2017年02月14日
【映画評】スノーデン
mixiチェック暴露:スノーデンが私に託したファイル
オリバー・ストーン最新作です。
【本編冒頭12分動画】トランプ新大統領擁護派オリバー・ストーン総指揮ドキュメンタリー「すべての政府はウソをつく」
スノーデンは草薙素子率いる公安9課に惹かれCIAスパイになったという満腹感。
イントロダクション
それは、まさしく世界中に激震が走った瞬間だった。2013年6月、イギリスのガーディアン紙が報じたスクープで、アメリカ政府が秘密裏に構築した国際的な監視プログラムの存在が暴露されたのだ。さらに驚くべきは、ガーディアン紙に大量の最高機密情報を提供したのがたったひとりのNSA(米国国家安全保障局)職員であり、よくスパイ映画に登場するような厳めしく年老いた人物ではなく、ごく普通の外見をした当時29歳の若者だったことだ。
匿名ではなく自らカメラの前に立ち、エドワード・スノーデンと名乗って素性を明かしたその青年は、なぜNSAやCIAから得られる多額の報酬と輝かしいキャリア、恋人と築き上げた幸せな人生のすべてを捨ててまで重大な告発を決意したのか。はたして彼は英雄なのか、国家の裏切り者なのか。ハリウッドきっての社会派の巨匠オリバー・ストーンが史上最大の内部告発“スノーデン事件”の全貌に迫った問題作、それが『スノーデン』である。
2004年、9.11後の対テロ戦争を進める祖国アメリカに貢献したいと考えて軍に志願入隊したスノーデンは、足に大怪我を負って除隊を余儀なくされる。失意のさなかCIAに採用された彼は、持ち前のずば抜けたコンピュータの知識を教官に認められ、2007年にスイス・ジュネーヴへ派遣された。しかしそこで目の当たりにしたのは、アメリカ政府が対テロ諜報活動の名のもと、世界中のメール、チャット、SNSを監視し、膨大な情報を収集している実態だった。やがてNSAの契約スタッフとして東京の横田基地、ハワイのCIA工作センターへと赴任し、民主主義と個人の自由を揺るがす政府への不信をいっそう募らせたスノーデンは、恋人のリンゼイをハワイの自宅に残し、命がけの告発に踏みきるのだった……。
映画は2013年6月、ハワイのオフィスでNSAの最高機密を盗み出したスノーデンが、香港の高級ホテルでドキュメンタリー作家のローラ・ポイトラス、ガーディアン紙のコラムニスト、グレン・グリーンウォルドと初めて対面するところから始まる。その密室での異様な緊迫感に満ちたやりとりは、アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞した『シチズンフォー スノーデンの暴露』に克明に記録されているが、本作はそこから9年前にさかのぼり、コンピュータのオタクであり、国を愛する平凡な若者だったスノーデンが、恐るべき現実に理想を打ち砕かれていった過程を映し出す。
アメリカの情報収集プログラムはテロリストだけでなく民間企業や個人におよび、日本を含む同盟国まで対象になっていた驚愕の事実の数々。加えて、スノーデン自身が私生活を監視される恐怖に襲われ、ストレスに蝕まれていった極限心理が生々しいサスペンスとともに描かれる。テロとは何の関係もないインターネットや携帯電話での発言、個人の趣味、愛情、友情さえも脅かされかねない現実はもはやSFではなく、スノーデンが世界最強の情報機関に反旗を翻した動機もまさにそこにあった。
また本作は、長年にわたってスノーデンのパートナーとして寄り添うリンゼイ・ミルズとの出会いと、その後の軌跡を描出。思想や趣味はまったく異なるふたりが幾多の試練に直面しながらも、共に人生を歩んでいくことを確かめ合い、かけがえのない絆で結ばれていく姿に胸を締めつけられずにいられない。史上最大の内部告発者スノーデンが実は日本のカルチャーに興味を持っていた意外な一面など、プライベートの領域にも深く切り込み、観る者の共感を誘うヒューマン・ドラマに仕上がった。
