2009年03月31日

【絶版書評】 スモール・サクリファイス

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スモール・サクリファイス〈上〉虐待の連鎖


かなり面白かったので、貴重な焼酎飲むみたいにチビチビ読みながら読了。
どんな本かというと、アメリカの畠山鈴香。

通説では、1987年、妻帯者と結婚したいシングルマザー(ダイアン・ダウンズ1955年生・当時27歳・以下同)が3人の子供を邪険に感じ、田舎の夜道に停めた日産パルサー車内で射殺を企てる。
次女(シェリル7歳)は即死、長女(クリスティ8歳)は心肺停止から奇跡的に息を吹き返すが脳障害、長男(ダニエル3歳)は半身不随。 

彼女はダイアナ妃に似せた容姿に似たような名前で、事件後も次から次に優秀な精子を求め妊娠目的に男を食いまくりメディア露出しまくりで無実を訴え続けるが、長女の精神状態が安定した事により逮捕〜裁判。
検察側や証人より彼女のインモラル且つサイコパス振りが次々に明るみになり・・・

ところが母はカージャックした正体不明の男の犯行だ、自分も被害者(腕を銃撃されている)だと未だに罪を認めない。証拠となる銃も発見されていない。それじゃ誰が犯人なんだ?
唯一の目撃者である瀕死になった少女は法廷で何を語るのか?という実話クライムサスペンス。

あのファラフォーセット主演で(邦題)薔薇の秘密というテレビドラマにもなりました。



実話ベースでは彼女は終身刑+アルファの有罪判決を受け、現在も服役中。
今までに2回脱走を計画し、1度は成功(同房の女囚の夫に匿われる)するも10日程度で発見され、2回目はヘリコプターで脱走計画するも、事前に露呈し失敗。

直近の話では昨年(2008年)12月に仮釈放を請求し棄却されています。
それを報じた記事はこちら。
日本では無名の事件ですが、あちらではそれなりに有名みたいで。







書評に戻りますが、脳障害を負って言葉も上手く喋れない長女クリスティが法廷で母親と対峙し、検事(後に義父となります)から「誰がきみを撃ったの?」という問いに、泣きながら答えるシーンは涙腺決壊しました。。
(本読んで涙腺壊れたのは久し振り〜多分翻訳者が上手い)


ですが残念な事に、この本は国内では廃刊となっています。
(2002年の出版なんですが、厳しい業界ですね)
気になった人は、図書館に行ったらあるかも。

ダイアン・ダウンズ事件について、英語が読める方ならこちらが詳しい。
Diane Downs: Her Children Got in the Way of Her Love - Crime Library on truTV.com

英語ウィキペディアはこちら。
Diane Downs - Wikipedia, the free encyclopedia

最後に、極めてオーバーラップする畠山鈴香被告の最新情報。
いよいよ最高裁ですか。




スモール・サクリファイス〈上〉虐待の連鎖
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アメリカでは、本に対する賛辞に "Un-putdownable!" という言葉がある。本から手が放せない、読み出したら止まらない、というニュアンスだが、この『スモール・サクリファイス』を評するのに、これほどピッタリくる言葉はないだろう。全米では各紙が絶賛し100万部を突破したというのも、とにかく手にとって読み始めればうなずけるに違いない。
著者のアン・ルールは、シアトルで警察官を経験した後に作家となった、女流のクライム・ライター。「犯罪ノンフィクション」というジャンルを確立した第一人者で、『スモール・サクリファイス』は、いまやベストセラーを連発している彼女の出世作である。

物語は、オレゴン州スプリングフィールドの病院のER(緊急治療室)に、銃撃を受けた若い母親が助けを求めにくるところから始まる。血まみれの車内には瀕死のわが子が3人。全米を震撼させた「ダウンズ事件」だ。母親のダイアン・ダウンズは、10代のころ、父親からの性的虐待にさらされた過去を持つ女性だった。不幸な結婚ののち、わが子への虐待、代理母としての出産、乱れてゆがんだ男性遍歴を重ね、すさまじいまでの人生を送っていく。

マスコミと市民を味方につけ、「悲劇のヒロイン」を演じるダイアン。だが、幼い子どもの命を奪ったのは、実は母ダイアンではないのか? 検事ヒューギを中心とする息詰まる捜査と、事件の背後に隠された人間の病理と悲惨さを、アン・ルールは圧倒的な取材と筆力で描ききり、読む者の心を締めつけて離さない。

上下2巻、800ページというボリュームだが、達者な訳文の力もあって一気に読み通してしまう。まさに "Un-putdownable!" なのだ。しかも、最後のどんでん返しには「これが本当に実話なのか?!」と仰天すること請け合い。「どんな推理小説もかなわない迫力」(インディアナポリス・スター)の本書は、ミステリーファンにも強くすすめたい。(遠藤聖一)

内容(「BOOK」データベースより)
父親からの性的虐待に晒された女性が三児の母となったとき、さらなる悲劇が始まった―。三人の幼い子供に平然と銃を向けたのは、果たして母親なのか―。アメリカ全土を震撼させた幼児殺害事件の背後にある人間の病理と悲惨さを、圧倒的な取材と筆力で描き切った犯罪ノンフィクション大作。

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Posted by kingcurtis 固定リンクComments(2)書評 | 精神崩壊
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コメント
正に鬼の母。子を持つ資格も必要性も、一切有りませんな。畠山さんも、自業自得とは言え可哀想な女性やね。因みに私の妻は、なかなかの美人で週に3回のセックスに応じてくれるんや。子供はおらへんねんけど、私は幸せ。皆さんも、良き伴侶を見付けて下さい。ふっはっはっはっは。
Posted by ゴンザレス社長 at 2009年03月31日 22:12
ご馳走様です^^
Posted by kingcurtis at 2009年03月31日 22:46
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