2020年02月14日
【映画評】37セカンズ
mixiチェックイントロダクション
ベルリン映画祭史上初の2冠!世界中が熱狂した才能と感性にハリウッドからオファー殺到!2020年を代表する傑作が日本にいよいよ上陸。
本作は2016年、世界のインディーズ作家の登竜門である「サンダンス映画祭」とNHKが主宰する脚本ワークショップで日本代表作品に選ばれ、映画化へ動き出した。そして2019年3月、世界三大映画祭のひとつ「第69回ベルリン国際映画祭」パノラマ部門でワールドプレミア上映され、観客が熱狂。「パノラマ観客賞」と「国際アートシネマ連盟(CICAE)賞」を映画祭史上初のW受賞という快挙を遂げる。さらに同年4月には第18回トライベッカ映画祭Viewpoints部門(米ニューヨーク)で北米プレミアされ、9月には第44回トロント国際映画祭でも大きな話題を集めた。メガホンを取ったのは、18歳で単身留学し、ジョージ・ルーカス、ロバート・ゼメキス、ロン・ハワードら映画監督を輩出した南カリフォルニア大学で学び、短編『Tsuyako』(11)、『A Better Tomorrow』(13)が世界で注目を集めた新鋭の監督・HIKARI。これが長編映画、初挑戦となるが、本作は早くもハリウッドの目に止まり、監督にオファーが殺到。
マイケル・マンが総監督を務めるのテレビシリーズの数話分の監督も決定し、ユニバーサル・ピクチャーズ他、次々と映画の大型プロジェクトが動き出している。
ワールドワイドなスタッフィングと新たなヒロイン、そして着実なキャリアを積んできた俳優たちがリアリティとファンタジーの間を埋めていく。ヒロインを演じたのは、出産時に身体に障害を負った23歳(当時)の佳山明(かやまめい)。当初、女優の起用を検討したが、健常者が障害者の役を演じることに強い疑問を抱いた監督の意向により、オーディションによって100人の候補から選ばれた。演技初挑戦の佳山は、神野三鈴、大東駿介、渡辺真起子らのサポートもあり、文字通りの体当たり演技を見せた。
スタッフには世界で活躍する製作陣が結集。プロデューサーはフランスの鬼才ギャスパー・ノエ監督の長編映画 『エンター・ザ・ボイド』(09) などを手がけた山口晋。音楽は『her/世界でひとつの彼女』(13)で知られるスパイク・ジョーンズ監督の短編に楽曲提供したAska Matsumiya、サウンドはポン・ジュノ、カン・ジェギュ、ホン・サンスら韓国の一流監督の作品を支えたサンロック・チョイ。主題歌は世界最大の音楽ショーケース「SXSW」に2年連続出演を果たし、“NEOかわいい!”J-POPで世界中を驚かせた人気女性4人組ユニット「CHAI」。まさに、ワールドワイドな製作陣が世界基準の映像世界を紡ぎ出した。
人生に向かって奮闘するヒロインの姿は、あらゆる障害、国境、世代を超え、誰もが共感するエンターテイメントである映画の真髄を気づかせてくれる。
ストーリー
ユマ23歳。職業「ゴーストライター」。
生まれた時に、たった37秒息をしていなかったことで、身体に障害を抱えてしまった主人公・貴田ユマ。親友の漫画家のゴーストライターとして、ひっそりと社会に存在している。そんな彼女と共に暮らす過保護な母は、ユマの世話をすることが唯一の生きがい。
毎日が息苦しく感じ始めたある日。独り立ちをしたいと思う一心で、自作の漫画を出版社に持ち込むが、女性編集長に「人生経験が少ない作家に、いい作品は描けない」と一蹴されてしまう。その瞬間、ユマの中で秘めていた何かが動き始める。これまでの自分の世界から脱するため、夢と直感だけを信じて、道を切り開いていくユマ。その先で彼女を待ち受けていたものとは…
喩えは違うかも知れないけど地に足がついている「真白の恋」みたいな感じ?
冒頭の入浴シーンで一気に観客の距離感を縮め娘や妹を見ている目線へ感情転換。そのノリで初体験シーンなんか描写されるのでもうハラハラ・ドキドキでした。板谷さんは本当のちょい役だったけど渡辺真起子が凄くよかった。
後半のタイパートは間延び感否めず別に奄美大島でも沖縄県内でもよかったんじゃない?とは思いましたがカタルシス効果もあり、なんというか色々ジェットコースタームービーでした。今年も始まったばかりだけど既に2020年度の邦画を代表する作品と評しても過言でないですね。
満足度(5点満点)
☆☆☆☆☆