2018年05月10日

【映画評】アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル

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I, Tonya (Original Motion Picture Soundtrack)
I, Tonya (Original Motion Picture Soundtrack)

俺達のマーゴット・ロビーがキレッキレ演技。登場人物全員バカ。ブラックコメディ仕立てのトーニャ・ハーディング自伝。
GW映画は「リズと青い鳥(静謐)」「ザ・スクエア(動揺)」「アイ、トーニャ(狂気)」だけ観ておけばOK!

映画『アイ、トーニャ 史上最大のスキャンダル』公式サイト

イントロダクション
アメリカ人女性初、史上二人目のトリプルアクセル成功者であるトーニャ・ハーディング。彼女が94年リレハンメルオリンピック出場権を得るために元夫等にライバル襲撃事件を命じたと疑惑の目を集めた、「ナンシー・ケリガン襲撃事件」は、衝撃的な事件としてマスコミの恰好のネタとなり、報道もエスカレートした。しかし、全世界を揺るがしたスキャンダル・オン・アイスの真相を知っている人はどこまでいるのだろうか?本作ではトーニャの生い立ちから、大きな影響を与えた母親をはじめとする特殊な人間関係、疑惑の事件や、オリンピック競技中に審査員に涙で訴えるという靴紐問題までを追求。昨年のトロント国際映画祭で大きな話題を集め、アカデミー賞3部門ノミネート、ゴールデングローブ賞を受賞(助演女優賞)するなど賞レースを賑わせている。いかにして事件が起きたのか、その真相に迫るにつれ若干23歳で世界のヒール役に転じた元スケーターの新たな顔が見えてくる。表情のプリンセスから犯罪者へ、人生の頂点からどん底へと突き落とされた彼女の想像を絶する人生は、悲しくもどこか愉快で、ワイルドでクレイジー。そんなトーニャの半生が、今スクリーンで明らかになる!

この事件の裏にあったのは、貧困脱出のために、娘にスケートを習わせ、「あの娘はどうせダメだと言わないと力を発揮しない」という身勝手すぎる理念の元、言葉と体の暴力でねじ伏せる鬼母と普通に愛される事を知らずに育ったトーニャの物語。トーニャに扮するのは、『スーサイド・スクワッド』などで知られるマーゴット・ロビー。本作のプロデューサーも務めた彼女は、4ヶ月に渡るスケート特訓を経て、複雑な役を決然と演じきった。そしてもう一人の主役、母ラヴォナ役には、エミー賞を7度受賞している演技派のアリソン・ジャネイが挑んだ。アリソンの怪演は世界で絶賛を受け、第75回ゴールデングローブ賞助演女優賞を獲得している。トーニャの元夫、ジェフには「キャプテン・アメリカ」シリーズに出演しているセバスチャン・スタン。幼少期のトーニャ役には「gifted/ギフテッド」で天才子役として賞賛を集めたマッケナ・グレイスなど実力はが揃う。そして、関係者本人達の食い違う証言を元に作られた脚本を秀逸に演出したのは、『ラースと、その彼女』のクレイグ・ギレスビー監督だ。世紀のスキャンダルを描く一方で、この映画でしか観る事のできないアングルで活写されたフィギュアスケートシーンは必見。壮絶なトーニャの人生を、時にユーモラスに表現する本作はアカデミー賞編集賞にもノミネートされた。そして、ドリス・デイの「わたしを夢見て」やシカゴのヒット曲「長い夜」、スジー・アンド・ザ・バンシーズによる、イギー・ポップのカバー曲「THE PASSENGER」など懐かしのナンバーが、映画に軽やかな空気を吹き込んでいる。

ストーリー
貧しい家庭で、幼いころから暴力と罵倒の中で育てられたトーニャ・ハーディング(マーゴッド・ロビー)。天性の才能と努力でアメリカ人初のトリプルアクセルを成功させ、92年アルベールビル、94年リレハンメルと二度のオリンピック代表選手となった。しかし、彼女の夫だったジェフ・ギルーリー(セバスチャン・スタン)の友人がトーニャのライバルであるナンシー・ケリガンを襲撃したことで、スケート人生は一変。転落が始まる。一度は栄光を掴み、アメリカ中から大きな期待を寄せられたトーニャ・ハーディングだったが、その後、彼女を待ち受けていたのは・・・・・・。フィギュアスケート史上最大といわれる衝撃的な事件の意外な真相と、彼女の波乱万丈な半生の物語。

「ナンシー・ケリガン襲撃事件」とは?
1994年1月6日、米フィギュアスケートのリレハンメルオリンピック選考会となる全米選手権の会場で、練習を終えたナンシー・ケリガンが何者かに襲われた事件。ケリガンは膝を殴打され怪我を負い全米選手権を欠場、トーニャ・ハーディングはこの大会で優勝を果たす。事件発生から2週間後、ハーディングの元夫らが逮捕されハーディングにも疑惑の目が向けられた。全米スケート協会とアメリカオリンピック委員会はハーディングをオリンピックチームから追放しようとしたが、ハーディングは法的措置をほのめかして代表にとどまり、リレハンメルオリンピックに出場。しかし靴紐の不具合などで振るわず8位入賞に終わった。一方のナンシー・ケリガンは銀メダルを獲得した。




>アメリカ人女性初、史上二人目のトリプルアクセル成功者
念のために。女性スケーター史上初のトリプルアクセル成功者は伊藤みどりさんだそうです。

トーニャ・ハーディングもナンシー・ケリガンも覚えていますが、事件のディテールはよく分からないのが一般人。だから本作観れば事件の真相が分かる。というのは早計の模様で、冒頭に「何が真実か分からん」みたいな警告テロップあり。トーニャ目線の筋書きなので思いっ切り誇張しているのでしょうけど、それはそれで非常に面白い。更にエンドロールで一連のホンモノが満を持し登場。その実在の人物と俳優さんのクリソツ度にびっくり。特に自宅警備員。お前だ!

お世辞抜きで名演だったマーゴット・ロビーにはいい加減、イロモノでない普通の作品を与えて欲しい所存。

劇伴は最近流行りの古いロックですが「デビルウーマン」ってクリフ・リチャードの曲だったんだ?独特のリフから理由なく60年代末の一発屋ブリティッシュ・ロックバンドの楽曲かと今の今まで思い込んでいました。FENかなんか忘れていたけどよく流れていたよね。



フリーとウッド・マックさん「The Chain」が流れるシーンがチョー格好よかったです。バラクーダとかもよかった。



GW映画では一番のオススメ。
尚、イントロダクションで紹介されているクレイグ・ギレスビー監督旧作「ラースと、その彼女」も面白いので、未見の方は是非。空気嫁を愛するライアン・ゴズリングと、その夫妻を取り巻く街の人々のハートウォーミング作品。優しさ版ラース・フォン・トリアー「ドッグヴィル」みたいな。

満足度(5点満点)
☆☆☆☆

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コメント
「一方的な自伝」がベースですからねぇ。
それも多分ゴーストライターの。
Posted by んんー at 2018年05月10日 12:51
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