2018年01月23日

【映画評】嘘を愛する女

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嘘を愛する女 (徳間文庫)
嘘を愛する女 (徳間文庫)

長澤まさみ×高橋一生のサスペンス映画。
「私が愛した男は何者?」掴みは満点。

映画『嘘を愛する女』公式サイト

イントロダクション
新たな才能の発掘を目指し開催された『TSUTAYA CREATORS’PROGRAM FILM 2015』。応募総数474本の中から初代グランプリを勝ち取った企画が、ついにスクリーンに登場する。

『夫は誰だった?』
このセンセーショナルな見出しの実在する新聞記事に着想を得た本作。
脚本と監督は、企画者でもあるCM界の若き才能・中江和仁。2008年アジア最大規模の広告祭、DFEST(アジア太平洋広告祭)Fabulous4部門にてグランプリを獲得、そのCM作品はエモーショナルな作風と個性的な映像美が高く評価され、次世代の映画界を担う逸材と目されている。
ヒロイン・川原由加利役は長澤まさみ。一流企業に勤める完璧なキャリアウーマンが、恋人の大きな嘘に翻弄されていくという、大人の女性の繊細な芝居に挑む。小出桔平と名乗る由加利の恋人には、日本中の作り手たちが、その芝居に惚れ込む俳優・高橋一生。更には、DAIGO、川栄李奈、黒木瞳、吉田鋼太郎など豪華俳優陣が脇を固める。主題歌を担当するのは、女優、そしてアーティストとして精力的に活動を続ける松たか子。その確かな歌唱力で愛する人を想う女性の気持ちを歌い上げた主題歌『つなぐもの』が、由加利と桔平の物語を見届ける。

ストーリー
その姿は世の女性が憧れる理想像。食品メーカーに勤め、業界の第一線を走るキャリアウーマン・川原由加利(長澤まさみ)は、研究医で面倒見の良い恋人・小出桔平(高橋一生)と同棲5年目を迎えていた。ある日、由加利が自宅で桔平の遅い帰りを待っていると、突然警察官が訪ねてくる。
「一体、彼は誰ですか?」
くも膜下出血で倒れ意識を失ったところを発見された桔平。なんと、彼の所持していた運転免許証、医師免許証は、すべて偽造されたもので、職業はおろか名前すらも「嘘」という事実が判明したのだった。
騙され続けていたことへのショックと、「彼が何者なのか」という疑問をぬぐえない由加利は、意を決して、私立探偵・海原匠(吉田鋼太郎)と助手のキム(DAIGO)を頼ることに。調査中、桔平のことを“先生”と呼ぶ謎の女子大生・心葉(川栄李奈)が現れ、桔平と過ごした時間、そして自分の生活にさえ疑心暗鬼になる由加利―。
やがて、桔平が書き溜めていた700ページにも及ぶ書きかけの小説が見つかる。そこには誰かの故郷を思わせるいくつかのヒントと、幸せな家族の姿が書かれていたのだった。海原の力を借りて、それが瀬戸内海のどこかであることを知った由加利は、桔平の秘密を追う事に……。
なぜ桔平は全てを偽り、由加利を騙さなければならなかったのか?
そして、彼女はいまだ病院で眠り続ける「名もなき男」の正体に、辿り着くことができるのか―。

プロダクション・ノート
構想20年
10年間温めていたという中江和仁監督のオリジナル脚本。その企画はTSUTAYAが主催する映像企画のコンテスト“TSUTAYA CREATORS' PROGRAM 2015”にて見事グランプリを受賞する。
「474本の中から最終的に7作が選ばれたんですが、圧倒的に中江監督の企画が面白かった。映画としてスクリーンで観たいと思ったのは、コレだった」と当時審査員だった阿部秀司プロデューサーは語る。
こうしてTCPの初代グランプリを獲得した中江監督の企画は、更なる開発に2年の歳月を経た後、豪華キャストでの映画化が実現した。阿部と同じく、TCP2015で審査員を担った黒木瞳は、なんと主人公・由加利に助言をする飲み屋の女将・マサコ役で登場する。
「お世辞抜きで、この企画が一番面白いと思いました。プレゼンで、小さな新聞記事から、スクリーンに上映される映画の企画にしたいという熱い想いを知り、映画になったこの作品を、実際に私の目で見てみたいと思いました」(黒木)
構想約20年。良く熟成された中江監督の初の長編映画『嘘を愛する女』は2017年3月12日に無事クランクインを果たしたのだった。

