2015年12月03日
【映画評】エレナの惑い

エレナの惑い アンドレイ・ズビャギンツェフ [Blu-ray]
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ロシアを代表するズビャギンツェフ監督作品。最新作「裁かれるは善人のみ」公開を控えています。
本作ですが、首都圏上映は昨年。当地の映画館では正月明けより「公開予定」とあり楽しみに待っていたのですが、結局公開されたのは11月ですよ。。もうDVD発売されるやん。
第64回カンヌ国際映画祭「ある視点部門」審査員特別賞 受賞
ストーリーStory
それは愛の不在がもたらす、妻の報い。
「明日、遺言を作成する」――。
夫のその一言が、彼女を善悪すら存在しない地へと掻き立てていく――。
モスクワ、冬。初老の資産家と再婚した元看護士のエレナは、生活感のない高級マンションで、一見裕福で何不自由のない生活を送っている。しかしその生活で夫が求めるのは、家政婦のように家事をし、求められるままにセックスをする従順な女の姿だ。そんな生活の中で、彼女は夫の顔色をうかがいながらも、唯一の自己主張のように、前の結婚でもうけた働く気のない息子家族の生活費を工面している。しかしそんな日常は、夫の急病により一変する。
「明日、遺言を作成する」――。
死期を悟った夫のその言葉と共に、彼女の「罪」の境界線がゆらいでいく。そして、彼女がとった行動とは……。
男と言う存在を「経済」にだぶらせ、それに蹂躙されたひとりの女性の業をサスペンスフルに描き出す本作は、妻という存在、あるいは母という存在とは何かを根源から問いただしていく傑作となった。アンドレイ・ズビャギンツェフ監督長編三作目にして、初めて自身のオリジナル脚本による『エレナの惑い』は、今なお男性優位主義のロシアで、一人の妻として、母として、何より女としてもがく主人公の姿を通して、魂とモラルを失いつつある現代の闇を我々の前に突きつける。
エレナを演じるのはロシアを代表する女優ナジェジダ・マルキナ。本作での演技でヨーロッパ映画祭最優秀女優賞にノミネートされるなど高い評価を受けた。
スタイリッシュなカメラワークと計算された色彩設計によって描かれる静謐な画面設計とは裏腹な、エレナの強い決意と女の業の凄味が、画面に墨を落としたように広がっていく――。
出演:ナジェジダ・マルキナ/アンドレイ・スミルノフ/アレクセイ・ロズィン/エレナ・リャドワ
脚本:アンドレイ・ズビャギンツェフ/オレグ・ネギン
音楽:フィリップ・グラス
2011年/109分/ロシア/カラー/スコープサイズ/5.1ch/DCP
有り体に申し上げますと「サクラと尚樹」でして、古今東西一緒なんですねぇ。
孫が対立グループをリンチする光景をポニテ先輩が眺めていたのでしょうか?

ルーティン化された主人公の動きと音楽の使い方が面白かったです。眼力ある義理の娘は出番少ないながらも非常に印象強し。主人公らの年齢に近い人が観るのと、世代間がある人が観るのではかなり画面から受ける印象が違うのではと思いました。
満足度(5点満点)
☆☆☆
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