2020年07月06日

【映画評】MOTHER マザー

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話題の長澤まさみ主演ネグレクト映画。
本年度賞レースを席巻しそうですが、個人的には今一歩。

映画『MOTHER マザー』|7.3(fri)

イントロダクション
17歳の少年が起こした殺害事件。すべてを狂わせた彼の母親は、怪物モンスター?それとも聖母マリアだったか——。
男たちとゆきずりの関係をもち、その場しのぎで生きてきた女・秋子。シングルマザーである彼女は、息子の周平に奇妙な執着を見せる。周平に忠実であることを強いる秋子。そんな母からの歪んだ愛の形しか知らず、それに翻弄されながらも、応えようとする周平。周平の小さな世界には、こんな母親しか頼るものはなかった。やがて身内からも絶縁され、次第に社会から孤立していく中で、母と息子の間に生まれた“絆”。それは成長した周平をひとつの殺害事件へ向かわせる——。何が少年を追い込んだのか?事件の真相に迫るとき、少年の“告白”に涙する。

母親・秋子を演じるのは、長澤まさみ。今年で女優生活20周年をむかえる長澤が、役者として、一人の女性として、秋子というミステリアスな役柄に挑み、母親という存在の闇と奥深さを体当たりで表現している。17歳の周平役には、映画初出演にして初めてのオーディションで大抜擢された新人・奥平大兼。そして、秋子と内縁の夫になるホスト・遼を阿部サダヲが演じているほか、物語を彩る個性豊かな登場人物を、夏帆、皆川猿時、仲野太賀、木野花らが演じている。『新聞記者』(19)、『宮本から君へ』(19)の映画会社スターサンズと『日日是好日』の大森立嗣がタッグを組み、実際に起きた事件に着想を得て、新たな物語として紡ぎ出す衝撃作『MOTHER マザー』が、遂にベールを脱ぐ。
少年が罪を犯してまで守りたかったものとは——?

ストーリー
シングルマザーの秋子(長澤まさみ)は、息子・周平(郡司翔)を連れて、実家を訪れていた。その日暮らしの生活に困り、両親に金を借りに来たのだ。これまでも散々家族からの借金をくり返してきた秋子は、愛想を尽かされ追い返されてしまう。金策のあてが外れ、昼間からゲームセンターで飲んだくれていた秋子は、そこでホストの遼(阿部サダヲ)と出会う。二人は意気投合し、遼は、秋子のアパートに入り浸るようになる。遼が来てから、秋子は生活保護費を使い切ってしまうばかりか、一人残した幼い周平を学校にも通わせず、遼と出かけたまま何週間もアパートを空ける始末だった。

周平が残された部屋の電気もガスも止められた頃、遊ぶ金がなくなった秋子と遼が帰ってきた。二人は、以前から秋子に気があった市役所職員の宇治田(皆川猿時)を脅して金を手に入れようとする。だが、遼が誤って宇治田を刺し、一家はラブホテルを転々とする逃亡生活を余儀なくされることに……。

そんな中、秋子が妊娠した。だが父親が自分だと認めない遼は、「堕さない」と言い張る秋子と周平を残して去っていく。ラブホテルの従業員・赤川(仲野太賀)と関係と持ち、敷地内に居候をつづける秋子は、周平を実家へ向かわせ金を無心するが、母の雅子(木野花)から今度は絶縁を言い渡されてしまうのだった。

5年後、16歳になった周平(奥平大兼)のそばには、妹の冬華(浅田芭路)がいた。秋子は定職にも就かずパチンコばかり。一方、周平は学校に行くこともなく、冬華の面倒をみていた。住む家もなくなった三人に児童相談所の亜矢(夏帆)が救いの手を差し伸べ、簡易宿泊所での新しい生活がはじまった。亜矢から学ぶことの楽しさを教えられた周平は、自分の世界が少しずつ開いていくのを感じていた……。

安息も束の間、遼が秋子たちの元へ戻ってくる。しかし借金取りに追われていた遼は、再び秋子と周平の前から姿を消すのだった。残された秋子は、周平にすがる「周平しかいないんだからね…」。

