2019年01月21日

【映画評】バジュランギおじさんと、小さな迷子

このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック


 



今年の初鑑賞インド映画はこれ。
尺は160分ですが、ダンスシーンとスローモーション演出カットしたら90分で収まると思われ、ライトなインド映画ファン的には寧ろそっちの方で楽しみたい。

バジュランギおじさんと、小さな迷子

イントロダクション
※Firstpost 2018年10月現在
2015年、1本の映画が世界を笑いと感動に包み込んだ。底抜けに正直でお人好しなインド人青年と、声を出せないパキスタンからの迷子の少女の二人旅を、国や宗教、人間愛についてのメッセージと、ほっこりとした笑いに包んで描き、世界中から人種を超えた熱い支持を受けたのだ。インドでは、30以上の映画賞を受賞して大ヒットとなり、全世界でも150億円に迫る興収を記録して、映画批評サイトRotten Tomatoesの満足度は驚異の100%をマーク。3年を経た現在も「ダンガル きっと、つよくなる」「バーフバリ 王の凱旋」に次ぐインド映画の世界興収歴代No.3を継続中の本作が、熱い要望に応えて遂に日本にやってくる!

主人公パワンを演じるのは、インド映画界で最も影響力のある<3大カーン>のひとり、サルマン・カーン。本作のプロデューサーも兼ねる彼が、これまでの肉体派アクションスターのイメージを一新して、お人好しな青年パワンを応援せずにはいられないイノセントな魅力で演じ、これまでのキャリアで最高の評価を獲得した。声を出せない迷子シャヒーダー役で、誰もが心惹かれる豊かな表情を見せてくれるのは、5,000人のオーディションから選ばれ、本作で超人気子役となったハルシャーリー・マルホートラ。撮影当時弱冠6歳ながら、表情と目だけで強い印象を残す好演で、新人賞を多数受賞した。その他、「きっと、うまくいく」のカリーナ・カプール、「LION/ライオン 25年目のただいま」のナワーズッディーン・シッディーキーなど、日本でも馴染みのある顔ぶれが集結した。「タイガー 伝説のスパイ」でもサルマンとコンビを組んだカビール・カーン監督は、インドからパキスタンへの旅を描くにあたり、インド各地でロケを敢行。大都市のデリーをはじめ、パキスタン国境付近のパンジャーブ、ラジャスタンのタール砂漠カシミールの山岳地帯など、インドの壮大な大自然がスクリーンに彩りを与えている。

ストーリー
パキスタンの小さな村に住む女の子シャヒーダー。幼い頃から声が出せない彼女を心配したお母さんと一緒に、インドのイスラム寺院に願掛けに行くが、帰り道で一人インドに取り残されてしまう。
そんなシャヒーダーが出会ったのは、ヒンドゥー教のハヌマーン神の熱烈な信者のパワンだった。

これも、ハヌマーンの思し召しと、母親とはぐれたシャヒーダーを預かることにしたパワンだったが、ある日、彼女がパキスタンのイスラム教徒と分かって驚愕する。歴史、宗教、経済など様々な面で激しく対立するインドとパキスタン。それでもパスポートもビザもなしに、国境を越えてシャヒーダーを家に送り届けることを決意したパワン。

国境では警備隊に捕まり、パキスタン国内ではスパイに間違われて警察に追われる波乱万丈の二人旅が始まった。果たしてパワンは無事にシャヒーダーを母親の元へ送り届けることができるのか?そこには、思いもよらなかった奇跡が待っていた…

プロダクションノート
肉体派大スターの挑戦
主演のみならず、プロデューサーとしても本作に関わるサルマン・カーンは「この映画は、ヒンドゥー教とイスラム教、インドとパキスタンの対立を終わらせる可能性を秘めている」と述べている。しかし、作品中に、政治家は一切登場せず、対立の歴史を取り入れることもしない。この宗教的・政治的問題をコメディとロマンスを織り交ぜながら、インドで迷子になったパキスタンのイスラム教徒の少女シャヒーダーを、インドのヒンドゥー教徒であるパワンが、パスポートも旅券もなく、無謀にもパキスタンに入国し、両国の人々の協力に支えられ、少女を家に届けるという「愛の物語」によって伝えようとした。
サルマン・カーンは自らが演じた主人公のパワンを「とても単純で、純情な男でありながら、とても強い男であり、全ての人に敬意と愛を抱き、嘘をつかず、何も悪いことをしない男」と評し、この役に惹かれたと語っている。映画批評家、監督、共演者だけでなく、彼自身が語っているように、この映画は今までの彼の演じた役とは異なっている。サルマン・カーンは肉体美に裏付けされたインドを代表するアクションスターで、インドの映画ファンからは“サルマーン兄貴”と慕われてきたが、本作に関して「今まで出演してきた作品の中で、最も素晴らしい映画だと思う。これまでのイメージを捨てて、観て欲しい」と語っている。この映画は、彼にとって、これまでのイメージを一新する大きな挑戦であったが、結果、彼の最高傑作と評価され、その挑戦は見事に結実した。

