2018年05月29日

【映画評】ゲティ家の身代金

このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック


 

ゲティ家の身代金 (ハーパーBOOKS)
ゲティ家の身代金 (ハーパーBOOKS)

ブロガー的にはあの「ゲッティイメージズ」
1973年ローマで発生した大富豪の孫誘拐事件を描くヒューマンドラマ。リドリー・スコット監督作品。

映画『ゲティ家の身代金』   5月25日(金)全国ロードショー

イントロダクション
非情な誘拐犯、そして冷酷な大富豪と戦う、一人の母―
1973年、日本を始め世界中を震撼させた誘拐事件があった。人質は【世界一の大富豪】であるアメリカ人石油王ジャン・ポール・ゲティの孫、ジョン・ポール・ゲティ三世。1,700万ドル(約50億円)という破格の身代金もさることながら、50億ドル(1.4兆円)の資産を持つゲティが身代金の支払いを拒否したことでも有名で、日本の新聞、週刊誌でも大きく報道された。しかしこの事件の裏側で、誘拐犯と身代金を拒むゲティの間で戦い続けた人質の母親がいたことはあまり知られていない。離婚で一族を離れていた“一般家庭の母”は、いかに2つの強敵に立ち向かったのか―

お蔵入りの危機から史上空前の大逆転劇!!
2017年11月、ジャン・ポール・ゲティ役のケビン・スペイシーが突如降板。映画は既に完成、全米公開は1か月後だったが御年80歳の巨匠リドリー・スコットは即座に決断した。「再撮影だ。」 数日後にはアカデミー賞R俳優C・プラマーの出演が決まり、1週間後には撮影を開始、その2週間後には映画を完成させる。お蔵入りも危惧された状況をこの短期間で乗り越え、アカデミー賞R(助演男優賞)、ゴールデン・グローブ賞(監督賞、主演女優賞、助演男優賞)、英国アカデミー賞(助演男優賞)でノミネートされるという、史上空前の快挙を果たすこととなる。プラマーはアカデミー賞R演技部門ノミネートの歴代最高齢記録を更新した。

ストーリー
“世界中のすべての金を手にした”といわれる大富豪ゲティ。孫ポールが誘拐され1700万ドルという破格の身代金を要求されたゲティは、支払いを断固拒否。彼は大富豪であると同時に稀代の守銭奴だったのだ。離婚によりゲティ家を離れていたポールの母ゲイルに支払いは不可能。息子を救い出すため、ゲイルは事あるごとに脅迫してくる犯人だけでなく、断固として支払いを拒否する【世界一の大富豪】とも戦うことになる。警察に狂言誘拐を疑われ、マスコミに追い回され、疲弊していくゲイル。一方、一向に身代金が払われる様子がないことに犯人は痺れを切らし、ポールの身に危険が迫っていた・・・。

プロダクションノート
巨匠の心を動かした、秀逸な脚本
『ゲティ家の身代金』のプロデューサー、クエンティン・カーティスは、ジョン・ピアースンの原作「ゲティ家の身代金」の映画化権を取得。デヴィッド・スカルパに脚本執筆を依頼した。スカルバは脚本へのアプローチを次のように語る。「ジャン・ポール・ゲティは、身代金を払って孫を助け出すことに躊躇したのではなく、お金を手放すことが我慢ならなかった。よくあるスリラーとは一線を画し、金がこの男を呪縛し、それが家族や誘拐犯に与える影響を検証するストーリーだ。子供の命が何よりも大切なはずなのに、さまざまな理由があってどうしても払うことに承諾できない。世界一裕福な男が、自分の財産の“人質”となっているわけだ。最も難しかったのは全体のバランスで、スリラーとシェイクスピア的な家族ドラマの間を行ったり来たりする構造をめざした」 2015年のブラックリスト(*1)にリストアップされたスカルバの脚本に対し、監督として最適と考えられたのが、リドリー・スコットだった。当初、「ゲティのことも誘拐事件も知っていたが、とくに興味をそそられなかった」と語るスコットだが、「脚本が傑出していた。題材も脚本もすばらしく、何としてでも映画にしたいと思った」と監督を快諾。「ゲティには度胸と才気があった。誘拐犯はテロリストであり、今日の政府なら身代金の交渉には応じない。ゲティは先進的なアプローチをとったと言える。しかし、それも本心からの決断ではなかったようだ」とスコットは、ゲティが抱えた矛盾に惹かれたと告白する。
(*1)ブラックリスト:映画化されていない脚本を対象とした評価および映画製作マッチングのプロジェクト。しばしば投票ランキング上位リストを指すこともある。

