2016年05月04日

【映画評】レッキング・クルー〜伝説のミュージシャンたち〜

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こちらの続き。
【映画評】ラブ&マーシー 終わらないメロディー

大瀧詠一師匠が観たらさぞ喜んだことでしょうね。
首都圏に大きく遅れてようやく当地公開です。情報量が多過ぎて何がなんだか分かりませんでしたが、キャプテン&テニールで思わず声が出た。

レッキング・クルー〜伝説のミュージシャンたち〜

イントロダクション
ファンク・ブラザーズがモータウンの評判を不動なものにしたように、ウェスト・コースト・サウンドに多大な影響を与えたレッキング・クルー。1960年代から70年代にかけて、彼らが参加したアルバムが、6年連続でグラミー賞レコード・オブ・ザ・イヤーに輝く実績を持ちながらも、ほとんど名が知られることはなかったセッション・ミュージシャン集団にスポットライトをあてた長編ドキュメンタリー作品『レッキング・クルー』が遂に日本で公開される。監督はレッキング・クルーの伝説的なギタリストの故トミー・テデスコの息子デニー・テデスコ。60年代の数々のナンバー1ヒット曲だけでなく、時代を飾る最高のサウンドを生み出したレッキング・クルーとレコーディングを共にしたのは、ナット・キング・コール、フランク・シナトラ、ナンシー・シナトラなどの重鎮に加えて、モンキーズ、バーズ、ビーチ・ボーイズなどに代表されるウェスト・コースト・サウンド最高峰のアーティスト達。未だに語り継がれる伝説のスタジオミュージシャン集団レッキング・クルーの全貌が遂に明らかになる。

レッキングクルーが参加した膨大なヒット曲の数々!
1962 シェリー・フェブレイ 「ジョニー・エンジェル」
1962 エルヴィス・プレスリー 「心の届かぬラヴ・レター」
1963 ロネッツ 「ビー・マイ・ベイビー」
1963 クリスタルズ 「ハイ・ロン・ロン」
1964 ヘンリー・マンシーニ 「ピンクパンサーのテーマ」
1965 バーズ 「ミスター・タンブリン・マン」
1965 ライチャス・ブラザーズ 「ふられた気持ち」
1965 ママス&パパス 「夢のカリフォルニア」
1966 フランク・シナトラ 「夜のストレンジャー」
1966 モンキーズ 「恋の終列車」
1966 ビーチ・ボーイズ 「グッド・ヴァイブレーション」
1967 フィフス・ディメンション 「ビートでジャンプ」
1967 ソニー&シェール 「ビート・ゴーズ・オン」
1968 グレン・キャンベル 「ウィチタ・ラインマン」
1970 サイモン&ガーファンクル 「明日に架ける橋」「ボクサー」
1970 パートリッジ・ファミリー 「悲しき初恋」
1972 アルバート・ハモンド 「カリフォルニアの青い空」
1973 カーペンターズ 「イエスタデイ・ワンスモア」
1974 バーブラ・ストライサンド 「追憶」
1975 キャプテン&テニール 「愛ある限り」

プロダクション・ノート
90年代後半、60年代から70年代にかけて活躍したスタジオミュージシャン集団<レッキング・クルー>の伝説的ギタリストのトミー・テデスコが肺ガンと診断された時、息子デニーが可能な限り映像に残そうと、カメラを手に持ったのがすべてのはじまりだった。自分でも全く想像していなかった大きな発見の旅に彼は旅立つことになったのだ。

数年をかけて、父親をはじめ、数々のプロデューサー、エンジニア、ミュージシャンらにインタビューを重ね、シンプルなコードで形成された曲の数々が、ミュージシャン達の才能のおかげで、世界に残る名曲になっていくプロセスをユーモアと人情たっぷりに捉えていく。ブライアン・ウィルソン(ビーチ・ボーイズ)、シェール、ナンシー・シナトラ、ハーブ・アルパート、グレン・キャンベル、ミッキー・ドレンツ(モンキーズ)、 ロジャー・マッギン(バーズ)、ゲイリー・ルイスなど、錚々たる面々のインタビュー映像に加えて、実際にレッキング・クルーが演奏している数々のオリジナル楽曲を全編にフィーチャーし、2008年に作品が完成した。

その後、50を越える数々の映画祭で上映され絶賛されたが、劇場公開などの配給にあたり、使用されている約130曲全ての権利をクリアするには50万ドルが必要なことが判明。以後、スポンサーを募り、あらゆる協力者から募金を集め、楽曲使用料の約半分を確保。そして2013年、アメリカで最も人気のあるクラウド・ファンディング・サイト<キックスターター>で、残り半分の権利使用料を集めるためにキャンペーンを立ち上げた結果、サイトとしてもドキュメンタリー作品の企画としては最高額31万ドルを集めることに成功し、撮影開始から18年の時を経て、2015年にアメリカ全土で公開され、遂に日本での配給も可能となった。




この曲がレッキングクルー末期だそうです。
時期的にはキングピンズ畑、ボズ・スキャッグス畑とかと入れ替わりなんでしょうか?



