2019年07月16日

【映画評】ワイルドライフ

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ポール・ダノ初監督作品などはどうでもよく、ギレンホールとキャリー・マリガンが破綻する夫婦役の作品ならそりゃ観ないとダメでしょ。

7-82

イントロダクション
『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』『プリズナーズ』『スイス・アーミーマン』など、独特のナイーヴな演技で、ポール・トーマス・アンダーソン、ドゥニ・ヴィルヌーヴら鬼才とのコラボレーションを重ねてきた演技派スター、ポール・ダノ。そんなカリスマ俳優が満を持して鮮烈な監督デビューを飾った。『ルビー・スパークス』で共演したパートナー、ゾーイ・カザンと共同で脚本・製作も担当し、サンダンス映画祭やカンヌ映画祭で絶賛を浴びた。
「いつの日か映画を作る時は、きっと、家族についての映画を撮るだろうと思っていた」というダノが、原作として選んだのはピューリッァー賞作家リチャード・フォードが1990年に発表した「WILDLIFE」。フォードの小説は、寂獏とした読後感で世界中の読者を魅了しており、「モントリオールの恋人」(村上春樹訳)や「ロック・スプリングス」(青山南訳)などの短編も日本で紹介されている。

物語の舞台は、1960年代、カナダとの国境にほど近いモンタナ州の田舎町。14歳のジョーは、ゴルフ場で働く父ジェリーと,家庭を守る母ジャネットの1人息子だ。新天地での生活がようやく軌道に乗り、睦まじい夫婦の姿を息子が安堵の面持ちで眺めていたのもつかの間、ジェリーが職場から解雇されてしまう。さらに、ジェリーは命の危険も顧みず、山火事を食い止める出稼ぎ仕事に旅立ってゆく。残されたジャネットとジョーは働くことを余儀なくされ、母はスイミングプール、息子は写真館での職を見つけるが、生活が安定するはずもない。やがてジョーは、優しかった母が不安と孤独にさいなまれ、生きるためにもがく姿を目の当たりにすることになる。

長回し撮影を多用して、幸せだった家族が壊れ、バラバラになっていく姿をジョーの目線から静かに深く映し出してゆく『ワイルドライフ』。母との関係、父との関係、そして夫婦の関係は、もうもとに戻ることはないとわかっていても、それでもジョーの胸には家族が紡いだ愛情が今も残る。変わりゆく家族の形に戸惑いながらも、父と母の姿を見て、ジョーもまた大人になっていく。彼が両親を写真館に誘う、実に美しく、切ないラストシーンでは、彼のまっすぐな視線に観客は彼の未来と生命力を信じずにはいられなくなるだろう。

互いに愛し合いながら、なす術もなく壊れてゆく夫婦。悲嘆と狂おしいジャネットの思いを圧巻の演技で見せるのは、キャリー・マリガン。米アカデミー賞にノミネートされた『17歳の肖像』や、『わたしを離さないで』、『ドライヴ』、『未来を花束にして』で観客を魅了してきた儚げな雰囲気を封印して、1960年代のアメリカ北西部の主婦が抱えるジレンマを見事に浮かび上げてみせた。

相手役ジェリーには、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作『プリズナーズ』でポール・ダノと共演しているジェイク・ギレンホール。アン・リー監督作『ブロークバック・マウンテン』ではアカデミー賞にノミネート。その他、『ゾディアック』でデイヴィッド・フィンチャー、『ノクターナル・アニマルズ』でトム・フォードなど話題の監督と組んでいる若き名優は『ナイトクローラー』では主演だけでなく製作者としての道も歩みはじめている。

そして14歳の主人公ジョーの哀しみと動揺をもの言わぬ演技で表現してみせるのは、8歳で故郷オーストラリアのCMでキャリアをスタートさせたエド・オクセンボールド。これまでには、M・ナイト・シャマラン監督作『ヴィジット』で恐怖におののく主人公を演じている。

ポール・ダノ、キャリー・マリガン、ジェイク・ギレンホール。良質な作品を数多く世に送り出してきた30代の若き才能たちが作り上げた、普遍的な家族の物語。 そして、監督ポール・ダノ自身の心情が投影された14歳の少年ジョーの成長物語でもある。ダノの繊細さと優しさが詰まった『ワイルドライフ』は、観客ひとりひとりの記憶をそっと呼び起こし、温かい余韻をもたらすに違いない。

