2017年05月11日

【映画評】ノー・エスケープ 自由への国境

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天国の口、終りの楽園。 [DVD]
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アメリカへの密入国を描いたメキシコ映画。
【映画評】ゼロ・グラビティ」とリンクしていると事前に聞き無駄にハードル上げたので失望感半端なく。

映画「ノー・エスケープ 自由への国境」公式サイト

イントロダクション
「メキシコ国境の安全を確保するべく、物理的な壁をただちに建設、十分な人員による監視を行い、不法移民、違法薬物・人身の売買、テロ行為を未然に防ぐ」−−第45代アメリカ合衆国大統領 ドナルド・J・トランプ(2017年1月25日大統領令より抜粋)

『ゼロ・グラビティ』のスタッフが放つ、呼吸すら忘れる緊迫の88分間!
製作プロデューサーのアルフォンソ・キュアロンは、息子ホナス・キュアロンが執筆した本作の脚本に瞠目した。「とても面白いコンセプトだ。私もこんな映画を作りたい」。そうして作られた『ゼロ・グラビティ』は第86回アカデミー賞Ⓡ7部門を受賞。『ノー・エスケープ 自由への国境』は、傑作『ゼロ・グラビティ』の原点と言える。 "砂漠の国境"という極限のシチュエーションで展開される緊迫の88分間は、一瞬に感じられるほど。なぜ狙われるのか。どこへ逃げればいいのか。観る者が息をするのも忘れてしまう、最高のソリッド・シチュエーション&サバイバル・エンタテインメントが誕生した!

全世界が注目する“砂漠の国境”で繰り広げられる極限の逃走劇!
息子に会うためにメキシコからアメリカへの不法入国を試みるモイセスと15人の移民たち。車のエンジントラブルにより、荒れ果てた砂漠を抜けて徒歩で国境を超える事になった彼らに、突然、銃弾が襲い掛かる!襲撃者は正体不明。逃げ込んだのは身を隠す場所も無い、摂氏50度の砂漠。水なし。武器なし。通信手段なし。“自由の国”を目指す命懸けの逃走劇が今、始まる──!

2017年1月25日、「アメリカ=メキシコ間の国境に壁を作る」という大統領令に署名がされた。トランプ政権発足により、全世界から注目を浴びている2国間の移民問題。本作では、主人公のモイセスがアメリカにいる家族に会うために不法入国を試みる。不法移民たちが乗り越えようとする“国境”は砂漠にひかれた有刺鉄線。その全長3,152kmの国境に、まさに今壁が建設されようとしている。拍子抜けする程簡単に入国を果たす不法移民たちだが、突如正体不明の襲撃者に発砲される。現実にも、不法移民の流入を「侵略」と見る退役軍人らが自警団を結成し、重武装で警備している実態がある。本作は単なるサバイバル・エンタテインメントではなく、“実際に今起きている可能性がある”現実世界とリンクした作品。我々が想像もつかないアメリカとメキシコの国境をリアルに描き出す“今観るべき一作”となっている。

第89回アカデミー賞Ⓡ外国語映画賞メキシコ代表作品!
主人公モイセスを演じるのは、アルフォンソ・キュアロン監督の出世作『天国の口、終りの楽園。』で一躍脚光を浴び、『バベル』など世界を舞台に活躍するメキシコ映画界随一の人気俳優ガエル・ガルシア・ベルナル。監督が脚本を書き始めた時から出演を熱望し、本作のエグゼクティヴ・プロデューサーにも名を連ねている。正体不明の襲撃者サムを演じるのは、TVシリーズ「ウォーキング・デッド」のニーガン役で話題沸騰中のジェフリー・ディーン・モーガン。作品に更なる緊張感を与えるサムの相棒犬トラッカーには、演技ではなく警備の訓練を受けた犬を起用。監督がこだわり抜いたキャスト陣が、構想8年を要して作り上げられたこのうえなく刺激的な物語を牽引している。音楽を担当するのは、WOODKID。フランスの映像ディレクター、ヨアン・ルモワンヌの音楽活動時の名前だ。ファレル・ウィリアムス「Happy」のクリエイティブディレクターやケイティ・ペリー、テイラー・スウィフトのPVを手掛ける新進気鋭のアーティストが、本作の緊張感をより一層盛り上げている。更に本作の見所の一つは、ロケハンに2年以上かけたという、人間の存在を卑小に感じさせるほどの圧倒的な砂漠。全て自然光で撮影された神々しいまでに美しい映像は、第40回トロント国際映画祭国際批評家連盟賞をもたらし、本作は第89回アカデミー賞Ⓡ外国語映画賞メキシコ代表に選出された。

ストーリー
メキシコ=アメリカ間の砂漠の国境。不法入国を試みるモイセスと15人の移民たち。突如襲いかかる銃弾。襲撃者は正体不明。摂氏50度。水なし。武器なし。通信手段なし。“自由の国”を目指す命懸けの逃走劇が今、始まる!

