2018年04月17日
【映画評】ダンガル
mixiチェックDangal ダンガル DVD
インドのスポ根映画。実話ベース。
全くの偶然ながら主人公は伊調馨の対戦相手。元民主党女性議員による「女子アマレス私物化」「伊調馨パワハラ事件」が無慈悲にも劇中でまんま再現されていまして、最悪のタイミングで興行宣伝に協力した日本レスリング協会関係者並びに伊調馨、吉田沙保里、福田富昭会長に「ねえねえ、いまどんな気持ち?」と聞いてみたい。
【スポーツ】吉田沙保里も泣いた!インド発スポ根レスリング映画はヒットなるか/デイリースポーツ online
イントロダクション
インド映画の世界興収歴代第1位の座を奪取し、中国では『君の名は。』の記録のダブルスコアとなるモンスター級のヒットを樹立、今も各国で記録を更新中の話題の大興奮作。
圧巻の面白さと感動で人々の心をわしづかみにしたのは、レスリング一直線の熱血パパと2人の娘たちの実話。「巨人の星」の星一徹ばりの過酷な特訓を強いるパパに、「猛烈すぎる!」と驚いた観客も、因習、悪徳コーチ、挫折、世界の壁……いくつもの限界を、娘を支えながら共にブチ破っていくその姿に魂を燃やされる。やがて彼の真の目的が明かされた時、観る者の涙腺は決壊、クライマックス30分は爽快な涙が止まらない。
レスリングの国内チャンピオンになったものの、生活のために引退したマハヴィルは、金メダルの夢を息子に託すはずだったが、授かったのは、娘、娘、娘、娘──。やむなく夢は諦めたが、十数年後にケンカで男の子をボコボコにした長女ギータと次女バビータの格闘センスに希望を見出し、翌日から2人を鍛え始める。男物の服を着せ、髪を切り……暴走するマハヴィルの指導を見た町の人々は一家を笑い者にするが、父の信念は曲がらない。やがて2人は目覚ましい才能を開花させ始める──。
頑固一徹なパパに扮するのは、公開時にインドで歴代興行成績を塗り替え、日本でも大ヒットを記録した『きっと、うまくいく』のアーミル・カーン。50本を超える作品に出演し、国内外で数々の権威ある賞に輝くインドの国民的スターだ。
ギータとバビータの子供時代と成長してからを演じる4人は、厳正な健康チェックを含むオーディションで選ばれた。父との葛藤に揺れるギータを情感豊かに演じたファーティマー・サナー・シャイクと、家族の絆を取り戻そうとする愛らしいバビータを演じたサニャー・マルホートラは、すべての試合シーンを自分たちで演じている。彼女たちを一流のアスリートかつ女優に育て上げた監督は、ニテーシュ・ティワーリー。
“ダンガル”とは、インド語でレスリングのこと。広い意味での情熱に溢れたファイターや、人間の尊厳も表し、闘い続ける者たちを称える言葉でもある。父から受け継いだ夢をまとい、姉妹がレスリングで世界へと羽ばたく壮大な逆転サクセス・ストーリーにして、全ての夢追い人へ贈る最高のエールが誕生した。
ストーリー
レスリングを愛しすぎた男、いつか息子を金メダリストに。しかし、うちには娘しかいない——。そうだ!
