2017年04月20日

【映画評】午後8時の訪問者

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アフリカ系移民問題を描いたフランス映画。

映画『午後8時の訪問者』公式サイト

イントロダクション
「あの時、応えていたら、何が違ったのか」救えたかもしれない命を、見過ごしてしまった女医ジェニー。たどり着くのは意外な死の真相。

診療時間をとっくに過ぎた午後8時に鳴ったドアベルに若き女医ジェニーは応じなかった。その翌日、診療所近くで身元不明の少女の遺体が見つかる。それは診療所のモニターに収められた少女だった。少女は誰なのか? 何故死んでしまったのか? ドアベルを押して何を伝えようとしていたのか?あふれかえる疑問の中、ジェニーは亡くなる直前の少女の足取りを探るうちに危険に巻き込まれていく。彼女の名を知ろうと、必死で少女のかけらを集めるジェニーが見つけ出す意外な死の真相とは──。

7作品連続カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品の快挙!名匠ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督が挑んだサスペンス。

作品を発表するごとにカンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品され、2度のパルムドール大賞のほか、数々の映画賞を世界中で獲得しているジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督。本作も第69回カンヌ国際映画祭にパルムドール受賞作『ロゼッタ』以降7作品連続コンペティション部門に出品されるという快挙を成し遂げた。常に上質な映画を作り上げるダルデンヌ兄弟が今回題材に選んだのは“名もなき少女”に何が起こったのかを探るミステリー。ちょっとした判断の迷いから失ってしまった“救えたかもしれない命”。出られなかった電話や読み逃していたメール、そしてドアを開けなかったベルの音──「もしかして何かが変わったのではないか」と思わせる人生の転機はどこにでもある。その転機を探るうちに意外な真相にたどり着く。その真相への道のりの間に、主人公自身にも変化が起きる……。これまでにない極上のヒューマン・サスペンスが誕生した。

セザール賞女優アデル・エネルが魅せる等身大の女性の姿。

主人公のジェニーを演じるのは2013年にセザール賞助演女優賞、翌年には同賞主演女優賞受賞とフランス最大の映画賞を席巻し続けている若手実力派女優アデル・エネル。かねてからダルデンヌ兄弟のファンだったというアデルは、少女時代から女優として活躍し、妥協のない作品選びをし続けてきた。名もなき少女の死を受け入れきれない医者という難役をこなした本作の演技をレザンロキュプティブル誌は「彼女にふさわしい唯一の形容詞は『天才』だ!」と最大の賛辞を贈っている。今後、目の離せない女優の出現に映画ファンならずとも胸が躍る。
世界が誇る才能ダルデンヌ兄弟と天才女優アデル・エネル。彼らが作り上げた新たな傑作の力強さに誰もが圧倒されるだろう。


ストーリー
あの時、ドアを開けていれば――。
若き女医ジェニー。まもなく、大きな病院に好待遇で迎えられる予定だ。今は知人の老医者の代わりに小さな診療所を診ている。今度、勤める病院から歓迎パーティーの連絡電話を受けているときに鳴ったドアベル。しかし、時間は午後8時過ぎ、診療時間はとっくに過ぎていた。応じようとする研修医をジェニーは止める。

翌日、警察がやってきて、診療所の近くで身元不明の少女の遺体が見つかったと聞く。午後8時過ぎにドアホンを押している姿が監視カメラに収められた少女こそ、遺体となって発見された少女だった。ジェニーは罪悪感から少女の顔写真を携帯のカメラに残し、時間を見つけては少女の名前を聞いてまわる。彼女の名前は何? 何のためにドアホンを押したのか? なぜ死んでしまったのか?……あふれかえる疑問の中、少女のかけらを拾い集めるジェニー。ある日、患者のひとりを診察中に少女の写真を見せると、脈が急激に早まったことに気づく。そこから少女の目撃情報を得ていくジェニー。少しずつ少女に迫っていけるように思えたその時、ジェニーは襲われ「この件に近づくな」と脅される。そして、警察からは名前がわかった、という連絡が入る。

すべては解決し、これから元の生活に戻るかに思われたその時、意外な真実が発覚する――。


アデル・エネル インタビュー
──『午後8時の訪問者』の撮影以前、ダルデンヌ兄弟はあなたにとってどんな監督でしたか。

彼らは現代映画の歴史と想像力の中で疑いなく重要な位置を占めています。彼らに会う前にすべての映画を見ていたわけではないのですが、その後全部見ました。元々観ていた『イゴールの約束』、『サンドラの週末』のインパクトはとても大きかった。デビュー以来、作家の映画に出たいと思っていました。その世界でダルデンヌ兄弟が占めている位置を考えると、出演依頼を受けた時には感動してしまいました。そんなことが起こるとは思ってもみなかったのです。

──脚本を読んだ感想はどうでしたか。

物語のシンプルさ、その深さに衝撃を受けました。彼らの仕事はきわめて正確です。彼らは真っ直ぐに目標に向かい、余計なものにわずらわされない。脚本の段階から、正確さ、妥協のなさが感じられるのです。

