2013年02月16日

【ゼイリブ】イタリア・フィレンツェ郊外アパレルの街「プラート」で中国人が「メイド・イン・イタリー大虐殺」とBBC

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中国貧困絶望工場 「世界の工場」のカラクリ
中国貧困絶望工場 「世界の工場」のカラクリ

韓国は芸能コンテンツとセックス労働者の輸出に軸足をかけ活路を模索していますが、よく分からないのが我らが中国。

「A.C.A.B」ではイタリア人の職を奪うルーマニア人やアルバニア人が描かれていましたが、映画「ゴモラ」では職を奪うどころではなく、「中国人がボス」という本件と同じ三光作戦的現状が描かれていました。
【映画評】ゴモラ
【映画評】A.C.A.B.: All Cops Are Bastards(原題)

※三光作戦
「日本軍が中国で行った」と称される中国共産党による人民宣撫工作名。
殺光(さっこう=殺しつくす) 槍光(そうこう=奪いつくす) 焼光(しょうこう=焼きつくす)















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BBC News   Coming into fashion


こちらはオーストラリアの局。
本来、対岸の火事なのですが言い知れぬ危機感を覚えているのかどうか。



イタリアのモード界を中国企業が侵略している…安価生産で現地企業に大打撃―英メディア
Record China 2月16日(土)8時40分配信

12日、英公共放送・BBCは、イタリアの伝統的な繊維産業の町・プラートに多くの中国系企業が進出し、低価格重視の製品で現地企業に大きな打撃を与え、地元住民の反感を買っていると報じた。写真は中国製の生地。

2013年2月12日、英公共放送・BBC(電子版)は、イタリアの伝統的な繊維産業の町・プラートに多くの中国系企業が進出し、低価格重視の製品で現地企業に大きな打撃を与え、地元住民の反感を買っていると報じた。新華網が伝えた。

プラートは古くから小規模なアパレル企業が数千社が集まっている町で、世界に名だたる「メード・イン・イタリア」を支えてきた。こうした小企業では一部、中国人をワーカーとして雇用することもあったが、その後、中国人がオーナーとなる企業が進出してきた。こうした後進の中国系メーカーは、自国の安い原材料を持ち込んで製造コストを大幅に引き下げ、市場を獲得してきた。その結果、プラートの中国系企業は約4000社にも膨れ上がり、現地企業の数を超えるまでになっている。

中国系企業は、ブランド価値の高い“イタリア製”でありながら廉価を実現し、中国本土の市場開拓に成功しただけでなく、ヨーロッパ市場への参入も着実に進めている。一方、プラートの現地企業は、市場開拓が思ったように進んでいないという。

中国人関係者は「イタリア企業は現地の高級な原材料を使用しているため、価格面では中国系企業の相手にならない。ただし、デザインなどに関しては伝統を重視していて、世界各地―特に中国で、ブランドとしての大きなニーズがある」と分析する。

そのため、プラートに進出した一部の中国系企業では、イタリア人をデザイナーや管理職として雇用しているという。中国人関係者は「我々の進出は、イタリア人にチャンスを提供しているだけでなく、中国でのイタリアブランドの普及にも一役買っている」と話している。(翻訳・編集/HA)


傍証として古い記事をサルベージ。

欧州に「丸ごと中国」工場 資本も、従業員も、原料も
2012年3月5日03時00分

 政府債務(借金)に苦しむ欧州の国々に、中国が盛んに進出している。イタリアには中国人経営の「工場団地」が出現し、港湾や道路などインフラ投資も進む。財政難などの弱点をついて存在感を増す中国に、地元では期待と懸念が交錯する。

■中世からの織物の街で「格安に革ジャン生産」
 イタリアの古都フィレンツェから約20キロ。なだらかな丘陵に赤茶色の屋根の家々が連なるプラート市の郊外に、漢字の看板を掲げた建物群がある。「プロント・モダ(既製服)」と書かれたイタリア語の隣に漢字で「公司(会社)」。中国系移民が経営する洋服の卸問屋だ。