誰よりもレスリングを愛し、インドの国内チャンピオンにまで上りつめたが、生活のために引退したマハヴィル(アーミル・カーン)。母国に初の金メダルをもたらす夢は、まだ見ぬ息子に託した。ところが、待望の第一子は女の子。町の人々から伝授された“男の子を作る方法”を全て試しても、2人目も3人目も……なんと4人目も女の子。やむなくマハヴィルは夢を諦める。
それから十数年後、長女ギータと次女バビータが、悪口を言う男の子をボコボコにし、マハヴィルは2人を叱るどころか歓喜する。娘たちの格闘DNAを信じたマハヴィルは、止める妻を試しに1年間と説得する。男物のTシャツと短パン姿で走らされ、お菓子もスパイス料理も禁止、ゲームやお出かけもなし。毎朝5時からの厳しい肉体改造が始まった。だが、女の子がレスリングなんてあり得ないと、一家はたちまち町の笑い者に。レスリング場の使用も断られ、マハヴィルは土のリングを作り、甥のオムカルに娘たちの練習相手をさせる。
体力も気力も限界に達したギータとバビータは父親にやめさせてと懇願するが、許されるどころか髪を短く刈り込まれてしまう。ある夜、父に内緒で友達の結婚パーティに出掛けると、すぐにバレて激怒される。「あんな父親、要らない」と涙ぐむ姉妹に、意外にも花嫁が「いい父親よ」と諭す。幼い娘に家事を押し付け、14歳になったら顔も知らない男に嫁に出す自分の親と違って、マハヴィルは娘の未来のためを想っているというのだ。
心を打たれた2人は翌朝から特訓に励み、才能は急速に開花していく。ギータがオムカルに勝った翌日、マハヴィルはギータを男子のレスリング大会へ連れて行く。最初は断られるが、話題になるとふんだ主催者に許可されて出場、ギータは破れたものの善戦し、拍手喝采を浴びる。その敗戦がギータの闘志に火をつけ、驚異の快進撃が始まった! やがてバビータも参戦、2人は男を投げ飛ばす少女としてたちまち人気者になっていく。いよいよ次は全国大会。男を負かしてきたギータに敵はいない。サブ・ジュニア、ジュニアと優勝し、さらに成長してシニアの全国チャンピオンを獲得、町の人々にも英雄として迎えられる。「ついに夢が叶ったね」と喜ぶオムカルに、「まだだ」と答えるマハヴィル。「俺の夢はお前が国際大会で金メダルを取った時に叶う」という父の言葉に、ギータはしっかりと肯くのだった。
インド代表となったことで、国立スポーツ・アカデミーに入団するために、家族のもとを離れるギータ。そこで彼女を待っていたのは、外食やおしゃれもできる自由な生活と、「父親の教えは一切忘れろ」というコーチからの指導だったーー。
プロダクションノート
多くの人に伝えたい、女の子を尊重したインドの一家の実話
本作の誕生のきっかけは、ニテーシュ・ティワーリー監督が、友人からフォガト一家の話を聞いたことだった。ティワーリー監督はその時のことを、「ごく簡単な話を聞いただけで、感動で胸がいっぱいになった。だから、どうしてもこの物語を一人でも多くの人に伝えたいと思った」と振り返る。フォガト一家の父であるマハヴィル・シンは、ハリヤーナ州のバラリという小さな村の出身だ。ティワーリー監督は、「マハヴィルが生まれた村のように、インドの特に進歩が遅れている地域では、ほとんどの人々が、男の子が産まれて家を継いでくれることを望んでいる。女の子が産まれた場合は、その子に男の子と同じような機会を与える親はまずいない」と説明する。ところが、マハヴィルは4人の娘たち全員を、レスリングの選手にしようと考えた。どんな困難に直面しても絶対に諦めず、娘たちを励まし続け、男の子と同じようなチャンスを与えさえすれば、女の子だって決して劣ることはないことを証明したのだ。ティワーリー監督は、「その点に最も心を動かされた」と熱く語る。
姉妹のキャスティング=レスリング選手の育成?!
子供時代のギータとバビータと、成長してからの姉妹を演じる4人は、長い時間をかけてオーディションで選ばれた。演技の前に重視されたのは、まずはアーミル・カーンの娘に見えること。次に、姉妹二人が似ていること。さらに、ティワーリー監督は、本作ならではのポイントを解説する。「彼女たちの健康状態もチェックしなければならなかった。激しいレスリングをするわけだからね。そして、たくましい身体にできるか、栄養士にも相談した。また、ウェイトトレーニングをしても安全かどうか、運動をする時に美しい動きをすることができるかについても、インストラクターに相談した。」選ばれた4人は、レスリングの経験は全くなかった。まさに、その日からスタッフの手によって、レスリング選手の育成が始まったのだ。彼女たちへの指導は、「私たちの国のレスリングを促進し、応援することになる」とティワーリー監督に説得され、元レスリング選手で、現在鉄道会社のレスリングチームのコーチであるクリパ・シャンカルが担当した。その成果は著しく、レスリングシーンは、すべて彼女たちが演じている。
リサーチを重ねて得た事実にユーモアを盛り込んだ脚本
