2023年08月23日

【映画評】クライムズ・オブ・ザ・フューチャー

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俺たちのデヴィッド・クローネンバーグ翁(80)が怪作「【映画評】マップ・トゥ・ザ・スターズ」以来、ほぼ10年振りに新作引っ提げたとの事で、怖いもの見たさで鑑賞しました。

映画『クライムズ・オブ・ザ・フューチャー』オフィシャルサイト

イントロダクション
『クラッシュ』『イグジステンズ』『ヒストリー・オブ・バイオレンス』など数々の受賞歴と共に物議をかもしてきた映画作家デヴィッド・クローネンバーグ。第75回カンヌ国際映画祭コンペティション部⾨に出品され、退出者が続出した賛否両論の問題作がいよいよ⽇本公開となる。主演は『グリーンブック』のヴィゴ・モーテンセン。⾃⾝のカラダから臓器を⽣み出すアーティスト・ソールを演じ、パートナーのカプリースに『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』のレア・セドゥ、⼆⼈を監視する政府機関のティムリンに『スペンサー ダイアナの決意』のクリステン・スチュワートという豪華キャストが揃った。製作に20年以上を費やした最新作のテーマは「⼈類の進化についての黙想」。⻤才監督が創造する⼈類の進化とは︖

監督メッセージ
本作は人類の進化についての黙想です。
つまり、人間がこれまで存在しなかった非常にパワフルな環境を作り出したため、そのプロセスを制御しなければならなくなった世界を描いているのです。本作は私がこれまでしてきたことを進化させた作品です。私の作品を見たことのあるファンの方々なら、私の過去作で見たことのあるシーンや瞬間を見つけることができるでしょう。それは、人間の体と関連付けるという、以前から継続した私のテクノロジーに対する見解です。見た目がとても機械的で人とはかけ離れていたとしても、テクノロジーは常に人の体の延長です。こん棒や石を投げることで拳(こぶし)は強くなりますが、最終的には、そのこん棒や石は、人体がすでに持っているある種の潜在能力の延長なのです。人類の歴史における重要な分岐点にある今、私たちが作り出した問題を、人体を進化させることで解決することができないだろうか?気候危機の解決策としてだけでなく、我々が成長し、繁栄し、生き残るために、人の消化器官を進化させ、プラスチックや人工素材を消化できる身体にすることはできないだろうか?

ストーリー
そう遠くない未来。人工的な環境に適応するよう進化し続けた人類は、生物学的構造の変容を遂げ、痛みも消えた。“加速進化症候群”のアーティスト・ソールが体内に生み出す新たな臓器に、パートナーのカプリースがタトゥーを施し摘出するショーは、チケットが完売するほど人気を呼んでいた。しかし政府は、人類の誤った進化と暴走を監視するため“臓器登録所”を設立。特にソールには強い関心を持っていた。そんな彼のもとに、生前プラスチックを食べていたという遺体が持ち込まれる…。

デヴィッド・クローネンバーグ
監督・脚本
1943年3月15日生まれ、カナダ・トロント出身。

幾つかの短編映画・TV作品を制作したのち、『シーバース/人喰い生物の島』(75/未)で劇場映画デビュー。1981年、『スキャナーズ』で脚光を浴び、『ビデオドローム』(82)、『ザ・フライ』(86)と強烈な作品を世に送り出し続け、カルト的な人気を獲得。その一方で『クラッシュ』(96)で第49回カンヌ国際映画祭審査員特別賞受賞、『イグジステンズ』(99)で第49回ベルリン映画祭銀熊賞受賞、『ヒストリー・オブ・バイオレンス』(05)では、カンヌ国際映画祭パルム・ドールやアカデミー賞にノミネート。『イースタン・プロミス』(07)でも数多くの映画際でノミネートされ、世界的な評価を確固たるものとした。この数年で『クラッシュ 4Kレストア無修正版』、『ビデオドローム 4K ディレクターズカット版』、『裸のランチ 4Kレストア版』がリバイバル上映、クローネンバーグ特集上映が組まれるなど、既に新作の撮影も控えていることから衰えを全く感じさせない活躍を見せ続けている。

フィルモグラフィ
1975年 『シーバース/人喰い生物の島』
1977年 『ラビッド』
1979年 『ファイヤーボール』
1979年 『ザ・ブルード 怒りのメタファー』
1981年 『スキャナーズ』
1982年 『ビデオドローム』
1983年 『デッドゾーン』
1986年 『ザ・フライ』
1988年 『戦慄の絆』
1991年 『裸のランチ』
1993年 『エム・バタフライ』
1996年 『クラッシュ』
1999年 『イグジスデンズ』
2002年 『スパイダー 少年は蜘蛛にキスをする』
2005年 『ヒストリー・オブ・バイオレンス』
2007年 『イースタン・プロミス』
2011年 『危険なメソッド』
2012年 『コズモポリス』
2014年 『マップ・トゥ・ザ・スターズ』

当方、生粋のクローネンバーグっ子でございます。
本作ですが散りばめられた一連の監督過去作オマージュに、キャンディーズ「微笑がえし」みたいな「私たち普通のお爺さんに戻ります」宣言と受け取りました。レア・セドゥのおっぱいは確かに立派だし、プラスチック少年のおちんちんにも思わず目が行きましたが、感情移入乏しく嘗ての視覚的衝撃もそこになく、正直表層的な珍妙さしか受けませんでした。アイデアはいいのだけれどね。

とはいえ同じタイミングで公開されたアルジェント翁の「【映画評】ダークグラス」よりキチンと映画作品になっているのが凄い。と少々持ち上げましたがやっぱもう限界なんだろうな。そういう意味ではクリント・イーストウッド翁はバケモノじみている。映画界の三笘薫かよ。
クリント・イーストウッドが公式に引退宣言か?キャリア最後の映画を製作へ? - SCREEN ONLINE(スクリーンオンライン)

満足度(5点満点)
☆☆






Posted by kingcurtis 固定リンクComments(0)映画 
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