キャラクター設定
役者たちにはクランクイン前に、それぞれのキャラクターの設定資料が渡されていた。
例えば川原由加利の資料にはこんな内容が書かれてあった。
“生まれは福岡。6歳の頃に父の仕事の都合でシンガポールに移住。その後はマレーシア。父は家電メーカーの宣伝部。バブルの頃だったので裕福。家には広告業界の人が貢物を持ってよく出入りしていた。転勤が多かったせいか、家族の仲は良かった。4歳下の妹がいる。向こうでは日本人学校に通ったが、二人とも英語は堪能。母親の口癖は「男前は信用するな」”
そのキャラクターの家族構成、家族からの影響、学歴、性格形成にまつわるエピソード、性格などに加え、愛読本に至るまで、その資料には細かく人物のバックボーンが描かれている。さらにそれぞれのキャラクターがどういった服装をしているのか、また勤めているオフィスや海原の探偵事務所のイメージ写真なども添付されていた。
「脚本を書く時にキャラクターの詳細な設定を作ったほうが良い」と監督。
そういった設定資料の存在もあり、俳優陣やスタッフは、それぞれの役をぶれることなく創りあげていった。

由加利
「私は『監督の中に由加利がいる!』 と感じていたので、監督の想いをくみ取る事が演じる上で大切でした」と長澤。
監督からすると、そんな長澤はとても真面目に役作りに励む人という印象と語る。
「海原の車が動かなくなって由加利が押す長芝居では、寄りカットを何度も撮り、やっとOKが出た後に引きカットを撮ったのですが、そんなに顔が映らないにもかかわらず長澤さんは『今(寄り)と同じように』と、小声で自分自身に言い聞かせながら撮影に臨んでいました」(監督)
ちなみに『世界の中心で、愛をさけぶ』以来、3度ほど共演を果たしている高橋一生は、「非常に強い方です。しなやかだし、柔軟だし。お芝居に対しては間口が広く、どんなタイプの監督に対しても柔軟に対応していく。それでいてとてもタフで。折れない心を持ち合わせている」と評している。
また由加利の旅に同行することになる海原役の吉田は「ホントに自然体で気さくな方。現場では長澤さんがリードしてくれる。お芝居はナチュラルでありながら、締めるところはしっかりと締めてくる」と長澤を絶賛。そんな息の合った二人の雰囲気が、劇中で心を解きほぐしていく由加利の心情をより見事に描き出していた。

それぞれの役作り
「とにかく今回はいろいろ試せるだけの時間がある贅沢な現場。監督や周りの反応で、お芝居を何通りも試して役を作り上げていくことができました。ベースとしての桔平像は頭の中で持っていましたが、一度捨ててみて自由に動いてという感じでした。もともと演じる上で、あまりキャラクターにこだわることなく、ということがモットー。人は多面性を持っているもの。特に桔平は自分をどこまで隠しているのかわからないですから」(高橋)
最も意識したのは居住まいがどのように映るかということだったそう。そんな高橋のことを「自分にはないものを持っている役者だから、尊敬の眼差しで観ていた」と長澤は言う。
一方、吉田の初日は聴き込みのシーンから。探偵としてのアドリブが求められるような撮影になった。
「慎重になりました。海原のイメージを方向付ける事になりますからね。でも本質的にはざっくばらんで、あまり裏表のない人柄でやっていこうとは思っています」と初日に語っていた。
そんな吉田に川栄李奈が回し蹴りを見舞う撮影があった。
「実は一度、サポーターがないところに蹴りがあたってしまいました。鋼太郎さんとは今回で三度目の共演になりますが、いらっしゃるととても安心します」(川栄)
心葉は桔平に想いを寄せる、謎のゴスロリ女子大生。演じた川栄李奈は「自分の思い通りに演じてみたのですが、ちょっと変わっている子だという意識をしないと監督からOKが出ませんでした。リアクションが普通すぎてもダメ。すごく難しかったですが、心葉のゴスロリ衣裳も素敵でテンションの上がる楽しい役でした」と語る。
誰もが驚くのがキムこと木村に扮したDAIGOの役作りだろう。「控室にいる男性がDAIGOさんだと、しばらく気が付かなかった!」と目を丸くしていたのは川栄。無国籍な感もあるキムを演じるために、DAIGOはロン毛のカツラを被るだけでなく、ある初めてのことにチャレンジした。
「それは僕のHG。つまりヒゲ。ヒゲ剃ってないDAIGOは本邦初公開ですから。他にも苦労したのは声のトーン。ちょっと低めにしてほしいと言われたんです。基本的に僕はバラエティ番組とかに出ているからやや張る癖があるんです。そんな事もあって低めで自然に演じたいのに、なかなか声が定まらない感じもありました。ファッションは普段の自分とはかけ離れていて、逆に役に入り込むことができました」
実は芝居が好きだそうで、映画にも積極的に出演したいと思っていたのだそう。
「お客さんが僕を見てどういう反応をするかも楽しみです。むしろ最後のクレジットを見て『あれDAIGOだったの?』って思ってもらえたら最高かなと。あと今後は、ウィッグとかヅラをかぶっていろんな役をやるっていう可能性も広がった」
ひょっとしたら、この作品をキッカケにカメレオン俳優として花を咲かせるかも……。

