2018年05月14日

【映画評】モリーズ・ゲーム

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モリーズ・ゲーム (ハーパーBOOKS)
モリーズ・ゲーム (ハーパーBOOKS)

全米女子モーグル、ソルトレイク五輪代表候補選手だったモリー・ブルームの自伝映画化。

邦題に無駄な副題を付けなかった配給会社偉い(原題:Molly's Game)。同時期に公開されているギレンホール主演「ストロンガー(原題)」とか、あのヘンな邦題(ボストン ストロング ダメな僕だから英雄になれた)だけで観に行く気が完全に失せましたし。

映画『モリーズ・ゲーム』| TOHOシネマズ 日比谷ほか絶賛上映中!

イントロダクション
『ソーシャル・ネットワーク』アカデミー賞R、ゴールデン・グローブ賞受賞
『マネーボール』アカデミー賞R、ゴールデン・グローブ賞ノミネート
『スティーブ・ジョブズ』ゴールデン・グローブ賞受賞
栄光を手にした実在の人物の知られざる裏側に光を当てる天才脚本家アーロン・ソーキンが初監督作品で仕掛ける新たなゲームとは?オリンピック候補のトップアスリートから26歳にしてセレブが集う高額ポーカーの経営者へ一大スキャンダルを巻き起こした実話を映画化!

その名を聞けば、世界中の誰もが知っているハリウッドスターやミュージシャン、さらに大物実業家までが顧客リストに並ぶ、エクスクルーシブなポーカールームが実在した。賭け金の最低額は1万ドル(100万円相当)だが、どんなにキャッシュを積んでも、オーナーからの招待がなければ覗くことも許されない。まるで都市伝説のようなサロンのオーナーは、何の後ろ盾も持たない26歳の独身女性、モリー・ブルーム。だが、栄華を極めた果てに、違法なゲームを主催した容疑でFBIに逮捕される。

モリーが2014年に刊行し、ベストセラーとなった回顧録を、並外れた成功を成し遂げた実在の人物の裏側に迫って来た、脚本家のアーロン・ソーキンが独自の視点で脚色、オスカーにも輝いた才能のすべてを注ぎ込んで初監督に挑んだ。
モリーを演じるのは、『ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜』と『ゼロ・ダーク・サーティ』でアカデミー賞Rにノミネートされ、『女神の見えざる手』で観客を虜にしたジェシカ・チャステイン。彼女の弁護を担当する信念を貫く弁護士に『ダークタワー』のイドリス・エルバ。厳格な父親に『ドリーム』のケヴィン・コスナー。

オリンピック候補にもなったトップアスリートから、なぜ全く違う世界へと身を投じたのか? どうやって500万ドル近くの富を手に入れ、それをすべて失くしたのか? 彼女を陥れたのは誰か? やがて弁護士との作戦会議を通して、タブロイド紙に書きたてられるモリーとは、全く違うモリーが現れ始める──。
世界一魅惑的で破滅的なゲームに秘められた、幾度もの失敗から立ち上がった《勝つために生まれた女》の感動の逆転ドラマ。

ストーリー
運命に配られた敗北のカードを自らの手で勝利に変えていった女性の想像を超えた逆転劇が始まる――
2002年、冬季オリンピック予選の最終戦。女子モーグル北米3位のモリー・ブルーム(ジェシカ・チャステイン)は、五輪出場を目前にしていた。心理学教授の厳格な父親(ケヴィン・コスナー)の下、幼い頃からひたすら練習を重ね、12歳の時の背骨の大手術からも復活した。コロラド大学を首席で卒業したモリーは、ソルトレークで金メダルを獲得し、ロースクールを卒業して会社を設立するという人生設計を立てていた。ところが、1本の松の枝がモリーの運命を変える。枝にぶつかりスキー板が外れて転倒、モリーのアスリート人生は終わった。

