2021年02月05日
【映画評】聖なる犯罪者
mixiチェックイントロダクション
2019年ヴェネチア国際映画祭内のヴェニス・デイズ部門でプレミア上映された本作は、その後トロント国際映画祭ほか世界中の映画祭で上映され数多くの賞を獲得した。またポン・ジュノ監督『パラサイト 半地下の家族』やペドロ・アルモドバル監督『ペイン・アンド・グローリー』と肩を並べて第92回アカデミー賞R国際長編映画賞に見事ノミネートされた。ポーランド代表作品がノミネートされたのは前年の『COLD WAR あの歌、2つの心』(18)に続き2年連続の快挙である。2020年3月2日ワルシャワで行われたポーランドのアカデミー賞とされる2020 ORL Eagle Awardsでは監督賞、作品賞、脚本賞、編集賞、撮影賞ほか11部門を受賞した。監督は本作が3作目となるポーランド出身のヤン・コマサ。長編デビュー作「Suicide Room」(11)は第61回ベルリン国際映画祭パノラマ部門に正式出品され、長編2作目となる『リベリオン ワルシャワ大攻防戦』(14)は本国ポーランドで180万人を動員する大ヒットとなった。最新作『ヘイター』(20/Netflixで配信中)ではトライベッカ映画祭のインターナショナル・ナラティブ部門で最優秀作品賞を受賞し、米HBOがTVシリーズ化することも決定した。主演は、弱冠28歳のバルトシュ・ビィエレニア。一度見ると忘れることのできない強い眼差しから放たれる、天使と悪魔の両面性をもった人物の危うさ、畏れ、悲しみ、怒り、諦めなど観る者を不安にさせるほど予測不可能なリアクションで見事に演じた。今ポーランド映画界を牽引する気鋭監督と若手俳優による渾身の衝撃作がいよいよ日本上陸となる。
ストーリー
少年院で出会った神父の影響で熱心なキリスト教徒となった20歳の青年ダニエルは、前科者は聖職者になれないと知りながらも、神父になることを夢見ている。仮釈放が決まり、ダニエルは少年院から遠く離れた田舎の製材所に就職することになった。製材所への道中、偶然立ち寄った教会で出会った少女マルタに「司祭だ」と冗談を言うが、新任の司祭と勘違いされそのまま司祭の代わりを任された。司祭らしからぬ言動や行動をするダニエルに村人たちは戸惑うが、若者たちとも交流し親しみやすい司祭として人々の信頼を得ていく。一年前、この村で7人もの命を奪った凄惨な事故があったことを知ったダニエルは、この事故が村人たちに与えた深い傷を知る。残された家族を癒してあげたいと模索するダニエルの元に、同じ少年院にいた男が現れ事態は思わぬ方向へと転がりだす…。
修道女はファックして気付いた訳か。どこまでが史実かは存じませんが、嘘バレの恐怖を描くのではなく、仮面を被った狂気を描くでもなく、イノセントな目線が痛々しい感じ。例の未亡人然り所謂ハッピーエンドっぽいのが救い。
ポーランド映画はそこそこ鑑賞していますがなんでみんな作風が暗いんだろう?中毒性あるから嫌いじゃないです。
満足度(5点満点)
☆☆☆
去年のアカデミー賞国際長編ノミネート作品は、レ・ミゼラブル(2020)以外全部観た計算になります。全部☆3つか。
【映画評】ペイン・アンド・グローリー ☆☆☆
【映画評】パラサイト 半地下の家族 ☆☆☆
【映画評】ハニーランド 永遠の谷 ☆☆☆