2025年03月10日
【映画評】ノー・アザー・ランド 故郷は他にない

TATAMI、聖なるイチジクの種に続き中東映画三連発。本作は日本リベラル尽力も叶わず伊藤詩織神の承認欲求バケモノ映画「ブラックボックス」を打ち破り今年のアカデミー長編ドキュメンタリー賞を受賞しました。おめでとう。
イントロダクション
パレスチナとイスラエル――立場を越えて手を取り合う。ふたりの若きジャーナリストに、世界中が声援と喝采!!
イスラエル軍による破壊行為と占領が今まさに進行している、ヨルダン川西岸のパレスチナ人居住地区<マサーフェル・ヤッタ>。
本作は、この現状をカメラに収め世界に発信することで占領を終結させ故郷の村を守ろうとするパレスチナ人青年バーセル・アドラーと、彼に協力しようとその地にやってきたイスラエル人青年ユヴァル・アブラハームの2人による決死の活動を、2023年10月までの4年間に渡り記録したドキュメンタリーだ。
監督は、彼ら自身を含むパレスチナ人2人・イスラエル人2人による若き映像作家兼活動家の4人。「イスラエル人とパレスチナ人が、抑圧する側とされる側ではなく、本当の平等の中で生きる道を問いかけたい」という彼らの強い意志のもと危険を顧みず製作された。
スマートフォンや手持ちカメラを使用した、そこで暮らす当事者だからこそ捉えることのできた至近距離からの緊迫の映像で、住民たちが家や小学校、ライフラインを目の前で破壊され強制的に追放されていく、あまりに不条理なパレスチナの現実をあぶりだしていく。しかし、本作が映し出すのはその惨状だけではない。バーセルとユヴァルという同じ年齢の青年2人が、共に過ごし対話を重ねることで、政治的背景や立場を越えて“命がけの友情”が生まれる奇跡的な瞬間だ。彼らの姿は、「どうしたら人は分かり合えるのか?」という問いへの一筋の希望を、私たちに与えてくれるに違いない。
今年2月のベルリン国際映画祭では最も大きな盛り上がりを見せた1作となり、上映後に観客席から割れんばかりの拍手が沸き起こるとともに、パレスチナへの連帯を示す声が瞬く間に重なっていき大合唱へと発展した。
見事に最優秀ドキュメンタリー賞&観客賞をW受賞し、バーセルとユヴァルが揃って登壇した受賞スピーチは同映画祭のハイライトとして大きな話題を集めるも、イスラエル擁護の姿勢を示すベルリン市長などからの激しい非難にさらされた。今なお世界中で大きな論争が続いているが、監督たちは精力的に活動を続けている。
ストーリー
ヨルダン川西岸地区のマサーフェル・ヤッタで生まれ育ったパレスチナ人の青年バーセルは、イスラエル軍の占領が進み、村人たちの家々が壊されていく故郷の様子を幼い頃からカメラに記録し、世界に発信していた。そんな彼のもとにイスラエル人ジャーナリスト、ユヴァルが訪れる。非人道的で暴力的な自国政府の行いに心を痛めていた彼は、バーセルの活動に協力しようと、危険を冒してこの村にやってきたのだった。
同じ想いで行動を共にし、少しずつ互いの境遇や気持ちを語り合ううちに、同じ年齢である2人の間には思いがけず友情が芽生えていく。しかしその間にも、軍の破壊行為は過激さを増し、彼らがカメラに収める映像にも、徐々に痛ましい犠牲者の姿が増えていくのだった―。
伊藤詩織神を擁護する気はさらさらありませんが、なんでこんな作品がオスカー取れたのだろう?確かに映画で描写される集落がイスラエルの国家権力により破壊され続ける事案は胸が痛くなりますが、誤解を恐れず申し上げると、中国や北朝鮮やロシアやトランプの横暴に振り回されている極東の人間がわざわざ映画館で金払って観る価値があるのかね?この程度のドキュメンタリーなら配信サイトやBS世界のドキュメンタリーで数多目に触れるのに。という率直な感想。パレスチナ難民側からだけではなくイスラエル兵士側目線での取材も挿入されていたらまた深みが増すけど、商業作品としてはふーんって感じ。あの界隈は更にもっとしんどいエリアが沢山あるよね。
あとオスカー受賞したのだから公式サイトの文言は早く書き直さないとダメだろ。もう何日経った?
満足度(5点満点)
☆☆