2019年09月30日

【映画評】宮本から君へ

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これは酷いラグビー映画。
テレビドラマ版を楽しんだクチですが、怪作「ディストラクション・ベイビーズ」の続編だろこれ。邦画では本年度ベスト級でした。

映画『宮本から君へ』   9月27日(金)全国公開

イントロダクション
文具メーカー「マルキタ」で働く営業マン宮本浩(池松壮亮)は、笑顔がうまくつくれない、気の利いたお世辞も言えない、なのに、人一倍正義感が強い超不器用な人間。

会社の先輩・神保(松山ケンイチ)の仕事仲間である、自立した女・中野靖子(蒼井優)と恋に落ちた宮本は、靖子の自宅での食事に呼ばれるが、そこに靖子の元彼・裕二(井浦新)が現れる。裕二を拒むため、宮本と寝たことを伝える靖子。怒りで靖子に手を出した裕二に対して、宮本は「この女は俺が守る」と言い放つ。この事件をきっかけに、心から結ばれた宮本と靖子に、ひとときの幸福の時間が訪れる。

ある日、営業先で気に入られた真淵部長(ピエール瀧)と大野部長(佐藤二朗)に誘われ、靖子を連れて飲み会に参加した宮本は、気合いを入れて日本酒の一升瓶を飲み干し、泥酔してしまう。見かねた大野が、真淵の息子・拓馬(一ノ瀬ワタル)の車で送らせようと拓馬を呼びつけた。そこに現れたのは、ラグビーで鍛えあげられた巨漢の怪物だった……!泥酔する宮本と、宴会を楽しむ靖子、二人の間に、人生最大の試練が立ちはだかる————。

究極の愛の試練に立ち向かうべく、愛する人のため宮本浩が“絶対に勝たなきゃいけないケンカ”に挑む!

ストーリー
原作コミックは、漫画家・新井英樹が熱血営業マン・宮本浩の七転八倒の記録を描いた作品。1990年にモーニング(講談社)で連載をスタートし、1992年に<第38回小学館漫画賞 青年一般部門>を受賞。2009年には『定本 宮本から君へ』(全4巻)が太田出版より刊行。現在でも、俳優やミュージシャン、漫画家をはじめとした様々な業界から、漫画の“オールタイムベスト”にあげられるほど熱烈な支持者を生み続け、世代を超えて読み継がれている。

監督は、『ディストラクション・ベイビーズ』(16)で、第69回ロカルノ国際映画祭の最優秀新人監督賞を受賞し、国内外でも高く期待される新鋭・真利子哲也が務めている。主演の宮本浩を演じるのは池松壮亮。「宮本浩という人は、僕にとってどの歴史上人物よりも星であり、ヒーローでした」と語り、原作と宮本浩を敬愛する池松は、主演俳優という枠を超え、本作の映画化までの道のりを並々ならぬ思いをもって取り組んだ。そして、池松の熱量と、宮本の熱量が掛け算となり、映画史上類をみない、情熱的で愚直な愛すべき“ヒーロー”が生まれた。ヒロイン・中野靖子を演じるのは、蒼井優。大人の女優として新たなステージへ登り、凛とした強さと逞しさをもつ靖子の内面までも表現。池松と蒼井の共演は『斬、』(18)につづけてとなるが、二人の初共演は、2002年NHK放送のドラマ「うきは-少年たちの夏-」となり、出身地、大学など共通点も多く、役者としても認め合う存在。この二人が圧倒的な熱量をもって、絶妙なコンビネーションで演じており、感情をむき出しに“究極の愛の試練”に立ち向かう“宮本”と“靖子”の魂の応酬が、激しく心を打つ。

そして、どうしようもない遊び人だが、靖子の心に棲みつく元恋人・風間裕二を演じるのは、井浦新。宮本と靖子の間で、奔放に振る舞いながらも、二人の距離を近づけていく大切な役割を担っている。また、漫画「宮本から君へ」が今も熱く支持される要因の一つであり、本当に映画化できるのか?と注目される“非常階段の決闘シーン”で、宮本が立ち向かう怪物・真淵拓馬を演じるのは、『キングダム』にも出演した元格闘家の一ノ瀬ワタル。また、真淵拓馬の父で、宮本の得意先の部長である真淵敬三をピエール瀧、そして真淵敬三の親友・大野平八郎を、新井英樹の原作漫画の大ファンであることから出演を即決し、映画・ドラマなど引く手あまたの名優・佐藤二朗が演じている。このほか、ドラマ版で同役を演じたキャストが再集結し、マルキタ文具の先輩・神保を松山ケンイチ、同僚の田島を柄本時生、営業課長の小田を星田英利、部長の岡崎を古舘寛治が演じている。

そして映画主題歌は、宮本浩次が、ギターに横山健を迎え、この映画のために書き下ろした楽曲「Do you remember?」。魂を揺さぶる人生讚歌が、宮本浩と靖子と君を応援する!!

