2018年07月04日
【2018年映画】上半期ベスト10(リズと青い鳥、ビューティフル・デイ、ラブレスほか)
mixiチェックビューティフル・デイ - オリジナル・サウンドトラック
2018年上半期は50本程度の作品を劇場鑑賞しましたが、圧倒的に邦画の印象が弱いです。面白かったね!って語れるのは「リバーズ・エッジ」「娼年」「孤狼の血」「万引き家族」「焼肉ドラゴン」程度。その中で俄然目を惹いたのが山田尚子監督作「リズと青い鳥」。平成の小津安二郎という比喩に何度も首肯しましたよ。
上半期で気になったのがゲイ映画の跳梁。ロングラン上映中の「君の名前で僕を呼んで」を筆頭に、それとは知らず観たセザール最優秀作品賞フレンチハードゲイ「BPM」、ブラジリアン身体障害者ゲイ「彼の見つめる先に」は共に凄くよかったですし(とはいえ「君の名前で僕を呼んで」は個人的に生理的なNG評価)、チリを舞台としたトランスジェンダー「ナチュラル・ウーマン」も。
上とラップしますが、毎年数作上映されている障害者系作品は盲目少年の淡い恋を描いた「彼の見つめる先に」、「トリーチャー・コリンズ症候群」男児の挫折と友情を描いた「ワンダー 君は太陽」を鑑賞。共に当ブログ高評価となりました。
そして不条理系の巨匠新作相次ぐ。ハネケ節全開の「ハッピーエンド」、ランティモス監督「聖なる鹿殺し」、ズビャギンツェフ監督「ラブレス」に圧倒され、トドメが平成版タクシードライバー「ビューティフルデイ」。リン・ラムジーは前作「少年は残酷な弓を射る」も面白かったよね〜
毎年恒例、伝説の巨匠最新作品も鑑賞しました。2015年に起きた特急列車テロを忠実に再現したクリント・イーストウッド「15時17分、パリ行き」、DQN主婦が天真爛漫な義娘を毒牙にかけるウッディ・アレン「女と男の観覧車」共に、年齢的衰えを全く感じさせない作品でした。
クリーチャー系なら「RAW〜少女のめざめ〜」「シェイプ・オブ・ウォーター」が快作。あとは実録ドラマ「アイトーニャ」「モリーズゲーム」でのジェシカとマーゴット・ロビーの名演もよかった。
そうそう。度重なる不用意発言で話題の炎上映画評論家による意味不明のオモシロ解説(わずかな食べ物が欲しくて万引きをしている)で盛り上がった貧困系作品ですが、「三度目の殺人」の汚名挽回したとはいえ「万引き家族」はちょっと過大評価のような気が。昨年度パルムドール作品「ザ・スクエア」もイマイチでしたし。それよりも「焼肉ドラゴン」の方が引き込まれました。往年の是枝作品を彷彿する「フロリダ・プロジェクト」もよかったなぁ。まさに実写版「三ツ星カラーズ」
以下、ベスト10作品短評です。
表示はほぼ鑑賞順ですが、リズと青い鳥、ビューティフルデイで2強。ラブレスを入れて3強。この3作品は破壊力満点でした。
【映画評】ハッピーエンド
「韮山高校女子生徒」事件をパルムドール監督が世界規模で映画化という、日本凄い誇らしい系の亜流。偶然ながら「リズと青い鳥」傘木希美が提唱する「物語はハッピーエンドの方がいいよ」と微妙にラップするんですな。これが。というかスマホで動画撮影する際は筐体横に向けよう。
【映画評】ナチュラルウーマン
ゲイとホモとトランスジェンダーの違いが少し分かる作品。タイトル回収シーンはもっとドラマチックだったらよかったのにね。好きな歌だけに。
【映画評】聖なる鹿殺し
「籠の中の乙女」「ロブスター」そして本作と、徹底的に不条理を描き続けるランティモス監督。本作も期待通り実にゾクゾクしました。監督は日本未公開過去作が複数あるけどどうにかならんのか?しかし油断した途端にいい演技魅せるニコール・キッドマン。この気持ち悪さは「ペーパーボーイ」以来?
