2019年08月09日

【映画評】アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場

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待望のガールズアンドパンツァー「継続戦争編」実写化(嘘)

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イントロダクション
 フィンランド国内で『スター・ウォーズ』『パイレーツ・オブ・カリビアン』などハリウッド大作映画をも大きく上回るフィンランド映画史上最も動員した映画がいよいよ日本に上陸する!フィンランドでは“知らない人はいない“ヴァイニョ・リンナの古典小説「無名戦士」を原作にした本作は、第2次世界大戦時に祖国防衛のため継続戦争をソ連軍と戦ったフィンランド兵士の壮絶な姿を描く戦争アクションだ。製作費は破格ではないものの、ハリウッド大作に劣らないほどリアルに戦場を再現。まるでドキュメンタリーフィルムを見ている錯覚にさえ陥るほどの迫力だ。1テイクに使用した爆薬の量がギネス世界記録に認定されたことで、そのスケールの大きさを感じることができる。
 フィンランドは1939年からソ連と戦った“冬戦争”が翌年に終結。その代償としてカレリア地方を含む広大な国土をソ連に占領された。国土回復を掲げ、1941年フィンランドはドイツと手を組み再びソ連との戦争を開始した。これが「継続戦争」である。戦地についた兵士たちはそれぞれの守りたいもの、帰りたい場所のためにソ連との旧国境も超えて戦い続けた。ここに「兵士達の目線」で描かれた良質かつ精巧に描かれた正統な戦争映画が誕生した。

ストーリー
 本作の原作である小説「アンノウン・ソルジャー」は“フィンランドでは知らない者がない“ヴァイニョ・リンナの戦争文学の傑作で、作者本人が経験したフィンランドの戦争=継続戦争の戦場の実相を赤裸々に描いたものである。1955年、1985年、そして本作が同じ原作で3度目の映画化となる。
 継続戦争とは、第二次世界大戦中の1941年から44年にかけて、フィンランドとソ連の間で戦われた戦争である。継続戦争に先立ち1939年から40年にかけて、ソ連によるフィンランドへの侵略、いわゆる“冬戦争”が戦われた。この戦争でフィンランドは敗れ、1941年にドイツがソ連へ侵攻。それに呼応して、フィンランドはソ連との戦争を再開した。ドイツとともにソ連に侵攻したように見えるが、フィンランドの立場からすれば、ドイツとは別の戦争、すなわち冬戦争の継続であるとして、継続戦争と呼ぶ。

 本作品は、この戦争に参加した一機関銃中隊に配属された熟練兵ロッカ(エーロ・アホ)を主人公としている。ロッカは家族と農業を営んでいたが、冬戦争でその土地がソ連に奪われたため、領土を取り戻し元の畑を耕したいと願っている。そのほかに、婚約者をヘルシンキに残して最前線で戦い、ヘルシンキで式を挙げてすぐに戦場へとんぼ返りするカリルオト(ヨハンネス・ホロパイネン)、戦場でも純粋な心を失わないヒエタネン(アク・ヒルヴィニエミ)、中隊を最後まで指揮するコスケラ(ジュシ・ヴァタネン)、この4名の兵士を軸に進んでいく。
 原作者ヴァイニョ・リンナ自身の経験から、第8歩兵連隊がそのモデルと言われる。第8歩兵連隊は継続戦争勃発を前に編成され、緒戦は冬戦争で失われた旧フィンランド領土ラドガカレリアの奪還を行い、東カレリアに侵攻、ペトロザボーツクを占領している。その後はスヴィル川の防衛線につき、1944年6月のソ連軍の大攻勢を受け止め、最後はヴィープリの防衛戦に投入された。

 映画は連隊の行動に沿ってその描写が進められている。冬戦争の犠牲を背景にした、フィンランド国内の厭戦的で旧領回復の願望とのアンビバランツな雰囲気、戦争の進展により旧国境を越えることに対して侵略者とされる理不尽。最後にはソ連軍の圧倒的な戦力によって再び戦争に敗れる痛み、これらが戦争の進展に従い赤裸々に描き出されている。「アンノウン・ソルジャー」はこうしたフィンランド民族が背負った歴史の重い十字架そのものを描写しているのである。