金なし!コネなし!勝ち目なし!・・・でも情熱だけは半端ない。熱血営業マン・宮本浩が“絶対に勝たなきゃいけないケンカ”に挑む!宮本の暑苦しくも切ない生き様を描いた“極限の人間讃歌エンターテイメントそして、極限の人間賛歌は、極限の愛の物語へ昇華する——宮本の熱量を、あなたは受け止められるか?生身の愛を求めない人、お断り!

監督インタビュー
——原作との出会いは?

初めて読んだのは十代後半、大学生のときでした。前半から後半にかけての展開に心が抉られるような思いがあって、漫画体験の中でも別格のもので。その後に他の全作品も追いかけたんですが、当時は全巻揃えようと古本屋に行っても見つからない単行本もあったりして、作者はどんな人だという想像だけが膨らんでました。

——そのように思われた理由を教えてください。

宮本に乗っかっていたと思ったら振り落とされて、気がつけば深みにはまって、世界が開けていたような……。正直、宮本の行動に関して、後半はただ唖然としてたんです。それでもページを捲る手は止まらなかった訳ですよ。そこにこの原作の凄みがあると思っていて、映画化するにあたってひたすら読み込みました。

——原作者の新井さんとお会いしたのは『ディストラクション・ベイビーズ』がきっかけだそうですね。

試写に観に来ていただいたのが最初でした。「宮本から君へ」の映画化にあたって新井さんからは「原作をぶっ壊してくれ」と言われたのですが、それほどハードルを上げられることはない(笑)。僕自身、原作に思い入れがあったので、下手な映像作品にはしたくないというプレッシャーがドラマの時から常にありました。

——ドラマと映画の違いはどのように意識していましたか?

ドラマは伝わりやすい語り口を心がけて、映画はより限られた時間の中で説得力を持たせる必要があるので、それぞれ観客の違いは意識しました。ドラマで描いたのは宮本のサラリーマン時代の物語でしたが、映画ではもう一歩、人間の難しい局面に踏み込まなければならない。ドラマからスタッフ・キャストとの関係を築けたのは、大きかったですね。特に主演の池松くんと「宮本から君へ」という作品に向き合う中で長い時間を一緒に過ごし、役については完全に信頼し、それ以上に映画全体についてたくさん話をしました。

——中野靖子を演じた蒼井優さんについて

蒼井さんも原作が大好きだとおっしゃってくれて、過酷な役柄にも関わらず、靖子を演じることに役者として、喜びと生き甲斐を示してくれました。現場で緊張感を持って挑む場面でも本人が一番に場を和ませるような振る舞いをしてくれたり、撮影の合間もにこやかで。そんな中で、事件後に宮本と公園で会うシーン。脚本には靖子の第一声に「眠れた?」と書かれていましたが、原作に「よく眠れた?」と書かれている意味に触れて、宮本への皮肉も込められた「よく」をつけることを相談しくれて、その感覚に改めて驚かされました。

——映画には、真淵拓馬が登場します。

拓馬は、宮本にとって圧倒的に敵わない相手であると視覚で伝えたくて、役者だけでなく、プロレスラーまで探しました。そんな中、一ノ瀬ワタルの決め手になったのは、身体だけではなくその性格と、拓馬を演じるにふさわしい経験をしていたこと。この経験がある方は滅多にいないですが、彼は格闘家時代にその経験があって痛みを知っていた。最大の難関となる役を、原作とも一味違う現代の拓馬としてやり切ってくれました。

——最後に、真利子監督から君へ、この映画で何を届けたいですか?

この問題作を最後までやり切る覚悟を持って挑みました。もの凄いエネルギーが溢れ出す映画になったので、このエネルギーに観客も感化されてくれたら本望です。いいことがあれば悪いこともあって、挫けずいけばまたその先に喜びもある。きれいごとで済まされないことでも、宮本が出てきて、不器用なまま誰よりも真剣に突破してくれる。その生き様に、この映画を観た誰かが揺れ動くことがあればいいなと思います。

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池松壮亮、フガフガ何言っているのかさっぱり分からない箇所散見で爆笑。一ノ瀬ワタルさん、なんかぼんやり記憶にあったけど「キングダム」の人か。蒼井優演技は「彼女がその名を知らない鳥たち」上位互換みたいな感じ。フェラのシーンが結構よかった。12歳の池松壮亮と17歳の蒼井優が共演していたNHK福岡ローカルドラマ「うきは -少年たちの夏-」の存在全然知りませんでした。当時のフィルム拝見してこの映画振り返ったら完全に犯罪やん。



事前情報抜いていたのでピエール瀧さんにびっくり。相変わらずいい雰囲気。佐藤二朗も演技を抑制したら丁度いい塩梅になりますね。

ドラマの続編だろう程度の軽い気持ちで鑑賞しましたが恐るべし真利子哲也。次回作も期待します。
そうそう。ドラマ版のキャストも登場するけど全員顔見せ程度なので、映画版だけ観ても全然大丈夫だし、ドラマ本編(30分尺)もアマプラで全話観れるので予習して映画館行ってもOK。
何はともあれ「ディストラクション・ベイビーズ」作品ファンは是非劇場へ。

満足度(5点満点)
☆☆☆☆






Posted by kingcurtis 固定リンクComments(0)映画 | ドラマ
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