安室奈美恵ファンブログとしては真面目に書き始めたらページがいくつあっても足らないので適当に端折りますが、レッキングクルー=LAの音楽労働組合のことで、表現の仕方を間違うと非常にややこしい側面あり。よってその辺のセンシティブな情報は完全にカットされています。上述プロダクション・ノートにもあるように本作を纏めるには恐ろしい量の権利関係の調整が必要だったそうなので、伏魔殿的話しは追わないのが正解。

外注費を安く上げるためデモテープと騙され録音したり、R&Bファン落胆対策で白人プレーヤー隠し、アイドルグループ当て振り隠しなど、大人の事情で存在が長く隠蔽された伝説の超絶テク美人プレーヤーキャロル・ケイさん(ジャコ・パストリアスの師匠筋)についても彼女の演奏自体がモータウン専属黒人ベースプレーヤーにロンダリングされた騒動など、そのエピソードだけで凄まじい映画が作れそうですがばっさりカット。

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そういうきな臭い話しは置いて、彼女の若い頃のお写真&動画がたっぷり拝見出来て幸せでした。米大統領より年収が多かったというコメントが印象深し。ミッション・インポッシブル(スパイ大作戦)のリフも彼女が作ったんだって。当時はコード進行だけ渡されてリフとかその場で発案〜録音していたとのこと。



このベースリフも彼女だそうです。天才やろ。



因みにこの曲ではレコーディング中に譜面を床に落とし、後半の転調以降はアドリブだそうです。(you hear my improvising on this after my music fell down on take)



他のキャロル・ケイ有名レコーディングはこちらなど。アタックが固いベース音を傾聴してください。すべて若いブロンドお姉ちゃんのピック弾きだよ。











ベースのみならずギターも弾いています。



リッチー・バレンス「ラ・バンバ」のギターも彼女だそうです。どういうこと?



本作とは関係ありませんが、先日BSでアルバート・ハモンド「カリフォルニアの青い空」ドキュメンタリー拝見しまして、イギリスより背水の陣で渡米した彼のアメリカでのデビュー曲もレッキングクルーに委ねれらたそうです。リードギターがラリー・カールトン。ドラムはデレク・アンド・ザ・ドミノスのジム・ゴードン。



クラプトンファンは御存知の通り、終身刑で収監中のジム・ゴードンの家族は彼が唯一作曲した「いとしのレイラ」印税で平穏に生活しているそうですし、彼を発狂させた原因は莫大な「いとしのレイラ」印税とも言われます。勿論、そういう陰惨な話は本作では一切語られません。いずれにせよ70年代半ばで自然消滅したレッキングクルーのメンバーが一時的にせよ莫大な資産を形成したことは容易に想像出来ますね。



ということで個人的には大満足な作品ですが、本作を堪能するには1960年代の洋楽全般に造詣がないと辛いと思われます。

満足度(5点満点)
☆☆☆☆

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Various Artists

曲名リスト
1. Be My Baby (Ronettes)
2. Walk Right In (The Moments)
3. This Diamond Ring (Gary Lewis and The Playboys)
4. The Birds and the Bees (Jewel Akens)
5. La Bamba (Ritchie Valens)
6. Johnny Angel (Shelly Fabre)
7. Mr. Tambourine Man (The Byrds)
8. Marilyn McCoo and Billy Davis Jr discuss Stone Soul Picnic
9. Stoned Soul Picnic (5th Dimension)
10. Lets Go Pony (Routers)
11. Deep Purple (April and Nino)
12. Donna (Ritchie Valens)
13. Lets Dance (Chris Montez)
14. Mike Melvoin Drummer Joke
15. Dean Torrence talks about Baby Talk
16. Baby Talk (Jan and Dean)
17. Monday Monday (The Mamas and The Papas)
18. To Know Him Is To Love Him (The Teddy Bears)
19. Guantamera (The Sandpipers)

1. Good Vibrations (The Beach Boys)
2. California Dreamin (The Mamas and The Papas)
3. Dizzy (Tommy Roe)
4. Barry McGuire talks about Eve of Destruction
5. Eve of Destruction (Barry McGuire)
6. Windy (The Association)
7. Up Up and Away (5th Dimension)
8. This Guys In Love With You (Herb Alpert)
9. Everybodys Talkin (Harry Nilsson)
10. The Big Hurt (Miss Toni Fisher)
11. Mary Mary (The Monkees)
12. The Beat Goes On (Sonny and Cher)
13. Baja (Jack Nitzsche)
14. California Sunshine Girl (The Shacklefords)
15. Flying Telecaster (Michael Nesmith)
16. You Told Me (Michael Nesmith)
17. Little War (Suzi Jane Hokom)

