2024年11月18日
【映画評】ぼくとパパ、約束の週末 
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イントロダクション
ドイツ中の全56のサッカーチームを親子二人で見て、"推しチーム"を決める！仕事の合間を縫って、自閉症の息子ジェイソンと週末ごとに旅をする父親ミルコ。
この二人の実話が映画化されるとドイツでは、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー：VOLUME 3』や『ミッション:インポッシブル/デッドレコニングPART ONE』を押さえ、大ヒット！！
メガホンを取るのは、第55回ベルリン国際映画祭銀熊賞を受賞した『白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々』(05)、『5パーセントの奇跡〜嘘から始まる素敵な人生〜』(17)のドイツの名匠、マルク・ローテムント監督。父親ミルコ役に実力派俳優フロリアン・ダーヴィト・フィッツ（『100日間のシンプルライフ』）、難しいジェイソン役を見事演じ切ったセシリオ・アンドレセン、二人の旅を優しく見守る妻役にアイリン・テゼルらが脇を固める。ドイツ中を旅しながら笑って泣けるこの秋１番のエンターテインメント感動作、誕生。
ストーリー
特別な感性を持つジェイソンは、幼い頃から自閉症と診断されていた。生活に独自のルーティンとルールがあり、それらが守られないとパニックを起こしてしまう。ある日、クラスメイトから好きなサッカーチームを聞かれたのに答えることができなかったジェイソンは、56チームぜんぶを自分の目で見て好きなチームを決めたいと家族の前で言い出す。こうして、ドイツ中のスタジアムを巡る約束をしたパパとの週末の週末の旅が始まった。強いこだわりを持つジェイソンは、果たして推しチームを見つけることが出来るのか？
アスペルガーを演じた子役が上手。長距離列車の食事シーンを筆頭にウザすぎて気が狂いそう。ご家族の心労察します。
冒頭で書いた通りサッカードキュメンタリー代替目当てで鑑賞しましたが、殆どドイツのサッカー事情関係ないですね。言い方を変えるとサッカーに関心がない方が観ても非常に面白い内容。とはいえ個人的にはブンデス主要クラブの応援風景やサポ気質、スタジアム特徴、スタグル、スタジアムが立地するロケーションが知りたかった。（ドルトムントのゴール裏は流石に迫力あった。それとYou'll Never Walk Alone合唱も）（収録されたフォルトゥナ戦は田中碧が先発だったそうです）
誰しも思うのが本作のリメイク。例えば同じプロットでイングランド、イタリア、スペイン版があればそれぞれ鑑賞したいし、Jリーグ版があればメチャ楽しそう。亜流で北米のベースボールやバスケットボールがあっても楽しそうですし、インドネシアやタイなどサッカー新興国版もまた然り。
本作のメインテーマである情緒不安定な子供に戻りますが、今年見た同様の映画で優劣付けますと、同じくドイツ映画の「【映画評】システム・クラッシャー」が強烈過ぎ。次いで本作、一番弱いのがウエストハム・ユナイテッド少女を描いたイギリス映画「【映画評】SCRAPPER」の順ですね。という事でサッカー好き/嫌い関係なくいい映画です。
あと最後にサッカーの話。一時期大半の海外組日本人選手の受け皿となっていた本作のブンデスリーガですが、2024年シーズンよりその座がチャンピオンシップ（プレミア2部）、プレミア1部への地殻変動が徐々に始まっています。それが日本代表のFIFAランキング上昇固定化の恩恵なのか、三笘や冨安、遠藤の活躍のお陰でなのかは分かりませんが、Jリーグに対するFAバンドランクが最低レベルの6から5に引き上げられたのが直接の原因だそうで、長年の足枷であった日本人選手の英国就労ビザ発給が緩和され日本人選手のイングランド入団ラッシュを招いているのは間違いない事実。シャツ売り要員と揶揄されたアーセナル稲本やマンU香川の時代を考えると隔世の感があります。プレミア1部＆2部の半分程度に日本人選手が所属するようになれば、W杯8強入は間違いなく射的圏内だと確信します。とはいえJリーグのFAランキングはバンド5じゃなくバンド4が妥当だと思うのですが。
（バンド4はラ・リーガ2部、ブンデス2部等）
英労働許可証ルール改定、日本人選手のプレミア挑戦に追い風!! 資格外選手枠の設置、J1ランクアップ | ゲキサカ
それじゃ国内はどうなんだ？という件については、Jリーグはアジア版プレミアリーグ化を目指し、AFC配下選手の枠は完全撤廃、成長著しいアジアサッカー界の海外登竜門として門戸開放すればローコストハイリターンのビジネスモデル（アジア選手の欧州移籍金や配信権益、インバウンド集客など）が完成するかも。ただKリーグや（大失敗したけど）中国リーグに先を越されたら画餅に化すので、やるならお早めに。
満足度（5点満点）
☆☆☆