その後、ケガから回復し、LAで1年間の休暇を取っていたが、バイト先のボスからポーカー・ゲームのアシスタントを頼まれ、ハリウッドスターのプレイヤーX(マイケル・セラ)、映画監督、ラッパー、ボクサー……大金持ちの有名人ばかりが集まる高額ポーカー・ゲームの世界に足を踏み入れる。ゲームの参加費は1万ドル(100万円相当)。一夜で100万ドル(1億円)のお金が動くスリリングな世界、最高レベルの人々との交流に生き甲斐を見つけるが、数年後、突然クビを言い渡されたモリーは、秘かに練っていた計画を実行し、“モリーズ・ルーム”をオープン。その後、NYに拠点を移し、並外れた才覚によって新たなる伝説を築く。だが、2012年、FBIに突然踏み込まれ、ゲームは閉鎖。モリーは全財産を没収される。

2014年、現在。回顧録「モリーズ・ゲーム」を出版後、モリーは違法賭博の運営の容疑で突然FBIに逮捕される。「誤解です。2年もやっていない」と答えるが、「合衆国対モリー・ブルーム」と書かれた令状を前に成す術もない。何人もの弁護士に断られたモリーは、チャーリー・ジャフィー(イドリス・エルバ)に弁護を頼む。ジャフィーは、タブロイド紙に載る“ポーカー・プリンセス”は自分向きの事件ではないと断るが、モリーについて知るうちに彼女の弁護を引き受ける決意をする。

なぜポーカーをやめて2年も経つモリーが逮捕されたのか? FBIの本当の目的は? 果たして無罪を勝ち取ることは出来るのか?

プロダクションノート
映画化の決め手となったモリー・ブルームの魅力
モリー・ブルームが2014年に出版した回顧録は、彼女がFBIに逮捕された時点で終わっているが、それより以前から彼女の人生を映画化する話は始まっていた。まだマンハッタンのプラザ・ホテルでゲームを開催していた頃、モリーはパーティでプロデューサーのレオポルド・ゴウトに会う。ゴウトは、「彼女は男の世界で活躍している、並外れて頭の切れる女性で、私はそこに惹かれた」と振り返る。

モリーはゴウトに紹介された出版社と本を出す契約を結ぶが、逮捕されたために延期された。裁判が終わり、ゴウトとモリーは本の映画化権の買い手をハリウッドで探す。多くの人々が関心を示したが、プロデューサーのマーク・ゴードンの「脚本はアーロン・ソーキン」という提案に、二人は「これだ」と確信する。

しかし、ソーキンは最初のうちは乗り気ではなかった。彼女はほとんどの人の名前を秘密にしていたが、それでもソーキンは「モリーが取り上げた人の中には、私の知り合いがいた。私の友人について、あるいは誰についてだろうと、私は人の噂話をするような脚本は絶対に書かない」と語る。だが、ソーキンはモリーとの最初のミーティングで、「15分もすると、私は書きたいと強く思った。彼女が払った高い代償に気がついたからだ」と説明する。

アーロン・ソーキンが初監督作で描きたかったストーリー
ソーキンはモリーが本に書かなかったエピソードに興味を抱く。たとえば、モリーの逮捕につながったロシア人のギャングのことや、父親との複雑な関係だ。

モリーの精神の強さや、自分を失わずに様々な体制を打ち破る能力は、人の心に訴える。ソーキンは、「私が好きなタイプのストーリーに、突拍子もない善悪の観念が加わっていると思った。彼女は当たりくじを持っていた。真実を語りさえすれば、金持ちの有名人になれたはずなのに、彼女はそんなことをする気はなかった。私はその点にとても感心しているし、映画でもそこを賞賛している。」

ソーキンは、モリーの際立ったユーモアのセンスと、とてつもなく高いIQにも感銘を受けたが、一番強く残った印象は、「モリーは、とてもユニークな映画のヒロインになると思った」ことだと言う。彼は自分の娘を「連邦犯罪で有罪になった人」に会わせたいと思ったと打ち明ける。彼女が若い女性にとって、素晴らしいロールモデルになると思ったのだ。