【映画評】BPM ビート・パー・ミニット
なんか生まれて初めてまじまじとホモのアナルセックス描写を見たような。しかも濃い。アデル・エネル嬢はなんか毎作品印象的だよなぁ。今年のカンヌでも話題だった最新作「The Trouble with You」は是非観たい。
【映画評】ラブレス
ググったら5作目なのか。ズビャギンツェフ。監督作品はもう全部観ていますが、一貫してテーマは全て「家族」なんだよな。同じく「家族」を撮り続けるミシェル・フランコと双璧で好きですし、是枝裕和作品が好きな人ならきっと気に入るはずだよ。ロシアとメキシコと日本の「崩壊する家族」専門監督みたいな。
【映画評】リズと青い鳥
静寂に身を委ねる。固唾を呑む。観客参加型ヴァーチャル・リアリティ映画。初回は鎧塚目線で観ていましたが、二回目以降は完全に傘木希美へ感情移入。「それ覚えていないんだよなぁ」単館系作品が好きなシネフィルなら是非ご鑑賞を。現時点で当ブログ2018年ナンバーワン作品です。絵本パートはいらんと思うけど。
【映画評】アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル
アメリカンDQN映画。エンドロールの実在人物写真見てそのクリソツ振りに驚き。吹き替えなしでここまで滑れるようになるんだからマーゴット・ロビーの役者根性は凄いわ。
【映画評】モリーズ・ゲーム
ジェシカ・チャステインファン的には満足いく逸品でしたが、昨年の「女神の見えざる手」と比べたら若干小ぢんまりしていたかも。
【映画評】フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法
アメリカンDQN映画。マイアミ版三ツ星カラーズであり、マイアミ版焼肉ドラゴンでもあり。フロリダ版安藤サクラ。日本の貧困問題とは異質のアメリカ貧困社会の背景がなんとなく分かったような。こういう日本では知り得ない現実を抑えないとトランプ問題は分からんわな。
【映画評】ビューティフル・デイ
レディオヘッドのジョニー・グリーンウッドが手掛けたテーマソングは劇場で一度聴いただけなのに耳タコ。貼付済映画評にも書きましたが、「タクシードライバー(デ・ニーロ)」や「ドライヴ(ライアン・ゴズリング)」の二番煎じではなく「ビューティフルデイ」の一番煎じ。当ブログ的に「リズと青い鳥」と本作がツートップ。単独三位が「ラブレス」って感じかな。
上とラップしますが、毎年数作上映されている障害者系作品は盲目少年の淡い恋を描いた「彼の見つめる先に」、「トリーチャー・コリンズ症候群」男児の挫折と友情を描いた「ワンダー 君は太陽」を鑑賞。共に当ブログ高評価となりました。
そして不条理系の巨匠新作相次ぐ。ハネケ節全開の「ハッピーエンド」、ランティモス監督「聖なる鹿殺し」、ズビャギンツェフ監督「ラブレス」に圧倒され、トドメが平成版タクシードライバー「ビューティフルデイ」。リン・ラムジーは前作「少年は残酷な弓を射る」も面白かったよね〜
毎年恒例、伝説の巨匠最新作品も鑑賞しました。2015年に起きた特急列車テロを忠実に再現したクリント・イーストウッド「15時17分、パリ行き」、DQN主婦が天真爛漫な義娘を毒牙にかけるウッディ・アレン「女と男の観覧車」共に、年齢的衰えを全く感じさせない作品でした。
クリーチャー系なら「RAW〜少女のめざめ〜」「シェイプ・オブ・ウォーター」が快作。あとは実録ドラマ「アイトーニャ」「モリーズゲーム」でのジェシカとマーゴット・ロビーの名演もよかった。
そうそう。度重なる不用意発言で話題の炎上映画評論家による意味不明のオモシロ解説(わずかな食べ物が欲しくて万引きをしている)で盛り上がった貧困系作品ですが、「三度目の殺人」の汚名挽回したとはいえ「万引き家族」はちょっと過大評価のような気が。昨年度パルムドール作品「ザ・スクエア」もイマイチでしたし。それよりも「焼肉ドラゴン」の方が引き込まれました。往年の是枝作品を彷彿する「フロリダ・プロジェクト」もよかったなぁ。まさに実写版「三ツ星カラーズ」
以下、ベスト10作品短評です。
表示はほぼ鑑賞順ですが、リズと青い鳥、ビューティフルデイで2強。ラブレスを入れて3強。この3作品は破壊力満点でした。
【映画評】ハッピーエンド
「韮山高校女子生徒」事件をパルムドール監督が世界規模で映画化という、日本凄い誇らしい系の亜流。偶然ながら「リズと青い鳥」傘木希美が提唱する「物語はハッピーエンドの方がいいよ」と微妙にラップするんですな。これが。というかスマホで動画撮影する際は筐体横に向けよう。
【映画評】ナチュラルウーマン
ゲイとホモとトランスジェンダーの違いが少し分かる作品。タイトル回収シーンはもっとドラマチックだったらよかったのにね。好きな歌だけに。
【映画評】聖なる鹿殺し
「籠の中の乙女」「ロブスター」そして本作と、徹底的に不条理を描き続けるランティモス監督。本作も期待通り実にゾクゾクしました。監督は日本未公開過去作が複数あるけどどうにかならんのか?しかし油断した途端にいい演技魅せるニコール・キッドマン。この気持ち悪さは「ペーパーボーイ」以来?
