2019年10月16日

【映画評】ホテル・ムンバイ

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2008年に起こったイスラム過激派による無差別テロを描いたノンフィクション映画。
前評判通りに面白かったです。

映画『ホテル・ムンバイ』公式サイト

イントロダクション
歴史ある荘厳なホテルに銃声が響き渡り、美しい建物が破壊され、ついには燃え盛るという衝撃的な映像が世界中を駆け巡り、人々を震撼させた。2008年、太陽と色彩と生命力に満ちた国インドの経済とエンターテインメントの中心地、ムンバイでのことだ。イスラム武装勢力による同時多発テロが発生し、この街の象徴である五つ星のタージマハル・ホテルが、テロリストに占拠されたのだ。

だが、事件が終息したその後に、さらに驚く事実が明かされる。このテロ事件では500人以上の人質がホテルに閉じ込められたが、そのうちの多くの人々が生還を果たした。そこには、プロフェッショナルとしての誇りをかけて、宿泊客を救おうとしたホテルマンたちの知られざる真実の物語が存在した。

この実話を、今の時代にこそ世に伝え、後世にも残さなければならないと決意したのが、バラエティ誌による「2018年注目すべき映画監督10人」に選ばれた新進気鋭のオーストラリア人監督アンソニー・マラス。アカデミー賞R3部門にノミネートされた『ボーダーライン』の製作陣とタッグを組み、実際の生存者へのインタビューを重ね、当時の記録を徹底的にリサーチし、ついに映画化を実現した。

インドの巨大都市ムンバイに、臨月の妻と幼い娘と暮らす青年アルジュンは、五つ星のタージマハル・ホテルの従業員であることに誇りを感じていた。この日もいつも通り優雅な光景だったホテルが、武装したテロリスト集団に占拠され、一瞬にして“楽園”が崩壊する。500人以上の宿泊客とホテルマンを、無慈悲な銃弾が襲う中、テロ殲滅部隊が1300キロも離れたニューデリーにしかいないという絶望的な報せが届く。アルジュンら従業員は、「ここが私の家です」とホテルに残り、オベロイ料理長の指揮のもと宿泊客を救う道を選ぶ。一方、赤ん坊が部屋に取り残されたアメリカ人建築家デヴィッドは、ある命がけの決断をするのだが──。

宿泊客を脱出させるために、ホテルに残った心優しい給仕アルジュンを演じるのは、『LION/ライオン 〜25年目のただいま〜』でアカデミー賞とゴールデン・グローブ賞にノミネートされたデヴ・パテル。本作ではプロデューサーも務め、貧しくとも偏見の目で見られても、自らの出自に胸を張って生きる男を凛とした眼差しで演じた。

自らの命を投げ打ってでも、最愛の妻と生まれて間もない娘を守ろうとするアメリカ人の宿泊客デヴィッドには、『君の名前で僕を呼んで』でゴールデン・グローブ賞にノミネートされたアーミー・ハマー。その妻で富豪の娘ザーラには、TVシリーズ「HOMELAND」で知られるイラン人女優のナザニン・ボニアディ。テロに屈しない父と母の愛を体現した。

従業員たちの指揮を執った勇気あるオベロイ料理長に、『世界にひとつのプレイブック』を始め、これまでに500本以上の映画に出演してきたインドの国民的俳優アヌパム・カー。厳しい師だったオベロイが、部下のアルジュンと結んでいく絆は、人と信頼し合えることの喜びを思い出させてくれる。ミステリアスなロシア人宿泊客ワシリーには、大ヒットシリーズ『ハリー・ポッター』のルシウス・マルフォイ役で知られるジェイソン・アイザックス。国際色豊かな実力派キャストたちが、事件発生当時には決して報道されることのなかった“名もなき英雄たち”に、温かくかつ毅然とした魂を吹き込んだ。

まるでその場に居合わせたようなリアルな映像表現に、観る者は、恐れ、怒り、哀しみ、そして最後には決して折れなかった人々の信念に触れ、この上ない希望に包まれるだろう。

ストーリー
インドの巨大都市ムンバイに、臨月の妻と幼い娘と暮らす青年アルジュン(デヴ・パテル)は、街の象徴でもある五つ星ホテルの従業員であることに誇りを感じていた。この日も、いつも通りのホテルの光景だったが、武装したテロリスト集団がホテルを占拠し、“楽園”は一瞬にして崩壊する。500人以上の宿泊客と従業員を、無慈悲な銃弾が襲う中、テロ殲滅部隊が到着するまでに数日かかるという絶望的な報せが届く。アルジュンら従業員は、「ここが私の家です」とホテルに残り、宿泊客を救う道を選ぶ。一方、赤ん坊を部屋に取り残されたアメリカ人建築家デヴィッド(アーミー・ハマー)は、ある命がけの決断をするのだが──。