 店内には革ジャン、ニットのコート、スカートが並ぶ。1着6.5ユーロ(約700円)からと格安だが、女性店員は「プラートで縫製したメード・イン・イタリーよ」と胸を張る。路上にはオーストリアやハンガリーなど欧州各地から買い付けに来た車が並ぶ。

 プラートにある中国人経営の衣服工場は約3千。人口19万人のうち中国人は不法移民を含め4万人以上とされ、人口比では欧州最大のチャイナタウンだ。

 中世から続く織物の町に最初の異変が起きたのは約20年前。浙江省温州から来た中国人が工員として地元の衣服工場で働き始めた。10年ほど前からは自分で工場を起こす者が出てきた。そして近年、「我も」と一獲千金を夢みる同胞が温州などから殺到している。
 成功の秘密は安い原料と労働力。生地は本国から格安で輸入する。解雇しにくく、休日が多いなど手厚い雇用法制で守られるイタリア人は雇わない。かわりに移民を長時間働かせて急な注文にも応じることで、欧州全域から中東まで販路を拡大した。最近は中国向けの輸出が増えている。中国の新興中産層にとって、「イタリア製」のブランドは大きな魅力だ。

■16時間労働で「メイド・イン・イタリア」
 労働環境は過酷を極める。移民らに布教している中国系オランダ人宣教師のイェンさん(37)は「16時間続けて働き、睡眠は4時間。食事も寝るのも工場で、3カ月休まないこともある」という。不法移民の多くはブローカーに約1万5千ユーロ(約160万円)を払い、観光ビザで渡航。借金返済後も働いて祖国の家族に家や車を買う。「縫製やアイロンがけなど単純作業ばかり。窓は目張りされ、まるで機械さ。でも賃金は中国の8〜10倍。歩合制だから、みんな必死に働く」。工場の実態に詳しい作家のネッシ氏は「衣料品のすぐ横でガスで調理をし、作業場を子どもが自転車で遊び回る。危険で最悪の労働環境だ」と話す。

 もともと脱税に甘い風土も魅力だ。イタリアは年間の脱税額が国内総生産(GDP)の2割近くとされる「脱税天国」。産業連盟プラート支部によると、中国系業者は年に20億ユーロ以上を稼ぎ、その半分以上が領収書を残さない取引。年10億ユーロ以上が中国に送金されていると推測する。

 イタリアの債務危機で財政再建が急務になり、中国人の「成功」は不満や批判の標的になりつつある。
 1990年代後半には約2千社あったイタリア人経営の衣服メーカーは約400社に激減。産業連盟プラート支部のマリーニ支部長は「私たちは『イタリア製』の名で品質と夢を売る。不法移民を夜通し働かせ、1日3千着つくるやり方とは相いれない」。地元経済紙のピエラッチーニ記者は「中国企業の金は犯罪組織にも流れている」と指摘。中国系マフィアが業者に群がり、売春や麻薬売買が横行するようになったという。

 警察は不法移民を雇う闇工場への摘発を強化している。だが、プラート市などによると、旅券もビザもない移民を中国大使館は中国人と認めず、強制送還のための二国間協定もない。工場をたたんでは別の工場を立ち上げて摘発を逃れる業者も多い。

 左派市政が長年続いてきたプラートでは09年、右派の市長が誕生した。チェンニ市長は「(中国系の工場は)不法移民を使い、労働規制を守らない。粗悪な原料でイタリア製の服を『偽造』する」と話し、反移民を唱える。(プラート=伊東和貴)



JOG(521)暴走する「世界の工場」中国

■■JapanOntheGlobe(521)■国際派日本人養成講座■■■■
TheGlobeNow: 暴走する「世界の工場」中国
「世界の工場」は政策的に作られたコスト競争力を武器に、世界中の中小企業をなぎ倒していく。
■転送歓迎■H19.11.04■35,560Copies■2,675,088Views■


■1.プラートの苦難■
 プラートはイタリア北部の人口18万人ほどの町である。700年以上もヨーロッパの織物業の中心地として栄え、アルマーニ、プラダ、グッチなど高級ブランド企業がここで買いつけを行ってきた。