母と息子は後戻りのできない道へ踏み出そうとしていた———。

プロダクションノート
張り詰めた緊迫感と和やかな現場
2019年5月、時代が令和に変わって間もない東京で、撮影はスタートした。秋子を演じた長澤まさみと、遼を演じた阿部サダヲが現場で初めて顔を合わせたのは、ファミリーレストランで宇治田(皆川猿時)から金を脅し取ろうとするシーン。金髪メッシュのヘアスタイルにホスト風のいでたちをした遼が、宇治田をボックス席の隅に追い込み、いきなり凄まじい剣幕で怒鳴りつける。

阿部のあまりの振り切れ方に、店内客のエキストラは驚きと恐怖でまさにドン引き。テーブルの向かい側で11歳の周平(郡司翔)に嘘の証言をさせ、恐喝の片棒を担がせるためその肩を抱く秋子の手も、無言で圧を与えている。全カットを撮り終えた後、郡司はぐったりとして「怖かった……」と洩らし、場の空気に圧倒された様子をみせた。阿部とは「大人計画」の同胞である皆川も「阿部さんはとにかく声が大きくて怖かった。耳元でものすごい勢いで怒鳴られると、それだけでパニック状態になって萎縮してしまう」と語ったほど、強烈な親子像を印象づけるワンシーンとなった。

無計画に逃亡先を転々とする一家を追った本作は、漂流家族の物語でもある。ロケ先をめぐりながら撮影する日々の中で、成長した周平(奥平大兼)は遼を思わせるようなメッシュの入ったヘアスタイルで現れ、妹の冬華(浅田芭路)が生まれる。浅田はカメラの外でも兄役の奥平を「ニィニィ」と呼んで慕っており、その関係性は間違いなく周平が冬華を思う気持ちにもつながっていった。

また、周平・秋子・冬華が三人で川の字になって寝ているカットでは、本番で浅田が、隣にいる母親役の長澤と手をつなぎたくて腕を伸ばす動きを見せるなど、本編でも語られないこの家族なりの絆が生まれつつあった。ハードな題材の作品ゆえに撮影現場の空気も重くなりがちかと思いきや、大森監督をはじめつとめて和やかな環境が保たれており、そこでは役者陣の素直な気持ちを最大限に反映させた演技が生かされている。

脚本を超えて現れた母と子のつながり
母親としての秋子を語る上で欠かせないのが、秋子自身の母親・雅子との関係である。事件の被害者となる雅子を演じた木野花は、秋子もまた母親の愛情に飢えていたのではないかと推察する。

「雅子としては普通に愛して育てたつもりでも、秋子が欲したほどの愛は与えられていなかったのかもしれません。秋子は周平を生んで、思い通りにならなかった母親との確執から抜け出し、ようやく自分が自由にできるものを手にしたと思ったはず。どの母親も自分の胸の内に秋子を抱えている感じがします」

 そんな秋子たちに救いの手を差し伸べようとするのが、児童相談員の亜矢(夏帆)だ。亜矢もまた親に虐待を受けた過去があり、かつての自分を見つめるように周平に寄り添いつつ、秋子と対峙する。一方で、秋子に自分の母親の姿を重ね合わせ、自らの親子関係とも向き合わなければならない過酷な役どころ。しかし『海街diary』(15)で姉妹役として共演した長澤と夏帆は互いに絶大な信頼を抱いており、長澤も「劇中の関係性としては複雑でしたけど、信頼している相手とお芝居ができると、自分が助けられて救われることが本当にあるんだなと思いました」と述懐する。この二人ならではの絆が透けて見える顔合わせとなった。

 秋子は、人一倍愛情を求めながらも、最後に頼れるのは、血を分けた息子の周平しかいない。17歳になった周平(奥平)の頰を張るシーンでは、その孤独と弱さが溢れ出し、母子に思いがけない共鳴をもたらす。本番のカメラが回っている最中、秋子に引っぱたかれた周平は、その体勢から一歩も動けず涙を堪えていたが、やがて秋子に顔を背けたまま声もなく泣き出し、素早く手で涙を拭った。脚本には秋子も周平も「泣く」とは一言も書かれていない。このときのことを奥平は半ば照れながら振り返る。 「テスト撮影では痛さを感じなかったし、泣くお芝居もできなかったので、自分としては“泣くのを我慢している”ということにしていたんです。でもいざ本番でビンタを受けたときは、思わず『え、今の何!?』みたいな感じで驚いてしまって。でもその後から、叩かれた痛みで秋子の気持ちがじわじわと伝わってきて、秋子が泣き始めたら、自分は泣かないと思っていたけど、自然と涙が出てきた。本当に我慢していたんですけど……無理でした」

