2014年12月28日

【映画評】ストックホルムでワルツを(Monica Z)

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ワルツ・フォー・デビイ【完全版】
ワルツ・フォー・デビイ【完全版】

幼い娘と二人、大都会で飯を食うため仕方なしに優しくて可愛くてお金持ちの男の子を食いまくる肉食系シングルマザーが主人公。その破天荒さが感情移入出来ないのかかなり評判悪いみたいですが、個人的には凄くよかったです。オトコがオンナ喰っても当たり前なのに、なんでオンナが無双だったらダメよダメダメなの?

クライマックスの「ワルツ・フォー・デビー」は感動しました。北欧映画にハズレ少ないし、音楽好きな皆さんなら私と同じように満足出来るはず。年末にいい映画が観れました。

【公式サイト】映画『ストックホルムでワルツを』


イントロダクション
北欧中を熱い感動の涙で包んだ話題作がやって来た!スウェーデンが生んだ世界的ジャズシンガー、モニカ・ゼタールンド。モダンジャズ全盛期の1961年に、英語ではなく母国語でジャズを歌った試みによりスターダムにのし上がり、巨匠ビル・エヴァンスとの共演「ワルツ・フォー・デビー」で国際的な名声を築いた歌姫だ。本作はモニカが歌手として頂点を極めるまでの波乱に富む数年間に焦点を当てた実話である。
ドラマを彩るのはモニカが歌うジャズの名曲の数々。世界で初めてスウェーデン語でジャズを歌った代表作「歩いて帰ろう」の軽快でキュートな歌は今聞いても新鮮だ。その他、誰もが1度は耳にしたことがあるナンバーが盛りだくさん。そして背景となる1960年代は北欧デザインの全盛期。その時代のインテリアや雑貨、そしてファッションを再現したお洒落な美術も大きな見どころだ。

モニカ・ゼタールンドとは
 1937年、スウェーデン中西部のヴェルムランド県ハーグフォッシュに生まれる。音楽家で熱心なジャズ・ファンだった父の影響で、幼いころからジャズに親しみ、14歳のころから父のダンスバンドでヴォーカルをつとめた。1957年、タレントスカウトに発掘されて本格的に演奏活動を始め、翌年には最初のアルバム『Swedish Sensation』をリリース。同時期、スウェーデン・ジャズ界を代表するサックス奏者、アムネ・ドムネラスのバンドで歌ったことで注目を集め、1960年にアメリカへ進出。クラブのステージに立ち、レコーディングも行ったが、望んでいた収穫は得られなかった。帰国後、モニカは詩人のベッペ・ヴォルゲシュと組み、ジャズのスタンダードナンバーにスウェーデン語の歌詞をつけて歌い始める。その画期的な試みはセンセーションを巻き起こし、モニカはスターへの階段を駆け上る。まもなく活躍の幅を歌手以外にも広げたモニカは、有名なコメディ・デュオのハッセ&ターゲと共演し、演技の才能を開花させた。

 1964年、モダンジャズの巨匠ビル・エヴァンスと共作したアルバム『ワルツ・フォー・デビー』を発表。モニカ・ゼタールンドの名は世界中のジャズ・ファンが知るものとなる。これによってスウェーデンを代表するアーティストとなったモニカは、マーティン・ルーサー・キング・ジュニアのためにハリー・ベラフォンテとデュエットしたり、スウェーデンの首相ターゲ・エルランダーの遊説に同行したり、大作映画『移民者たち』(71・未)に出演したりと、多彩な活躍を見せる。1990年代に入ってからは脊柱側弯症の病が進み、公の場に姿を現す機会が減ったが、精力的にアルバムや自叙伝を発表。1995年にリリースしたCDボックス『Lingonris』も大ヒットした。2005年5月、ストックホルムの自宅アパートで起きた火災に巻き込まれて死去。享年は67歳だった。