その後の2年間で、ソーキンはモリーが本に書かなかった話をさらに聞き出し、約1年をかけて脚本を執筆した。その結果、時系列どおりの構成から離脱し、モリーのストーリーに焦点が絞られた。また、当時の彼女の境遇と重なるようなアーサー・ミラーの戯曲「るつぼ」が劇中には登場する。そうして、原作の題材が組み込まれているが、映画は独自のストーリーとして完結した。 

ソーキンは監督に挑戦する覚悟をした理由を、「自分の頭の中にあるアイディアを言葉では伝えられなかったからだ」と語る。「『これは人が予想するような映画ではない』と断言できるのだが、どういうものになるかは説明できなかった。頭の中にはハッキリとあるのにね。」

何人もの一流女優が熱望したモリー役
モリーのキャスティングは難しくなかったと、ソーキンが振り返る。「業界にいる最高の女優たちからこの役を演じたいと言われた。でも、私は最初からジェシカを起用したいと思っていた。ジェシカにはモリーのように茶目っ気があって、皮肉なユーモア・センスがある。その上、強がる必要もないくらい、しっかりしている。すでに断固とした態度が備わっているんだ。」

チャステインは、脚本がアーロン・ソーキンだというのは、大きなアピールだったと語る。「彼はアメリカ映画界で最高の作家の一人だわ。私はモリーのユーモアがとても気に入ったし、彼女の知性も大好きだった。一人の女性が男ばかりの業界で成功するという、弱者の話である点も気に入ったわ。それに、本物のモリーも好きだったの。」

モリーの人生を左右する重要な二人の男たち
モリー役と同様、誰が弁護士のチャーリー・ジャフィーを演じるべきか、ソーキンには確信があったと語る。「イドリス・エルバは並外れた人物だ。たくましくて頭が切れ、ユーモアがある。」ジャフィーは架空の人物だが、モリーが「初めて尊敬した人」と語る刑事事件弁護士のイメージを取り入れている。

モリーの父親役を演じたケヴィン・コスナーを、ソーキンは「剃刀の刃の上で踊るような役に、力強さとユーモア、複雑さ、それに大きな愛情をもたらした」と称える。プロデューサーのマット・ジャクソンが「モリーが、ケヴィンは彼女の父親を思い出させると言っていた」と付け加える。コスナーはこの役を、「情愛のある父親だが、自分の子供たちを高みへ押し上げた厳しい監督者でもあり、モリーに対し自分が与えた傷やプレッシャーにはおそらく気づいていない」と分析する。

ソーキンは、コスナーが監督としての知識を惜しみなく提供してくれたことにも感謝する。「『ダンス・ウィズ・ウルブズ』を監督してアカデミー賞Rを受賞した人を演出するというのは、気後れすることだ。だが、彼は私のそんな気持ちをすっかり取り除いてくれた。そのことは決して忘れない。」

シーンにリアリティを与える脇を固める実力派俳優
映画スターであるプレイヤーXは、ゲームに他のプレイヤーを引き付ける磁石のような存在だ。人々は有名人とプレイしたいと願う。魅力的な表の顔を持つ一方で、プレイヤーXはカモが大好きで、映画出演で稼いだ以上の多額の金をポーカーで稼ぐことを目標にしている。そんな二面性のあるプレイヤーXを、ソーキンが「邪悪の正反対。人生を破壊するようなことができるとは誰も思わない」と指摘するマイケル・セラが演じて意外な味を出している。

モリーがアシスタントを務めたディーン・キース役には、ジェレミー・ストロングが起用された。ストロングが撮影セットでポーカーのチップを初めて混ぜた時、ソーキンは「ポーカーを何時間もやったことがあると思ったが、そうではなかった。ストロングは徹底的に準備していたから、難なくやっているように見せることが出来たんだ」と称賛する。彼らの多角的な演技のおかげで、リアリティのある画面が完成した。

伝説のポーカールームを再現した、撮影、美術、衣裳
撮影監督のシャルロッテ・ブルース・クリステンセンは、被写体に深度と柔らかさを提供する60年代のアナモルフィック・レンズの感じを出そうと、デジタル撮影にパナビジョン<歪像レンズ>を使った。