──あなたにとってジェニーはどのような人物でしょうか。

彼女はごく普通のヒロインで、私はそこが気に入っています。彼女の私生活はほとんど分かりません。私にとってこの映画は、ジェニーが他人に出会うことによって、自分の生活、自分自身に生まれ直す物語なのです。彼女は共感をもって人の話を聞く人で、誰に対しても優越感を持つことがありません。

──この人物を演じるにあたって、ダルデンヌ兄弟からはどのような指導がありましたか。

監督との間に相互理解があれば、あまり言葉は要りません。ダルデンヌ兄弟と私はお互いによく理解し合っていたと思います。ダルデンヌ兄弟は心理を事細かく説明しようとはしません。身体に聞くこと、登場人物の行動を通してすべては語られます。小さなことに見えるけれど実際は重要な、例えば、手袋はどうやってはめるのか、注射はどうやるのか、に集中しなければなりませんでした。それに集中していたので、ジェニーの感情に気を配る暇はなかったのです。観客に”演技をしている”ことが見えてしまえば、監督の意図とはまるで違ったものになってしまっていたでしょう。

──ダルデンヌ兄弟の映画はすべてそうですが、『午後8時の訪問者』でも社会背景が鍵になっていますね。

私は現代の社会を挑発するような映画が好きです。社会的地位、生活の条件が登場人物の存在を規定しています。どうやって生活しているのか、どの程度自分や他人を信頼しているのか、健康状態はどうなのか。現代映画において、ある種の社会階級は取り上げられることがありません。ダルデンヌ兄弟を筆頭に、監督たちがその問題に関心を持つことはとても重要だと思うのです。

──ダルデンヌ兄弟は俳優と長くリハーサルをすることを好みます。この準備期間、および撮影はどのような体験でしたか。

何テイクも重ねて俳優が疲弊するという評判は真実ではありません。物事がとても早く運んだ気がします。撮影前の準備期間が極めて重要なのです。すべての俳優がそこに集まるのですが、それによって出番の少ない人でも、撮影現場ですぐに一体感が持てるのです。

──準備段階では他にどのようなことをしましたか?

リハーサルの際にダルデンヌ兄弟は、俳優の動き、登場人物が直面する状況、カメラの動きを念入りに検討します。要するに演出の主要な部分は、まさにここで出来上がるのです。問題が持ち上がるとしても、この段階で解決を見出すので、撮影現場で障害にぶつかることがありません。この準備期間中に私も不安が解消されました。それでも当然現場では緊張しますが……。

──医者を演じるにあたって苦労されましたか。

準備期間中、医療コンサルタントのマルティーヌがいてくれました。実際の医師です。特殊な手続きや、患者さんとのやり取りなどを教えてもらいました。と言ってもこれさえやれば大丈夫という魔法のような方法はないのですが。

──この経験から何を得ましたか。

ダルデンヌ兄弟との作業を経て、「反本能的」な領域に踏み込めたように思っています。それは私にとって決定的な経験でした。私の中の怒りを超えた何かを、ダルデンヌ兄弟は見出してくれたのです。怒りという本能的な感情は私の一部ですが、しかし私という存在はそれにとどまらないのです。

──『午後8時の訪問者』であなたはカンヌ国際映画祭のコンペティション部門に参加されました。

カンヌは、ある種の映画に光を当てます。そういった映画が上映されるということがとても大事なのです。でも私が誇りに思うのは、個人的なことではなくて、何よりも映画そのものです。もしカンヌで選ばれたのがこの作品でなかったら、これほど誇らしくはなかったでしょう。




サスペンスと銘打っていますが、ヒューマンドラマ系ですよね。サスペンスと思って臨むと拍子抜けするかも。フランスの世情を表しているのか思い浮かぶだけでも「【映画評】ディーパンの闘い」「【映画評】ジェロニモ−愛と灼熱のリズム」「【映画評】ル・アーヴルの靴みがき」「【映画評】バベルの学校」等、フランス移民問題扱った作品が記憶に残ります。

主演のアデル・エネルさんは今までご縁なく、過去の出演作品は多分観たことないです。いい女優さんですね。監督とのレズビアン関係をカミングアウトした百合映画「水の中のつぼみ」は是非鑑賞したいです。

展開は大筋として観客が予想する方向通りに転がっていく内容でして、昨今噂されるよう中国や北朝鮮で政権転覆した場合、本邦でも本作被害少女のような密航をかたに人身売買組織より強請られる「野良売春婦」が増えるのでしょうか?箱型管理売春の問題点として搾取とか諸々分かるのですが、それを上回り野良の方が怖いでしょう?仮に松戸市PTA会長みたいなアジア系ロリ好きサディストがキャンピングカーへ引っ張り込んだ場合、その先どうなるのか?これは鋭意取調中のベトナム少女殺害事件へのこじつけではなく、実際に映画の中でアフリカ系少女を老人が買春した場所が置き晒しのキャンピングカーという、日本の現実と全く同じだった不愉快な偶然性。
【松戸市 ベトナム少女殺害事件】遺体に付着した遺留DNA一致 被害女児小学校のPTA会長 渋谷恭正容疑者(46)遺体遺棄容疑で逮捕

満足度(5点満点)
☆☆☆

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Posted by kingcurtis 固定リンクComments(0)映画 
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