2014年04月22日

努力をする25歳の大島優子と、努力はしない25歳の「安室・宇多田・浜崎」

このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック


 

キャバ嬢の社会学 (星海社新書)
キャバ嬢の社会学 (星海社新書)

「努力」とはプロに近づくための反復練習。
常に「準備」を怠らない「天賦の才」がプロ。常に「努力」を惜しまない「芸達者」が素人。みたいな感じでしょうか?

例えばプロ野球シーズン開幕を万全の態勢で迎えるため春季キャンプで「準備」するのは一軍。一軍に昇格するため「努力」するのは二軍。外せば徒労。

WVv8qH0


大島優子(25)の卒業と安室・あゆ・宇多田の25才 )

AKBの大島優子さん(25)が、6月2日の劇場公演をもって同グループを「卒業」しますね*1。30日には国立競技場で予定されていた卒業セレモニーが荒天のため中止となり、ファンの前で謝る大島優子の姿が芸能ニュースで取り上げられました*2。

25才というのは女性にとって、転機の年です。「お肌の曲がり角」なんて使い古された表現もありますが、新卒で就職したなら「3年目OL」。『Cancam』では「1年目OL」に対して、もうキャピキャピしてらんねぇぞ!的な立場の役どころです。

新人の指導を任されることもあるでしょう。仕事にも慣れ、ルーチンワークをこなす毎日。「本当にこの会社に勤め続けるの?そろそろ結婚も意識した方がいいのかな?」なんて悩みも出てきます。

実際、女性が転職を考え始める年齢は男性より数年早く、24〜25才なんだとか*3。25才の国民的アイドル・大島優子さんにも色んな思いがあったことでしょう。

かつて一世を風靡した歌手たちもまた、「25才」で何らかの転機を迎えていました。安室奈美恵、浜崎あゆみ、宇多田ヒカル。彼女たち3名の来歴をたどり、大島優子と比べてみると*4、大島優子がなぜこれだけ多くの支持を集めるのかが分かるのです。

もはや伝説?安室奈美恵の「25才」はSAMからの卒業
90年代半ばにコギャル、アムラー現象を巻き起こし、現在も女子のカリスマで居続ける安室奈美恵(36)。「彼女を表紙にすれば、女性誌は売れる」とも言われます。アラフォーにしてなお、若い女性たちの憧れである彼女。デビューしたのは15才の時でした。

小室哲哉プロデュースのもと、10代でミリオンヒットを連発。19才で史上最年少のレコード大賞に輝きます。20才でダンサーのSAMと電撃結婚&妊娠を発表*5。「CAN YOU CELEBRATE?」で、2度目のレコ大を受賞します。紅白歌合戦では20才の若さでトリをつとめました。

しかし育休復帰後は、かつての輝きを少しだけ、失っているかのように見えた安室奈美恵。22才の頃には、母親が殺害されるという悲劇にも見舞われます。その後は、人気にも陰りが。

そんな彼女は、24才で小室哲哉のプロデュースを離脱。ヒップホップやR&B調の曲へとシフトします。ZEEBRAなどとのグループ活動をスタートさせ、自らの新境地を開拓していったのです。

彼女は「25才」で、夫のSAMと離婚しました。安室奈美恵の25才は、夫と別れ、「Queen of Hip-Pop」*6となっていく転機の年だったのです。離婚後、安室奈美恵は両腕に、亡き母親への愛を誓ったタトゥーを入れたそうです。

いやはや、ここまでめまぐるしい25才までの人生を他に知りません……10代で国民現象を起こし、数々の記録を塗り替え、妊娠、結婚、出産、母の死、そして離婚、再びダンスと歌の新境地を希求し、歌姫の座へと返り咲いた25才でした。

浜崎あゆみの「25才」はレコ大「3年連続受賞」の最後の年
安室奈美恵の1つ年下の浜崎あゆみ(35)。彼女が、子役やモデル活動を経て歌手デビューしたのは20才の時です。CMや雑誌に登場するたびに「あの可愛い子は誰!?」と大人気に。歌詞の世界観や独特のトークなども受け、「あゆ」は女子高生のカリスマとなりました。

00年代前半は、女子という女子が「あゆ」の曲を着メロにし、メイクやファッションを真似していた。一人称が「僕」で始まる彼女の曲は、ギャルのみならずメンヘラ系女子までを魅了し、ケータイ小説の文体にも影響を与えます*7。長瀬智也との堂々たる交際も、多くの女子にとっては憧れでした。

そんな彼女が「25才」を迎えたのは2003年。レコード大賞3連覇の、最後の年でした。ここが彼女の転機だったかもしれません。翌年には総合司会を務めていた番組『ayu ready?』が終了。この頃からCM等の多くを降板しているようです。でも、前しか向かねぇ。プロモーションビデオに凝り始めるなど、自己プロデュースに力を入れて行きます。