ストーリー
首都ストックホルムから遠く離れた田舎町に両親と5歳の娘と暮らしているシングルマザーのモニカは、電話交換手の仕事をしながら、時折深夜バスでストックホルムまで出向き、ジャズクラブで歌手としてステージに立つ忙しい日々を送っていた。いつか歌で成功し、この町を出て娘と2人で幸せに暮らせる日が来ることを夢見るモニカに、厳格な父は“母親失格”のレッテルを貼り歌の仕事に反対をしていた。そんな時、モニカの歌を聞いた評論家の誘いによりニューヨークで歌うチャンスが与えられる。一世一代のチャンスに、ジャズの聖地に乗り込むモニカだが、ライブは無残な結果となり、さらには憧れの歌手から“誰かのマネより自分らしい歌を歌いなさい”と厳しい批判を受ける。その評判は故郷まで届き、父は歌をやめ母親業に専念するよう言い放つ。落ち込むモニカだが、ある日バンドメンバーの助言により、母国語(スウェーデン語)でジャズを歌うことを思いつく。誰もが予想していなかったこの歌声は、次第にスウェーデン中の人々の心に響くようになり、モニカは夢のステージへの階段を一歩ずつ上り始めていくのだった―。




誰でも知っている名曲目白押し。至福の時間に浸れます。

『ストックホルムでワルツを』_compressed

何がいいって、もちろん北欧カラーの住環境や服飾を筆頭に、主役のエッダ・マグナソン(往年の加賀まりこさんみたいな感じ)が可愛いかったことも重要ですが、異常に歌は上手いし(本職は歌手の由)、オリジナルのモニカ・ゼタールンドに本当そっくり。セックスシーンでのおっぱい露出は余計です。





前半のNYシーン。なんで客席のご婦人方が席を立ち始めたのか?モニカ目線の私もさっぱり分かりませんでした。昭和40年頃のNYってあんなにひどい人種差別がまだ残っていたなんて。田舎町なら推して知るべし。
(理由は単純な黒人差別ではなく、エロ用語でいう「interracial」)

映画の尺内はモニカのサクセスストーリーまで。上のプロフィールにも記されていますがその後は難病を患い、悲劇的な最期を迎えます。そういう意味では本作が「やっぱりね」のハッピーエンディングでもいいではないかと。せめて映画の中だけでも幸せなら、観ている我々も元気になります。

イングマール・ベルイマンとか、悪名高き「ユーロビジョン・ソング・コンテスト」描写もあり。
いずれにせよ、シングルマザーが食っていくためには大変なんよ。綺麗事ではメシは食えん。

満足度(5点満点)
☆☆☆☆

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曲名リスト
1. 降っても晴れても
2. ビューティフル・ローズ
3. ワンス・アポン・ア・サマータイム
4. ソー・ロング・ビッグ・タイム
5. モニカのワルツ(ワルツ・フォー・デビイ)
6. ラッキー・トゥ・ビー・ミー
7. 悲しい風
8. イット・クッド・ハプン・トゥ・ユー
9. サム・アザー・タイム
10. イン・ザ・ナイト
11. 降っても晴れても (別テイク) (ボーナス・トラック)
12. 降っても晴れても (別テイク) (ボーナス・トラック)
13. ラッキー・トゥ・ビー・ミー (別テイク) (ボーナス・トラック)
14. イット・クッド・ハプン・トゥ・ユー (別テイク) (ボーナス・トラック)
15. イット・クッド・ハプン・トゥ・ユー (別テイク) (ボーナス・トラック)
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ストックホルムでワルツを オリジナル・サウンドトラックストックホルムでワルツを オリジナル・サウンドトラック
バーティル・リンダー サントラ エッダ・マグナソン

曲名リスト
1. 歩いて帰ろう
2. ヒット・ザ・ロード・ジャック
3. モニカのワルツ(ワルツ・フォー・デビイ)
4. 月光のいたずら
5. イン・ゴング・イ・ストックホルム
6. イット・クッド・ハプン・トゥ・ユー
7. グローナ・スモー・アペレン
8. トゥルベル
9. ドゥ
10. ベドランダ・ソマーヴァルズ(ブルースエット)
11. 捧ぐるは愛のみ
12. イ・ニューヨーク(テイク・ファイヴ)
13. モニカZ

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Posted by kingcurtis 固定リンクComments(2)映画 | 音楽
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コメント
サントラ買って聞いていましたが、当の女優さんが全て歌っていらしたことに感動しました。
モニカ女史と瓜双子です。
Posted by 名無しさんはデマに苦しんでいます at 2014年12月28日 23:18
昨日観てきました。
「ワルツ・フォー・デビー」に至るまでの映画的カタルシスといい、モニカを良く知らない同行者も普通に伝記映画として楽しめた様子。
エッダさんのブルーノート公演も行っとけばよかったな…
Posted by 名無しさんはデマに苦しんでいます at 2015年01月01日 12:27
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