2017年11月17日

【映画評】彼女がその名を知らない鳥たち

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彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)
彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)

蒼井優主演サイコミステリー作品。
今夏公開された「【映画評】ユリゴコロ」に続く沼田まほかる原作書の映画化。
前評判の高さに期待値上げて臨みましたが肩透かし。R15詐欺。

先日発表された報知映画賞ノミネート作品拝見するに(報知映画賞 ノミネート一覧)、本年度(〜11月末公開まで)の邦画賞争いは膵臓、幼子、愚行録の三つ巴戦でしょうか。

28公開

イントロダクション
嫌な女・十和子、下劣な男・陣治、ゲスな男・水島、クズすぎる男・黒崎。

“共感度0%”の最低の登場人物しか出てこないのに、ページをめくる手が止まらないと話題を呼び、20万部を超えるベストセラーとなっている人気ミステリー小説が、ついに映画化された。

十和子への過剰な愛ゆえに陣治は黒崎を殺したのか。異常な献身と束縛の先には、水島に手をかけ、十和子を追いつめる不吉な未来が待っているのか、それとも――。

肌にまとわりつくような不穏で不快な空気を漂わせながらも、物語はあまりにも美しい“究極の愛”へとアクロバティックに着地していく。誰も裁くことができない予想を超えたラストを見届けたとき、観る者の胸に驚きと感動が広がる、まぎれもない愛の物語が誕生した。

人間が本質的に持つ闇や愚かさに迫りながらも光を感じさせる読後感で、多くのファンを生んでいる沼田まほかるの同名小説を映画化したのは、『凶悪』『日本で一番悪い奴ら』など実録路線のクライムムービーで高い評価を得た白石和彌監督。ノンフィクションを原作に骨太な社会派エンターテイメントを生んできた監督が、初めて本格的な大人のラブストーリーに挑む。

地位もお金もない陣治をひどく足蹴にしながらも、恋愛に依存せずには生きられない儚い危なっかしさを感じさせる十和子を演じるのは蒼井優。初共演となる阿部サダヲが、十和子に嫌がられながらも執着心を隠さない不潔で滑稽な男・陣治を演じている。甘くて薄っぺらな言葉を次々と繰り出し、十和子と肉体関係を結ぶ不倫相手・水島に松坂桃李。十和子が思い続けるかつての恋人で野心家の黒崎に竹野内豊。役者の底力を引き出してきた白石監督のもと、それぞれの役者がこれまでに見せたことがないまったく新しい表情を見せ、愛の概念を変えるような物語に命を吹き込んでいる。

ストーリー
15歳年上の男・陣治と暮らしながらも、8年前に別れた男・黒崎のことが忘れられずにいる女・十和子。不潔で下品な陣治に嫌悪感を抱きながらも、彼の少ない稼ぎに頼って働きもせずに怠惰な毎日を過ごしていた。ある日、十和子が出会ったのは、どこか黒崎の面影がある妻子持ちの男・水島。彼との情事に溺れる十和子は、刑事から黒崎が行方不明だと告げられる。どれほど罵倒されても「十和子のためだったら何でもできる」と言い続ける陣治が執拗に自分を付け回していることを知った彼女は、黒崎の失踪に陣治が関わっていると疑い、水島にも危険が及ぶのではないかと怯えはじめる――。



山尾志桜里張りのゲス不倫演じる桃李はいつも通り凄く安定してよかったです。セックスの時「アーって言ってみて」は今度取り入れてみよう。早く「劇場版 娼年」が観たい。蒼井優も得意の七変化演技を存分に発揮していましたが、なんでおっぱいすら全然ないのにR-15?不当表示やん。この時点で正直ダメ。白石和彌がっかり。彼の作品はデビュー作以外全て劇場鑑賞していまして毎作品凄くいいセックスシーン表現〜それが作品を印象付ける肝でもあるのに、なんか大女優?に遠慮している感じ。竹野内豊はシゲル・マツザキの後釜狙っているの?あと阿部サダヲがダメ。如何にも「阿部サダヲは今回、汚い演技で頑張っています!」感がプンプン。なんか「自然な不潔」じゃないんだよね。ひょうきん族の鬼瓦権造かよ。

話自体も面白いといえば面白いけど、もうちょっと日本独特の狂ってるっぽさを付加して欲しい。中盤からは睡魔との戦いだったよ。衝撃的なテーマの割にはなんか地味。正直物足りない。思うに全体的に狂気が足らないのと、引き出し多い蒼井優に向けたスイッチの押し方がズレていたのでは?監督の能力の限界とは思いたくないので次頑張ってね。

最後に、本作が遺作となった中嶋しゅうさんのご冥福をお祈りします。
中嶋しゅうさん、舞台上演中に転落死 寺島しのぶが呼びかけるも無反応 - 芸能社会 - SANSPO.COM(サンスポ)

満足度(5点満点)
☆☆☆

その白石和彌監督ですが新年公開次回作(2作)の予告編が面白い。どちらも映画館で予告編上映していました。リリー・フランキー、ピエール瀧の凶悪コンビがNGT48北原里英を犯しまくる「サニー/32」と、役所広司&松坂桃李のバディモノ「孤狼の血」。真木よう子どうするの?





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沼田まほかる

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Posted by kingcurtis 固定リンクComments(2)映画 
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コメント
ユリゴコロもこの作品も自分は好きなので、次回作を期待してます。沼田さんの原作はあと4−5冊あるので、続々映画化されるはずと思っています。
Posted by worldwalker's weblog(・∀・)! at 2017年11月18日 09:45
「アーって言ってみて」
「アー」
「エエか、エエのんか?」

という鶴光師匠往年の珠玉ネタを思い出しました。
Posted by 名無しのぱよぱよちーん at 2017年11月18日 19:08
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