2024年07月08日

【映画評】先生の白い嘘

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原作未読。元々観に行く気はなかったのですが、公開直前の作品紹介記事で「奈緒から打診されたがインティマシー・コーディネーターは拒絶したわ。あはは。」みたいな当該監督の鼻高々インタビューを読み、尚且つ本作製作委員会が朝日新聞と知り、最新型リベラルの社会尺度に俄然興味が湧き怖いモノ見たさで初日鑑賞。榊英雄、園子温の正統系譜を汲むとんでもない映画でした。

映画『先生の白い嘘』公式サイト

イントロダクション
人の奥底に抱える醜さと美しさをエグる 2024年、最もセンセーショナルな映画が誕生
本作は、ひとりの女性が抱える「自らの性に対する矛盾した感情」や、男女間に存在する「性の格差」に向き合う姿を描くことで、人の根底にある醜さと美しさを映し出したヒューマンドラマだ。原作は、漫画の連載が開始されるや否や、その衝撃的な内容が口コミで広がり、累計部数 100 万部を突破した鳥飼茜の同名漫画。誰もが目を背けたくなるような歪んだ感情を、痛々しくもリアルに描き切った渾身の一作を禁断の実写映画化。

主人公である高校教師・原美鈴を演じるのは、枠にとらわれない確かな演技力でいま最も注目を集めている実力派女優の奈緒。男女の「性差」を「格差」として振りかざす男性に対して、真正面から対峙する難役に挑み、圧倒的な演技で新境地を魅せる。ジェンダーのタブーに触れる繊細なテーマでありながら、美鈴という役柄に真摯に向き合った奈緒の渾身の演技は必見。美鈴が担任するクラスの男子生徒・新妻祐希を演じるのは、人気グループHiHi Jetsのメンバー・猪狩蒼弥。映画初単独出演ながら、物語の鍵を握る重要な役に大抜擢。強烈なトラウマを抱えた高校生という難しい役を見事に演じ切った。美鈴の親友・渕野美奈子を演じるのは、数々の話題作で唯一無二の存在感を放つ三吉彩花。地味で控えめな美鈴とは正反対で、男性に依存しながらも見栄を張り、表面を取り繕う美奈子という役で体当たりの妙演で魅せる。そして、美奈子の婚約者の早藤雅巳を演じるのは、風間俊介。早藤はエリートサラリーマンで人当たりも良く社交的だが、裏では女を見下して暴力をふるう猟奇的でサディスティックな二面性を持つ。これまで内面に闇を抱えた役を演じて注目されてきた風間だが、本作では過去に類を見ないほど狂気と憎しみに満ちた役柄で怪演を見せる。

監督を務めるのは、『弱虫ペダル』(20)、『植物図鑑 運命の恋拾いました』(16)など数々の作品を手掛けるヒットメーカーの三木康一郎。脚本は、東京ドラマアウォード2019の優秀脚本賞として「透明なゆりかご」と「きのう何食べた?」をダブル受賞するなど数々の脚本賞を受賞するなど、高い評価を得続けている安達奈緒子。主題歌は、SNSを中心に絶えず注目を集め、現在の音楽シーンを象徴するアーティスト・yamaが本作のために作詞を手掛けた「独白」。美鈴をはじめとする登場人物達の心情に寄り添う楽曲が、作品の終わりに深い余韻を残す。

ストーリー
傷つかないために見て見ぬふりをする、嘘をつく。そうしないと、生きていられないから――
高校教師の原美鈴(奈緒)は、教卓の高みから生徒達を見下ろし観察することで、密かに自尊心を満たしながら、女であることの不平等さから目を背けていた。ある日、美鈴は親友の渕野美奈子(三吉彩花)から早藤雅巳(風間俊介)と婚約したと告げられる。早藤こそ、美鈴に女であることの不平等さの意識を植え付けた張本人だった。
早藤を忌み嫌いながらも、早藤の呼び出しに応じてしまう美鈴。そんなある日、担当クラスの男子生徒・新妻祐希(猪狩蒼弥)から衝撃的な性の悩みを打ち明けられ、思わず美鈴は本音を漏らしてしまう。新妻は自分に対して本音をさらけ出した美鈴に魅かれていき……。そして、歪んだ愛憎渦巻く人間模様は思いもよらぬ狂気の世界へと向かっていく。その先で美鈴が見る景色とは——



