2013年04月08日
【映画評】汚れなき祈り

粗筋ですが、ルーマニアの修道院(正教会)に紛れ込んだ「異教徒」が予期せず規律を掻き回し(史実では統失)、止むに止まれぬ修道院側が悪魔祓いの儀式をしました。じゃんじゃん。っていう実話をベースにしているそうです。
若干微妙な感想です。恐らくこの映画は「修道院側」の琴線が分からないと作風の半分がスポイルされそうで、日本人的宗教観に立つと万事、ギャグにしか見えないという辛さ。
反面、被害者目線や最後のシークエンスで死亡診断書での怒れる女医目線には立てまして、その辺が敬虔な東欧の人から見るとどうなのかが多少気にはなります。
孤児院での児童への性虐待や主人公の同性愛嗜好、修道院での性隷従描写もありますが、そこら辺は(映画の編集上)点と線が繋がっていない感じ。
ともあれ、病んでいる患者を治すのは教会でなく病院の仕事なのですが、その病院が治療継続を拒絶した云々ってのが実は貧しい国あちこちで起きているに違いなく、先日のブラジル女医連続殺人なんかが一端かと。
ということで宗教映画でなく統失の被害者フォーカスに立てば、また違ったジャンルの映画になっていたかも。
満足度(5点満点)
☆☆☆
![]() | 汚れなき祈り Blu-ray 紀伊國屋書店 2013-12-21 売り上げランキング : 156937 Amazonで詳しく見る by G-Tools |