2017年05月31日

【映画評】無垢の祈り

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独白するユニバーサル横メルカトル (光文社文庫)
独白するユニバーサル横メルカトル (光文社文庫)

家庭内や地域での女子児童性的虐待を躊躇うことなく描写した自主制作作品。
誰に何を祈るのか?「無垢の祈り」タイトル回収する展開で進みます。


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イントロダクション
「みんな、殺されちゃえばいいのに」

原作 平山夢明 × 監督 亀井亨が創りだす最狂の自主製作映画がついに劇場公開!映像化不可能と言われた平山作品の名作を映画化。

学校で陰湿ないじめを受ける10歳の少女フミ。家に帰っても、日常化した義父の虐待が日を追うごとに酷くなり安息の時間もない。母親は、夫の暴力から精神の逃げ場をつくるべく、新興宗教にいっそうのめり込んでいく。誰も助けてくれない  ――フミは永遠に続く絶望の中で生きている。

そんなある日、自分の住む町の界隈で起こる連続殺人事件を知ったフミは、殺害現場を巡る小さな旅を始める。そしてフミは「ある人」に向けて、メッセージを残した――。

『独白するユニバーサル横メルカトル』(光文社文庫)収録の短編集の一編「無垢の祈り」を完全映像化。八つの短編から成り立つこの小説集は、グロテスクな描写や不意を突かれる感動などが読者間で話題となり、宝島社が毎年発行するミステリー小説のブックランキング「このミステリーがすごい!」で2007年度版第1位に輝いている。

平山作品の中でも絶大な人気を誇る「無垢の祈り」だが、虐待・宗教・連続殺人などを盛り込んだ小説ゆえに、映画化が難しいとされていた。それを自主製作に踏み切って映像化したのが監督の亀井亨だ。原作者・平山夢明と監督・亀井亨は10年前、独立UHF局によって深夜ドラマとして放送された『「超」怖い話』(TV版)で初タッグを組んだ。平山が織りなす「恐怖」を亀井が地上波で限界突破して映像化したこの作品は、その振り切った持ち味から深夜帯にも関わらず人気を博したが、「エグすぎる」との苦情が多かったことも話題になった。

それから10年。監督・亀井は平山の原作を幾度となく企画したが、平山作品が持つ独自の「反道徳的」で「一般論」から遠くはなれるソリッドな作品は映像化がとても難しく、なかなか形にならなかった。そこで亀井は、完全自主製作体制で「無垢の祈り」の映画化を試みたのだ。企画立ち上げから3年。ようやく一般公開となった『無垢の祈り』。

主演は撮影当時9歳だった福田美姫。虐待を繰り返す狂気の男に、芸人のBBゴロー。亀井作品の出演は4作目となり、穂花から本名に改名した下村愛が新興宗教に狂う母を演じる。原作者・平山夢明は、本作初号試写を観た後に「もう少し手加減しないと、観て死ぬ人が出るなと思った」と語る。監督・亀井亨は「平山作品を映画化する際には、心が壊れてしまいそうな苦しい描写をそのまま映像化したいと考えていた」と語る。

現実社会に子供に対する虐待など、主人公フミが抱えているような問題は無数に転がり綺麗事では済まされなくなっている。その問題をダイレクトに映像表現し、形になったものが「無垢の祈り」。ふたりの創造者の限界突破した覚悟がスクリーンに映し出される。観客は『無垢の祈り』を観た後、暫し席を立つことができないはずだ。

ストーリー
学校で陰湿ないじめを受ける10歳の少女フミ。家に帰っても、日常化した義父の虐待が日を追うごとに酷くなり安息の時間もない。母親は、夫の暴力から精神の逃げ場をつくるべく、新興宗教にいっそうのめり込んでいく。誰も助けてくれない――フミは永遠に続く絶望の中で生きている。そんなある日、自分の住む町の界隈で起こる連続殺人事件を知ったフミは、殺害現場を巡る小さな旅を始める。そしてフミは「ある人」に向けて、メッセージを残した――。