主演女優オファーに難航、「10人くらい」に断られ⋯約10年かかった男女の性の格差を描いた 『先生の白い嘘』 | ENCOUNT
「奈緒さん側からは『インティマシー・コーディネーター(性描写などの身体的な接触シーンで演者の心をケアするスタッフ)を入れて欲しい』と言われました。すごく考えた末に、入れない方法論を考えました。間に人を入れたくなかったんです。ただ、理解しあってやりたかったので、奈緒さんには、女性として傷つく部分があったら、すぐに言って欲しいとお願いしましたし、描写にも細かく提案させてもらいました。性描写をえぐいものにしたくなかったし、もう少し深い部分が大事だと思っていました」

↓大炎上後の初日舞台挨拶会見
【全文掲載】映画『先生の白い嘘』公開初日舞台挨拶【完全レポート】 – NB Press Online
MC「製作・宣伝の場においても、俳優、そしてあらゆる立場のスタッフが心、身体、そして人権が尊重され、守られることを強く望んでおります。生意気ですが、意見を述べさせていただきました」
松竹プロデューサー「この度、様々なご意見・ご批判をいただいたことを受け、これまで私どもの認識が誤っていたことをここにご報告を申し上げると共に、制作陣一同、配慮が十分ではなかったことに対し、深く反省をしております。本作を楽しみにお待ちいただいているお客様、原作の鳥飼先生、出演者、スタッフの皆様に不快な思いをさせてしまったことを心よりお詫び申し上げます」
三木康一郎監督「私の不用意な発言により、皆様に多大なるご迷惑とご心配をおかけしたことを、この場を借りて謝罪したいと思います。申し訳ありませんでした。さらに、関係者、スタッフ、キャスト、彼らにも大きな大きな苦しみを与えてしまったことを、この場で謝罪したいと思います。本当に申し訳ありませんでした。さらに、原作の鳥飼茜先生、ものすごくこの作品に尽力していただいたにも関わらず、裏切るような形になってしまい、本当に申し訳ありませんでした」
主演:奈緒「色々なやり取りがあり、すれ違いがあったことも事実です。でもそれは当人同士の問題として、私は権力に屈するようなことは一切なく、対等な話し合いと言いますか、対等な関係で監督ともお話をしましたし、言いたいことは伝えました。伝えた上で、お話し合いを自分の中ではしていたと思っていた上で、どうしても現場に対してちょっと不十分だと思う部分が正直ありました」
助演:風間俊介「これから映画館に行こうかどうか迷っていらっしゃる方、中にはいると思うんですね。そして、今じゃないかもしれないと思っていらっしゃる方がいたら、その言葉に従っていただきたいなと個人的には思っております」
助演:三吉彩花「今回この作品は、どの役者もそうですし、身も心も削って向き合って臨んだ作品だと思うと、本当に色々複雑な気持ちになったり、いろんなことが起こってしまったり、観ていただいた皆様にも何かそういう複雑な気持ちにさせてしまっているのかなと思うと、すごく申し訳ない気持ちもあります」
原作:鳥飼茜「漫画で線と文字で表現する以上の壮絶さが伴うはずだったことに、私は原作者としてノータッチの姿勢を貫いてしまった。原作者として丸投げしてしまったこの責任を強く感じるに至り、反省した」

個人的に大好きな映画監督はミヒャエル・ハネケ、クローネンバーグ親子、ラース・フォン・トリアー、ミシェル・フランコ、ギャスパー・ノエ等でエログロには十分耐性はあるのですが、それでも全般不快感。「殴られレイプされ気持ちいい」のを延々大真面目にやっている感じ。それならそれで復讐劇にでも転ずればいいのに「私は戦いました」って、どこが戦ってるの?エログロの美学も、カタルシスも一切なし。話は面白くないしレイプ謳歌して意味分からんし、中盤からダレてダレて退屈極まりない。勿論熱演する奈緒さんや風間俊介の評価が下がることは一ミリもありませんが、なんでこんな怪作駄作に出演したのだろう?

という事で本作の三木康一郎監督は藤井道人、岸善幸と共に私のNGポンコツ監督リスト入り決定。最近の映画作品では岸善幸「正欲」、森達也「福田村事件」、瀧悠輔「クレイジークルーズ」と甲乙つけ難い駄作でした。時間とお金の無駄。レイプ系AVが好きな人にはオススメ。

満足度(5点満点)



Posted by kingcurtis 固定リンクComments(1)映画 
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コメント
自ら地雷を踏みに行く
さすがbob兄さん
Posted by   at 2024年07月08日 12:45
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