況で中継チームは選択を迫られる中、刻一刻と人質交渉期限は迫っていくのだった――
かなり前に上映されたスピルバーグ製作「ミュンヘン」が眠たくなる作品だったのでその辺が脳裏にあったのか無かったのか、本作も睡魔を誘うような展開。それがバジェット問題なのか作風なのか、ドラマ舞台の大半が中継室なのでまあ仕方ない。
本作の出来不出来はさて置き、立てこもり事件のテレビ中継が犯人側にダダ漏れは列挙に暇無く、本作もそうだったのかと諦念。「人質全員開放」誤報は描き方が抑制的でしたが、日頃マスコミに不信感を抱いている制作陣が手掛けたら相当嫌味な演出やっていたでしょうね。
実現困難かとは思いますが、福田赳夫「命は地球より重い」事件の映画化があれば21世紀の現代に一石を投じそう。
満足度(5点満点)
☆☆