ごく最近では熱愛報道ばかり話題になる浜崎あゆみですが、デビューから25才までは、まさに「美とファッションのアイコン」でした。安室奈美恵と同様、ギャルカルチャーを形作ったのは間違いないでしょう。

16才でアルバム800万枚を売った宇多田ヒカルの「25才」
最後は、あゆの5つ下で83年生まれのシンガーソングライター、宇多田ヒカル(31)です。彼女の歴史は98年、弱冠15才でデビューシングル「Automatic」がいきなり、ミリオンセラーとなったところから始まります。ソファに座って気だるそうに体を揺らして歌う彼女の、ミステリアスな魅力(※そして母・藤圭子の存在)に、日本中が夢中になりました。

16才の時にはアルバム『First Love』が800万枚(!)の大ヒットとなり、日本史上記録に。19才で映画監督と結婚。21才で全米デビュー*8。

24才のとき、彼女は離婚を発表します。このときすでに、日本を代表するシンガーソングライターの地位を手に入れ、海外進出を果たし、結婚と離婚まで経験している宇多田なのでした。

彼女が「25才」を迎えたのは、離婚後の2008年。周りはうるさいけど、前しか向かねぇ、という感じで20作目のシングル「HEART STATION」は、自身の最高オンエア記録を更新。そのわずか2年後、27才で「人間活動」に専念するため活動を休止します。

デビューから12年、日本の音楽史を鮮やかに塗り替えていった彼女は、「普通の女の子に戻りた」かったのでしょうか。いや、絶対に叶うことのない「普通の女の子」をやってみたかったのかもしれません。まったく普通じゃないから、ここまで名を残す存在になってるのだと思いますが。

安室と宇多田、あゆのカリスマ性はどこから来るのか
こうして3名の人生を振り返ってみると、それぞれデビューから25才までの数年間に、並外れた経験を積んでいることが分かります。それゆに彼女たちは、25才の時点で異様に成熟していた。25にして既に、人生の酸いも甘いも噛み分けたかのような「貫禄」があったのです。悪く言えば、安室も宇多田もあゆも、年相応以上に老けていた。

安室や宇多田は、天賦の才と、その後のすさまじい「努力」(を努力と感じさせないほどの並外れた能力)により、カリスマ性を獲得しました。浜崎あゆみは「居場所がなかった…」と、自らのトラウマを歌って女子の心を掴んだ。まるで「涙を流すサイボーグ」のような存在だった彼女もまた、特殊なカリスマ性を帯びていました。

そして3者はそれぞれ、25才以降は少しずつ、勢いを失っていったようにも見えます。若くしてスターとなり、色んな人が群がってくる中で「大人の事情」を知りすぎたせいもあるでしょう。安室も宇多田もあゆも、どことなく斜に構えた感じの「25才」でした。デビューから数年のあいだに燦然と輝きすぎたからこそ、陰もできるのでしょう。そこで同じく25才の国民的アイドル、大島優子に思いを馳せるのです。

大島優子は「凡庸さ」を突き詰めた結果「非凡人」になった
見てきた3名の大物歌手と比べると、大島優子はまるで凡庸です。失礼ながら、安室奈美恵らのようなカリスマ性は持ちあわせていない。彼女はAKBの中では最長の芸歴を誇るにもかかわらず、長いあいだ芽が出ませんでした*9。

AKBに加入したのは18才になる年です。おニャン子クラブのメンバーたちが軒並み17〜20才あたりで解散&卒業したのを思い起こすまでもなく、大島優子はアイドルグループに新規加入するにあたり、決して「若くはなかった」。

カリスマ性もなく、アイドルグループの中では若くもなかった大島優子は、ただただ凡庸な「会いにいけるアイドル」の道を突き詰めました。その結果、彼女は25才の今もまだ、誰もが知る国民的アイドルで居続けている。ちょっとおかしな表現ですが、彼女にはカリスマ性がないからこそ、かえってカリスマ性を感じさせるような、そんな雰囲気があります。

大島優子は昨年、情熱大陸に出演した際、次のような発言をしたそうです。
――「 同じように努力したら誰でも大島優子になれますか? 」

大島優子:「なれますね。ただし、 同じ努力は簡単にはできないと思うけど。」

(大島優子が、情熱大陸でついたウソ - ジセダイより引用)
「努力」……安室や宇多田、あゆだったら絶対に言わないし、取材する側も聞かないテーマでしょう。天賦の才に恵まれたカリスマ歌手に、そんなことを尋ねるのは野暮というもの。

安室奈美恵が10代の頃に放送されたドキュメンタリーを見ましたが、彼女はインタビューの中で*10、「努力」という言葉を使っていなかった。むしろ、ただダンスと歌が大好きで、私はそれを追求しているだけ…という印象を受けました。