中江監督
古き良き日本映画のようにカメラを1台しか使わずに撮影に臨んでいた事も中江組の特徴だ。しかもフィックス(固定)画面での撮影が比較的に多い。その1画面1画面に監督はこだわりを持って臨んでいた。例えば由加利が推し進める新商品のゼリーを開発しているラボでのシーン。カメラ位置はビーカー越しで撮影を進めていた監督だったが、そのビーカーの位置がイメージに合わなかったのか、突然自らビーカーを動かし始めて美術スタッフが飛んできたことがあった。
監督の細かいこだわりに応えるため、ラボ内にあったカレンダーの写真を植物の写真に貼り換えていたことも印象的。体に優しい食品を扱っている企業としてのイメージも大切にした美術スタッフの配慮なのだろう。そういった細部にこだわった装飾がさまざまなシーンで見られた。
モノだけではない。役者にも画の中にしっかり存在できるよう、体の位置や手の動きなど細かいところにリクエストが飛ぶ。撮影部にも同じカットでも違う角度での撮影を指示するなど、良い作品にするためのあくなき追求が続いた現場だった。
「カメラが演技をしてはいけないと思っていた」という中江監督。役者の演技を真摯に切り取るための画が、積み重なっていくうちに観る側に登場人物たちの複雑な心情を想像させるのだ。

風光明媚
ミステリアスなラブストーリーでありながら、ロードムービーとしての要素もある本作。そこで由加利が桔平の真実を探る場所として選ばれたのが、瀬戸内だ。広島県尾道市から向島・因島・生口島・大三島・伯方島・大島などを経て愛媛県今治市に至る延長59.4 kmのしまなみ海道を中心に、様々な場所でロケが行われた。
「実は制作部からしまなみ海道へロケハンに行くと聞かされた時、以前、旅行して自分の足で廻ったりもしていたので、結構知っているつもりになっていました。でも制作部は地元の人でもなかなか知らないような画になるロケーションを、何ヶ月もかけて捜してくれていた。改めて瀬戸内の素晴らしさを知ることができました」(監督)
中でも印象的なのが、フェリーでしか行くことができない大下島でのロケだった。瀬戸内のロケでの一番のポイントである、桔平が小説の中に記した灯台は、ここにあるアゴノ鼻灯台で撮影された。海に突き出た岩場の上にポツンと立つ灯台だが、その周辺の岩場はとても滑りやすく、万が一にも足を滑らせて怪我でもしたら簡単に病院にも行けない状況だったため、細心の注意を払って撮影が行われた。ちなみにアゴノ鼻灯台になったのは、“あるモノ”を実際に隠す穴があったからだとか。ここでは大型クレーンなども導入。灯台に向かって走る海原の車のシーンを実際に吉田が運転して撮影。ここでもこだわる監督はクレーンとの動きのタイミング、車の位置などが納得いかず何度も撮影が繰り返された。さらに撮影当日は曇天のため、雲のタイミングと実際に太陽が傾くまで待って撮影開始。かくしてフェリーに乗り損ねたら、翌日まで戻れないという制限時間のある中でギリギリまで粘る撮影が行われた。
“粘り”という意味では野々江漁港で行われた野々江干潟での撮影も素晴らしかった。
潮が完全に引いて現れる大三島の野々江干潟。そこで撮影したのは由加利がひとりで干潟を歩きながら過去に想いを寄せるシーン。水が引いて干上がってから静かに海水が満ちていく時を狙って撮影。足あとを最小限にするために少数精鋭のスタッフと共に干潟におりた長澤が歩き回っていく様をスタッフがおさえていく。夕景と合わさって幻想的で美しく、でもどこか切なささえ感じる、まさに由加利の心情を画にしたようなシーンとなっていた。
「数年前に瀬戸内で行ったロケに参加した事がありましたが、その時には感じられない、静かな、でも陽気な土地柄、伸びやかな雰囲気があり魅了されました」(長澤)
瀬戸内の風光明媚な景色は間違いなく、この映画を彩る重要なファクターのひとつになっている。