フィンランド戦争年表
1939年 9月 ドイツのポーランド侵攻、第二次世界大戦勃発
9月〜10月 ソ連バルト三国と相互援助条約締結
10月 ソ連、フィンランドにも条約交渉のための使節を派遣要求
11月 冬戦争勃発
1940年 3月 冬戦争終結
4月 ドイツ軍 デンマークとノルウェー占領
5月 ドイツ軍 西方戦役開始
6月 フランス降伏
8月 ソ連、バルト三国併合
9月 領内通過協定に基づき、ドイツ軍第一陣がフィンランド到着
1941年 1月 ドイツ、フィンランド地域にかかわる「銀狐」作戦を策定
2月 ドイツ、アフリカ軍団派遣
4月 ドイツ軍、ヨーゴスラビア、ギリシャ侵攻
6月 ドイツ軍、ソ連侵攻、バルバロッサ作戦開始、継続戦争勃発
9月 フィンランド軍旧国境を越えて東カレリア侵攻
10月 フィンランド軍ペトロザボーツク占領
12月 イギリス、フィンランド宣戦、ドイツ軍モスクワ攻略失敗、フィンランド軍攻勢を止め陣地戦に入る
1942年 5月 ロンメルのアフリカ軍団によるリビア攻勢
6月 ドイツ軍による第二次ロシア攻勢開始
8月 ロンメルによる攻勢、アラム・ファルファの戦い
9月 ロシアでスターリングラード攻防戦始まる
10月 イギリス軍が、エル・アラメインで攻勢に出る
11月 連合軍の北アフリカ上陸、ロシア軍の攻勢によりスターリングラードで第6軍包囲される
1943年 2月 スターリングラードの第6軍降伏
7月 ドイツ軍のクルスク攻勢/失敗、連合軍のシシリー上陸
8月 ソ連軍のウクライナ攻勢
9月 連合軍のイタリア本土上陸、イタリア降伏
11月 キエフ解放
1944年 6月 連合軍のノルマンディ上陸、ソ連軍のカレリア攻勢、
フィンランドの単独不講和を約束するリュティからリッベントロップへの覚書が送られた、
ソ連軍のベラルーシ/ポーランド攻勢バグラチオン作戦開始
8月 マンネルヘイムがフィンランド大統領に就任、ワルシャワ蜂起
9月 フィンランド、ソ連と休戦
12月 ドイツ軍のアルデンヌ攻勢/失敗
1945年 4月 ベルリン陥落
5月 ドイツ降伏
8月 日本降伏




オーソドックスな戦争映画。小隊にずっとフォーカス充てているため継続戦争の全体像はさっぱり分かりません。スポットでドキュメンタリー映像も挟まるけどね。主要登場人物がばったばったと戦死する手法はなんか、プライベート・ライアンを彷彿。見て改めて思ったけど荒れた山中を匍匐前進したら石とか引っ掛かるし枝とか刺さりまくりだよね。当たり前といえば当たり前ですが、そういう描写がよく伝わるローアングル駆使作品。

他国民なので知識として当時の独芬ソ感情はよく分からないけれど、韓国映画によくある戦意高揚目的で「無駄に憎悪を感じる敵兵」「蹂躙される可哀想なお涙頂戴我が民族」並びに「あるべき歴史」を作るため事実から足したり引いたり。みたいな小細工さは一切感じませんでした。勝ち負け問わず実際に大戦に参じた国家が歪曲戦記映画を制作し自画自賛するのは稀ですし、蚊帳の外だった中国共産党や韓国がそうであるのはご賢察くださいと。

お国のためというより家族や故郷のために戦っているのに無能な上官から尻叩かれ勝ち目のない最前線に挑む絶望さってのは終戦末期の日本の兵隊さんも内包していたんだろうね。

満足度(5点満点)
☆☆☆☆




Posted by kingcurtis 固定リンクComments(2)映画 | 戦争
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コメント
映画「ウィンター・ウォー/厳寒の攻防戦」「タリ・イハンタラ 1944」も小細工のない作品だったけど、本作もそんな感じなんだろうか。
円盤欲しいけど、配給:彩プロかぁ……。
Posted by 名無しのぱよぱよちーん at 2019年08月10日 12:00
>韓国映画によくある戦意高揚目的で「無駄に憎悪を感じる敵兵」「蹂躙される可哀想なお涙頂戴我が民族」並びに「あるべき歴史」を作るため事実から足したり引いたり。みたいな小細工さは一切感じませんでした。


これだけで観たいわ
そういう誇張糞醒めるから
Posted by 名無しのぱよぱよちーん at 2019年08月12日 14:59
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