2017年12月09日

【アニメ評】独身中年男女の純愛をコミカルに描いた異色アニメ「ネト充のススメ」

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TVアニメ「ネト充のススメ」ディレクターズカット版Blu-ray BOX
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確かに「トレンディドラマ」と言われたらその通り。個人的には「トレンディドラマ」というより大人版「月がきれい」。どちらも同じプレスコ手法は偶然?

最終話はどこで押し倒すのか?どこで唇を奪うのかと、めっちゃドキドキしながら観ていました。しかしもりもりちゃん。異性の部屋でノーブラノーパンっておかしいやろ普通に考えて。

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未見の方向けに簡単な粗筋申し上げますと、高卒ながら優秀なプロパー社員盛岡森子が社内の人間関係に耐えきれず三十路を迎え退職。一人暮らしの安普請アパートで引き篭もり生活開始。ムダ毛処理も再就職もせず蓄財を食いつぶしながら昼夜を問わないネトゲ三昧の荒んだ生活を続ける最中、思わぬ偶然で身バレの危機が…という流れ。オタク系トレンディ・ドラマだそうです。
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巷間「低予算アニメ」と指摘される通り作画は少し不安定さを感じましたが演出力素晴らしく、毎回話の引きもいい。OP/ED及び劇伴も印象的で、能登さんと櫻井くんのパフォーマンスも凄くよかった。特に能登さん八面六臂の大活躍。この三十路主人公を演じるために生まれてきたのではと見紛う程の好演技。噺家の声色状態。全10話という時間的制約の元、原作より森子と桜井以外のエピソードをバッサリカットしたのも正解。焦点がはっきりしました。細かいことは気にしない。予算なくともストーリーは陳腐でもこんなに面白い作品が作れるんだ。「けものフレンズ」もそうだったよね。

「ネト充のススメ」インタビュー第5弾 能登麻美子 - アキバ総研 (一部抜粋)

── 今回、森子を演じることは能登さんにとって新しい挑戦だったと伺いましたが、それはどういったところでしょうか?

能登 まず設定として、30代独身でニートの女性が主人公であるアニメーション作品自体、新しいと思います(笑)。私としては今までは割と内向的だったり、品のいい子の役が多かったり、近年はパンチの強い役もあったのですが、こうした設定の役どころはそもそもなかったので、楽しい役だなと思いました。「もっとこうしてみたらどうかな」「こうしたらもっと森子らしくて共感してもらえるかな」とか、すごくストレートに追求できたと思います。それは大前提として相手役とのお芝居があったうえでの話なのですが。

── アニメのお芝居は、絵に当てる以上、一般的にはある程度の過剰さが必要で、その中でのナチュラルさや生々しいお芝居というものを表現するうえではどのように組み立てていったのでしょうか?

能登 この作品の収録がプレスコだったことが大きいと思います。完全なプレスコではなかったのですが、私たちの芝居を汲んでくださって、間尺を変えていただけたこともありました。音響監督の郷田さんからはよく「尺は気にしないでやってみて」とアドバイスを頂きました。一般的なアフレコの場合、間尺に合わせて緩急を組み立てる形になるのですが、この作品の森子の場合、純朴な性格のためリアクションも、本当にありのままの姿で表現することが彼女のキャラクター像になってくると思ったので、いかに自分を摺り合わせていくかが重要でした。だからお芝居もあまり作為的にならないように極力、”無”でやろうとしました。ストーリーの流れもありますから、作為が完全なゼロというわけにはいかないのですが、極力その反対側に置いて、森子のそういうニュートラルなところを拾っていきたいなと思って作り上げていきました。

── 間尺のお話は興味深いですね。新人さんは自分の”間”ではない、カット割りの”間”でセリフを入れることに苦労されると聞いたことがあります。

能登 新人じゃなくても大変です(笑)。それが今回の作品では、私達の演技の「間」を優先してくださった部分を多く感じました。アニメーション作品は分業によるもので、監督さんやアニメーターさんなど、たくさんの人でひとりのキャラクターを作っていると言っても過言ではありません。だからこそ面白いところだなと思いますし、それゆえに整合性を取る難しさはあると思います。ですが、今回は私達の演技の部分を軸にして汲んでいただいた、という感じでした。

── 作中にはじっくり”間”を使った演出も多々見られました。

能登 リアル世界では、顔の部分をあえて見せなかったり、水滴の落ちる量で時間や温度感を表現していたり、そうした演出が実写っぽいなと感じました。リアルパートでは実写らしい演出を駆使し、ネットゲームではアニメーションらしい演出をされていて、その意味でこれは「ネト充のススメ」でないとできない作り方だと思います。

インタビュー企画第4弾「ネト充のススメ」脚本家チーム座談会 - アキバ総研 (一部抜粋)

── ふでやすさんは先ほど、初見の段階でトレンディドラマ的だと感じられたとおっしゃいましたが、構成についてはどのように考えてこの形に落とし込みましたか?

ふでやす このアニメの全体の物語を考えた時に、大事なのはやはり森子と桜井の関係をどう締めくくるかだろうなと。そこに持っていくためには何が必要な部分かを考えて組んでいきました。原作で描かれていてアニメで書けなかったエピソードもありますが、太い軸としては森子と桜井です。全10話で、出会いから近づいていく過程を考えたり逆算したりして描写を積んでいった形ですね。

── トレンディドラマ感を出すうえで重要なポイントは何でしたか?