プロダクション・ノート
 『ゼロ・グラビティ』(13)で世界中に衝撃を与えたホナス・キュアロン(『ゼロ・グラビティ』脚本)とアルフォンソ・キュアロン(『ゼロ・グラビティ』監督、第86回アカデミー賞Ⓡ監督賞・編集賞受賞)が放つ『ノー・エスケープ 自由への国境』は、独特の洗練された映像で人間の本能を根底から揺さぶる、緊張感に満ちたサバイバル・サスペンスである。

主な出演者は、『モーターサイクル・ダイアリーズ』(03)、『バベル』(06)のガエル・ガルシア・ベルナルと、『ウォッチメン』(09)、TVシリーズ「ウォーキング・デッド」のジェフリー・ディーン・モーガン。本作は2015年第40回トロント国際映画祭でプレミア上映され、国際批評家連盟賞を受賞。また第89回アカデミー賞Ⓡ外国語映画賞のメキシコ代表作品にもなった。

移民の体験談をスクリーンに描くため準備に7年間を費やしたことで、監督・脚本・編集・製作を務めたホナス・キュアロンにとって本作は、特別な作品となった。ホナスはこう語る。「アメリカ南西部を旅した時に、移民に関するストーリーや、移民の過酷な道行の物語を直接聞いた。僕は心を動かされ、すぐに本作のアウトラインを書かずにいられなくなった。『ゼロ・グラビティ』の脚本を書く以前のことだった。僕は常々、ロベール・ブレッソン監督の『抵抗(レジスタンス)−死刑囚の手記より−』(56)や、スティーヴン・スピルバーグ監督の『激突!』(71)、アンドレイ・コンチャロフスキー監督の『暴走機関車』(85)といった映画のコンセプトに惹かれていた。それらは、最小限の会話で展開されるハラハラドキドキのノンストップ・サスペンスだが、同時に様々なテーマをうまく組み込んでいる。そして観客を理屈抜きに物語と登場人物の魅力に引き込んでいく躍動感がある。僕はそれらの作品のように、本能を刺激するような体験に観客を巻き込み、心を鷲づかみにするような映画を作りたかった。さらに、より良い生活を求めようとする移民たちが直面する悲惨な経験に光を当て、様々なテーマを反映した作品を目指したんだ」 

「ガエル・ガルシア・ベルナルの起用は、至極当然のことだった。彼は熟練の演技と魂をこの物語にもたらしてくれると信じていた」とホナスは言う。「それに、ガエルが移民に関する問題に深い関心を寄せていることを知っていたんだ。彼なら、僕のストーリーが紡ぎ出す葛藤や希望、意志に命を吹き込んでくれる。一方サム役は、典型的な悪役にはまり込まないことが重要だと考えていた。深みのあるキャラクターを作りたかったんだ。ジェフリー・ディーン・モーガンに決まった時は興奮したよ。彼なら、僕が求める複雑な感情をキャラクターに注入してくれる。アメリカ人俳優はこういったタイプの役柄を演じることに慣れていない。通常は外国人俳優が演じ、その逆はない。だから僕は、この脚本をジェフリーが気に入ってくれるかどうか不安だった。でもジェフリーは物語のテーマとサムというキャラクターに興味をもってくれたんだ」 

本作のビジュアルスタイルはストーリーテリングのカギとなった、とホナスは言う。「撮影のダミアン・ガルシアとは顔合わせ以来ずっと、ビジュアルスタイルについて話し合ってきた。そして、作品のコンセプトを反映したビジュアルを創りだすための指針を設けた。まず、自然光だけを使うこと。これは撮影する環境を忠実に、ありのままに表現するために重要なことだった。次に、人物と風景とに、画面の中で同等の存在感を持たせること。最後に、ビジュアルそのものがストーリー自体と同様にダイナミックに物語ること」

