2010年03月15日

【映画評】ハート・ロッカー

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予告編では主役級のカメオ出演@ガイ・ピアース↑

「わし、ここでなにやっとんねん」という壊れっぷりは普通に面白かったけど、娯楽作品としては大作ではないし、記憶に残るような映画ではないな。という個人的感想。

戦争映画はステレオタイプなエネミーとか命を預けた戦友、内在する自我との葛藤というのがキーファクターなんですが、「イラク戦争」についてはカタルシスとか贖罪感とか厭戦感とかスペクタルとか狂気とかアメリカマッチョ精神が描きにくいのか、映画作品としては扱いづらい素材みたいですね。
本作については、ズッコケ三人組のチームワークがバラバラです。
(一人で美味そうにジュース飲むなよw)



恐らく監督の意図は性善説とか性悪説とかイラク戦争の是非とかそういう難しいテーゼでなく、日が当たらない戦地の地味な職人にフォーカス当てただけじゃないのかと。
つまりは内地の警察官でも消防隊員でも構わない訳ですが、爆発物処理班は危険度が桁違い且つ、仕事現場も危険度が桁違いなのが警官とか消防隊員との違いで、そりゃ切れるよなと。

中盤のスナイパー合戦も面白かったけど、最初から最後まで爆弾相手の一本道の方が分かりやすかったんじゃないのかな。
人間爆弾のエピソードを三者三様の脚色であと2本位追加したら、もっと記憶に残る作品になったかもしれんという脳内願望。

偶然だけど、ちんこかい先生の下記テキストがこの映画の主人公の内面を的確に表現しているので引用。
なんでこんな危険な仕事を・・
それは国家の為とか現地復興の為とかではなく、単に好きだからやってんだよ。みたいな。
神が無垢に等しい存在であれば、神に近い人かもね。

http://blog.livedoor.jp/fgejtocfk4fk5j23dk5/archives/1387337.html

実は皆さんがリアルな世界だと思っているものも、「誰の意識によって観察されているのか」「誰の意識の中に立ち現れているのか」ということをよく調べてみれば、オンラインゲームとたいして変わらない代物なんですよ。
パソコンのモニターの上に間接的に立ち現れているか、あなたの五感を通して意識の上に直接立ち現れているかの違いだけで。
実にこの世というものは、神様の遊戯に他なりません。
自分を人間だと勘違いさせた上でないと、そのままでは遊べませんから。
神はなぜそのようなことをして世界を創造したのか?
例えるなら、夏の海水浴場で子供が砂の城を作るようなものでしょう。子供は数時間したら帰ってしまうのに一生懸命砂の城を作ります。そして両親がもうお家に帰るぞと言ったら、それを蹴り飛ばして壊してしまう。
では、なぜ蹴り飛ばして壊してしまうようなものを一生懸命作るのでしょう?子供になんで壊すのにあんなに一生懸命手間暇かけて作るんだい?無駄なことをして・・・と尋ねてごらんなさい。
「おじさん、馬鹿?楽しいから!!作りたいからに決まっているでしょ!!」と言われておしまいでしょうね。
子供はまだ生まれてきて迷いの世界に呑まれていないから、神様に近い考え方をするんですよ。
楽しいから。楽しいから自分の世界を創りあげていく。それが全て。
それに比べて大人は毎日が苦痛の連続の世界を自分で創り上げているんですよ。
だから神様の目から見たら、天罰なんて存在しないわけ。この前のチリの地震なんかもそう。砂の城を作って壊すようなものだ。いや、より適切な表現をするなら、歴史シュミレーションゲームや都市開発シュミレーションゲームをしていて、地震を起こしたというようなものか。

で、今時のアメリカのリベラルはこういう作品が好みだというのが、作品以上に興味深かった。


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stars傑作。イラク戦争を扱った映画では「ハート・ロッカー」に次ぐ面白さ。
stars流石デ・パルマ先生!!大スキ!!
starsブライアン・デ・パルマ ファンなんです・・・。

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Posted by kingcurtis 固定リンクComments(6)映画 
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コメント
貧乏暇なしが一言いわせてください
「雨あがる」2。まだー
Posted by 名もなき友愛市民 at 2010年03月15日 01:13
自分から進んで危険なことをする人達がいます。
破滅願望を持つ人達です。
消防のレスキュー隊員、最前線を志願する兵士、アクロバット飛行のパイロット、株・為替の相場師など、進んでリスクの高い職業に就きたい人は注意が必要です。
破滅願望を持つ人は子供の頃に虐待を受けた者の中に多く見られます。
強くなりたいとか、人のために、社会のために、と言いながら自分を殺そうとします。

Posted by 福富 at 2010年03月15日 05:52
>一人で美味そうにジュース飲むなよw
ワロスw

ああそうか、そのぶんの報いがラストのほうにきたわけか。
でも、飲むだけの仕事もしてましたよね。
Posted by SUSI at 2010年03月15日 11:10
> でも、飲むだけの仕事もしてましたよね。
あの援護一撃がなかったら映画終わってますからw
ガイピアースを死なせた「携帯おっちゃん射撃ためらい」との対比描写でしょうね。
多用された「自分で判断しろ」セリフも映画のポイントかと。
Posted by kingcurtis at 2010年03月15日 11:23
まだ見てないけど、予想通りの感想で残念というか安心というかw

>性善説とか性悪説とかイラク戦争の是非とかそういう難しいテーゼ

この視点では、個人的にはBHDの徹底した乾燥具合とフートの言葉が最高に好きですね。

米国本土でのイラク戦争に対する一般的な思いは良く存じませぬが、
現代先進国では生死のかかった現場が少ない中で、ギリギリの緊張感を描きたかったんだと。
それなら消防士でも警官でもいい訳で、背景・味付けとして戦争を持ってきただけって感じ。スリル&サスペーーーンス!が主題ってわけですね。
戦争映画としては若干「落ちる」感じがします。


リドリ―スコットの「ロビンフッド」どうなのかな。
ラッセルクロウが出てくるというだけでマッチョ映画間違いなしw
監督の職人芸炸裂で「見せる」映画を期待しつつ待つ。
Posted by 名もなき友愛市民 at 2010年03月15日 17:44
前作『K-19』が良かったので、期待して観ましたが地味な映画で肩透かし。しかし漢!映画監督のキャスリン・ビグローらし作品ですねぇ。才能はキャメロンのスクエアー(三乗)と言われていますが、アカデミー6冠は無いでしょう。爆弾処はいつ爆発するか解らず、『パラノーマル・アクティビティ』の様に心臓に悪い。湾岸戦争を描いた『ジャーヘッド』のユルユルの対極の戦争映画だ。

 市街地戦闘だと『フルメタル・ジャケット』を思い浮かべますが、反戦を基調としている訳では無い。冒頭のコメントに「戦争は麻薬だ」と明示してあまり偏向的なニュアンスは感じないが、アメリカ人は西部劇感覚でこの映画を観ていそうで心配です。ストーリーや全体の完成度が高いが、観客の視点次第で色々解釈出来ますなぁ〜。映画の真の主役は耐爆スーツか?
Posted by もりへー at 2010年03月16日 00:29
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