『(500)日のサマー』『インセプション』『ザ・ウォーク』などで日本でも多くのファンを獲得している若き実力派俳優ジョセフ・ゴードン=レヴィットの渾身の役作りも見逃せない。スノーデン本人と見まがうほど瓜ふたつの風貌、声色、仕種をマスターするとともに、内部告発者としての崇高な信念、ナイーヴなひとりの青年としての心の機微を表現したその演技は、あらゆる観客の目を釘付けにするに違いない。
恋人リンゼイに扮するのは、『ダイバージェント』シリーズや『きっと、星のせいじゃない。』でハリウッドの若きスター女優となったシャイリーン・ウッドリー。『ザ・ファイター』でアカデミー賞助演女優賞を受賞したメリッサ・レオ、『スター・トレック』シリーズのスポック役で知られるザカリー・クイント、『イン・ザ・ベッドルーム』『フィクサー』でアカデミー賞にノミネートされたトム・ウィルキンソン、『ノッティングヒルの恋人』のリス・エヴァンスといった名優と曲者たちが脇を固め、ニコラス・ケイジがCIAの指導教官役で登場する。
『プラトーン』『7月4日に生まれて』で二度のアカデミー賞監督賞に輝き、『JFK』『ニクソン』『ブッシュ』というアメリカ大統領をテーマにした3本の問題作を発表してきたオリバー・ストーン監督が、今回映画化に挑んだ原作はルーク・ハーディングのノンフィクション「スノーデンファイル 地球上で最も追われている男の真実」。“自由な世界”への純粋な信念に突き動かされ、命がけで国家権力に立ち向かうスノーデンの生き様を力強く描き上げた。『スラムドッグ$ミリオネア』『ラッシュ/プライドと友情』の撮影監督アンソニー・ドッド・マントルが、ドキュメンタリーの手法を交えて創出した臨場感あふれる映像も秀逸である。
ストーリー
2013年6月3日、大勢の市民でにぎわう香港の街なかに、青白い顔にメガネをかけ、ルービックキューブを手にしたひとりの青年が現れた。ドキュメンタリー作家ローラ・ポイトラス(メリッサ・レオ)、イギリス・ガーディアン紙のコラムニスト、グレン・グリーンウォルド(ザカリー・クイント)と合言葉を交わし、彼らを自分が宿泊するホテルの一室に招き入れた彼は、ポイトラスが回すカメラの前でエドワード・スノーデン(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)と名乗る。そしてアメリカ政府による恐るべき諜報活動の実態を証明するトップシークレットを携えたスノーデンは、自らが歩んできたCIAとNSAでのキャリアを語り始めた。
9.11の同時多発テロに危機感を抱き、国家の役に立ちたいと考えたスノーデンは軍に志願入隊した。しかし特殊部隊の訓練は想像を絶するほど過酷で、足に大怪我を負ったスノーデンは除隊を余儀なくされてしまう。
CIAの採用試験に合格したスノーデンは、“ザ・ヒル”と呼ばれるCIA訓練センターでサイバー・セキュリティのノウハウを学んだ。そこで持ち前のコンピュータの知識を発揮したスノーデンは、厳格な指導教官コービン・オブライアン(リス・エヴァンス)に一目置かれる存在となり、オタク風のエンジニアで教官でもあるハンク・フォレスター(ニコラス・ケイジ)とも親しくなった。
またプライベートでは、交流サイトで知り合ったリンゼイ・ミルズ(シャイリーン・ウッドリー)と、ワシントンD.C.のカフェで初めて対面。愛国者のスノーデンと快活で権力に批判的なリンゼイは、性格も思想もまったく違っていたが不思議とウマが合い、ふたりは交際をスタートさせた。
“ザ・ヒル”でトップクラスの成績を叩き出したスノーデンは、ジュネーヴにあるアメリカの国連代表部に派遣された。現地で彼が目の当たりにしたのは、一般市民のメール、チャット、SNSからあらゆる情報を収集するNSAの極秘検索システムの存在と、それを利用してテロ活動とは無関係の人物をスパイとして抱き込むCIAの汚い手口だった。自宅に戻ったスノーデンは、民主党の大統領候補バラク・オバマの躍進を喜ぶリンゼイに、CIAを辞職したことを打ち明ける・・・。