なお、亜矢のはからいで身を寄せた簡易宿泊所で、周平が妹の冬華に読み聞かせる絵本「100万回生きたねこ」は、大森監督が自ら出版社と著者の佐野洋子氏のご遺族へ、劇中での使用の許諾を依頼する手紙を書いたという。絵本に登場するねこは100万回死んで生き返った末に初めて愛を知る。秋子も周平も、いまだ愛の喜びを知らないという点で、ねこと同じかもしれない。だから母子は、もう一度生まれ変わり、自分の人生を生き直さなければならない。それこそが本作に込められた一筋の希望であり、そこに大森監督の思いが託されている。




前提として大森立嗣監督作品は当地福岡で公開されなかった「母を亡くした時、 僕は遺骨を食べたいと思った(来月WOWOWでオンエアされます)」以外はインディーズ映画「ぼっちゃん」も含め全ての長編作品を映画館で鑑賞しています。そういう経験に基づき色々言いたいことがあるのですが、深く考えず語ると

1)タイトルがよろしくない
「マザー」じゃダーレン・アロノフスキーの怪作映画やテレビドラマ大傑作「マザー」と被る。それってオンデマンド時代、検索性が色々大変なんですよ。ユニークなタイトルにしないと。

2)長澤まさみキャスティングミス
これ実在の母親は当時の報道によると怠惰な肥満体という記憶(違ったらすみません)、そこから導かれる仮説が風俗や売春も難しかったから路上生活も厭わず子どもをダシに的な帰納法にて諸々の納得いかない部分が腑に落ちるのですが、長澤まさみの容姿なら知能的な問題があったにせよああいう展開は考えにくい。大好きなパチンコ店等での野良売春や美人局みたいな転がり方がメインになる筈。性的なモラルがぶっ壊れているキャラクター設定なのにセックスシーンもほとんどなく、乳すら見せない気高き若手女優と大森立嗣監督作品じゃ水と油では?原作から想起される母親は女優に例えると「百円の恋」でのブタゴリラ安藤サクラがドンピシャなイメージ。それとか容姿は痩せているけど「恋人たち」の安藤玉恵とかね。

基本的なことだけど長澤まさみさんって「気違いの目(レイプで逮捕されたあの男優さんみたいな眼)」演技が出来ない女優さんのような。流行りの言葉で言うと「呪怨さ」っての?(ネトフリ呪怨クソ面白い)そういう意味じゃ本作も金切り声上げるだけでヤバいもの見たさとかは希薄で全然ゾクゾクしない。大森作品に絞ると「光」橋本マナミ←頭おかしい、「さよなら渓谷」真木よう子←頭おかしい、「タロウのバカ」豊田エリー←頭おかしい、「MOTHER マザー」長澤まさみ←きれい。橋本マナミも長澤まさみさんと同じく乳出さない女優でありますが「光」のベロプレーは凄かった。翻り本作予告編で披露される長澤まさみベロプレーも衝撃的だけどあの一瞬だけやん。しかもセックス関係ないし。皆さんのレビュー拝見しても「あの清純派女優長澤まさみさんが初の汚れ役で凄く頑張っていた!素晴らしい」みたいな印象ばかりでして、これはひょっとして長澤さん令和の吉永小百合でも目指しているんだろうか?みたいな。ということで個人的には本作主演には性的魅力をまったく感じない醜悪な演技ができる女優さんを充てて欲しかった。「モンスター」で主役を張ったシャリーズ・セロンには程遠い長澤まさみさん残念。

とはいえよくこういう題材を映画化されました。色々大変だったと聞かれます。結末については十人十色のご意見あるでしょうから是非複数で鑑賞し、感想について侃々諤々語り合ってくださいね。

満足度(5点満点)
☆☆☆

事件の全容はこちらなど。
母親の浪費癖、ラブホテル生活、野宿の果てに……17歳少年による「川口祖父母殺人事件」の悲劇 (2017年8月23日) - エキサイトニュース




Posted by kingcurtis 固定リンクComments(2)映画 
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コメント
今年になって1回も映画館に足を運んでません。
最後に行ったのが昨年12月末のスターウオーズ。
そのかわり、毎週土曜日のBSテレ東の「男はつらいよ」を楽しみにしてます。
Posted by worldwalker's weblog(・∀・)! at 2020年07月06日 12:23
めっちゃ詰まらなさそう。
Posted by   at 2020年07月07日 01:30
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