2025年02月12日
【映画評】ファーストキス 1ST KISS

イントロダクション
今を生きる人たちの心情をリアルにも洒脱に描き出し、日本のみならず、アジア圏でも絶大な支持を得る、脚本家・坂元裕二。是枝裕和監督『怪物』(23)では、カンヌ国際映画祭脚本賞を受賞。その物語は世界に届くことを証明した。そんな坂元が『ラストマイル』『グランメゾン・パリ』(24)の塚原あゆ子監督と組み、カンヌでの受賞後初となるオリジナル劇場映画を送り出す。
この時代に問いかけるべき作品として書き上げられた、『ファーストキス 1ST KISS』。お互い好き合って結婚しながら、いつしか気持ちがすれ違ってしまった中、夫が事故死。日々に追われて悲しみに暮れる間もない妻だったが、突然のタイムトラベル! そこで若き日の夫に出会い、もう一度彼に恋をする。そしてその先に待っていたのは……。
結婚、恋愛、生活。その中で誰かと生きていくということ。言葉にすることで、カタチになったことで見えてくる、そのおかしみとかなしみ。本作もまた普遍的な物語で世界に通じるものながら、これまでにない坂元作品ともなっている。
主人公・硯カンナを演じるのは、「カルテット」(17)や「大豆田とわ子と三人の元夫」(21)など、これまでにも坂元作品の世界観を体現してきた、松たか子。そして、カンナの夫・硯駈をSixTONES・松村北斗が演じる。
初共演となる松と松村、そして初タッグとなる坂元と塚原が紡ぎ出す、『ファーストキス 1ST KISS』。誰もが感動を覚えながら、そこに待つのは初めて出会うに違いない、心揺さぶるラブストーリーが、世界を席巻する。その愛の秘密<ファーストキス>を知ったとき、二人が選んだ結末に涙する
ストーリー
もう一度だけ、会いたい人はいますか?-結婚して15年になるカンナは、ある日、夫の駈を事故で失ってしまう。いつしか夫婦生活はすれ違っていて、離婚話も出ていたが、思ってもいなかった別れ。しかしカンナは、駈とこちらも思ってもいなかった再会を果たす。しかもそこにいたのは、初めて出会ったときの駈。
ひょんなことから、彼と出会った15年前の夏にタイムトラベルしてしまったカンナは、若き日の駈を見て思う。やっぱりわたしはこの人が好きだ。まだ夫にはなっていない駈と出会い、カンナは再び恋に落ちる。
時間を行き来しながら、20代の駈と気持ちを重ね合わせていく40代のカンナ。事故死してしまう彼の未来を変えたい。過去が変われば未来も書き換えられることを知ったカンナは、思い至る。わたしたちは結婚して、15年後にあなたは死んだ……だったら答えは簡単。
駈への想いとともに、行き着いた答え。
わたしたちは出会わない。結婚しない。
たとえ、もう二度と会えなくてもーー 。
脚本 坂元裕二
一生の思い出になる映画を作りましょうと話し合って、はじまった作品です。
お互いにちょっと飽きてしまった中年夫婦。その妻が時を越えて、若い頃の夫に恋をする物語です。それって浮気? それとも夫婦愛? 夫婦のお話なのにタイトルがファーストキスってどういうこと? そんな矛盾した感情にどきどきしながら観ていただけたらなと思って脚本を書きました。
最高のキャストとお仕事出来る喜びと、塚原監督の無尽蔵のエネルギーとアイデアに出会って、自分自身完成した映画を観る日が楽しみで仕方ありません。
今恋の真っ最中って人、恋は憧れって人、そんなこともあったねと遠い目になるって人にも、笑顔いっぱいで楽しんでいただける映画になると思います。どうか期待のハードルを最大まで上げてお待ちください!
監督 塚原あゆ子
出会って、恋愛し、結婚して、家族になって。
重ねていく時間には何が存在するのでしょう。
いつか1人になった時、空いたソファーの半分に何が出来るのでしょうか。
全ての人に深く刺さる、壮大で素晴らしい台本です。
坂元裕二さんの優しい世界に生き生きと存在する松たか子さんと松村北斗さんを、どうぞ、お楽しみに。
慢心の世界を迷走し続ける三谷幸喜や遊川和彦と違い岡田惠和、野木亜紀子、坂元裕二は全然才能枯れないね。感心する。
端的に言うと「時をかけるオバサン」でした。最近のVFX技術向上の恩恵なのか松たか子、完全に若い頃の松たか子再現じゃん。吉岡里帆は最初の登場シーンは誰だか全然分からんかった。売出中の松村北斗もジャニタレとは思えないレベルで演技が落ち着いている。このまま行けば生田斗真、もっくん、岡田准一クラスには楽々到達しそう。
映画としては全般ゆったり楽しめましたが、しがないサラリーマン&舞台大道具スタッフ程度の夫婦が都内住みで最新のJEEP乗り回している事には違和感。せめてジムニー系とかでしょ。それと最後全部ゲロったのだから「当日あの場所でアレが落ちないよう」すればいいだけなのになんで流れ身を任せたのだろう?という脚本への疑問。それをいっちゃおしまいよ。ですかね。不仲世界線から最後の時間軸でのトライ&エラー描写(松村北斗マター)がなかったのも残念。
とまれストレスなき楽しい二時間を過ごせました。ありがとうございます。
満足度(5点満点)
☆☆☆