2018年05月02日

【映画評】タクシー運転手 約束は海を越えて

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光州 五月の記憶―尹祥源・評伝
光州 五月の記憶―尹祥源・評伝

「日韓合意」同様、韓国国内では永く事実を隠蔽されてきた全斗煥大統領による民間人大量虐殺「光州事件」をベースにした韓国映画。

そして「天安門事件はインチキ。虐殺はなかった発言」で全ての信頼を失った町山智浩タレントが本作を絶賛している滑稽さと物悲しさ。



映画『タクシー運転手 約束は海を越えて』公式サイト

イントロダクション
戒厳令下の物々しい言論統制をくぐり抜け唯一、光州を取材し、全世界に5.18の実情を伝えたユルゲン・ヒンツペーター。その彼をタクシーに乗せ、光州の中心部に入った平凡な市民であり、後日、ヒンツペーターでさえその行方を知ることのできなかったキム・サボク氏の心境を追うように作られた本作は、実在した2人が肌で感じたありのままを描くことで、1980年5月の光州事件を紐解いていく。

平凡なタクシー運転手に韓国映画界の名優ソン・ガンホ、ドイツ人記者にドイツのベテラン俳優トーマス・クレッチマン。 他、唯一無二の存在感を放つユ・ヘジン、若手実力派リュ・ジュンヨルと豪華キャストが集結。ここに『義兄弟』『高地戦』のチャン・フン監督の演出が加わり、平凡なタクシー運転手と外国人記者、そして光州で出会う人々が危険な状況に負けず、最後まで自分の信念を貫き通した“あの日”をドラマチックな感動で包み込む話題作がついに日本上陸する。

ストーリー
ソウルのタクシー運転手マンソプは「通行禁止時間までに光州に行ったら大金を支払う」という言葉につられ、ドイツ人記者ピーターを乗せて英語も分からぬまま一路、光州を目指す。何としてもタクシー代を受け取りたいマンソプは機転を利かせて検問を切り抜け、時間ぎりぎりで光州に入る。“危険だからソウルに戻ろう”というマンソプの言葉に耳を貸さず、ピーターは大学生のジェシクとファン運転手の助けを借り、撮影を始める。しかし状況は徐々に悪化。マンソプは1人で留守番させている11歳の娘が気になり、ますます焦るのだが…。

ディテクターズ・メッセージ
始まりは1980年5月の光州を取材したユルゲン・ヒンツペーター記者、そしてソウルから彼を乗せて光州まで行った一人のタクシー運転手キム・サボクの話だった。韓国現代史の大きな痛みである事件を扱うというプレッシャーがなかったとは言えない。“果たして私がこのようなスケールの大きな事柄を映画にできるだろうか”という怖さが先に立った。

そんなプレッシャーにもかかわらず『タクシー運転手』に私自身が引き込まれていった動力とは、マンソプとピーターという2人の主役のおかげだ。当時ユルゲン・ヒンツペーターは日本特派員として仕事をしていた。そんな中、韓国の状況を聞いて躊躇することなく光州に取材に来た。一体何が彼をそこまで突き動かしたのか。そして偶然にも彼に同行することとなった平凡なタクシー運転手は、共に行動する中で何を見て何を感じたのか。そんなマンソプの目に映った時代の姿と彼の心が大きく揺さぶられる様を描きつつ、歴史上の偉人が成し遂げた大きな事柄ではなく、普通の人々の小さな決断と勇気が積み重なり何かが成し遂げられるといった、近くで見ていなければ知り得ない事柄を描きたかった。マンソプのタクシーに乗りながら、観客の皆さんにも、自分たちの話として考えてもらえる機会になれば嬉しい。

この話は平凡なタクシー運転手と外国人記者、それから光州で出会う2人の視線を通じて描かれる“あの日”に対する物語だ。そして平凡なある個人と時代が生んだ、危険な状況に負けず、最後まで自分の仕事を成し遂げたという話でもある。

——— 監督 チャン・フン




とりあえず我が国で「光州事件」を知らない人が圧倒的な事実に驚き。
ググりましたが日本でいえば大平総理、鈴木総理の時代だったそう。世相でいえばモスクワ五輪ボイコット、空前の漫才ブームに湧き、山口百恵結婚、ポール・マッカトニー逮捕、松田聖子デビュー、吉野家倒産、王貞治引退。映画は「影武者」「地獄の黙示録」。流行歌はYMO等テクノポップ全盛、クリスタルキング「大都会」、もんた&ブラザーズ 「ダンシング・オールナイト」、海援隊「贈る言葉」、長渕剛「順子」、オフコース「さよなら」、シャネルズ「ランナウェイ」、谷村新司「昴」、山口百恵「さよならの向う側」、沢田研二「TOKIO」、RCサクセション「雨上がりの夜空に」、山下達郎 「Ride On Time」、チャゲ&飛鳥「万里の河」、松原みき「真夜中のドア」、サザンオールスターズ「シャララ」の時代。