二つのセリフだけの名女優
監督のカビール・カーンは「シャヒーダーは最も重要な役で、キャスティングを間違えれば製作は困難になる。そこには覚悟が必要だった」と語っている。声を出せない6歳の少女シャヒーダーには、眼と表情だけでの演技が求められ、セリフはラストシーンの「おじさん」と「ラーマ万歳」だけである。
この役には、5,000人の中からオーディションで選ばれたハルシャーリーが抜擢された。2008年生まれの彼女の実年齢も当時6歳で、テレビドラマの子役やコマーシャル等に出演していたものの、映画出演は初めてだった。監督はハルシャーリーに多くの演技指導をしたが、その中で彼女は成長し、素晴らしいパフォーマンスを示した。作品中で見られるように、眼と表情だけで喜怒哀楽を表現する彼女の演技は誰もが称賛するだろう。共演のサルマン・カーンは「彼女と一緒に演技ができて、素晴らしい時間になった。6歳にして俳優が必要な全てのものを持っている」と絶賛。
この映画によって、いくつかの最優秀子役賞を獲得し、テレビ取材が殺到し、その中でハルシャーリーは、時に恥じらい、時に戸惑いながらも、素顔の自分を語っている。次回作は、現在製作中のの“Nastik”で、警官の人生観に影響を与える子役を演じている。

旅を彩る大自然
「この映画は旅の物語でもある」と監督のカビール・カーンが語っているように、インド各地でロケが敢行された。脚本を執筆する中で、すでに撮影はセットではなく、ロケを想定していたとも言う。砂漠や山や渓谷といったインドの美しい自然を観ることができることも、この映画のひとつの魅力になるだろう。
国境を超える砂漠のシーンとパキスタンの町中は、それぞれラジャスタンのタール砂漠とマンダワでロケが行われた。
この映画の中で、最も自然の壮大さを見せるのは、雪山を背景にしたシーンである。ロケ地にはインドの北部、この世の天国と呼ばれるカシミールの山岳地帯が選ばれた。山岳地帯へのアクセスは容易でなく、悪天候が5日間続いたこともあり、スタッフも俳優も寒さに悩まされた。監督が「冒険」と言っているように、撮影は困難を極めたが、自然の壮大さの中で、楽しく撮影は行われた。
シャヒーダーの故郷スルターンプルはカシミールのパハルガンでロケが行われた。遠くに雪山を臨み、果てしなく広がる緑の草原は、景色の雄大さだけではなく、人々の心の雄大さも感じさせてくれる。雪に覆われた渓谷の国境を越え、パワンがインドに帰るラストシーンにはカシミールのソナマルグが選ばれた。雪に覆われたシーンの予定が、一部で雪が解けてしまい、雪を撒いてそのシーンを作ったという。約7,000人ものエキストラに囲まれ、感動的なラストシーンの撮影が行われた。

二つの文化を融合させた音楽
本作で音楽監督を務めたのは、ボリウッドで活躍するプリータム。手がけた作品が次々ヒットし、先ごろ日本でも公開された「ダンガル きっと、つよくなる」では、異例ともいえる日本版のサウンドトラックが発売された。
シャヒーダーとパワンが訪れるイスラム寺院の場面では、イスラムの宗教音楽カッワーリが使われるなど、インド、パキスタンの音楽文化の融合になっている本作の音楽では、冒頭の群舞シーンの’Selfie Le Le Re(セルフィーを撮ろう)’では、「恋する輪廻 オーム・シャンティー・オーム」の音楽監督を務め、ロックバンドのボーカルとしても活躍する、ヴィシャール・ダッドラニがパンチの効いた歌声を響かせ、パワンとラスィカーの恋を彩る“Tu Chahiye(君にいてほしい)”を歌うのは、パキスタンの大人気ロックシンガー、アティフ・アスラムなど、インドとパキスタンの人気アーティストが集結している。




カシミールといえば先日報道されたレッド・ツェッペリンダウンロード曲ベストでして、なんで2位なんだよ。
レッド・ツェッペリン、歴代楽曲のデジタルでの売り上げが明らかに | NME Japan



という前振りを経て、インドとパキスタンの違い(国の成り立ち、政治、宗教、禁忌、国民感情、クリケット等)が分からんとストーリーの半分以上が??となる要素を内包していますが脳天気に歌って踊ればそれでええじゃないかという側面もあります。プロダクションノートにもあるように劇中パキスタンのロケ地は全てインド国内。個人的にはカシミール紛争の映画が観たい。

総じて意味不明な唐突ダンスとスローモーション演出に翻弄されますが、骨格となる庶民レベルでの「印パ問題」は日本で漫然と生活しても知る由もないのでその辺の機微や、カシミール地方ロードムービーに興味がある方は是非ご鑑賞を。面白いよ。

満足度(5点満点)
☆☆☆




Posted by kingcurtis 固定リンクComments(0)映画 
Edit








  ※ コメント認証制です。URL記述不可。久保田直己さんの名誉を毀損したり誹謗中傷する書き込みは固くお断りします。
※ 全角換算400文字超を入力するとコメント飛びます。要分割投稿。