2017年08月31日

【映画評】甘き人生

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幼少の頃より隠されていた「家族の秘密」に直面するマザコン中年男性の苦悩を描いたイタリア映画。

映画「甘き人生」オフィシャルサイト

イントロダクション
第69回カンヌ国際映画祭「監督週間 のオープニングを飾り話題となったイタリアの巨匠マルコ・ベロッキオ監督最新作。原作は、イタリア人ジャーナリストのマッシモ・グラメッリーニによる大ベストセラー自伝小説「Fai bei sogni(よい夢を)。
原作に深い衝撃を受けたベロッキオは、大切なものを失った過去にとらわれ、まるで抜け殻のように人生を過ごしてきた男が、運命の出会いによって長い夢から目覚め、未来に向かって歩み出す姿を、巧みな語り口と演出によって描き出す。
フェリー二やヴィスコンティといったイタリアの往年の巨匠たちの作品が持つ品格を継承しながら、イタリアの今を探求し続ける現代の巨匠による意欲作が誕生した。

主演は、『ローマに消えた男』(13)、『おとなの事情』(17)などイタリア映画界を代表する人気俳優ヴァレリオ・マスタンドレア。女医役は、米アカデミー賞Rにノミネートされた『アーティスト』(11)やカンヌ国際映画祭で女優賞を受賞した『ある過去の行方』(12)などその美貌と演技力が世界的に評価されているベレニス・ベジョ。さらには、アルノー・デプレシャン監督作品などで知られるフランス人女優エマニュエル・ドゥヴォスらが脇を固める。

希望に満ち溢れていた高度経済成長期の60年代と、30年を経た先行き不透明な90年代を往来して描かれる本作。古き良きイタリアの象徴として描かれる古都トリノは、主人公マッシモにとって幼少期のキラキラとした思い出の地であると共に、母親を失うという傷を負った地でもある。一方、現代の首都ローマは、青年となったマッシモが今を生きている場所だが、彼の心はそこにはなく、ただ思い出の中に生きている。しかし、ある運命の出会いによって彼は覚醒する。
戦後イタリアの光と影を背景に、二つの都市と二つの時間が交錯する中、ある愛の物語が綴られる。

ストーリー
1969年、トリノ。
9歳のマッシモの穏やかな幼少期は母親の謎めいた死によって閉ざされてしまう。神父が母親は天国にいると伝えても、小さな少年はこの喪失を受け入れようとはしない。
時が経ち90年代、ローマ。大人になったマッシモは、腕利きのジャーナリストとして成功を収めてきた。しかしサラエボでの紛争取材の後、パニック障害を起こしてしまい、駆け込んだ病院で、精神科医のエリーザと運命の出会いを果たす。それまで人を愛することができなかったマッシモだったが、この出会いによって次第に心を解きはじめる。
そんな折、父親の逝去を機にトリノに戻ったマッシモは、幼い頃両親と住んでいた家を売ろうと決める。様々な思い出が詰まったその家で、マッシモは再び過去のトラウマに向き合うことになるのだった・・・。

マルコ・ベロッキオ監督コメント
『甘き人生』は、近年イタリアで最も売れた小説の一つとなった、マッシモ・グラメッリーニの小説『Fai Bei Sogni(よい夢を)』を基にして誕生しました(作品が描く緻密さや感情の豊かさを考えればそれも当然の評価ですね)。ですが、私は単にベストセラーだからと言ってこの作品で映画を撮ろうと思ったのではありません。作品のテーマ、劇的な展開...母親の死、に惹かれたのです。
幼少期に母親を失うということ。9歳で最愛の母を失い心の傷を抱えたマッシモ―その愛は母からも同じように注がれ、絶対的で、自分だけのものであるが故に一層強く感じられたのです。
人を愛する気持ちを失い、冷たく空っぽの少年時代を過ごし、そのまま大人としての人生を歩むことになってしまいます。複雑な人生環境と行き当たりばったりで表面的な人間関係では、マッシモの無関心という固い鎧を破ることはできなかったのです。

ジャーナリストとして活動しているマッシモは、ある日“目覚め”、苦しみの根源に向き合うことになります。“治癒”について語ることもできますが、私はそれよりも変化することの具体的な原則というものを深く描きたかったのです。この本には激しく深い衝撃を受けました。私の映画で描いてきた多くのテーマが物語に詰まっていたからです。家族、母親、父親、イタリアが迎えた激変の時代を生きた一家を少なくとも30年に渡り描いています。イタリアのこの変化はマッシモが文字通り家の窓から見てきたことなのです。

ジャーナリストのマッシモが訪れるのはローマ、サラエボ、トリノです。大手新聞社で働いている彼は現実の記録者であり、公平な目撃者でもあります。彼はどうにかして世界で起こる出来事を憐れむ参加者になりたいと思っているのかもしれません。




我々日本人にとってトリノといえばイナバウアーですが、本作では王者ユベントスでなくトリノFCの模様。
ヒロインかと思ったベジョさんはチョイ役でしたがイタリア語も堪能なんだ。才女だなぁ。
主演のヴァレリオ・マスタンドレアは先日観たばっかりの【映画評】おとなの事情で、毎晩22時に愛人から写メが届く人。

映画観終わった後振り返ると「トリノFC選手団 航空機事故」等、なんか色々縦軸横軸張り巡らされていた事に気付きましたが、本筋を堪能するのにさほど影響もなく、深く考えずそのまま受け止めてまったく問題なし。
終盤ちょっとダレましたが、最後の「隠れんぼ」シーンは今年ベスト級でした。

とはいえ非マザコンには心情的に理解できない点も多く、荒くいうと国民性なんでしょうね。
私も中学生に戻って、ディープ・パープル「ハイウェイスター」の艶っぽいママンを口説いてみたい。

満足度(5点満点)
☆☆☆

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