 中央広場のごつごつとした石畳、壮麗な大聖堂、赤茶色の屋根の続く街並み、遠くの低い緑の丘、、、いかにもイタリアの古都らしい情景である。

 しかし、西の町外れだけが別世界となっている。窓に漢字が書かれた美容院、漢方薬の店、ネオン輝く娯楽クラブなど、まるで中国の街並だ。プラートの人口18万人のうち、いまや中国人が2万人を占めている。

 彼らは初めは外人労働力として、プラートの伝統企業に雇われていたのだが、技術を習得すると独立していった。プラートの商工会議所に登録された中国人経営の企業は1992年の212社から、2003年には1753社へと急増した。

 これらの会社は中国本国に大規模な製造工場を造り、低賃金労働力を武器として、高級ブランド企業の注文を奪い始めた。デザインだけプラートで行い、製造そのものは中国で行う。その完成品に高級ブランドのラベルを縫いつける仕事だけがプラートで行われる。

 そのコスト競争力に押されて、2000年に6千社もあった伝統的なイタリア人経営の中小企業は、2005年には3千社を切っていた。700年の織物工業の歴史が、いまや断絶の危機に瀕している。市当局には打つ手が見つからないようだ。

■2.黄の冒険■
 プラートに住む中国人の多くは、不法入国でやってきた。そのうちの一人、黄の冒険譚は次のようなものだ。

 黄の父親は福建省でスッポンを養殖し、日本に輸出して稼いでいた。しかし、日本のバブル崩壊で需要が減ると、スッポンの価格が暴落し、養殖事業は躓(つまず)いた。父親は不法な地下銀行から金を借りていたが、支払い不能に陥ると、刑務所を兼ねている市庁舎の地下に監禁された。不法な地下銀行は、地方政府が経営していたのである。

 黄に残された手段は、妻と息子をおいて、海外に出稼ぎに出ることだった。地下銀行と交渉して、金を借り増し、犯罪組織「蛇頭」にヨーロッパへの密入国を依頼した。地下銀行は返済ができなければ、黄の親戚一同の財産を差し押さえるという条件で金を貸してくれた。

「蛇頭」は黄に出国印の押された偽造パスポートを渡し、北京からロシアに向かう貨物列車に潜り込ませた。モスクワの手前で、列車から飛び降り、迎えに来た白いバンに乗せられた。そこから車や貨物船を乗り継いで、なんとかイタリアに上陸できた。そしてミラノを振り出しに、掃除や食器洗い、荷物運びなどの単純作業を続けながら、4年間、ボローニャ、ローマを転々とし、プラートまでやってきたのだった。

 プラートでの中国人労働者の典型的な賃金は、1日10数時間働いて月600ユーロ(約9万円)。生活を切り詰めてなんとか黄は父親の負債の返済を始め、父親はようやく解放された。4年で返済を終えたが、黄はまだ妻と子供の元には帰れない。15歳の息子の教育費を払うためだ。


■3.プラートの栄華と没落■ 
黄のような不法入国者がプラートにやってきたのは、1980年代の半ばからだった。プラートの子供たちはまるで宇宙人でも見るかのように、中国人を眺めた。当時は人数も少なく、すぐに町の織物工場で雇われた。

 90年代の前半には中国人労働者は1万人に増えた。床の掃除や、ラベルの縫いつけ、織物の裁断など、低賃金にも関わらず、長時間を不満も言わずに働いた。その中から熟練工も育っていった。さらに一部の中国人たちは母国から安い糸や布を仕入れて、プラートのイタリア企業に供給するビジネスも始めた。

 安価な中国人労働力と中国産原料を使うことで、プラートの企業のコストは下がり、大いに潤った。地方政府は喜んで、移民サービスセンターを設置し、不法でも構わずイタリアに渡ってきた中国人の世話をした。

 しかし、そんな蜜月時代は長く続かなかった。中国人工員たちは何年か勤めて技術を得ると、会社を辞めて独立する。ぼろを着た出稼ぎ労働者が、いかにして工場を辞めた翌週に元ボスの競争相手となったか、という記事が地元紙の商業面を賑わせた。

 まだ20代の女性起業家・王一華もその一人だ。王も蛇頭の手引きで19歳にしてイタリアに不法入国した。いまでは中国人の工員とイタリア人のデザイナーを雇う「グレート・ファッション」という企業の代表におさまった。フォルクスワーゲンに乗り、高級なサングラスをかけ、流暢なイタリア語を話す女性起業家である。