安室のようなタイプのカリスマには、大島優子の言う「努力」を重ねただけでは、なれないのです。むしろ「努力」という語彙を持たないのが、安室や宇多田のカリスマたる所以でしょう。

だからこそ、「他人には簡単にできないほどの努力をしてきましたよ」なんてサラっと言ってのける“国民的アイドル”、 大島優子は特殊なのです。彼女が努力をするのは、良い意味でみずからの凡庸さを理解しているからです。

だがその凡庸さを突き詰めて、結果的に非凡な存在になっている。カリスマとはいえないかもしれないが、なぜかカリスマ性を感じさせる。多くの人が、大島優子に何となく注目してしまう理由はここにあります。

彼女は、3月23日に幕張メッセで行われた「大島優子感謝祭」において、1人で6000人との握手をこなしたといいます。凡庸な「会いにいけるアイドル」を突き詰めた「国民的アイドル」の姿を象徴するようなエピソードだと思いました。

会場には特設の「大島優子ミュージアム」が作られ、デビュー時からの衣装115着をはじめ、歴史をたどる年表や写真など数百点が展示されたそうです。4月12日放送予定の「めちゃイケ」では、大島優子卒業2時間半スペシャルが組まれるとか*11。卒業後の映画出演もすでに決定しています。

メディアから支持され、多くのファンから愛される彼女。卒業を発表した紅白歌合戦の後は、同じタイミングで紅白から卒業する予定だった北島三郎の「お株を奪った」との批判が大量に寄せられたりもしました。Yahoo!ニュースのコメント欄は北島三郎ファンというより、彼女のアンチであふれていた。それほどに皆、大島優子の一挙手一投足に無関心ではいられないのか…と思ったほどです。

大島優子はAKB卒業後も、芸能界で生き残ってゆくでしょう。その理由は、彼女がみずからの凡庸さを、普通の人の何百倍も理解しているという非凡さ、にあるのではないかと思う次第です。

大島優子さんや安室ちゃんと比較するのもおこがましいですが不肖bob氏、ブログ運営後10年を越えましたが「努力」なんてやっていません。時代より取り残されないよう最新情報に目を通しているだけ。「勉強」はしていますがそれは「努力」ではないし。

本題に戻り、大島優子さんの努力は開花するのか?
明日のことを誰も知る由ないことを前提に、個人的に彼女の演技を拝見したのはドラマ「私が恋愛できない理由」だけですが、共演した同学年の吉高由里子さんの対比はとても痛々しく。努力を重ねても存在感は買えないみたいです。

>カリスマとはいえないが、なぜかカリスマ性を感じさせ多くの人が大島優子に何となく注目してしまう理由
まさにAKBのイケダハヤト師。

会社の看板で飯食っていた「社会の歯車」なのにイケダハヤト師に幻惑され脱サラ難民と化した被害者たちや、秋元康庇護を離れ忽ち輝きを失った篠田麻里子さんらと違い、大島優子さんがサクセスストーリーを歩んで頂けるよう願って止みません。(女優前田敦子さんの前途は明るいようですが)

キャバ嬢の社会学 (星海社新書)

北条 かや 講談社 2014-02-26
売り上げランキング : 4460
by ヨメレバ
by カエレバ








コメント
国民的アイドル?誰やん?
吉高とカリナと共演したとき見たが存在の薄さに申しわけなくてそれを否定する自分がいたど。谷間以外の勝負ポイントはないのか。
Posted by 通りすがり at 2014年04月22日 10:05
>努力を重ねても存在感は買えない

主さんの考えや書いてる事のほとんどが共感出来ますがこれだけは
いただけません。
安室ちゃんを崇拝している時点で芸能関連ではお里が知れてる
主さんに言われる大島優子が不憫でなりません(笑

大島優子は良い女優になりますよ。

あぁ、これも思いっきり私見ですがね(笑

Posted by 名無しのクネクネ at 2014年04月22日 10:14
> >努力を重ねても存在感は買えない
>
> 主さんの考えや書いてる事のほとんどが共感出来ますがこれだけは
> いただけません。
> 安室ちゃんを崇拝している時点で芸能関連ではお里が知れてる
> 主さんに言われる大島優子が不憫でなりません(笑
>
> 大島優子は良い女優になりますよ。
>
> あぁ、これも思いっきり私見ですがね(笑

ごめんなぁ。でもそれがドラマ「私が恋愛できない理由」全話見た正直な感想。嘘書いても仕方ないし。
吉高と香里奈、稲森いずみ、剛力、倉科カナはよかったよ。剛力嫌いだけど演技は全然問題ない。
Posted by bob at 2014年04月22日 10:17
>勉強はしていますがそれは努力ではないし