ティワーリー監督は、まずはギータとバビータ本人に会って話を聞いた。そして実際に、彼女たちのトレーニングを見せてもらった。大変な感銘を受けたと、ティワーリー監督は振り返る。「練習はとても厳しいものだった。彼女たちがレスリングをしている様子を見て、あれこれコメントをするのは簡単だ。だが、彼女たちがどんなに一生懸命に練習してレスリング選手になったか、世間にはほとんど知られていない。だから、さらに多くの関係者に会って、ギータとバビータの家族とも話をして、リサーチを重ねた。」脚本執筆にあたって、ティワーリー監督が最初に決めたのは、ユーモアを持ちこむことだった。「こういうテーマは、重くなってしまいがちだ。でも、それは避けたいと思った。映画を観にきて、説教されたい人なんて一人もいないからね。だから、とても意義深い映画にユーモアと楽しさの層を重ねていこうと考えた」とティワーリー監督は説明する。「もちろん、映画として面白くするためのフィクションの部分もある。たくさんの情報をふるいにかけて、何を隠すか、どれくらい伝えるか、何を変えるかを決めた。」
70キロ→97キロ→70キロ! 名優史上最難関の肉体改造
主人公がレスリングをしていた若い頃から、50代までの半生を演じることになった52歳のアーミル・カーンは、肉体改造という大きなミッションに取り組んだ。主演が決まった時、カーンが痩せていたため、ティワーリー監督は、若い頃の撮影から開始し、その後、太ってからを撮ろうと提案した。「でも、私はそうしたくなかった」とカーンが説明する。「太った時代をあとに撮ってしまったら、減量する理由がなくなってしまうからね。私は怠け者なんだ」とカーンは笑う。「体重を増やすのは楽しかった。食べたい物を食べ、飲みたい物を飲むという、素晴らしい時間を過ごした。それは否定できない。しかし、同時に最も居心地が悪くもあった。体が重すぎて素早く動くことができず、レスリングのトレーニングにも響いた。ご存知の通り、体重が増えると、息づかいが変わる。ボディランゲージが変わり、歩き方、座り方、立ち上がり方、全てが変わる」とカーンは説明する。ボディスーツを着て太く見せることもできたが、カーンは「ボディスーツは、役者として面白みに欠ける。太ったという実感が得られない」と指摘する。結果、5カ月をかけて、カーンは体重を70キロから97キロに増やし、体脂肪率も9%から38%に上げた。中年太りの時代を撮り終え、若い時代の撮影準備が始まった。「大変なことになってしまったと思ったよ」とカーンは苦笑いする。「目標ははるか遠くにあり、非常に難しく見えた。絶望が私の心を支配し始めていて、それに打ち勝たなければならなかった。だから私は毎日、ただ今日のことだけを考えよう、旅の終わりのことについては考えるなと、自分に言い聞かせたんだ。」アメリカのニキル・ドゥランダル医師が、カーンの栄養士を務めた。彼の指導で特別ダイエットプランを立て1日の摂取カロリーを、1800〜2500カロリーに制限した。トレーナーのラフール・バットは、「体を変化させるには、まずは食事療法だ」と断言する。どれだけ運動したとしても、食事が良くなければ、良い結果は得られないというのだ。過去の作品でも驚異の肉体改造で知られるカーンをもってしても、今回はあまりにもハードで、「無理だ」と弱音を吐くこともあったという。バットは「そんな時は『ウェイトを軽くして、トレーニングは続けよう』と提案した。でも本当はウェイトを軽くせず、『実は今までのトレーニングの中で一番重いウェイトにしていた』と明かし、自信を持ってもらった」と語る。4ヶ月後、カーンは体脂肪を18%まで減らし、遂に5か月後に9.67%を達成した。撮影は、2015年9月1日に始まり、1年近くもの時間がかけられた。本作を通じて、カーンはマハヴィル本人とも仲良くなり、ギータの誕生日に招待されるなど、今でも連絡を取り合っているという。また、完成した作品を観たフォガト一家は、「非常に感動的な時間を過ごしてくれた」と、ティワーリー監督は胸を張る。
本作で遂にディズニーと提携したそうで、偽ハリウッドのボリウッドが本物ハリウッドになってしまった記念すべき作品。最近の日本アニメもそうですがニッチ競技が題材だと高確率で面白い。吹奏楽、かるた、社交ダンス等等。本作のアマチュアレスリングについてもルールを知っているかと問われればよく分からんとしか答えようがなく、作品中で懇切にルール解説があるので色々参考になりました。主人公のギータは霊長類最強女子や伊調馨とも対戦したことがあるそうです。(劇中では対日本戦はありません)予告編観てオリンピックまであるのかと思っていたのでその点だけが残念。あとは満点。既に2時間超えの尺なのでこれ以上のエピソードはディズニーが許さんやろ。
満足度(5点満点)
☆☆☆☆
【記録】ギータ&バビータ姉妹の日本選手との対戦成績 | Japan Wrestling Federation - 日本レスリング協会公式サイト - JWF
2012年世界女子選手権55kg級表彰式。右端がギータ
2013年女子ワールドカップ、姉のギータは栄希和に勝利
2014年アジア大会では妹のバビータが吉田沙保里に挑戦
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コメント
お父さん、室伏に似てるね。
Posted by 名無しのぱよぱよちーん at 2018年04月18日 05:20