公開直前、前代未聞の再撮影
当初、特殊メイクでゲティに扮したのはケヴィン・スペイシーだったが、全米公開を翌月に控えた2017年11月に急きょ降板。この時映画はすでに完成していた。リドリー・スコットとプロデューサーたちは迅速な判断で、代役としてクリストファー・プラマーを起用した。製作会社のインペラティブ・エンターテインメントは追加撮影費も全額負担した。「疑惑を聞かされたのは公開直前だったが、道義上、撮った映像をそのまま使用する選択肢はなかった」と、インペラティブのダン・フリードキンは語る。「リドリーとは前から仕事がしたいと思っていたし、興味をそそる題材だ。実在の人物は下調べが面白いし、この人物は類い稀なるキャラクターだから、すぐに飛びついたよ」とクリストファー・プラマーも急なオファーを受け入れた。このようなキャスト交代は前例がなく、追加撮影の日数も限られていたのでひじょうにリスキーな試みだった。しかしスコットはプラマーの技量を信頼。「ロケ地の確保、俳優たちのスケジュールなど、物理的に可能かどうか確信がもてなかった。しかしクリストファーの技量なら、この役をこなせるという絶対的な自信はあった」と振り返るスコットを、プラマーも次のように称賛する。「リドリーはビジョンがはっきりしており、頭の中ですでに編集しているので何度もテイクを重ねる必要がなかった。ヒッチコックのような古典的な監督だ。作品の幅も広く、多種多様なテーマを選びつつ、新しいことに挑戦してもビジョンが揺らぐことはない」。

独自のアプローチでモデルに近づいたキャスト
誘拐されるジョン・ポール・ゲティ三世の母ゲイルを演じたミシェル・ウィリアムズも、出演を即決した一人だ。「リドリー・スコットが監督をするということで、あとは何も聞く必要がなかった」とウィリアムズ。「リドリーは演出の意図を無駄なく、端的に伝えることのできる監督。撮影もだらだらと続かない。テイクがマンネリ化すると、意外なアプローチを試みるので、演じる側も面白くなって意識がその瞬間に集中するのよ」と、ウィリアムズはスコットの演出を絶賛する。リドリー・スコットも「ゲイルについての資料は限られていたが、マスコミが撮った数枚の彼女の写真から、ミシェルは外見的特徴を自らの中に取り込んでくれた」と、ウィリアムズの役作りに満足したという。ゲティのコンサルタント兼フィクサーのフレッチャー・チェイスを演じるのはマーク・ウォールバーグ。彼の出演の動機も、ウィリアムズと同じだ。「物語にも興味があったが、最大の決め手は、ここ20年の間、付き合いのあるリドリー・スコットだ。よい付き合いをさせてもらっていた。昔から大ファンなんだ。ちょうど別の映画の撮影中で、次の映画の撮影まで5日しか空いていない時期にオファーを受け、一度は断ろうとも思ったが、これほど尊敬する人と仕事をするチャンスは逃せないと決意した。いつも自分が演じる役とは違うタイプだったことで、ますますやる気が湧いた」とウォールバーグ。 「『テッド』や『ブギーナイツ』でマークのセンスの良さは認識していた。役者然としておらず、とんでもない状況に置かれても親近感をもたせる才能がある」とリドリー・スコットは言う。「サスペンダーとベストを着て現場に入ればよかった」と語るウォールバーグだが、「脚本を1日4回朗読し、最初から最後まで徹底的に覚え込み、撮影中は余計なことを考えずにすむようにした。とりわけチェイスが心変わりするシーンが大事で、そこをしっかり把握していれば撮影の順序が変わっても対処できる」と、彼は念入りな準備を積んだことも明かす。ゲティの孫、ジョン・ポール・ゲティ三世を演じるのは、チャーリー・プラマー(クリストファー・プラマーとの血縁関係はない)。「できるだけ多くのものを手に入れたい人もいるが、この映画が描くのは、悲しい人間は富を手に入れても悲しいということ。幸せは外から来るものではないからだ」と、本作のテーマが若い世代にもアピールすると彼は分析する。チャーリー・プラマーの「世界を見てきた大人の雰囲気と、少年のカリスマ性に惹かれた」というリドリー・スコットは、彼が中心となるオープニングシーンを「私の大好きな映画『甘い生活』と同じ、ヴィットリオ・ヴェネト通りで撮りたいと思った」と明かす。「17歳の孫が、年上のイタリアの娼婦たちにもドギマギせず、自信があることが伺える。そんな少年が、誘拐犯たちによって違う世界へ連れられ、急に子供のようになる。チャーリーはそれらを見事に演じることができた」と、スコットは若き俳優に満足したようだ。

