2024年10月21日
【映画評】トノバン 音楽家 加藤和彦とその時代
mixiチェックイントロダクション
日本の音楽史を変えた先駆者、加藤和彦にフォーカスした初めてのドキュメンタリー映画
まだネットもSNSもなかった時代。若者世代が支えていた深夜ラジオから、日本全国へ人気が広まったザ・フォーク・クルセダーズの一員。ピンク・フロイドやロキシー・ミュージックを手掛けた新進気鋭のプロデューサー、クリス・トーマスが自らプロデュースしたいと名乗り出て日本よりも先にイギリスで評価されたサディスティック・ミカ・バンドのリーダー。高橋幸宏、坂本龍一、細野晴臣らのYMOメンバーの参加を得て、加藤和彦作品の金字塔と呼ばれたヨーロッパ三部作に代表されるソロアーティスト。作曲家、プロデューサー、アレンジャーの幾つもの顔を持ち、手掛けたアーティスト、楽曲は数えきれない。いつの時代も必ず一歩先にいた音楽家、それ故に後年悩みも深かった加藤和彦の、輝かしい軌跡を追う世界初のドキュメンタリー映画がついに完成した。
同じものは作らないをモットーにジャンルも多岐に渡る、加藤和彦の功績に迫る
フォーク、ロック、ボサ・ノヴァ、トロピカル・サウンド、レゲエ、タンゴなど、時代時代に敏感に、誰よりも深く研究し取り入れていた加藤。その楽曲の幅広さ、意外性は一人の音楽家の手によるものとは気がつかないかもしれない。本作では、加藤の人生、生きた時代を捉えながら、加藤にどのような変化があったのかを、関係者らの証言や当時の貴重な映像で紐解いていく。どこか飄々と時代を先取りしていた天才的な音楽家、加藤和彦のことを深く知ってほしい。
胸に響く音楽とは……歌い継がれていくことで時代を超えて愛される、名曲の数々
加藤和彦はその功績を知れば知るほど興味深い人物だった。今まで、もっと語られるべきでありながら、実はあまり語られていない。この映画は、高橋幸宏の加藤和彦に対する想いがきっかけとなり、『音響ハウス Melody-Go-Round』の相原裕美監督の呼びかけで映画の企画がスタート。本作では、彼の曲を愛する若い世代のアーティスト達がTeam Tonoban(加藤和彦トリビュートバンド)を結成、名曲「あの素晴しい愛をもう一度」を新たにレコーディング、その模様も描かれており、歌い継がれていくこと、語り継がれていくことの大事さをスクリーンに映し出している。
映画というフォーマットを使い加藤和彦というアーティストの人生のどこにフォーカスを当てるのか?については議論あるでしょうが、普通のメディアでは陽が当たらない「安井かずみとの常軌を逸した結婚から自殺まで」だったらお金を払ってでも観る価値があると思っております。そういう思いで鑑賞しましたが映画は、順風満帆で大活躍しました(尺90分程度)。ミカバンドは凄かったです(尺30分程度)。安井かずみと再婚しました(尺1分程度)。自殺しました(尺1分程度)。これでおしまい。おらは死んじまっただどころの話ではない。
絵に描いたような天才が転落する人生だったのに、肝心要な「彼はなぜ自死を選んだか?」について一言の説明もない。それどころか加藤和彦の太鼓持ちやゴマスリ仲間が加藤和彦の素晴らしい人生をもう一度と持ち上げるだけの実に気持ちが悪いドキュメンタリーとなっておりました。
吉田拓郎や竹内まりやインタビューはなんで昔の録画を使うの?一番身近だった妻たちや家族のインタビューがなぜ皆無なの?
人間のクズを聖人化するドキュメンタリーなど辟易します。タイトル通りとはいえ音楽家加藤和彦描写一辺倒で、人間加藤和彦は一切描かれていない。
そうそう。晩年の三部作リマスターから佐藤奈々子さんのコーラスを剥ぎ取った理由も知りたいけど全ては闇の中なのでしょうか。
満足度(5点満点)
☆
コメント
観に行ったけ面白かったよ。安井かずみとの時代の描かれ方が薄かったから、それに不満を持ってる人たちがいるのかも知れないが、むしろそういう装飾のない真の加藤和彦が描かれていたと思う。古くからの友人らの、「亡くなってもいつまでも仲間」感が感じられて良かった。
Posted by 名無し at 2024年10月21日 12:18
やはり自死された方なので皆な妙に奥歯に物が挟まった言い方が多かったので、既に15年経って個人的にはもう少し色々突っ込んでも良かったのではとか...(死の前日、東京ミッドタウンのディーン・デルーガにアロハ短パンで赤蕪を持ってぼーっと立っていた話しとか)
Posted by 名無し at 2024年10月23日 10:54
>人間のクズを聖人化するドキュメンタリー
こういう言い方
こういう言い方
Posted by at 2024年10月24日 06:55
言い方はよくないと思うけど、一連の安井かずみ騒動は完全に破滅型サイコパスでしょ?
Posted by bob at 2024年10月25日 10:49