2017年08月29日

【映画評】エル ELLE

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Elle [Blu-ray]
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フランス版イーグルジャンプで働く八神コウと遠山りんがキャッキャウフフする「とりあえずお疲れ」な、ポール・ヴァーホーヴェン監督×イザベル・ユペールの変態フランス映画。


映画『エル ELLE』公式サイト

イントロダクション
『氷の微笑』のポール・ヴァーホーヴェン監督 フランスの至宝イザベル・ユペール 『ベティ・ブルー/愛と激情の日々』原作者フィリップ・ディジャン
危険レベルまで常識を超えた才能が集結!!

「なんてキョーレツで、なんて面白い!」様々なドラマを生んだ本年度の賞レースで、ひときわ異彩を放ちながら、次々と膨大な数の賞をさらい、フランス映画にしてアカデミー賞主演女優賞ノミネートも果たした話題作が、遂に日本をも席巻する日がやってきた!
自宅で覆面の男に襲われたゲーム会社の女社長が、自ら犯人をあぶり出すために恐るべき罠を仕掛けていく。彼女は強靭な精神力と、妖艶な魅力を放つ大人の女性だ。だが、事件の真相に迫るに従い、観客は衝撃の連打を浴びる。 この女、いったい何者!? 彼女こそが、犯人よりも遥かに危ない存在だった。

世界を驚愕させたヒロインを演じるのは、フランスの至宝にして歳を重ねる度に魅力が増すイザベル・ユペール。監督は『氷の微笑』のポール・ヴァーホーヴェン。原作はラブストーリーの金字塔『ベティ・ブルー/愛と激情の日々』のフィリップ・ディジャン。刺激的でアブノーマルな才能が互いを高め合い、世界初の気品あふれる変態ムービーにして異色のサスペンスが誕生した!

ストーリー
新鋭ゲーム会社の社長を務めるミシェルは、一人暮らしの瀟洒な自宅で覆面の男に襲われる。その後も、送り主不明の嫌がらせのメールが届き、誰かが留守中に侵入した形跡が残される。自分の生活リズムを把握しているかのような犯行に、周囲を怪しむミシェル。父親にまつわる過去の衝撃的な事件から、警察に関わりたくない彼女は、自ら犯人を探し始める。だが、次第に明かされていくのは、事件の真相よりも恐ろしいミシェルの本性だった──。

プロダクション・ノート
鬼才に常識を捨て去る決意をさせた小説
ポール・ヴァーホーヴェン監督に、フランスの作家フィリップ・ディジャンの小説「エル ELLE」の映画化を薦めたのは、プロデューサーのサイド・ベン・サイドだ。ヴァーホーヴェン監督は、その物語の斬新さに驚くと共に、「自分自身が今まで出会ったことがないこのストーリーに、ふさわしい撮影方法を見つけなければならない」と決意したと振り返る。ヴァーホーヴェン監督ほどハリウッドの常識を超越してきた鬼才が、「つまり僕らはできるだけ早く、常識を捨て去る覚悟を決める必要があった」と言うほどの小説だったのだ。その結果、映画は表面的な道徳性からは完全に解き放たれた。主人公のミシェルが、自宅で覆面の男に襲われるという事件が物語の発端なのだが、脚本を手掛けたデヴィッド・バークは、ヴァーホーヴェン監督と徹底的に議論を重ね、ミシェルを被害者ではなく、とてもアグレッシブな女性として描いている。

勇気あるフランス人女優からの逆オファー
ヴァーホーヴェン監督は、初めは本作をアメリカで製作するつもりだった。俳優も全員アメリカ人を起用する予定で、キャスティングをスタートさせた。ところが、事態はすぐに暗礁に乗り上げる。「これほどまでに道徳に囚われない映画に出演してくれるアメリカ人の女優は、ただの一人もいなかった。僕がよく知っている女優にさえも、この役を引き受けることは『不可能だ』と言われたんだ」と、ヴァーホーヴェン監督は当時の様子を振り返る。フランスを代表する女優の一人であるイザベル・ユペールが、原作を読んだ時から、もし映画化するなら是非ミシェルを演じたいと願っていた。フィリップ・ディジャンに会った時に、「モデルではないが、あなたを思い浮かべていた」と言われたことにも感激していた。しかもユペールにとって、ヴァーホーヴェン監督は特別な存在だった。既にデビューをした後だったが、若い頃に監督の『ルドガー・ハウアー/危険な愛』を観たことが、本格的に「“女優”になろう」と決めたきっかけの一つだったのだ。6〜7年前、シネマテーク・フランセーズで同作が上映された時にもプレゼンターを務め、そこでヴァーホーヴェン監督との面会も果たしている。ユペールから出演を切望されたサイドは、「どうして僕たちはアメリカで映画を撮ろうと奮闘しているんだろう?これはフランスの小説で、イザベル・ユペールが出演を心から望んでいるというのに、僕たちは愚かだ!」と監督に直訴したという。ヴァーホーヴェン監督も、「彼は正しかった。今なら僕もわかる。これほどレベルの高い信憑性のある作品は、アメリカで撮ることはできなかった」と断言する。こうして、ヴァーホーヴェン監督にとっては初めてのフランスでの撮影が始まった。

