2020年07月14日

【映画評】WAVES/ウェイブス

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定番化の兆しを見せつつあるA24謹製オシャレ黒人青春映画。

WAVES

イントロダクション
世界中の映画ファンが注目する新進気鋭のスタジオA24が放つ最新作
『ムーンライト』(16)、『レディ・バード』(17)、『ヘレディタリー/継承』(18)など、次々と話題作を発表してハリウッドに新風を吹き込む映画制作会社、A24。その作品はどれも個性的で、同時にアカデミー賞にノミネートされるほどのポテンシャルを持つ精鋭揃い。青春映画、ホームドラマ、ホラー……どんなジャンルの作品も、斬新な切り口でフレッシュな物語にアップデートしてきた。今やアメリカ映画界の最前線に立つ存在になったA24が、2020年代の幕開けに用意したのが『WAVES/ウェイブス』だ。

全編に流れる全ての曲が、感情に寄り添い、歌詞が心の声を伝える。フランク・オーシャン、ケンドリック・ラマー、カニエ・ウェスト、レディオヘッドetc

超豪華アーティストによる今の時代を映す名曲の数々。ミュージカルを超えた<プレイリスト・ムービー>の誕生。
本作の主役とも呼べるのは、今の音楽シーンをリードする豪華アーティスト達が手掛ける31の名曲。トレイ・エドワード・シュルツ監督が事前に本編に使用する楽曲のプレイリストを作成し、そこから脚本を着想し製作された。監督自身が“ある意味でミュージカルのような作品”と語るように、全ての曲が登場人物の個性や感情に寄り添うように使用され、時には音楽がセリフの代わりに登場人物の心の声を伝える。
従来のミュージカルとは一味違う<プレイリスト・ムービー>と呼べるだろう。加えて、オリジナル・スコアをナイン・インチ・ネイルズのリーダーとしてグラミー賞を受賞、映画『ソーシャル・ネットワーク』でアカデミー賞作曲賞を受賞したトレント・レズナーが手掛けていることも要注目だ。

躍動するサウンド、カラー、ストーリー映画の無限の可能性を感じさせる135分

息もできないほどの感傷と明日への希望が、波のようにあなたを包む。
昨年9月のトロント国際映画祭で『パラサイト』『ジョジョ・ラビット』などアカデミー賞を争う注目作が上映される中、同映画祭始まって以来、最長のスタンディングオベーションを浴びたと一躍話題をさらった本作。「一生に一度の傑作」「今年、最もまばゆい体験」とメディアから熱狂的な支持を受けた。手掛けたのは名匠テレンス・マリックの元で腕を磨いてきた弱冠31歳のトレイ・エドワード・シュルツ監督。本作がまだ長編3作目でありながら、誰もが体験する青春の挫折、恋人との別れと出会い、親子の確執、家族の絆、そしてすべての傷を癒す愛といったさまざまなテーマを、実験的かつ現代的な手法で見事に描き切り、観客の心を鷲掴みにした。
スクリーンいっぱいに躍動するサウンド、息を呑むほど美しい色彩と独創的なカメラワーク、登場人物の心情を疑似体験させるストーリーテリングは、いまだかつてない映画体験だと称賛され、観る者に映画の無限の可能性を感じさせる。とりわけサウンドに乗ってカメラが360度回転するオープニングの7分間は圧巻だ。そして135分後、息もできないほどの感傷と明日への希望が胸に広がるだろう。

製作はアカデミー作品賞を受賞した『ムーンライト』、話題となった『ミッドサマー』を始め設立後わずか10年足らずでアカデミー賞の常連となった気鋭のスタジオA24。主人公を演じるのは、『イット・カムズ・アット・ナイト』に続きシュルツ監督とタッグを組むケルヴィン・ハリソン・Jr。主人公の妹には、Netflix「ロスト・イン・スペース」で注目を集めたテイラー・ラッセル。更に若手実力派ルーカス・ヘッジズ、大ヒットテレビシリーズ「THIS IS US」で全米大人気のスターリング・K・ブラウンなどが脇を固める。

ストーリー
傷ついた今日も、癒えない痛みも、愛の波が洗い流すー
高校生タイラーは、成績優秀なレスリング部のエリート選手、美しい恋人アレクシスもいる。厳格な父親ロナルドとの間に距離を感じながらも、恵まれた家庭に育ち、何不自由のない生活を送っていた。そんなある日、不運にも肩の負傷が発覚し、医師から選手生命の危機を告げられる。そして追い打ちをかけるかのように、恋人の妊娠が判明。
徐々に狂い始めた人生の歯車に翻弄され、自分を見失っていく。そしてある夜、タイラーと家族の運命を変える決定的な悲劇が起こる。

一年後、心を閉ざして過ごす妹エミリーの前に、すべての事情を知りつつ好意を寄せるルークが現れる。ルークの不器用な優しさに触れ、次第に心を開くエミリー。やがて二人は恋に落ちるが、ルークも同じように心に大きな傷を抱えていた。そして二人はお互いの未来のためにある行動に出る・・・。




ガチャガチャした曲が続く中、エイミー・ワインハウスのチークタイムシーンは際立って印象的でした。



グザヴィエ ・ドランの二番煎じとしか思えないアスペクトレシオ技はさほど興味なし。車中でグルングルン回るカメラアングルは面白かったです。並走する車とリレーションシップするとか周りの風景に明確な意図があればユニークな表現手法になりそう。

後半パートの車中で妹の横顔に影が差すシーンを典型に、メディアが絶賛するように映像と音楽のシンクロは諸手を挙げて称賛しますが、天は二物を与えずというかストーリーが物足りないよなぁ。客観的に考えるなら本作はディテールの妙を味わうのではなく映像と音楽と演技を五感で味わう作品なんだろう。意地悪な喩えをするとスマホサイズ映画。

満足度(5点満点)
☆☆☆



Posted by kingcurtis 固定リンクComments(0)映画 
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