2023年10月06日
【映画評】ファルコン・レイク
mixiチェックイントロダクション
恋が、なにかも知らなかった──14歳を迎える少年と16歳の少女の〈忘れられないひと夏〉
もうすぐ14歳になる少年バスティアンは、母の友人ルイーズのもとでひと夏を過ごすため、家族でフランスからカナダ・ケベックの湖畔にあるコテージを訪れる。森、湖、深い自然に囲まれて過ごす数日間。メランコリックで大人びた雰囲気の3つ年上のルイーズの娘・クロエに惹かれていくバスティアンは、彼女を振り向かせるため幽霊が出るという湖へ泳ぎに行くが──。
14歳を迎える少年と16歳の少女。子どもに戻ることも大人になりきることもできない2人が初めて感じる、特別な絆と感情。刻々と変化する、人生で1度しか訪れない “トワイライトゾーン” を16mmフィルムならではの親密な映像美で映し出す。眩い光と夕闇の不穏さが溶け合う湖。 2人だけの秘密──。誰もが大切にしまいたくなるような、あまりに切なくて残酷で美しいひと夏が描かれる。
想像し得ない結末に、世界が心を奪われた全く新しい青春映画の傑作誕生。俳優にして監督、新鋭シャルロット・ル・ボンの長編デビュー作
監督を務めるのは、『ムード・インディゴ うたかたの日々』(13/ミシェル・ゴンドリー監督)、『イヴ・サンローラン』(14/ジャリル・レスペール監督)など数々の話題作へ出演、フランスを拠点に俳優としても活躍する新鋭シャルロット・ル・ボン。初の長編監督作ながら脚本も手掛けた本作は、第75回カンヌ国際映画祭での上映を皮切りに、第58回シカゴ国際映画祭ゴールド・ヒューゴ (新人監督賞)など世界中の映画祭で受賞を重ね、大きな注目を集める。ル・ボン監督の独創的な世界観と映像美は高く評価され、第76回カンヌ国際映画祭では短編部門の審査員に抜擢された。
原作は、文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞に輝き、日本でも人気を博すバンド・デシネ (フランス語圏のマンガ)の名手バスティアン・ヴィヴェスによる「年上のひと」(リイド社刊)。原作者も映像化はできないと考えていた繊細な物語が、見事に映画化された。主人公バスティアン役には、撮影時14歳の新星ジョゼフ・アンジェル。ヒロインのクロエ役に約400人の中から選ばれたサラ・モンプチ。さらに、グザヴィエ・ドラン作品の常連モニア・ショクリも主人公の母親役として出演。瑞々しい10代の逸材と実力派俳優陣が圧倒の存在感で物語へと惹き込む。原作をベースにしながらも、映画オリジナルで紡がれる想像し得ない衝撃のラスト。観る者の心を掴んで想像し得ない結末に、世界が心を奪われた全く新しい青春映画の傑作誕生。俳優にして監督、新鋭シャルロット・ル・ボンの長編デビュー作
ストーリー
ある夏の日。もうすぐ14歳になるバスティアンは、両親と歳の離れた弟と一緒にフランスからカナダ・ケベックにある湖畔の避暑地へとやってくる。
2年ぶりに訪れる湖と森に囲まれたコテージ。母の友人ルイーズと娘のクロエと共に、この場所で数日間を一緒に過ごす。
久しぶりに再会したクロエは16歳になっていて、以前よりも大人びた雰囲気だ。桟橋に寝転んでいたクロエは服を脱ぎ捨てると、ひとり湖に飛び込む。
「湖の幽霊が怖い?」
泳ぎたがらないバスティアンをおどかすようにクロエが話す。
大人の目を盗んで飲むワイン、2人で出かけた夜のパーティー。
自分の知らない世界を歩む3つ年上のクロエに惹かれていくバスティアンは、帰りが迫るある夜、彼女を追って湖のほとりへ向かうが——。
冒頭のシーンはビクッとなります。見せ方上手い。タイトルからネタバレ全開ですし、何時来るのかと目を離せない展開が続きましたがそう来たか。そっちか。
おじさん達はもうみんな忘却の彼方でしょうが、13才の少年時、夏休み、偶然同居する羽目となった高校生のお姉ちゃんと寝起きして、おっぱい大きいし、危ないこと教えてくれるし、悪いこと教えてくれるし、一緒にお風呂入ってくれるし、手コキしてくれるし、夢精しちゃうし、そんな夢をみな一度は思い描いたこともあるでしょう。
甘酸っぱさと不穏さが交互に襲ってくる印象深い良作です。
満足度(5点満点)
☆☆☆