 完璧なロケーションを見つけ出すことは、本作にとって重要なことだった。「この映画のコンセプトのひとつは、セリフではなく、人物とその行動を風景と並列させることによってテーマを語ることだった。2人のメインキャラクターと同様に、砂漠が最も大切な要素になる。そこで2年以上かけて、砂漠を探して回った。アメリカではカリフォルニア州のアンザ・ボレゴ砂漠州立公園、ジョシュア・ツリーにデス・ヴァレー国立公園、ユタ州の南部、アリゾナ州、ニューメキシコ州、セルジオ・レオーネ監督作のほとんどを撮影したスペインのアルメリア地方、モロッコ、そしてメキシコ国内と、あらゆる砂漠を訪れた。世界中を巡った経験は、撮影地を見つけただけでなく、砂漠について多くを学び脚本にその知識を組み込むことができたという意味で、本当に素晴らしいものだった。結果、撮影地はメキシコのバハ・カリフォルニア・スル州の、文明から2時間離れたところにある砂漠に決まった。そこは、携帯の電波も届かず道は砂埃だらけ。気温は38℃以上で、強烈な日差しから身を守る影もない。つまり、撮影クルーにとっては最悪の地だった」 

ホナスは本作で、監督・脚本・編集・製作を務めている。「プロセス全体を見ながら様々な異なる段階の作業に関わること……ストーリーを考え、それを脚本に落とし、必要な要素をまとめ、実際に撮影し、そして編集する……それは僕にとっては難しいことではなかった。イメージ通りの作品を作り上げるためには、どれもが等しく大切な仕事だった」とホナスは語る。

 父でありアカデミー賞Ⓡ受賞経験をもつアルフォンソ・キュアロンと叔父のカルロス・キュアロンとのコラボレーションについて、ホナスはこう説明する。「脚本の第一稿を書き終えてすぐに、父と叔父カルロスに見せた。父は僕の一番近い協力者で師匠でもある。この作品を立ち上げるまで、僕は4年間『ゼロ・グラビティ』で父と仕事をしていた。2人がプロデューサーとして参加するのは自然なことだったんだ」

 アルフォンソはホナスのことを協力者であり、仕事仲間でもあるとみている。アルフォンソは言う。「ホナスは敬愛する仲間でもある。私は、作家としての彼をいつも称えてきた。ホナスがとても自然に映画の世界に入ってきたことにも感心している。これはホナスにとって初の本格的な長編映像作品だ。だが撮影の最初の数日間を見ていて、自分の決定に対する彼の自信に驚いたよ。彼には必要なものがはっきり見えている。ストーリーだけじゃない、キャスティングについても、またもう一つの主役である砂漠に関しても、ビジュアルイメージについてもだ。

実は『ゼロ・グラビティ』は『ノー・エスケープ 自由への国境』の脚本を最初に読んだ時に発想を得たんだ。効果的なフォーマットを巧みに組み込んだ物語だと思った。たった2人の人物が、常に注意を引きつけ、サスペンスがある。そして同時に、象徴的な他のテーマへと導いている」。アルフォンソは付け加える。「映画製作者への最良のアドバイスは、自分の直感を信じろということだ。大作であれ小品であれ、映画は監督のビジョンだ。だから私は、自信を持ってホナスの作品に参加した」




「グラビティ」アルフォンソ・キュアロンによる最新作かと勝手に思い込み、あまりの残念さに後で確認したら息子さんが監督だったのですね。完全勘違い。上記イントロダクションにもあるように発案は時系列的に逆だそうです。本作→グラビティ。

実際、リアルでこういう痛ましい事件が発生しているのでしょうけど、ハラハラドキドキしない。怖くないのは致命傷。尺が短いので小気味よくさくさく展開するのはいいとして、殺戮者のキャラが立っていないし、不法移民仲間描写も空気なのでなんかシューティングゲームみたいな印象。最後のシーンもなんかコントっぽい。

ということで、商業的にイマイチだった本作にインスピレーションを受けたアルフォンソ・キュアロンが発想を膨らませ、舞台を砂漠地帯(ロケ地は違えど想定は恐らくソノラ砂漠)より大気圏外へ大胆に改変した「映画 グラビティ」は実に素晴らしいなと。イニャリトゥ、ギレルモ・デル・トロと共にメキコ三人衆が、ジャンルは違えど世界の映画界を牽引していますね。

満足度(5点満点)
☆☆

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