2023年06月29日
【映画評】ソフト/クワイエット
mixiチェックイントロダクション
『ゲット・アウト』『セッション』のブラムハウス最新作!”異次元”の映像体験と”人間の恐怖”を暴く
驚愕の90分リアルタイム・スリラー
21世紀のハリウッドにおけるホラー、スリラー映画の潮流は、ブラムハウス・プロダクションの躍進に触れずには語れない。プロデューサーのジェイソン・ブラムが2000年に設立したこの映画会社は、『パラノーマル・アクティビティ』『パージ』や再起動版『ハロウィン』といった大ヒット・シリーズを世に送り出し、デイミアン・チャゼル監督の『セッション』、ジョーダン・ピール監督の『ゲット・アウト』で全米の賞レースを席巻。優れた才能と企画を発掘する目利き力、ジャンル・ムービーの醍醐味と新たな可能性を追求する同社の製作スタンスは、世界中の映画ファンの熱烈な支持を得ており、今年も『ハロウィン THE END』『M3GAN ミーガン』といった話題作の公開が控えている。
そんなホラー&スリラー界のトップブランド、ブラムハウスが新たに放つ『ソフト&クワイエット』は、大胆な撮影手法とセンセーショナルなテーマを融合させた衝撃的な問題作。92分の全編をワンショットで映像化し、アメリカで社会問題化しているヘイトクライム(憎悪犯罪)の狂気をえぐり出す。わずか4日間のリハーサルで撮られたとは信じがたい完成度を誇る本作は、SXSW2022でのプレミア上映で大反響を呼んだのち、映画批評サイトのRotten Tomatoesで86%、Metacriticで 82%の高評価を獲得。このうえなくリアルな没入感と息づまる緊迫感に圧倒されずにいられない体感型クライム・スリラーである。
ストーリー
とある郊外の幼稚園に勤める教師エミリーが、「アーリア人団結をめざす娘たち」という白人至上主義のグループを結成する。教会の談話室で行われた第1回の会合に集まったのは、主催者のエミリーを含む6人の女性。多文化主義や多様性が重んじられる現代の風潮に反感を抱き、有色人種や移民を毛嫌いする6人は、日頃の不満や過激な思想を共有して大いに盛り上がる。やがて彼女たちはエミリーの自宅で二次会を行うことにするが、途中立ち寄った食料品店でアジア系の姉妹との激しい口論が勃発。腹の虫が治まらないエミリーらは、悪戯半分で姉妹の家を荒らすことを計画する。しかし、それは取り返しのつかない理不尽でおぞましい犯罪の始まりだった……。
最後まで飽きることもなく鑑賞出来ましたが、この手のコンテンツに必須な「後味の悪さ」ってのはあまり感じられませんでした。ミシェル・フランコとかラース・フォン・トリアー、ミヒャエル・ハネケの各作品みたいなヤツね。申し訳ないけどワンショットである必然性も感じられないし、脚本も雑。「わずか4日間のリハーサルで撮られた」割にはよく出来ているね〜って感じかな。
例えば発狂するリベラルや反ワク集団、保護対象者を政治活動の尖兵へ改造する怪しいボランティア団体、LGBT、BLM軍団、北欧でブイブイいわせてる移民ギャング集団、ドイツ人狩りするユダヤ半グレなど社会的弱者と詐称し正義を掲げるフテキセツな面々が無謬な市民に襲いかかる系映画をハネケ「ファニーゲーム」プロットを借用し今風にアレンジして描いたら超面白いと思うけどね。否、ぞっとする。
満足度(5点満点)
☆☆