■4.同じ苦難はコモ、ビエッラ、モンテベルーナにも■
 プラートを襲った苦難は、イタリアの伝統的産業に支えられてきた都市に共通の運命である。

 北部の美しい湖畔の町コモは、古代ローマ時代から絹織物の中心地だった。20年ほど前に中国の絹産業が復活すると、中国産の絹糸のほうが、コモのものよりも安くて、品質も大差ないことが明らかになった。さらに、安い労働力目当てに紡績と製織の作業が中国に外注されるようになった。

 そのうちに浙江省の企業が、コモで使われているコンピュータ制御の織機を導入した。これを昼夜動かすことで、この企業は数年のうちにコモの伝統的企業を次々と廃業に追い込みだした。7年でこの地域でのコンピュータ制御の織機の数は670台にまで急増し、世界の絹ネクタイのほぼ半分を生産するようになった。

 今やコモの伝統的企業に残された競争力はデザインだけだ。しかし、それも風前の灯火である。浙江省のネクタイメーカーの最大手「巴貝(パペイ)」は、輸出した絹物の支払いが困難になったイタリア企業から、代金と相殺にデザイン工房を譲り受けた。膨大なデザイン見本帳とイタリア人デザイナーを手に入れて、優れたイタリアン・デザインのネクタイを年間2千万本もの生産能力で世界に供給できるようになった。

 フランスとの国境に近い毛織物の町ビエッラでも、中国企業の攻勢で、13世紀から川沿いに並んでいた工場が次々と閉鎖に追い込まれている。北東部の町モンテベルーナは登山靴生産のメッカだったが、安価な外国製品との対抗上、各企業はこぞって生産をルーマニアの工業団地にシフトした。

■5.イリノイ州ロックフォードの苦難■
 中国企業の攻勢に喘いでいるのは、イタリアの繊維産業など軽工業分野だけではない。アメリカの機械工業も同様である。

 イリノイ州ロックフォードは見渡す限りの農地に囲まれた典型的な中西部の町である。ここは19世紀末にインガソルという企業が工作機械の製作工場を設立して以来、アメリカの工作機械産業の中心地として発展してきた。

 20世紀の幕開けと共に自動車産業が勃興すると、インガソルの工作機はたちまち評判となった。ヘンリー・フォードの大衆車「T型モデル」の製造にも一役買った。その後も航空機や戦闘機、原子炉の部品の開発にも参画して、専門技術を蓄積していった。

 こうした中西部の工作機メーカーは、戦争や景気後退、日本・韓国メーカーの台頭も乗り切ってきた。しかし、中国企業の攻勢にとどめをさされつつある。ある統計では、オハイオ州など10州の金属加工業者のうち、2003年5月から翌年9月にかけて180件の倒産や廃業があった。3日に1件の割合である。中国の競争相手が前ぶれもなく、3分の1か、それ以下の値段で売り込みをかけてきたらしい。

■6.ハイエナのような手口■
 こうした倒産や廃業に伴って工場設備が競売にかけられるが、そうした場にも中国企業が姿を現した。機械設備、設計図、操作ノウハウを手に入れるためである。自動車などの近代工業や、軍需産業を興すには、工作機械が重要な役割を果たすので、中国政府は積極的に先進技術を買いあさるよう国有企業に促している。

 インガソル社も2003年に倒産し、最初に売りに出された自動車用の工作機械部門は、中国の巨大な国有企業「大連工作機械」が買収した。数十年かけて蓄積された自動車製造技術の設計図や工業規格の書類の山が、ただちに中国本社に送られた。

 大連工作機械は次にインガソルの切削機部門も買収しようとしたが、こちらは米政府に阻止された。この部門は米軍からの注文で、ロケットの燃料タンクの性能を高める技術を開発したり、B−2ステルス爆撃機がレーダーに映らないようにする素材を塗る機械を開発していたからだ。

