2017年08月18日

【映画評】ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ

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成功はゴミ箱の中に レイ・クロック自伝―世界一、億万長者を生んだ男 マクドナルド創業者 (PRESIDENT BOOKS)
成功はゴミ箱の中に レイ・クロック自伝―世界一、億万長者を生んだ男 マクドナルド創業者 (PRESIDENT BOOKS)

マクドナルド創業秘話の暴露系作品。

映画『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』

イントロダクション
世界最大級のファーストフードチェーンを作り上げたレイ・クロック。日本国内でも多くの起業家たちに、今なお絶大な影響を与え続けている。50代でマック&ディック兄弟が経営する<マクドナルド>と出会ったレイが、その革新的なシステムに勝機を見出し、手段を選ばず資本主義経済や競争社会の中でのし上がっていく姿は、まさにアメリカン・ドリームの象徴だ。手段を選ばず資本主義経済や競争社会の中でのし上がっていくレイと、兄弟の対立が決定的になる過程は、どこか後ろめたさを感じながらも、スリルと羨望、反発と共感といった相反する複雑な感情を観る者に沸き起こすに違いない。

型破りな起業家レイ・クロック役を演じるのは、『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』(14)でアカデミー賞主演男優賞ノミネートのマイケル・キートン。ギラギラとした野心と圧倒的な情熱を持ちアクは強いが人々を魅了するレイを見事に体現している。レイの妻エセル役を『わたしに会うまでの1600キロ』(14)でアカデミー賞候補になったローラ・ダーン。職人気質で人の良さがにじむマクドナルド兄弟役には、『ロング・トレイル!』(15)のニック・オファーマン(弟・ディック役)と、『テッド2』(15)のジョン・キャロル・リンチ(兄・マック役)。そのほか、アメコミ大作『アクアマン(原題)』の公開が控えるパトリック・ウィルソン、『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(15)のリンダ・カーデリーニら実力派が脇を固める。監督は、『しあわせの隠れ場所』(09)、『ウォルト・ディズニーの約束』(13)のジョン・リー・ハンコック。マクドナルド兄弟の子孫や家族からの信頼を得て、兄弟とレイの書簡や記録写真ほか多くの資料をもとに、『レスラー』(08)のロバート・シーゲルが書き上げたオリジナル脚本を映像化した。
熱い情熱で挑戦を続け、世界有数の巨大企業を築き上げた彼は英雄なのか。それとも、欲望を満たす為にすべてを飲み込む冷酷な怪物なのか。野心と胃袋を刺激する物語。

ストーリー
1954年アメリカ。52歳のレイ・クロックは、シェイクミキサーのセールスマンとして中西部を回っていた。ある日、ドライブインレストランから8台ものオーダーが入る。どんな店なのか興味を抱き向かうと、そこにはディック&マック兄弟が経営するハンバーガー店<マクドナルド>があった。合理的な流れ作業の“スピード・サービス・システム”や、コスト削減・高品質という革新的なコンセプトに勝機を見出したレイは、壮大なフランチャイズビジネスを思いつき、兄弟を説得し、契約を交わす。次々にフランチャイズ化を成功させていくが、利益を追求するレイと、兄弟との関係は急速に悪化。やがてレイは、自分だけのハンバーガー帝国を創るために、兄弟との全面対決へと突き進んでいくーー。

レイ・クロックとは?
世界No.1の外食チェーン“マクドナルド”。世界各地で光り輝く黄金のMサインは、笑顔と幸福を運ぶアーチであり、明るい未来のシンボルでもある。そんな世界屈指のブランド マクドナルドは、たったひとりの中年男の”ひらめき”から始まった。当時52歳だったレイ・クロックの、ほとんど妄想としか思えないような”ひらめき”から。しかしレイにとってそれは決して根拠なきものではなかった。彼には確信があった。マクドナルドは必ず人々の生活の一部となり、社会の発展に欠かせない存在になると...。

少年時代
レイ・クロック(Ray Kroc)は1902年にシカゴ郊外の町に生まれた。クロック家はチェコ系移民で、ボヘミアの血を誇りとする一家だった。そしてその血はレイ少年の人生に色濃く影響を与える。多くの人がもつボヘミア人のイメージ定住性に乏しく、異なった伝統や習慣を持ち、周囲からの蔑視をものともしない人々とは、まさにレイ・クロックそのものなのだから。自身の苦労から「せめて高校までは…」と願った父の思いも空しく、レイは学校に定住することができなかった。アメリカが第一次世界大戦に参戦すると、15歳だったレイは年齢を偽り軍に志願。負傷者搬送トラックの運転手として渡欧しようとする。しかし出航直前に終戦し、学校へ連れ戻されてしまった。しかし、レイはそんなことでは決してめげない。高校1年の時に友人と共同で出資し、町に楽器店をオープンさせる。目玉は彼のピアノ実演。クロックはピアノ教師だった母親ゆずりの名手だったのだ。楽器店経営が上手くいかず店を畳むと、セールス業に転身。訪問販売で目覚ましい実績をあげる。高校2年生にして父の収入を超えるほどの大金を稼ぎ出した。ここに彼は己の天職を知る。狙いを定め、周到な準備をし、懐に飛び込み、弁舌巧みに自分の論理に相手を誘導する…。世界に黄金のダブルアーチを架けた男レイ・クロックの誕生である。

二足の草鞋時代
紙コップのセールスマンとして働き出したレイは、夜もピアノマンとして精力的に活動した。ナイトクラブで演奏し、地元ラジオ局の人気音楽番組も担当する。演奏はさることながら、軽妙な会話でも人々を魅了した。ここでレイは、客のリクエストに対して臨機応変に対応し、相手が期待していた以上のものを返すというサービスの極意を身に着ける。紙コップのオフシーズンとなる冬は、南国フロリダへ出稼ぎに行った。禁酒法の目をかいくぐり密かに酒を提供するもぐりのナイトクラブで演奏していた時も、レイはマクドナルドのアイデアの元を得ている。

