2020年05月18日

【映画評】プリズン・サークル

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「仮設の映画館」で鑑賞。KBCシネマ廻し。

映画『プリズン・サークル』公式ホームページ

イントロダクション
過熱する犯罪報道、 厳罰化を叫ぶ声—— けれど私たちは、この国の「罪」と「罰」について多くを知らない。
「島根あさひ社会復帰促進センター」は、官民協働の新しい刑務所。警備や職業訓練などを民間が担い、ドアの施錠や食事の搬送は自動化され、ICタグとCCTVカメラが受刑者を監視する。しかし、その真の新しさは、受刑者同士の対話をベースに犯罪の原因を探り、更生を促す「TC(Therapeutic Community=回復共同体)」というプログラムを日本で唯一導入している点にある。なぜ自分は今ここにいるのか、いかにして償うのか? 彼らが向き合うのは、犯した罪だけではない。幼い頃に経験した貧困、いじめ、虐待、差別などの記憶。痛み、悲しみ、恥辱や怒りといった感情。そして、それらを表現する言葉を獲得していく…。

処罰から回復へ今、日本の刑務所が変わろうとしている——
監督は、『ライファーズ 終身刑を超えて』『トークバック 沈黙を破る女たち』など、米国の受刑者を取材し続けてきた坂上香。日本初となる刑務所内の長期撮影には、大きな壁が立ちはだかった。取材許可が降りるまでに要した時間は、実に6年。この塀の中のプログラムに2年間密着したカメラは、窃盗や詐欺、強盗傷人、傷害致死などで服役する4人の若者たちが、新たな価値観や生き方を身につけていく姿を克明に描き出していく。

『プリズン・サークル』を理解するためのガイド
TC(セラピューティック・コミュニティ)
Therapeutic Communityの略。「治療共同体」と訳されることが多いが、日本語の「治療」は、医療的かつ固定した役割(医者―患者、治療者―被治療者)の印象が強いため、映画では「回復共同体」の訳語を当てたり、そのままTCと呼んだりしている。英国の精神病院で始まり、1960年代以降、米国や欧州各地に広まった。TCでは、依存症などの問題を症状と捉え、問題を抱える当事者を治療の主体とする。コミュニティ(共同体)が相互に影響を与え合い、新たな価値観や生き方を身につけること(ハビリテーション)によって、人間的成長を促す場とアプローチ。

島根あさひ社会復帰促進センター
(以下「島根あさひ」)

2000年代後半に開設された4つの「PFI(Private Finance Initiative)刑務所」*の一つで、犯罪傾向の進んでいない男子受刑者2000名を対象としている。HPはその特色を次のように説明する。

施設環境全体を回復、更生への手段とみなし、生活全体を学びの場とする「回復(治療)共同体」、犯罪行為につながる思考や感情、その背景にある価値観や構えをターゲットとして、効果的に変化を促進する「認知行動療法」、社会の一員であることを意識し、加害行為の責任を引き受ける力を養う「修復的司法」の考え方を教育の3つの柱にすえ、受刑者の犯罪行動の変化や社会的態度の変化を目指します。
http://www.shimaneasahi-rpc.go.jp/torikumi/index.html

*施設の設計、建築及び運営の一部を民間事業者に委託して運営される刑事施設。
Amity(アミティ)
1981年にアリゾナ州ツーソンに創設された世界的に知られるTC。薬物やアルコールなどの物資依存症者を主な対象とするが、実際には様々な依存症や問題を抱える人々を受け入れている。刑務所内外に拠点を持ち、独自のカリキュラムによって様々な気づきや学びを促し、徹底した語り合いや人間関係の新しい構築によって、問題行動に頼らなくても生きていける方法を学ぶ。カリフォルニア州とニューメキシコ州でも様々な活動を展開し、2018年からは出所後の終身刑受刑者の社会復帰施設も運営している。坂上香監督の『ライファーズ 終身刑を超えて』(2004)では、カリフォルニア州の〈刑務所内TC〉と〈社会復帰施設型TC〉が舞台。エビデンス・ベースの複数の研究において、アミティのアプローチの効果(特に犯罪傾向の進んだ受刑者)が立証されている。

TCユニット
本映画の舞台となった「島根あさひ」にある、更生に特化したプログラム。希望する受刑者が、面接やアセスメントなどを経て参加を許可される。アミティのカリキュラムを導入しており、30名〜40名程度の受講生が半年〜2年程度、寝食や作業を共にしながら、週12時間程度のプログラムを受ける。TC出身者の再入所率は他のユニットと比べて半分以下という調査結果もあり、その効果が期待される。




当地では隣県山口に開設された際、地球市民やリベラル筋が「民間刑務所など論外。危険極まりない」と猛反対していた記憶があるPFI刑務所のドキュメンタリー映画でして、色々目からウロコが落ちた。

犯罪者の成因には生活環境や人格障害など様々な類型があるのは承知していますが、当該刑務所に収監されているのは「生活環境型犯罪者」。見事に被児童虐待過去累々。これが世にいう判決での「幼少期からの生活環境を鑑み情状酌量」の方々なのでしょう。普通に「普通の人」にしか見えないし、事実全国の収監者より選ばれたエリート揃いらしい。(団体行動が出来て情緒が安定した初犯等々)

他方、大阪の出所者で京都の就職斡旋施設?から福島の除染を斡旋されたらヤクザの親分宅だった?ので脱走し万引換金云々の話は非常にモヤモヤ。

百聞は一見に如かず。興味がある方は是非「仮説の映画館」へ。

満足度(5点満点)
☆☆☆



Posted by kingcurtis 固定リンクComments(2)映画 
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コメント
 プリズンスクール?
Posted by 名無しのぱよぱよちーん at 2020年05月20日 01:19
愛媛でしたっけ?造船所で仮釈放?された方々が一時的に働いてるのは。
禊ぎを済ませてちゃんと更生した方々が一般的社会生活を送れやすいようなシステムというのは必要かと思われます。
そういう土壌が有れば、再犯率も抑えられるのでは無いかと。
Posted by 名も無き友愛伝道師 at 2020年05月21日 07:23
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