やっぱり長澤まさみの役は福岡出身なんだ。四国とか広島とかセリフ回しは福岡に似ているけど、それぞれ微妙に違うんだよな。

その本作ですが、サスペンスというか、どちらかというとロードムービーですね。私も尾道からしまなみ海道走ったことがありますし、その当時は駆け足だったので再訪みたいな感じでよかったです。しかし全然面白くない。掴みは満点なのに。役者が下手だとか撮影や編集がダメだとかでなく、基本的に話が面白くない。これじゃテレビドラマ観ている方が正直マシですよ。原作者側は素材提供するだけだから、脚本家が無能じゃないの?ダメな邦画スキームの典型例。プロダクション・ノート拝見すると皆さん色々大変なご準備されたそうなのに、仏作って魂入れずって感じ?

こんな企画を通す東宝にもびっくりした。
視聴率低迷するフジの月9と多分、取り組み方が同じ。送り手側の感性が致命的にズレてる。
優しく言うと、電車の中やスタバ店内で「ながらスマホ」で観るならぴったりサイズなドラマだと思うよ。あと川栄の使い方がもったいなかったね。宝の持ち腐れ。

あ、吉田鋼太郎の布団敷くシーンは面白かったよ。声出して笑った。

満足度(5点満点)


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Posted by kingcurtis 固定リンクComments(5)映画 
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コメント

で、スパイだったの?

それとも、小中学の憧れ、片想いの

釣り合う為の背伸び男だったの?

星一個って、最低ですね。
Posted by 名無しのぱよぱよちーん at 2018年01月23日 17:16
予告編しか見てませんが。
長澤まさみがコントみたいな「えっえっどうゆうこと?」の顔してたので、こらアカンと思いました。
Posted by 青民草 at 2018年01月23日 18:16
>吉田鋼太郎の布団敷くシーンは面白かったよ。声出して笑った。
長澤まさみチャンがふとんを放り出して、吉田鋼太郎さんが「風ひくよ」と勘違いしたら吉田鋼太郎さんの私物を長澤まさみチャンが放り出して・・・私も笑いました。

長澤さんのセリフ扱いが引っ掛かりましたネ。
ストーリー展開は良かったのでは?
途中で展開が凡長になったのは120分枠と東宝とかツタヤの偉いさんの指示なんでしょうね。
Posted by 名無しのぱよぱよちーん at 2018年01月23日 21:54
> ストーリー展開は良かったのでは?
これがインディーズ映画ならまだ分かるのですが、ヒト・モノ・カネ潤沢に投じる東宝作品ですよ。

展開についても、例えばオーソドックスに高橋一生はサラ金と家族から逃げた多重債務者兼妻帯者で、長澤まさみの懐妊も発覚し、意識回復後のリハビリ〜高次脳機能障害介護も長澤まさみが強いられ、職場から離職勧告に遭い、借金取りが押しかけ、高橋一生は長澤まさみが認識できず、疲労回復のニンニク注射に行った病院で小室哲哉状態に突入。残された高橋一生はどうなる?とかだったら面白そう。

Posted by bob at 2018年01月24日 14:53
長澤まさみ、声優としてはかなりいい仕事してるのに
実写になると、なんでこうなるの
Posted by 名無しのぱよぱよちーん at 2018年01月24日 19:25
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