監督と主演女優の強力な協力から生まれた驚愕のヒロイン
初めてタッグを組んだユペールを、ヴァーホーベン監督が絶賛する。「イザベルは恐れ知らずの女性だよ。どんなことにも挑戦するし、並外れて勇敢な人だ。たとえば、小説にはない映画オリジナルのシーンで、ミシェルが笑顔のままで身の毛もよだつような話をするシーンがあるのだけれど、イザベルは観客を困惑させるために軽やかに演じるべきだとすぐさま気付いていた。あの演技は、観る者を動揺させるね。あんな女優は、滅多にいないよ。」その演技について、ユペール自身はこう語る。「ミシェルには破滅的なユーモアがあるの。まるで毒を乗せた皿を差し出し、『本当におかわりはいらないの?』と微笑んでいるようでしょう。」そんなミシェルのキャラクターについて、ヴァーホーヴェン監督はこう解説する。「ミシェルが何を考えているのかを完全に把握するのは困難だろう。僕は選択肢がいくつもある状態が好きだ。実人生だってそうだからね。笑顔の裏に何が潜んでいるのか、あるいは何も潜んでいないのかなんて、誰にも分からないだろう。」一方、ユペールはミシェルをこう分析する。「ミシェルは、決して落ち込んだりしない。彼女は多種多様な側面を持っているわ。寛大で人から慕われるけれど、シニカルで冷たい面もある。独立心があるけれど依頼心もあり、何よりも情にもろいの。様々な出来事によって打ちのめされるけれど、壊れはしない。時代を象徴し、権力を手にした強い女性よ。経済、社会、そしてセクシャルな権力をね。彼女の革命は、男性の脆弱さを露わにするわ。彼女を丸い人間にしてしまっていたら、深刻な失敗作になっていたでしょうね。だけど、ポールと一緒であれば、そんな心配は全くなかったわ!」

78歳にしてますます熱い大御所の決意表明
「これは物語だ。現実の生活でもないし、女性についての哲学的な映像でもない。すべての女性が、ミシェルと同じように行動するべきだと言っているわけでもない」と、ヴァーホーヴェン監督は、この物語の立ち位置を説明する。「だけど、ミシェルはやった!そして、驚くべき演技をしてくれたイザベル・ユペールのおかげで、ミシェルの行動が完全に説得力のあるものになった」とヴァーホーヴェン監督は胸を張る。ヴァーホーヴェン監督の一貫した姿勢は、監督自身が作品を解釈する必要は全くないということだ。「解釈とは、映画から与えられた要素を元に、観客がするものさ。さらに観客は、その解釈が正しいかどうかなんて、確かめる必要もない。たとえば、ミシェルの行動は、幼い頃に父親から受けた心の傷が原因だったなんて、決めつけるような描き方はしたくなかった。彼女の性格や行動が、偏った視点によって捉えられることを避けたかった。すべては単なる可能性だ。それ以上でも、以下でもない。説明すべきはただ一つ、ミシェルの性格のあらゆる側面、それだけだ。彼女の行動はいつも通りだったのか、それとも何かが原因だったのかは、誰にも分からないんだ。」78歳になった今も、ヴァーホーヴェン監督は、「他の監督や脚本家がしてきたことをそのまま繰り返すつもりは全くなかった。観客を驚かせるほうがおもしろいし、愉快だ。僕はストラヴィンスキーを、そして彼の交響曲の型破りな作曲方法を崇拝している」と熱く語る。最後は、監督の長年のスローガンで締めくくられた。「常識を覆すんだ!」




男女の性倒錯者を描いたサスペンス作品でして、何が皆さんの琴線に触れたのかお客さんは凄く多かったです。ですがユーペルファン&ヴァーホーヴェンファンを自称する当ブログ的には正直期待外れ。

デートのお誘いを「生理だからごめん」と断る40代のキャリアウーマン主人公を演じたのが、還暦祝いも終わったユーペル姐さんとは無茶設定。危険なセックスに溺れる女性なら「【映画評】ニンフォマニアック Vol.1/Vol.2」シャルロット・ゲンズブールが秀でていましたし、性欲を持て余した中年女性ならユーペル姐さん自ら演じた「ピアニスト」が伝説的に変態オンナ。単純なサスペンス作品でなく奇を衒ったテーマがテーマだけにそういうフランス映画過去作との比較せざるを得ず、設定もガバガバで相対評価としては凡庸です。ピアニストの変態度数が100ならば、本作は2変態程度。

そういう「細かいことはいいんだよ」なのがフランス映画の魅力なのに払拭出来なかった原因はやはりキャスティングミスなんでしょうね。主人公の二面性が肝ならば、マリオン・コティヤールとかメラニー・ロランみたいな見た目清純派熟女ならどんでん返し相乗効果でショッキングな意外性あったかも。とはいえ上述プロダクション・ノートにもあるように(話盛っている気もしますが)、数多の女優からオファー蹴られたなら仕方ないか。

あと余計なサイドストーリーも鼻につく。幼少期のどうたらとか、「とりあえずお疲れ」とか投げっぱなしで何も回収されず。そうそう。フランスにはセコムやアルソックはないの?そうではなく「ゴキブリホイホイ」ならぬ多淫高齢女性専用「変態ホイホイ」設定なのかな。

最後にヴァーホーヴェン監督(79)ですが、ロボコップからスターシップ・トゥルーパーズまでは破竹の勢いだったのに、インビジブルで失速、地味ながらブラックブックで盛り返しましたが、話題となった本作についても往年の鬼才振りは窺えません。他方、クローネンバーグ先生(74)は寡作ながらキレキレ作品維持継続していますし、ヴァーホーヴェン監督もう一花咲かせて欲しいですね。

しかし、無理やり入れたら強姦した側のちんこも傷だらけにならないの?

満足度(5点満点)
☆☆☆

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Posted by kingcurtis 固定リンクComments(1)映画 | セクシャル
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コメント
見ようかどうか迷う映画です。
こちらの映画評を見る限り、なしかなと。
Posted by worldwalker's weblog(・∀・)! at 2017年09月03日 18:58
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