2022年02月07日
【映画評】グレート・インディアン・キッチン
mixiチェック「北米大陸の保護区で暮らすネイティブアメリカンの素晴らしい郷土料理を紹介するドキュメンタリー映画」と思ったら大間違い。まだ2月だけど当ブログ本年上半期トップ5入りは間違いなかろう。日本で上映されるインド映画とか中東映画とか本当外れないなぁ。配給会社が吟味しているのは当然だとしても。
イントロダクション
家は戦場だった。キッチンは独房だった。
コロナ禍のインドで配信公開され、多くの視聴者が衝撃を受けた“ホームドラマ”。
これは本当に映画だろうか、これは現実そのものではないか―。娯楽を求めて再生ボタンを押した観客の多くがこう自問自答したという静かな衝撃作品『グレート・インディアン・キッチン』。コロナ禍のため映画館が休館していた2021年1月のインド。多くの新作映画が配信公開に踏み切り、本作も地域言語専門の配信サービスでひっそり公開された。一部のシーンがセンシティブな宗教問題に触れていたため、炎上を恐れた大手配信会社には拒絶されたからだ。だが、配信が始まるとSNS上には作品への共感があふれ、徐々に大きな旋風となっていった。反響を受けて配信大手アマゾン・プライムビデオがインド国内外に向け配信を開始すると、BBCでは「家父長制の暗部を見事に切り取り、日々の暮らしに潜むおぞましさに光を当てた作品」と大きく紹介された。舞台のケーララ州は識字率の高さで知られ、女性の社会進出も進み、後進的な地域ではない。だがジヨー監督は、「彼女の苦悩は全インド人女性のものだ」と、本作のテーマの普遍性を語る。家事労働と権力にまつわるジェンダー間のアンバランスの問題を、本作は歴史ある邸宅の薄暗いキッチンから社会に問いかける。
ストーリー
妻が家事から解放されるのは、 自身が「穢れ」となる日だけだった。 インド南西部ケーララ州で、高位カーストの男女がお見合いで結婚する。中東育ちでモダンな生活様式に馴染んだ妻は、夫の住む由緒ある邸宅に入り、姑に導かれて家事のあれこれを学んでいくが、ほどなく姑は嫁いだ娘の出産準備のため家を離れる。彼女は一人で家事全般を受け持つことになる。さらに、早朝からの家事労働で消耗していても、夜には夫の求める身勝手なセックスを拒むことができない。そうした重荷から逃れられるのは、皮肉にも生理の期間だけ。しかしそれは、彼女が穢れた存在と見なされる数日間でもあった。
身も蓋もない事を申し上げますに、婚約する前に将来についてお互いに確認し合う必要があったんだよね。それぞれの家のルールなので何が間違いみたいな議論ではない。ましてや同カーストでこの有様であればカースト違いは推して知るべし。
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これ各国版作って比較したら面白そう。所謂先進国と称されるイギリスでもフランスでもアメリカでも異邦人や異教徒からしたら理解できない家のルールは多々ありそうですし、勿論東アジアの中国でも韓国でも日本でも同様。韓国みたいな儒教が原理主義化している国の寒村部へ嫁いだベトナム女性とか合同結婚式で嫁いだ日本女性が脱走したとか監禁されたとか殺したとか自殺したとか以前より報道されているし、日本国内でも土着的家庭内ルールは色々あるよな。
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「婚活」で韓国人男性が締め出されるわけ:- ITmedia ビジネスオンライン
という事で珍しく踊らないインド映画かと思ったら、そうではなかった。
満足度(5点満点)
☆☆☆☆