【書評】閉店時間

　


なんか長い間ブログで「書評」書くの忘れてました・・・

そういう訳で、さっき書いた食人族の続きです。
最終鬼畜ガルネクのケッチャム短編集がリリースされていたので読みました。

短編集といってもショートショートじゃないので、それなりにボリュームはあります。
以下、書評というより雑感。

・閉店時間
相対的に面白くない。

・ヒッチハイク
夜道で車が故障したのでヒッチハイクした車を運転していた女が、実は真性キチガイだったという、男三人組（＋キチガイ女）の連続衝動殺人ロードムービー風作品。
自暴自棄の犯人一味に対しヒロインが最後に選択した大バクチは？に至るまでのドライブ感がよい。
勧善懲悪なので読後は爽快。
本日、死刑の論告求刑があった２９６０事件を彷彿します。
これはタランティーノで映画化されたら絶対観たいね。

・雑草
異常性欲オンナに翻弄される男達の悲劇。
これもなんか、ＦＢＩプロファイリング系でよくある猟奇事件実話が素地になってんじゃねーの風の、読了後気分が悪くなるケッチャムの十八番パターン。
誤解を恐れずに云うなら北九州市監禁・連続殺人事件とかを彷彿。
※当ブログは緒方被告憐憫姿勢下にあります。

・川を渡って
これが一番面白かった。日本人が大好きなサムライスピリット系。
南北戦争後、混乱が続くアメリカ西部。
ある幼いメキシコ人姉妹が兵隊崩れに拉致され、コロラド川の向うの売春窟に売られる。
生まれたばかりの赤子を殺める手伝いなど劣悪な環境を経て姉は川を渡り決死の脱出に成功。
運よく、２人のムスタング狩りガンマンと頼りない新聞記者の３人組に助けられる。
ガンマンは身内をメキシコ人に殺された過去があり、少女を嫌う。
少女はガンマンのウィンチェスター銃を盗み、コロラド川の向うでレイプされ続けている妹の救出へ単身、踵を返す。
敵は武装したギャング１０数名＋悪魔崇拝に陶酔する売春窟オーナー３姉妹。
そこから急展開するストーリー・・

あれです。七人の侍。（西部だから荒野の七人ですね）
これも映画化されたら非常に面白そう。


万人には勧めませんが、活字中毒者にはお勧め。
読後の疲労感が好きな鬼畜さんはどうぞ。

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