1. Wichita Lineman (Glen Campbell)
2. Midnight Confessions (The Grass Roots)
3. God Only Knows (The Beach Boys)
4. Danke Shoen (Wayne Newton)
5. Louie Shelton talks about Valleri
6. Valleri (The Monkees)
7. Another Saturday Night (Sam Cooke)
8. Out of Limits (The Marketts)
9. Sleep in the Grass (Ann Margret and Lee Hazelwood)
10. Indian Reservation (Paul Revere and the Raiders)
11. Mike Melvoin Saxophone Player Joke
12. Gypsies Tramps and Thieves (Cher)
13. Summer Breeze (Seals and Crofts)
14. The Lonely Surfer (Jack Nitzsche)
15. Hal Blaine 3 Piece Suit Joke
16. Whipped Cream (The Tijuana Brass)
17. Dedicated to the one I love (Mamas and Papas)
18. Bein Green (Ray Charles)
19. Julie Do Ya Love Me (Bobby Sherman)
20. Forget Marie (Lee Hazelwood)

1. The Beat Goes On (Hal Blaine)
2. Surfin Hootenanny (Al Casey)
3. James Bond Theme (Billy Strange)
4. Walking and Talking (Tommy Tedesco)
5. Floreando (Al Delory)
6. DePatie Melt (Don Randi and John DePatie)
7. Safari West (Buddy Collette)
8. Deep Drum (Hal Blaine)
9. Lost In The Shuffle (Mike Deasy)
10. Cute (Frank Capp)
11. Concierto De Aranjuez (Dennis Budimir)
12. Ciao Bella (Emil Richards)
13. Blues Cha Cha (Michel Rubini)
14. Beginners Luck (Lyle Ritz)
15. Afternoon In Paris (Chuck Berghofer)
16. Begin the Blues (Barney Kessel)
17. Room 2000 (Tommy Tedesco)
18. Grease Patrol (Plas Johnson)

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Posted by kingcurtis 固定リンクComments(8)映画 | 音楽
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コメント
休日にふさわしい良いネタ感謝です。
1日楽しめます。
で、キャロル・ケイさんを聞きたくなりました。
アフェ欄にジョーパスのベターデイズ貼っといてくれたら
ポチりましたのに。
Posted by 名無しさんはデマに苦しんでいます at 2016年05月04日 12:09
任天堂の往年のゲームがとうとう映画化か、と勘違いしたのは俺だけで良い…_| ̄|○
Posted by 名無しさんはデマに苦しんでいます at 2016年05月04日 13:01
キャロル・ケイの長尺インタビューがyoutubeにあがってました。
Carol Kaye: Session Legend Interview というタイトルです。
ギターとベースを交互に引きながらインタビューに答えてる姿に感動しますた。
人柄も素晴らしいですね。
Posted by 名無しさんはデマに苦しんでいます at 2016年05月04日 14:11
>リッチー・バレンス「ラ・バンバ」のギターも彼女だそうです。どういうこと?

もともとギター奏者だったんですよね。
Posted by 名無しさんはデマに苦しんでいます at 2016年05月04日 14:17
キャロル・ケイについては本人が弾いたと語っているものの、その真偽不明のものが多々あります。なにしろモータウンのLA録音などは組合に内緒で安価でミュージシャンを雇っていたので、書面などの証拠がありません。弾いた本人もボーカル込みの一発録音でもない限り、ちゃんと憶えていないというのが真相でしょう。レッキングクルーについては詳細な本「レッキング・クルーのいい仕事 (P-Vine Books)」が出ていてそちらに詳しいです。
Posted by 名無しさんはデマに苦しんでいます at 2016年05月04日 18:25
※2
おお同志よ嘆くには早過ぎる。

ゴーストの世界を描いたら一大巨編になるけどその為のハードルの高い事は万国共通ですね。
今夏上映のゴーストバスターズ紛い物で我慢しよう。
Posted by 五月雨祭 at 2016年05月04日 19:35
ジェームス・ジェマーソンスタイルを研究していた人たちは、今どこに。
細野晴臣だと信じてたのに実は田中章弘だった、てなもんですな。

黒人大統領のおかげかキャロル・ケイの真実はあまり広まりませんね。
黒人音楽はジャズもポップスもユダヤ系の音楽産業であり
演じたのは黒人だけど作ったのも消費したのも白人だったとか、
ユダヤ系は徴兵が事実上免除されてたから反戦芸能活動で稼いだとか、
ウッドストックフェスティバルがアメリカユダヤの商業主義の産物で、
あれ以降マフィア系の芸能産業が衰退して駆逐されたとか、
アメリカンポップスの裏側は見せると都合が悪い話だらけなわけで。
リベラル信奉者の湯川れい子さんは真実を語らず。
Posted by 名無しさんはデマに苦しんでいます at 2016年05月05日 14:38
そういえばジャコの映画がアメリカで去年公開されたけど
日本には来る気配が無いな・・・
Posted by LICCA at 2016年05月05日 22:08
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