2023年08月28日
【映画評】あしたの少女
mixiチェック「美男美女の恋人が実は兄弟だったが結局兄弟じゃなかったけど敵に復讐し二人が結ばれる前に交通事故で死んだお涙頂戴」みたいな総じて知的レベルが低い韓流テンプレに興味がないので韓国ドラマは基本観ないのですが、10年ほど前に観たチョン・ジュリ監督作品が「テンプレ化した韓国ドラマらしくなく」好印象だったので、本作も期待し鑑賞。
イントロダクション
ある高校生の死をめぐる衝撃的な実話を映画化。『私の少女』から8 年−チョン・ジュリ監督、待望の最新作!韓国を代表するスター女優ペ・ドゥナ×新星キム・シウン 労働搾取の犠牲者となった少女の悲劇と生のきらめきを描く。
本作は、2部構成となっており、ソヒが実習生としてコールセンターで働く前半のパートは、物語のベースになった実際の事件を忠実に再現。もう1人の主人公、刑事ユジンが登場する後半はチョン監督の創作で、韓国の労働問題を追及してきたジャーナリストらに触発され、ユジンのキャラクターを構築したという。1つの事件を2つの視点で描くというユニークな着想と、ユジンがソヒの足取りを追体験していく捜査のプロセスは、2つの異なる時間軸が共鳴するような感覚を観る者にもたらす。そして、それを象徴する、あるシーンの“光”をモチーフにした演出は、観客それぞれの想像力を刺激せずにはいられない。
2022年、韓国映画として初めて「カンヌ国際映画祭」の批評家週間の閉幕作品として選ばれ、「第23回東京フィルメックス」での審査員特別賞受賞の他、多数の国際映画祭での受賞を果たすなど、映画ファンから日本での劇場公開が待ち望まれていた作品が遂に公開となる。
ストーリー
高校生のソヒ(キム・シウン)は、担任教師から大手通信会社の下請けのコールセンター運営会社を
紹介され、実習生として働き始める。しかし、会社は顧客の解約を阻止するために従業員同士の競争をあおり、契約書で保証された成果給も支払おうとしなかった。そんなある日、指導役の若い男性チーム長が自殺したことにショックを受けたソヒは、自らも孤立して神経をすり減らしていく。やがて、凍てつく真冬の貯水池でソヒの遺体が発見され、捜査を担当する刑事・ユジン(ペ・ドゥナ)は、彼女を自死へと追いやった会社の労働環境を調べ、いくつもの根深い問題をはらんだ真実に迫っていくのだった…
劇伴はほとんどなく、前半戦はドキュメンタリー寄せでの演出意図を感じました。ビッグモーター並みのブラック企業描写に日本人から見ても違和感なく、不条理な学校側の対応は日本のそれとはまた違ったように見え、我々が知る由もない韓国宿痾の一端が垣間見えました。前半とは一転する後半の答え合わせパートも違和感なくよかった。何も解決しないけどね。
現地人が自虐する「ヘル韓国」っていうのでしょうか。こういう雁字搦めな閉塞状況ならそりゃ、現状を打破するとうそぶくリベラル政党に期待し、整形で人生一発逆転を夢み、我々の生活を苦しめる反米反日相手にロウソクデモで現実逃避するわなあ。「日本は大嫌いだけど今度生まれ変わるなら日本人になりたい」という一見矛盾する彼らの思考もこういう映画みれば何となく分かります。流石に我が国はここまで腐っていない。と信じたい。とはいえビッグモーターのドラマ化希望。
しかしペ・ドゥナ老けたなあ。
満足度(5点満点)
☆☆☆