【映画評】BPM ビート・パー・ミニット
なんか生まれて初めてまじまじとホモのアナルセックス描写を見たような。しかも濃い。アデル・エネル嬢はなんか毎作品印象的だよなぁ。今年のカンヌでも話題だった最新作「The Trouble with You」は是非観たい。
【映画評】ラブレス
ググったら5作目なのか。ズビャギンツェフ。監督作品はもう全部観ていますが、一貫してテーマは全て「家族」なんだよな。同じく「家族」を撮り続けるミシェル・フランコと双璧で好きですし、是枝裕和作品が好きな人ならきっと気に入るはずだよ。ロシアとメキシコと日本の「崩壊する家族」専門監督みたいな。
【映画評】リズと青い鳥
静寂に身を委ねる。固唾を呑む。観客参加型ヴァーチャル・リアリティ映画。初回は鎧塚目線で観ていましたが、二回目以降は完全に傘木希美へ感情移入。「それ覚えていないんだよなぁ」単館系作品が好きなシネフィルなら是非ご鑑賞を。現時点で当ブログ2018年ナンバーワン作品です。絵本パートはいらんと思うけど。
【映画評】アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル
アメリカンDQN映画。エンドロールの実在人物写真見てそのクリソツ振りに驚き。吹き替えなしでここまで滑れるようになるんだからマーゴット・ロビーの役者根性は凄いわ。
【映画評】モリーズ・ゲーム
ジェシカ・チャステインファン的には満足いく逸品でしたが、昨年の「女神の見えざる手」と比べたら若干小ぢんまりしていたかも。
【映画評】フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法
アメリカンDQN映画。マイアミ版三ツ星カラーズであり、マイアミ版焼肉ドラゴンでもあり。フロリダ版安藤サクラ。日本の貧困問題とは異質のアメリカ貧困社会の背景がなんとなく分かったような。こういう日本では知り得ない現実を抑えないとトランプ問題は分からんわな。
【映画評】ビューティフル・デイ
レディオヘッドのジョニー・グリーンウッドが手掛けたテーマソングは劇場で一度聴いただけなのに耳タコ。貼付済映画評にも書きましたが、「タクシードライバー(デ・ニーロ)」や「ドライヴ(ライアン・ゴズリング)」の二番煎じではなく「ビューティフルデイ」の一番煎じ。当ブログ的に「リズと青い鳥」と本作がツートップ。単独三位が「ラブレス」って感じかな。
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コメント
ありがとうございます。いつも参考にしております^^
Posted by 名無しのぱよぱよちーん at 2018年07月04日 15:40
関係ないこと書くけど、最近、アメリカではモジャヒゲが大流行しているそう。記事に取り上げている映画の出演者も、モジャヒゲ率高い。
Posted by 名無しのぱよぱよちーん at 2018年07月05日 08:52
リズと青い鳥
わりと好評(?)みたいで
嬉しい(^-^)絵本パートも秀逸
わりと好評(?)みたいで
嬉しい(^-^)絵本パートも秀逸
Posted by ひいらぎ at 2018年07月07日 13:58
モリーズ・ゲームは見ました。
ジェシカチャスティン作品は良作が多いですね。
ジェシカチャスティン作品は良作が多いですね。
Posted by worldwalker's weblog(・∀・)! at 2018年07月12日 07:30