プロダクションノート
監督自らの企画で、徹底的なリサーチと取材を実現
ギリシャ系オーストラリア人映画監督のアンソニー・マラスは、タージマハル・ホテル襲撃事件のニュースを聞いた当時、「500人以上もの人々が巻き込まれながら、32人しか死者が出なかったという奇跡に驚いた。しかも、犠牲者の半数は、宿泊客を守るために残った従業員だった。彼らの驚くほど勇敢で機転が利き、自らを犠牲にしようとした行動に心を動かされ、映画で伝えようと決心した」と振り返る。

本作がマラスにとって初の長編映画だが、これまで多くの短編映画で賞に輝いてきた。2011年の短編映画『THE PALACE(原題)』は、オーストラリアのアカデミー賞(AACTA)の2部門を含む20もの国際映画賞を受賞した。この作品は、1974年に起こったキプロス紛争を生き延びた家族の物語だが、マラス自身、戦争で荒れ果てたギリシャから、家族と共に難民として逃れたという過去を持つ。そしてこの時のテーマが、後に本作を作りたいという想いにも繋がっていく。 

マラスは、共同脚本のジョン・コリーと共に、ムンバイ襲撃事件を1年かけて徹底的に調査した。何人もの生存者、警察官、ホテルの宿泊客や従業員、犠牲となった人々の家族からも話を聞いた。さらに、テロの実行犯と首謀者の通話を傍受した録音記録を研究し、裁判記録や大量の新聞記事を読み、何百時間ものテレビ報道や生存者のインタビュー映像を見た。

しかし、映画の核となるものは、実際にタージに足を踏み入れて初めて明らかになった。また、世界中のVIPを顧客に持つインドの一流シェフであるヘマント・オベロイからも話を聞くことができた。彼は、事件に基づいた映画と聞いて、初めはためらったと打ち明ける。「多くの人の命が失われたからね。でもアンソニー・マラスが伝えたいストーリーを聞いて、それなら協力したいと思った」

オベロイと彼のチームは、襲撃事件の3週間後に、爆撃の傷跡が残るホテルの中で、レストランを再オープンした。オベロイは、「マラスが伝えようとしていたメッセージは、私と同じだった。『我々は脅しには屈しない。恐怖に苛まれながら生きるなんてことはしない』ということをテロ組織に伝えるために、速やかに立ち直ることを目指した」

勇気ある実在の人物たちにふさわしいキャスティング
マラスは、ホテルのウェイターと数人のスタッフから作り出したアルジュン役は、デヴ・パテルを100%前提にして書いたという。パテルにとってムンバイ襲撃事件は心揺さぶられる出来事だった。彼のデビュー作『スラムドッグ$ミリオネア』のダンスシーンのフィナーレはムンバイの駅で撮影され、その数か月後にその場所が襲撃されることになったのだ。パテルは、「これまで出演した作品以上に自分の意見を言った」と振り返る。

役作りのためにタージへ行き、ドアマンのほとんどがシーク教徒だと知ったパテルはマラスに、アルジュンをシーク教徒に設定したいと持ちかけた。「彼は僕のアイディアを快く受け止めてくれた。文化的な問題や人種問題を取り上げて、少数派の共同体に焦点を当てたことを誇りに思うよ」
裕福な夫婦デヴィッドとザーラには、アメリカ人俳優アーミー・ハマーとイラン系英国女優のナザニン・ボニアディが起用された。マラスは、「デヴィッドのキャラクターには、魅力的で人が共感できる俳優が必要だった」と説明する。 ハマーは、「この映画が成し遂げようとしていることに心を打たれた。犯人と犠牲者の両方の人間性を描こうとしていたんだ」と語る。

ボニアディを選んだ理由をマラスはこう説明する。「彼女がアムネスティ・インターナショナルで行った演説を、YouTubeで見た。身のこなし、気品、自信、声にみなぎる情熱、そして目に溢れる慈悲の心に胸を打たれた。彼女は世界の問題にちゃんと関わっている本物の市民だ。アヤトラ(ホメイニ師)が政権についた時、彼女は家族と一緒にイランから脱出しなければならなかった。だから完璧なファルシ(ペルシャ語)を話す」

ボニアディは、人権運動に対して彼女が抱いている情熱と、映画への起用が結びついたことに感動したと語る。「私は人生に様々な不安や恐れを抱いているけれど、不思議なことに、外国の独裁者を敵に回し、権力に対して真実を語ることに関しては平気なの。だからザーラの役を演じた時、自分のそういう部分が確かに役に立ったわ」

テロリストと対峙し、観客を驚かせるワシリーは、ベテラン俳優のジェイソン・アイザックスが演じる。彼もプレイボーイな大物ビジネスマンや陸軍特殊部隊の将校など、複数の人々を合わせたキャラクターだ。

