2016年09月26日

【映画評】ハドソン川の奇跡

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機長、究極の決断 (静山社文庫)
機長、究極の決断 (静山社文庫)

翁監督作としては一昨年の「アメリカン・スナイパー」「ジャージー・ボーイズ」以来の作品となります。

映画『ハドソン川の奇跡』オフィシャルサイト

イントロダクション
クリント・イーストウッドの長い監督キャリア史上、最大のヒットとなった名作「アメリカン・スナイパー」の次に選んだのは「ハドソン川の奇跡」。未曽有の航空機事故からの生還劇の裏に隠された実話だ。前作で戦場という極限の状況下における兵士の人間性を鋭く優しく見つめた巨匠が、その視点で新たに問いかける真実の裏側。確かな経験に裏付けられた機長の決断。乗員乗客全ての命を救った英雄への厳しい追及。それでも折れない不屈の信念と、決してゆらぐことのない機長サリーの人間性を描き出す。

ストーリー
2009年1月15日、極寒のニューヨーク上空850mで155名を乗せた航空機を突如襲った全エンジン停止事故。160万人が住む大都会の真上で、制御不能の70トンの機体は高速で墜落していく。近くの空港に着陸するよう管制室から指示がある中、機長サリーはそれを不可と判断し、ハドソン川への不時着を決断。事故発生からわずか208秒の事だった。航空史上誰も予想しえない絶望的な状況の中、技術的に難易度の高い水面への不時着を見事に成功させ、“全員生存”の偉業を成し遂げる。その偉業は「ハドソン川の奇跡」と呼ばれ、サリーは一躍英雄として称賛される―はずだった。ところが―機長の“究極の決断”に思わぬ疑惑が掛けられてしまう。本当に不時着以外の選択肢はなかったのか? それは乗客たちを命の危険に晒す無謀な判断ではなかったのか? 事故調査委員会による度重なる追求は、サリーを極限まで追い詰める……
「救ったのに、なぜ?」待ち受ける試練。突然孤立した彼を支えてくれるのは、数少ない仲間と、心から愛する家族だけだった―。

映画『ハドソン川の奇跡』オフィシャルサイト

映画『ハドソン川の奇跡』オフィシャルサイト2




トム・ハンクスを観るのは「ブリッジ・オブ・スパイ」以来ですが、安定して爺さん。エンドロールで本物の機長が登場しますがよく似ている。

わたしもそれなりの搭乗経験はありますが、幸いにバードストライク体験は殆どありません。日本人なら誰しも惹起するのがJAL123便でして、本作の生々しいコクピット音声に含まれる「pull up」合成音はトラウマ。当該USエアウェイ機事故は「すべてのタイミングが同期したので成功した」とあります。事故の結論を知っている観客は神目線で「208秒間」を傍観する形になります。

本作の感想ですが歴代イーストウッド作品並に安定して手堅く、史実が持つ重みは深いものの、反面過剰演出もなく、最初から結論も分かっているため高揚感には乏しく、決して駄作ではないものの印象としては中庸。本作と熾烈な興行成績2位を競っている「聲の形」と同じく鑑賞後のさっぱり感も微塵もありません。苦々しい後味。つまりいつものイーストウッド作品。

ということでイーストウッド翁に於かれましては引き続き健康にご留意頂き、撮りたいものだけを撮っていただければそれ以上望むものはありません。最期の最期まで全作品鑑賞します。

満足度(5点満点)
☆☆☆

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Posted by kingcurtis 固定リンクComments(3)映画 
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コメント
子どもと観に行きました。個人的な話ですが今まで映画といえばほぼ子供向け映画ばかりを見ていた自分にとっては「渇望」レベルの大人の映画。堪能させていただきました。
つい5年ほど前は座っているのも辛いと感じるライダーおよび戦隊もの映画、ポケモン、ドラえもん、ディズニーなどを経て「シン・ゴジラ」とこの「ハドソン川の奇跡」。
ここまで長かった・・・。
自分がいった回は子どもは自分の子どものみ。総じて自分より年長の熟年が多かったです。当たり前か。
Posted by 名無しさんはデマに苦しんでいます at 2016年09月26日 13:18
この機長、事件前から常々
「強烈なヒーロー願望があった」
という噂話は出てきますかね?
Posted by んんー at 2016年09月27日 11:45
本日、午前中観ました。
おっしゃるとおり、「アメリカン・スナイパー」「ジャージー・ボーイズ」ほどの満足感はありませんね。
Posted by worldwalker's weblog(・∀・)! at 2016年09月27日 18:46
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