複数のテーマが交錯する面白さ
リドリー・スコットは、ゲティと周りの家族とのサーガに魅了された理由を次のようにまとめる。「この作品は冷酷な金持ちを描くだけにとどまらない。大部分においてゲティの判断は間違っていなかった。皆より一つも二つも上手だからこそあれだけの財を築いた。石油開発のため中東で広大な土地を買い占めた初めての男であり、孫の誘拐事件での要求に対し、先進的な回答を示した。その勇気を私は必ずしも尊敬しているわけではないが、身勝手とも言いがたい。ゲティは富の虚しさ、それに付随しうるダメージを理解し、明確に自覚していたんだ。このテーマを掘り下げつつ、お金でなく息子に対する純粋な愛情に突き動かされるゲイルの鋼鉄の意志と交錯させるのが面白かった」。そしてこの映画の隠れたテーマを指摘するのは、ミシェル・ウィリアムズだ。「これはサスペンスに満ちたドラマではあるが、同時にフェミニズム映画でもあると思う。男の世界の中で、ゲイルの言動がまともに受け止めてもらえず、彼女はあらゆる能力を使って、周囲と対等になろうとする。女性であるがために軽んじられ、過小評価され、除外されるシーンがこの作品には数多く散りばめられているの」。




section00-bg

section01-bg


貴重なケヴィン・スペイシー版予告編はこちら。



「俺は可愛そうなホモ。セクシャルマイノリティなので虐めてはダメだよ」等と仰ったケヴィン・スペイシー禍はこちら。











話題が違う方へ独り歩きしていますがとりあえず9日間撮影エピソードなどどうでもいい。

それなりに面白かったけどミシェル・ウィリアムズフリーク的には、なんか物足らなかったですねぇ。なんかね、爺さんが結構いい人描写で困った。身代金払わない理由も理路整然。実際の爺さんは凄くセコくてケチで人間としてどうしようもなかったそうですが、(そういう小ネタ描写はあれど)そういう複雑さを絡ませたいなら、もっと爺さんの苦悩を打ち出さないと。せっかく助かった坊主も結局ドラッグでガタガタになったそうで、そういう一筋縄でいかないサブプロットがあるのに活かされていないような。余計なことせず爺さんvsミシェル・ウィリアムズ息詰まる対立軸でよかったのでは?

結論的にはリドリー・スコットもうダメだろ。(参考:【映画評】エイリアン:コヴェナント)イーストウッド翁が監督したら全然違った作品になっていたような残尿感。

満足度(5点満点)
☆☆☆



ゲティ家の身代金 (ハーパーBOOKS)ゲティ家の身代金 (ハーパーBOOKS)
ジョン ピアースン 鈴木 美朋

ハーパーコリンズ・ ジャパン 2018-05-17
売り上げランキング : 37628

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

Posted by kingcurtis 固定リンクComments(1)映画 
Edit







コメント
ミシェル・ウィリアムズは私服姿が微妙ですね(笑)
劇中ではいつも美しい女性なのに。
Posted by worldwalker's weblog(・∀・)! at 2018年06月06日 20:54
  ※ コメント認証制です。URL記述不可。久保田直己さんの名誉を毀損したり誹謗中傷する書き込みは固くお断りします。
※ 全角換算400文字超を入力するとコメント飛びます。要分割投稿。