アイザックスは、このキャラクターが持つ二重性に惹かれたと言う。「最初に登場した時、彼は不快な奴だ。ハリウッドの典型的な映画では、こういう人物は罰を受ける。でもこのストーリーはもっと複雑だ」

マラスは、実在の人物であるオベロイ料理長の役に、インドの伝説的俳優、アヌパム・カーを起用した。カーを強く薦めたパテルは振り返る。「優しくて、尊敬を集める人物として、アヌパムがぴったりだとわかっていた」そしてマラスが同意する。「オベロイの役に、彼以外の適役は考えられなかった。オベロイ本人と、とても雰囲気が似ている。二人とも温かみがあって、尊厳や威厳も備えている」

カーはオベロイに会った時、「あなたの人生とあなたがくぐり抜けた経験にふさわしい演技だったことを願っています」と声をかけたという。

リアリティを追求したロケーションと演出方法
最大の課題は、タージをスクリーン上で描き出すことだった。今でも営業しているホテルだから、本物のタージの中での撮影はできない。最初の屋内でのシーンのいくつかは、マラスの故郷であるオーストラリアのアデレードで撮影された。テロリストの銃撃と爆破の大半が起こるホテルの正面ロビーは、ムンバイの郊外にある大きな屋敷で撮影された。厨房の内部と廊下は、ムンバイにある事件以来閉鎖された5つ星のホテルで撮影された。外観は、実際のホテルの映像が使われた。

襲撃された駅のシーンは、実際のCST(チャトラパティ・シヴァージー・ターミナス)駅で撮られた。冒頭で犯人たちが船に乗って到着するシーンも、実際に犯人が上陸した海辺の漁村で撮られた。
リアリティを追及するために、現場には巨大なスピーカーが設置され、突然、大きな銃声が流された。パテルは「地獄だよ、それは。僕らはいつも不意打ちを食わされた。それによってどんなに緊張感がもたらされたか想像がつくだろう。僕は、『俳優としてではなく、偽りのない恐怖心で演技に臨むんだ』といつも自分に言い聞かせていたよ」と語る。

さらにマラスは、犯人グループを演じた俳優たちと、ホテルの従業員や宿泊客を演じた俳優たちを引き離し、彼らの間の緊迫感を高めたと説明する。「有名な俳優の周りに、目に見えないバリアがあると観客が感じないようにしたかった。ほとんどの映画では、ポスターに名前が載る俳優は、少なくとも第三幕までは生き延びる。でも、生存者はいつ殺されるか全くわからない状態だったと話していた。1秒後か1分後、あるいは1時間後かもしれないとね」

自分たちの手で平和を作り出すためのメッセージ
マラスは本作のテーマについて、「宿泊客と従業員が勇敢かつ感動的に団結し、最悪の困難を乗り越えたということが映画の核心にある。また、文化的、人種的、民族的、宗教的、経済的な隔たりを超えて団結することでより良い世界になるという概念も同様だ」と胸を張る。

アイザックスも監督の考えに共感する。「ホテルの従業員は簡単に逃げることもできた。でも彼らの多くは、人々を助けるためにホテルに戻ってきた。この物語は、人類には希望があるということを証明している」

一方、ハマーはこう語る。「アンソニーは、希望と人間性のメッセージを物語に巧みに織り込んでいる」

ボニアディは、「この映画は、人間の精神の回復力の強さや、互いに団結して大きな困難を乗り越えることができる能力を描いた実話。その意味では、今の時代に合ったストーリーね」

マラスが願っているのは、襲撃事件の中心地へと観客を連れて行くことによって、彼らが映画館を出てからも様々な問いかけを続けることだ。自分だったらどう反応するか、何をするのか、何を感じるか、人の助けになるために何ができるか、などといった問いかけだ。「ムンバイの襲撃事件は、体験した人々にとって、けたたましい警鐘となった。生存者の生活に、良い変化がもたらされた。また、互いを受け入れること、教育、様々な文化を理解することが、安全な世界を築いていくために不可欠だと証明した。この映画が、それらすべてをうまく伝えていることを願っている」




この手の題材はイーストウッド翁が大好きな筈です。しかしなんでオーストラリア資本なんだろう?
それぞれキャラが立っていて面白い。誤解を恐れずに申し上げると「タワーリング・インフェルノ」や「ポセイドン・アドベンチャー」のような肌触り感。そういや最近あの手の「パニック映画」って数が少なくない?身分や国籍は違えど我々と同じく無力な小市民たちが手を取り合い助け合うも仲間は続々。。みたな奴が「パニック映画」の王道。スーパーヒーローが大活躍する「ダイ・ハード」みたいなのはそういう意味じゃダメ。

恐らく実在の複数の人物を集約しているのでしょうが、なんか色々格好よかったよ。
遭難された犠牲者の皆様のご冥福をお祈りします。

満足度(5点満点)
☆☆☆



Posted by kingcurtis 固定リンクComments(0)映画 
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