R18+ ※本作では暴力的描写、10歳の少女に対する性的虐待の描写などが含まれます。


※予告編はVer違い





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主演の福田美姫ちゃんはこの子。リアリティ溢れた演技でしたが、精神的ケアの側面から彼女に作品の流れが分からぬよう配慮しアドリブ主体で撮影したそうで、結果オーライ的にスクリーンに映る姿は自然と感じる演技へ着地した模様です。



作品を喩えるなら「【映画評】少女椿」の上位互換。最近よく観るルーマニア映画がこんな肌触りとはいえ絶対領域はオブラートに包んでいます。その辺を突き抜けた商業作品はセルビア映画「【映画評】セルビアン・フィルム」程度しか記憶にありません。本作は原作再現に拘るトレードオフとして幼女性的虐待描写再現を手に入れ(SAWっぽいマペットによる代替表現で適応)、引き換えに映倫を通せない(映倫区分でR18看做)反射的効果から資金調達手段や興行網を制限され、欧米では宗教的倫理観もあって「幼児虐待描写」はいかなる理由でもご法度→海外売買マーケット参加不可という流れの由。国内円盤化についても茨の道が待っているのではと思われます。とはいえ芸術的意義からも社会的意義からもこういう作品が公開されることに公益はあってもデメリットは一切ないと思いますよ。個人的感想として。

内容については福祉の現場では常態的な「母親の彼氏」事件を淡々と描写。全然扇情的じゃないし、母親役は元AV女優さん(下村愛さん「旧芸名:穂花」家庭内強姦自伝で著名)ですがセックスシーンすらなし。視覚的グロ描写にも振っていない。とはいえ圧倒的に精神的ブラクラ。これが観た感想。胎動のような工場騒音サンプリングっぽい劇伴がいいね。

母親役下村愛さんウィキペディアより参照引用。

下村愛 - Wikipedia

穂花は著書『籠』において、幼少期から15歳にかけておよそ9年にわたり、家庭内である相手から性的虐待を受けていたことを告白している[28]。性的虐待はフェラチオおよび口内射精の強要にはじまり、強姦しようと首を絞めるといった行為にエスカレートしていった[29]。穂花は母親に被害を打ち明けたが黙殺され[30]、自己防衛のために「反抗期」と映る行動をとるようになった。帰宅が遅いと罰として長時間屋外に立たされる罰を利用し、わざと帰宅を遅らせるようになった[31]。友人と遊ぶのも、「家に帰りたくないから友達といるしかない」ということが最大の動機であったという[32]。穂花によると性的虐待を受けた経験が、芸能界への憧れを抱く原因の一つになった。

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最後まで観て気付きましたが、これ、時系列ぶっ壊していますね。エンディングの先が冒頭なんだ。そして最後が胸に「153」のシーン。二度見しないとエッセンス見落としますね。

ということで児童虐待事件に関心がある方及び、ある意味テンプレート化されている陰惨な東欧系どうしようもないクズ映画に心惹かれる映画マニアにはお勧めしますが、ライトな映画ファンは観ちゃダメですよ。通念的社会常識の商業作品リミッター越えています。「作品から何を得る・求める」というよりドキュメンタリーを観ている感じ。

上述の通り上映している映画館は元より殆どなく、東京での上映も先月で終了しています。ご視聴はVODでどうぞ。7月26日まで。1,200円/72h
Vimeo『無垢の祈り』 をオンラインで鑑賞 | Vimeo オンデマンド
Vimeo『Innocent Prayer(無垢の祈り)』w/ English subtitles をオンラインで鑑賞 | Vimeo オンデマンド

満足度(5点満点)
☆☆☆☆

亀井亨監督先品は「マメシバ」シリーズとか、壇蜜の「私の奴隷になりなさい」程度はタイトルを知っていましたが、作品を観たのは「アルビノ」に続いて二作目。「アルビノ」はアマゾンプライムで観られますので興味があればどうぞ。近親相姦&NTRな変態映画です。
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地方都市の福祉行政職員である知人からたまに聞きますが、最近は不法在留外国人によるネグレクトが凄まじいって。建前上、存在していない「存在」なので福祉も警察も動き難く、ややこしいヤカラも噛んで色々事情があり行政内部からも話が表に出せないそうなので、その辺に興味関心があるジャーナリスト諸氏は頑張って取材してみて下さい。うちはノーコメントなので宜しく。

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