トロントのスタジオに、現代の神話とまで噂された、贅を極めたモリーのポーカールームを見事に再現したのは、デヴィッド&サンディ・ワスコのプロダクション・デザイン・チーム。“チーム・ワスコ”は、「ポーカーのテーブル周りで話す台詞が何ページもあったから、どこから撮っても視覚的に面白い部屋にした」と語る。

スーザン・ライアルによる衣装は、視覚的に豪華に見せる上でも、モリーがストーリーのどの時代にいるかを知らせる上でも重要だった。たとえば、モリーは初めてのポーカーゲームに、JCペニーで買った30ドルのワンピース姿で出かけるが、自分のキャリアを伸ばすためには美しい服が重要だということをすぐに悟る。最後には、彼女は二度と同じ服を着ないことを自慢するようになる。チャステインには、全部で90着の衣装が用意された。










トビー・マグワイア、8万ドルを支払い、非公式ポーカーをめぐる裁判に決着 | cinemacafe.net

俳優のトビー・マグワイアが、非公式ポーカーについての裁判から離脱するために8万ドルを支払い、決着をつけたことが明らかになった。

トビーはビバリーヒルズの高級ホテル「フォーシーズンズ」で週2回開かれていたポーカーに参加しており、2006年から2009年までにヘッジファンド・マネジャーのブラッドリー・ルーダーマンからポーカーの賭け金として30万ドルを受け取っていた。

だが、現在詐欺罪でテキサス州で服役中のルーダーマンがギャンブルに費やし損失した2,500万ドルの一部が投資家グループから集められたものだったことが発覚。トビーがゲームに勝って得た30万ドルも一部返還を求められ、それに応じて8万ドルを支払った。

トビーの親友であるレオナルド・ディカプリオやマット・デイモン、ベン・アフレックらも参加していたこのゲームは、実はカリフォルニア州では非公認。トビー以外にもポーカーに勝った22名が訴えられており、中には『きみに読む物語』のニック・カサヴェテス監督も含まれている。

当ブログの昨年度ベスト作品「女神の見えざる手」主演ジェシカ・チャステインの最新作。
【2017年映画】当ブログベスト10発表〜1位は「女神の見えざる手」

冒頭より始まる機関銃の如きモノローグは字幕ないと全く理解不能〜終始、小気味よき展開。「女神の見えざる手」同様、男社会で八面六臂大活躍する女性〜法廷劇を描いた作品でして、実話ベースだけに話に無理や盛りも感じられず、ロシアン・マフィア?筋からフルボッコされるシーンなどもリアリティに華を添えている感じ。相変わらずジェシカ格好いいわ。

ステージママ(パパ)によるアスリート主人公の人格形成プロット含め、先日鑑賞した「【映画評】アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル」とコインの裏表みたいな作品ですね。どちらも非常にいい作品。

満足度(5点満点)
☆☆☆☆

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Posted by kingcurtis 固定リンクComments(5)映画 
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コメント
今日見に行く予定だったのですが、午前中に用事ができたので来週見ることにします。楽しみです。
Posted by worldwalker's weblog(・∀・)! at 2018年05月14日 11:54
ジェシカ・チャステイン様の主役ってだけで期待しちまいますわ。
男らしい役がドハマリのいい女w
Posted by 名無しのぱよぱよちーん at 2018年05月14日 15:11
普通にスゲー面白かったよ
Posted by bob at 2018年05月14日 15:30
上映時間の都合で今日は「孤狼の血」を見ました。
松坂桃李と阿部純子がいいです。
よく出来た映画でも、ヤクザの映画は後味が悪い。
Posted by worldwalker's weblog(・∀・)! at 2018年05月15日 06:18
面白かったです。
ケビン・コスナーの父親役がよかったです。
近作では、父親役ではありませんが「クリミナル 2人の記憶を持つ男」がよかった。
いいバイプレーヤーになったと思います。
Posted by worldwalker's weblog(・∀・)! at 2018年05月25日 08:53
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