ふでやす ネトゲ内は完全に作られた人工的な世界なので、リアルの側は実写らしくしようと、地に足がついた描写を心がけました。たとえば第1話で、朝を描く時に子供が登校する描写を入れたりとか、モノローグをなるべく使わないようにするとか。というのも、アニメの場合はモノローグを使うことは一般的なのですが、実写でそれをやろうとすると画面が止まってしまうので、ギャグになってしまうんです。この作品はアニメですが実写のそういったルールをなるべく踏襲して書くようにしています。井上さんには参考として「東京ラブストーリー」を見ていただきました。

井上 私は原作を読む時に少女マンガに近い文脈で読んでいたのですが、「東京ラブストーリー」は知識としては知っていましたけれども実際には見たことがなく…。お借りしたときに「なるほど、これがトレンディドラマ感か」とわかり、書くうえで生かしていきました。

ふでやす 第5話のラストですれ違いがあって、森子が待ちぼうけを食らって桜井が駆けつけるという展開はトレンディドラマっぽさをすごく意識してもらいました。桜井が駆けつけたら、いつもと違う着飾った森子がいて、そこで桜井は本当に心を奪われ、「ラブ・ストーリーは突然に」が流れるというイメージを伝えました。ちょっとこっ恥ずかしい部分がありつつもキラキラしている描写。

井上 振り切るときは振り切ったほうがいいと。先ほどおっしゃった「地に足がついた方がいい」というお話は今はじめてうかがいました。

ふでやす 結果的にそうなっているので問題ありませんでしたよ。部屋の描写もそうですし、コロコロもそう。コンビニでストッキングを買うとか、美容室に行ったら「ガチャ何回分」と考えるところとかリアルだと思います。

山田 私の回でも、コロコロの描写を足してくださいと何度か言われました(笑)。そういうところが彼女の性格描写でもあると。トレンディドラマ感というと、各話のラストが次の話数へすごく引っ張っていく形になっているのはすごく「らしいな」と感じました。

── 桜井と森子の関係性を描くうえで特に重視したポイントはどんなところでしょうか?

ふでやす やはり、2人がくっつくかくっつかないか、というドキドキ感とかモヤモヤ感ですね。どちらも奥手というか純粋というか、ゲーム中では相方になっているのにリアル世界ではなかなかくっつかないドキドキ感・ハラハラ感を強調できればなと思いました。あとは桜井に限らずですが、森子の生き方を誰にも否定させないということですね。自分で仕事を辞めて今はニートになっているけれども、それはそういう生き方だから桜井も悪いとは言わないし働けとも言わないし、思ってもいないはず。そういうところは大切にしました。ちゃんとひとりの人間として生き方を認めているところですね。

井上 リアル礼賛で「ネットからリアルに戻れ」ではないんですよね。書いていてそれはすごく思いました。

ふでやす 桜井も森子がこれからずっとネトゲをしていても何も言わないと思うし、働くと言ったらそれがいいと言うだろうし、認め合っていくんじゃないかと思います。

山田 2人ともホント真面目なんですよね。書いていてもそのモヤモヤ感が楽しいですし、応援したくなります。お互いに真摯に向き合って、でもいろいろ思い悩んでしまうこともあるところって、みんな共感できると思うんですよね。ゲームの世界だったらイケるかもしれないのに、いざ現実になると「もしかして社交辞令だったの?」となる。そこに2人のキャラクターのリアリティがあるからドラマを引っ張っていけるんじゃないかなと。

── ネトゲという現代的なものを使いつつ、 普遍的なものがあるわけですね。

山田 時代劇でも恋愛物語になればそういうところがあるし、このように21世紀の物語でも恋愛のモヤモヤというのはあまり変わらないと思います。その辺が楽しいんですよね。





んで、EDの尾崎世界観唄っているのライラック=「おかえり」ちゃんだったのか。全然知らんかった。









2017年を締める秋アニメクールもそろそろ終わりますが、今現在は「ネト充」「ボールルーム」「終末少女旅行」「宝石の国」「魔法使いの嫁」の順で楽しんでいます。能登さん、赤崎千夏、水瀬いのり、ともよちゃん、種崎さんと芸達者揃い。ジャストビコーズもようやく面白くなってきた。十二大戦の失速感否めず。

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コメント
どこが中年なのか
Posted by 名無しのぱよぱよちーん at 2017年12月10日 10:49
関係ないところにすみません。
伝言なので掲載せず削除してください。

最新エントリーだけ
開くと「現在のセキュリティー設定ではダウンロードできません」?的な
メッセージが出てきます。
今まで拝見してきて一度もそんなことなかったんですけれど。
内容が内容だけに少し気味が悪くて。
何か他のエントリーと違うものを貼り付けられたりされているのであれば仕方ありませんが
そうでもなさそうな気がしたので。

というか首謀者は子宮頸がんが少なくなると治療できなくなる医師団体かと想像していたのですが
医師も苦しんでいるとしたら一体誰なのか恐ろしすぎます。
Posted by 名無しのぱよぱよちーん at 2017年12月10日 11:41
> 最新エントリーだけ
> 開くと「現在のセキュリティー設定ではダウンロードできません」?的な
> メッセージが出てきます。
> 今まで拝見してきて一度もそんなことなかったんですけれど。
> 内容が内容だけに少し気味が悪くて。

pdfファイルをダイレクトでembedしているのでセキュリティ環境によってはそうなるのでしょうね。所謂、パソコンの親切機能です。
ifreme表示に埋め込みタグ書き換えてみました。


Posted by bob at 2017年12月10日 12:02
十二大戦のEDって死ぬ順だったのねと最近気づいたのでした

卯にあのサーベルで刺されたらゾンビるんじゃないの?(鳥マスター死後に烏達がゾンビってたのが謎) だったら虎もゾンビるんじゃね? ってとこがモヤモヤしたまま終わりそう
Posted by 名無しのぱよぱよちーん at 2017年12月13日 23:39
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