本題に触れると恐ろしく脱線するので短評です。
B級映画専用役者ニコラス・ケイジが出演している違和感。
「(500)日のサマー」の印象が強いジョセフ・ゴードン=レヴィットですが好演。
シャイリーン・ウッドリーは「【映画評】きっと、星のせいじゃない。」延長戦みたいな演技。
スノーデンが日本で工作活動やっていた時期はまさに鳩山政権誕生の年でして、友愛官邸相手の盗聴、盗撮。面白かったでしょうね。
劇中「(舞台設定が2004年のため)戦後60年、第三次世界大戦が起きなかったのは我々のお陰」みたいな台詞がありまして、確かに功罪織り交ざっているので一概に否定は出来ないまでも、(映画では触れませんでしたが)横田基地でスノーデンが盗聴仕掛けたのは三井物産や三菱商事の交易部門だったことを邪推すると、国民私生活傍受のメイン使途はホワイトハウスを牙城に世界を股にかける政商の営業ツールに成り下がっているという脱力感。原発施設やダム、鉄道などのインフラ設備に仕込まれたマルウエアは想定内ですが、米国製軍事兵器はいうに及ばず、中国大陸にも相当数トラップ仕込んでいるでしょうねぇ。あと間違いなくKCIAもやっとるな。
シャープ元会長「技術を盗みに来たサムスンが可哀想なので無償でノウハウ教えたら知財裁判起こされてビックリした」
それと例の「検索エンジン」さえあればハニトラ仕掛けずとも世界中の要人は操り放題だと思われるのですが、そういうのは気安く抜かない伝家の宝刀なんでしょう。トランプのロシアでの粗相は羽目を外した程度なので開き直ればそれで終わりですが、ペドとかBDSMとか発覚したら致命傷。そういう意味ではLGBT啓蒙活動は政治家スキャンダルの安全弁みたいな。
満足度(5点満点)
☆☆☆☆
尚、オリバー・ストーンの最新作は「ウクライナ革命でのキエフ大虐殺はCIAの自作自演」説を唱えたドキュメンタリーだそうです。テーマ的に日本公開無理っぽい。
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コメント
裏切り者は信用されないのが世の常世界の常。便所スノーデンに安住の場は何処にもないでしょうね。
Posted by 名無しさんはデマに苦しんでいます at 2017年02月14日 12:06
まあ、話半分に見るのが無難でしょうな。いわゆるドキュメンタリー風のフィクション映画でしょ。
しかし、スノーデン事件で誰得かっていえば、ロシアと中国しかないよね。
それが全てなんじゃないかな。
しかし、スノーデン事件で誰得かっていえば、ロシアと中国しかないよね。
それが全てなんじゃないかな。
Posted by 名無しさんはデマに苦しんでいます at 2017年02月14日 16:29
エシュロンは実在した!なんて赤いカプセル飲んだようなものだ。衝撃だった。
Posted by aikobros at 2017年02月14日 20:39
>スノーデン事件で誰得かっていえば、ロシアと中国しかないよね
その両国がスノーデンを全面的に信用してるかと言えば、答えは言う間でもないでしょうな。
その両国がスノーデンを全面的に信用してるかと言えば、答えは言う間でもないでしょうな。
Posted by 名無しさんはデマに苦しんでいます at 2017年02月15日 02:14
理由はニコラス・ケイジと監督が「妻が韓国人つながり」かもしれませんね。
うちにもルービックキューブが2個あります。
うちにもルービックキューブが2個あります。
Posted by worldwalker's weblog(・∀・)! at 2017年02月15日 07:11