Director's Message
長年、映画を作りたいと思っていました。
そして、いつの日か映画を作る時は、きっと、家族についての映画を撮るだろうと思っていました。
私が育った家庭には愛情が溢れていましたが、大きな波風が立つこともありました。
リチャード・フォードの「WILDLIFE」を読んだ時、その二面性に不意を突かれ、思わず心の窓を開かれたような感覚でした。この小説を何度も読み直し、動揺し、不安になり、そしてまたワクワクしました。
それから1年余り、私は小説「WILDLIFE」について思いを巡らしながら過ごしていました。
親とは何だろう?という疑問に囚われて、そこから何か答えを見つけたいと自問自答する日々でした。
そしてある日、私の初めての映画のラストシーンが頭の中に明確にイメージできました。
この最後の映像に手ごたえを感じ、映画化に向けて歩み始めました。

そこで私は、リチャード・フォードにメールを送り、この本の映画化権を確保しました。その時のフォードのメールにあった言葉は、私にとって最高の贈り物となりました。
彼はこう書いています。
「私の本に興味をもってくださり、とても嬉しいです。しかし、私は次のことも言わねばなりません。それがあなたを励ます言葉になることを願いながら。つまり、私の本は私の本。あなたが作ろうとしている映画は、あなたの映画だということです。私の小説に対するあなたの映画製作者としてのリスペクトは強く感じており、まったく心配していません。あなた自身の価値観、方法、目標を構築してください。そして、この小説は忘れてください。そうすれば、妨げになることもない。それが映画化に向けて、一番良い方法だと思います。」

彼の言葉が、パートナーであるゾーイ・カザンとともに脚本を書き始める私に大きな勇気を与えてくれました。私は、誠実で分かち合えるものを作りたいと思っていました。必要な時以外は、カメラを動かしたくなかったです。自分自身と素材に誠実でありたいと思ったのです。

脚本を書く準備をしていた2013年の私の日記からの抜粋です。

“この映画は心で感じる映画にしたい。ジョーを通して、自分の感情を掘り下げたい。家族と親について問いかけたい。希望を失うこと、バラバラになっていく家族の姿を見つめて、最後に、生き残ることを描きたい。たとえ最悪のことが起こったとしても、人間は生き残ることができるということを探求したい。私たちはそれでも家族でいることができる。決して前と同じではないだろう。でも私たちには愛情がある。そして私たちには生きるための生命力があるのだ。”

キャスティングはまずジャネット役から始めました。共同脚本のゾーイは何年も前にキャリー・マリガンと一緒に仕事をしたことがあって彼女のことを知っていました。素晴らしい女優だから、彼女に演じてもらえて光栄でした。それに彼女がジェイクと知り合いなのを知っていたので、このふたりのコンビネーションはうまくいくと思いました。ジョー役のエド・オクセンボールドを見つけることができたのは、とてもラッキーでした。彼はオーストラリアの俳優で、とても賢い。出会った時はまだ15歳だったけれど、撮影現場ではジェイクとキャリーに囲まれても一歩も引けを取らない存在感がありました。

『ワイルドライフ』は、両親が変化し、夫婦が崩壊していく姿を見つめる息子の目を通して描かれていきます。両親の関係性は崩れていきますが、彼は成長しなくてはならない。母親、父親、そして息子。この3人全員が大人になっていく物語です。苦悩し、傷つき、幻滅するけれど、愛に導かれた映画でもあります。この映画を皆さんと分かち合える時がやってきました。受け入れることと手放すことの意味を問いかけながら、主人公ジョーと同じように、ある家族の肖像をゆっくりと見つめていただきたいです。




7-38

振り返ると本邦で上映されたキャリー・マリガン映画はすべて観ておりまして、いつぞやのロリ娘が今や立派なお母さん役、否、旦那の留守中、子供の前で他人棒を咥える淫らな寝取られ妻役などまことにけしからん作品です。キャリアに対するその寡作さは否めないまでもキャリー・マリガン女史に置かれましては、ナオミ・ワッツ先生に勝るとも劣らぬなんでも演じる名女優の道を邁進して頂きたい所存であります。

願わくば寝取られに悶え苦しみギレンホールの名演をもう少し堪能したいところはありましたが、プロローグからエピローグまで見事としかいいようがない素敵なNTR作品でございました。ポール・ダノは第二のロン・ハワード目指しこの調子で頑張れよ。

しかし、駄作の指標だったキノフィルムズがミニシアター系名作を相次ぎ配信しているのを見るにつけ、中の人が普通の判断能力ある担当者に変ったんだろうか?

満足度(5点満点)
☆☆☆☆







Posted by kingcurtis 固定リンクComments(0)映画 
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