 低価格攻勢でアメリカの工作機メーカーを倒産に追い込み、競売にかけられた設備や設計図などを買収して技術を手に入れる。まさにハイエナのような手口である。

■7.分断されるアメリカ社会■
 ロックフォードにある「ダイアル・マシン」社は、ここ数年で従業員70人のうち30人の解雇を余儀なくされていた。同社のエリック・アンダーバーグはこう語る。

 わが社でずっと働いてきた人たち、家族もよく知っている人たちに、もう仕事はないと告げるのはたまらない気分です。もはやロックフォードには時給16ドル、17ドルを稼ぐ熟練工に働き口がないことは誰でもが知っています。

 解雇された熟練工たちの行き場は、ウォールマートなどの安売り店だ。時給7ドルで年金もない。

 アメリカの国勢調査局によると、アメリカでは所得の中流層が少なくなっている。2003年に収入2万5千ドル(約290万円)から7万5千ドル(約870万円)の就労者は減少したが、それ以下とそれ以上の人は増加した。

 時給16ドルを稼ぐ熟練工が、時給7ドルで年金もない就労者になる。7万5千ドル(約870万円)以上もの収入がある階層とは、ウォールマートのように安価な中国製品を大量に販売して儲ける大規模チェーン店や、中国に生産を外注してコストを下げる大手メーカーの経営者、管理者だろう。

 中国企業の攻勢によって、アメリカの中小企業と中産階級は直撃され、大企業での低賃金労働者と高給取りのスタッフとに分断されつつある。

■8.不公正なコスト競争力■
 こうして、世界各地で中国企業は猛威を振るっているが、そのコスト競争力は中国政府が政策的に作り出したものだ。この点を『ファイナンシャル・タイムズ』の元北京支局長ジェームズ・キングは、次のように指摘する。

 中国は、対ドルの通貨価値を割安に固定して、輸出の大きな競争力としていた。労働者にはほとんど、またはいっさい福利厚生を与えないから、原価が人為的に低く抑えられている。独立した組合はなく、中国の工場で見てきた安全基準は、アメリカなら違法ものだった。

 国有銀行は国有企業に低利で融資しているが、あっさり債務不履行になることもある。中央は輸出業者に対して、アメリカにはない気前のいい付加価値税の払い戻しを行っている。排ガス規制は手ぬるく、環境保護のための企業負担は、そのぶん小さい。企業は外国の知的所有権を当然のように侵害しているが、法廷が腐敗しているのか中央の支配下にあるからなのか、起訴はされにくい。最後に、国が電気や水など、さまざまな資源の価格を人為的に抑えることで、工業を助成している。[1,p130]

 こうして政策的に作られた不公正なコスト競争力を武器として、中国企業はプラートやロックフォードの中小企業をなぎ倒してきたのである。

■9.暴走する「世界の工場」■
 1970年代から80年代にかけて日本の工業製品の輸出がアメリカの製造業を脅かしたた時も「日本はアンフェアだ」と非難の声が上がった。現在の中国の製造業がそれを再演しているように見える。

 確かに当初の日本の輸出攻勢は、低賃金・長時間労働、安い円、政府の保護政策に支えられたものだった。しかし、その後の日本企業は大きな変貌を遂げた。

 円は変動相場制に移行し、1ドル360円から百数十円程度へと3倍も上昇した。人件費も高騰し、福利厚生も行き届いている。企業への課税水準も環境規制も世界トップレベルである。知的所有権に関しても、日本はソニーやパナソニック、シャープ、トヨタやホンダなど、独自の製品で自前のブランドを築き、そのために膨大な研究開発投資を行ってきた。

 こうした努力で、今日では日本が不公正な競争をしかけている、などと非難する者はいなくなった。しかし、中国の場合は日本と同じコースを辿ることは難しいだろう。中国共産党が独裁政権を握っていられるのも、経済成長を続けているからであり、そのためには現在の低コスト路線を自転車操業で走り続けるしかない。

「世界の工場」は、世界中の資源を吸い込み、煤煙と廃液を吐き出しながら、安価な(時には有害な)工業製品を洪水のように送り出し、世界中の中小企業をなぎ倒しつつある。そんな「世界の工場」の暴走を世界はいつまで許すだろうか。
(文責:伊勢雅臣)

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Posted by kingcurtis 固定リンクComments(0)欧州 | 企業倫理
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