そのクラブでは、あらゆる種類の酒が均一の値段で売られていた。そしてフードメニューも3種類のみ。今でいうワンコインバーだ。レイはその簡素化されたシステムに感心する(当局のガサ入れ対策のためのシステムだったのだが…)。のちに外食チェーンマクドナルドを創業し、同社の最大のモットーとして掲げた“愚直なほど簡潔に”(Keep it simple, stupid.)の原点は、こんなところにも隠されていた。どんなものでも素晴らしいと感じたことからは素直に学ぶ。天性の商売人レイ・クロックは、こうして飽くなき成長を続けていく。ちなみにこのフロリダ時代では、最後にガサ入れで留置所送りになってしまうというおまけ付きであった。

マルチミキサーセールスマン時代、そしてマクドナルドとの出会い
シカゴに戻ったレイは紙コップセールスマンとして地位を確かなものにし、大恐慌の混乱も乗り切った。生活も安定し豊かになり、他者からは成功者として見られる存在となる。だが彼はそこに満足することはなかった。レイが次に目を付けたのは、ミルクシェイクが同時にいくつも作れる最新式のマルチミキサー。そこに可能性を信じたレイは会社を立ち上げ、セールス活動に没頭する。重いミキサーを抱え、毎日営業に駆け回る。電話があればどこへでも駆けつけた。肉体的にも精神的にも過酷な日々だ。マクドナルドとの運命の出会いの日までに、彼は糖尿病と関節炎で胆嚢を全摘出し、甲状腺の大半を失っていた。しかしレイはビジネスの前線に立ち続けた。
そして1954年、運命の瞬間を迎える。
「カリフォルニアの片田舎に、マルチミキサー8台をフル稼働させている“変わった店”があるらしい」
そんな噂を耳にしたレイは、すぐさまカリフォルニアへ飛ぶ。そこで見たものは、彼に衝撃を与え、後の人生を大きく変えた。こうしてマクドナルド神話が始まった。レイ・クロック、52歳の時である。




マイケル・キートンが「【映画評】バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」と変わらぬキレキレ芸。あの映画のエマ・ストーン可愛かったよね。久々にスクリーンでローラ・ダ〜ン拝見しました。旧友に会ったような安心感があります。次回作はスターウォーズ(最後のジェダイ)だそうですが、個人的にスターウォーズはもうお腹いっぱいな感じ。キャリー・フィッシャー遺作なら最期に観に行くかも。

内容ですが、ビジネス系映画なので「半沢直樹」とかその辺に興味がある人は嵌まると思いますし、反面ヒューマンドラマ色は薄いので人によって評価はマチマチかも。個人的には、今でいう「自己啓発テープ」を出張先のホテル小部屋でレコードで聴いているシーン(今でも営業車とかで聴いて昼人多いんでしょ?)、ロイヤリティ収入のみで疲弊していた時の不動産ビジネス着眼シーン、マクドナルド兄弟の試行錯誤シーンが楽しかったです。ハンバーガーショップであれ、女給がオーダーを聞きに来ない、紙袋で渡す、テーブルがないってのは大幅なコストダウン効果というのは理解できますが、単価が安くとも顧客軽視と言われればそれまでで、相当な勇気が必要だったのでしょう。アメグラのローラースケート娘ってのもそういう合理性があったんだね。今気付いた。ということで例の艶っぽい人妻寝取りシーンをもう少し描いてくれたらよかったです。家族向けマーケティング端緒のエピソードもなかったね。

「マクドナルド映画」なら「【映画評】コンプライアンス 服従の心理」「【映画評】スーパーサイズ・ミー」の印象が強烈でした。ヒューマンドラマは好きですが「マクドナルド」そのものには関心がないので。

誰か「無能原田物語」映画にしないかなぁ?絶対面白いよ。訴訟が怖ければ舞台はうどん屋もラーメン屋でもいい。

満足度(5点満点)
☆☆☆

成功はゴミ箱の中に レイ・クロック自伝―世界一、億万長者を生んだ男 マクドナルド創業者 (PRESIDENT BOOKS)成功はゴミ箱の中に レイ・クロック自伝―世界一、億万長者を生んだ男 マクドナルド創業者 (PRESIDENT BOOKS)
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Posted by kingcurtis 固定リンクComments(4)映画 | グルメ
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コメント
人に話してはいけない事があるのを学べる実話系としてこの映画は優秀でしたな。
ところで人妻寝取る趣味の人と企業乗っ取り焼け野原のどっちが極悪人なのだろうか(哲学
>無能原田物語
コメダのシャッチョさん辺りにスポンサー頼めば何とか(適当
Posted by 五月雨祭 at 2017年08月18日 16:58
なんばパークスシネマでやってました。
駐車場の関係で行きにくい劇場なので未見です。
見たいのですが。
Posted by worldwalker's weblog(・∀・)! at 2017年08月29日 19:27
面白いよ
Posted by bob at 2017年08月29日 19:56
本日、無事に鑑賞し終えました。

なんばパークスシネマでの上映が終わっていたので、
数年ぶりにキタ(梅田)に出ました。
シネリーブル梅田に行くのははじめてでした。

飲食業だと思っていたマクドナルドのビジネスモデルは実際には不動産業なんだということをこの映画を見て知りました。
おもしろかったです。
Posted by worldwalker's weblog(・∀・)! at 2017年09月08日 21:41
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