そんな日本の音楽文化全盛時にお隣の韓国では政府がメディアを検閲、軍人は民間人を殺しまくり、朝日新聞は北朝鮮を絶賛、日本人サラリーマンは大挙しキーセン観光、「従軍慰安婦問題」「靖国問題」はこの世に存在せず、韓国国民はKCIAの目を隠れてご法度の日本の歌謡曲を聴き、日本の漫画を読み、日本のアニメを見ていた時代。まさに現代の北朝鮮状態。本作でもソウルの街並みを走る車は日本車ばかり。主人公のタクシーはマツダファミリア?一瞬、ヒュンダイのエンブレムを付けた車が写ったよね。ラジオから流れる曲も怪しい東南アジア風。

肝心の内容ですが、前半のコメディタッチ、中盤の「【映画評】デトロイト」状態までは楽しめましたが、終盤の「ミッション・インポッシブル」状態で醒めました。なんで普通に映画作れないんだろう?料理に喩えると素材も彩りもいいのに、香辛料をドバドバかけて、主菜、副菜をペースト状に混ぜ混ぜしている状態。勿体ない。

ということで策士金正恩の次なる一手は、平成の光州事件再演であることは容易に想像できます。

満足度(5点満点)
☆☆☆

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Posted by kingcurtis 固定リンクComments(8)映画 
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コメント
なんか微妙に興味がある。
何故だか、直近に視た三作は、台湾の嘉義農林の甲子園の話と
韓国の牛の鈴音とシルミドなんだよなぁ。
Posted by 名無しのぱよぱよちーん at 2018年05月02日 15:31
町山さんは一生
異邦人でいたいんだ
同情しない
好きに生きればいい
Posted by 名無しのぱよぱよちーん at 2018年05月02日 21:48
「村上自身は『自分には表現すべきものがない』と言っているそうだが、本当は『自分は偉い』ということだけがテーマなのだ」

町山、お前の評論、ラジオもそうだぞ
Posted by 名無し at 2018年05月02日 23:05
小中学校の頃(40年近く前w)って、韓国はしょっちゅう軍部がクーデターやったり好き勝手してる印象だった。
そんなとき同級生から「竹島って島を韓国に占領されてるらしいぜ」って教えてもらったんだっけ。
Posted by 名無しのぱよぱよちーん at 2018年05月03日 22:56
 「韓国からの通信」ですか。
 あれも便所の落書きばっかりで勧告を誹謗中傷した悪質な「世界」の連載でしたけど、デマを流した責任も有耶無耶のまま88年に連載が打ち切られたんでしたっけ。
 あの当時韓国を誹謗していたパヨクは今掌を返したように味方面して擦り寄ってますが、奴らにはプライドも羞恥心も皆無なんですね。
 そんな連中に迎合する韓国も同類ですけど。
Posted by 名無しのぱよぱよちーん at 2018年05月03日 23:12
コメント1ですが、思い出しました。
ここの記事を見て見に行ったのです。
カギ農林の甲子園の映画は、誰か詳しい日本人に少しでも相談すれば格段に良くなったのにと思います。残念でした。
陸軍の軍装、台詞と幾らでも相談できる人が居たと思うのにもったいなかったです。
Posted by 名無しのぱよぱよちーん at 2018年05月03日 23:57
光州事件は明らかに北の工作員とその影響下にある扇動者と群集の事件だったと思う。軍事政権もあれだけど、北よりは遥かに民主的であったわけで、その南を捨てて北へ亡命した連中とか馬鹿としか言えない。後悔しているか反省しているか?
民主化を求めて北へ行くという。
この先、北よりも正直言って南からの移民が嫌だ。
Posted by 名無しのぱよぱよちーん at 2018年05月05日 14:04
主人公、あちらでは名優らしいですね。写真見ると典型的おたふく風邪ヅラの韓国兄貴。
「君の名は。」のプロデューサー伊藤忠の川口によく似てるけど、血縁の者?w
Posted by ヤマ at 2018年05月05日 16:48
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