( ̄∇ ̄)けんきょ〜。感動した。
    
Posted by 奈々子 at 2014年04月22日 11:42
 所詮は、売れない二流子役上がりで、近年「ポッ」とAKB商法で売れただけ。(AKBとして名前が爆売れしたのは評価されるが)演技力は「子役のままの、おおげさで、わざとらしい、ぶりっ子のまま」。AKB加入後のドラマに限っていえば、出てくるとドラマの雰囲気を壊すんだよね。子役上がりの癖に、新人アイドルが初めてドラマに出てきたくらいの大根なんだもん
Posted by 漁師 at 2014年04月22日 12:18
大島優子とか隣に住んでそうな子供一人生んだばかりのオバサンにしか見えんがな。
指原は自分の親戚みたい、うち独特のクサみを感じる。
秋元は粗製濫造しかできんのに本人に実力なくて生き残れるわけないと思うが。
Posted by aikobros at 2014年04月22日 12:54
> 指原は自分の親戚みたい、うち独特のクサみを感じる。
 昔は、水着写真みたいな「汚れ仕事」は、B級アイドルが担当していたんだけれど、バブル崩壊後は、ボーダーがあいまいになってます。飲み屋のねーちゃんにハマル要素は、「こいつ、もしかしたら俺に気があるんじゃないの?」やら「もしかしたらヤレルんじゃないの?」なので、さっしーみたいにブスでだらしない体つきがむしろエロく感じるんではと。
Posted by 漁師 at 2014年04月22日 15:16
漁師様の体験談から?
Posted by 興味津々 at 2014年04月22日 17:14
>嘘書いても仕方ないし

嘘だろとは思わないが結局は好き嫌いでしょ?
剛力を引き合いに出して好き嫌いじゃないですよって強調してる
時点であぁ、やっぱり好き嫌いやってわかるもん。

まぁお互い私見だからそれは仕方ないとしても
コメント欄の大島優子の不人気ぶりには驚くわ(笑
Posted by 名無しのクネクネ at 2014年04月22日 17:36
吉高由里子さんって存在感あるんですか?
ズベ公感はあるけど。

アムロちゃんは太らなくてよかったですね。
Posted by 名無しのクネクネ at 2014年04月22日 20:47
>不肖bob氏 とはこれいかに?

これから大勢の卒業する子が出るだろうが、行き場の無い娘達が溢れたらAKBビジネス途端に破綻しないか?

>女優前田敦子さん
この子の声は非常に聴き取りやすい!
是非ナレーターの仕事も増やして欲しい。70の母は垢抜けきらない感じが好きらしい。時代劇で気に入ったみたい。
TBSの世界遺産のナレーターが深津絵里から藤原竜也に代わったが日曜夕方6時には夕飯の準備を始めてたりすると、上記の二人は背中で聞いてたりするとボソボソ喋っててサッパリわからない。ベッドに入って電気を消し、ボリューム抑えて見たりすると前田敦子がナレーターならどんなに良いかと思う。

真木よう子は、週刊真木よう子がピークかと。
Posted by 40男 at 2014年04月22日 23:32
> これから大勢の卒業する子が出るだろうが、行き場の無い娘達が溢れたらAKBビジネス途端に破綻しないか?
 おにゃんこクラブの通った道だよね・・・モー娘。は入れ替えつつも存続している例だけれど・・・
Posted by 漁師 at 2014年04月23日 00:47
この盛り上がり、実は大島優子マウスパット使ってる奴がほとんどだと思ふ…。
Posted by ( ・_・)…。 at 2014年04月23日 06:33
”サプライズ”がアケビ界隈のマーケティング手法なんだろうけど、
最近は手ブラやら丸坊主なるやり方が鼻に付くのも否めないんだよなぁ…
本題に入って、コラム記事の”紅白歌合戦における卒業発表”について。
先日産経新聞の『話の肖像画』にてインタビューが載ってましたが、
「自分から秋元先生にお願いしました」とハッキリ言ってましたね。
あれが何でぶっ叩かれたかと言うと、
要は「アケビ界隈の内輪話を公共の電波に乗せた茶番」だからでしょ?
でもって、秋元とNHKもそれに乗っかっちゃったという訳で。
去りゆくジジイよりもカネになる小娘を優遇するのが商業マスコミのお作法。
ネット界隈の雑音は、北条かやなるこの太鼓持ちライターに”優子アンチ”とレッテルを貼らせておけばOK。
Posted by 熊蔵 at 2014年04月23日 19:30
  ※ コメント認証制です。URL記述不可。久保田直己さんの名誉を毀損したり誹謗中傷する書き込みは固くお断りします。
※ 全角換算400文字超を入力するとコメント飛びます。要分割投稿。