2017年03月27日

【映画評】イマジン

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イマジン [Blu-ray]
イマジン [Blu-ray]

盲目の異人が集うリスボンの障害者施設が舞台のラブロマンス。ポーランド映画。
首都圏では2年ほど前に公開済で、円盤も発売されていますが、なぜか当地でワンデイ限定公開されたので目敏く鑑賞。凄くよかったです。

映画『イマジン』オフィシャルサイト

イントロダクション
 ここ数年、ポーランド出身の映画人が世界を席巻しています。イエジー・スコリモフスキ『エッセンシャル・キリング』、ロマン・ポランスキー『毛皮のヴィーナス』、アンジェイ・ワイダ『ワレサ 連帯の男』といったベテラン作家の健在ぶりから、アカデミー賞ノミネートを果たしたパヴェウ・パヴリコフスキ『イーダ』やマチェイ・ピェブシツァ『幸せのありか』など若手の台頭にいたるまで、その活躍ぶりが世界各国で注目されています。そんな黄金時代の到来を予感させるポーランド映画シーンからまた新たな才能が登場しました。本作『イマジン』で、視覚障害者のための診療所に勤める教師と美しい教え子の淡い恋愛劇を、研ぎすまされた音響設計と自然光を駆使した魅惑の映像美で奏でたアンジェイ・ヤキモフスキです。

 1963 年生まれのアンジェイ・ヤキモフスキは、ワルシャワ大学で哲学を学んだのち映画演出の道に進み、長編デビュー作『目を細めて』(03、未)でポーランド映画賞の最優秀賞を4 部門で獲得、続く『トリック』(07、未)でヴェネチア国際映画祭をはじめ世界各国の映画祭で数々の賞を受賞した新進気鋭の作家です。

 盲目の恋人たちを演じる主演のふたりは、日本ではほぼ無名ながら欧米では確固たる評価を得ている演技派俳優たちです。エヴァ役のアレクサンドラ・マリア・ララはルーマニア系のドイツ人女優。『コッポラの胡蝶の夢』(07)や『ラッシュ/プライドと友情』(13)で注目を集め、以後数々の作品に出演。4 カ国語を流暢に話す才女で2012 年フランス芸術文化勲章シュヴァリエを受勲しています。
 一方アウトロー的な風貌でクールな教師イアンを演じたエドワード・ホッグはイギリスの王立演劇学校を卒業し、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーで活躍した実力派。映画出演作のほとんどが日本未公開ですが、イケメン英国俳優の系譜に並びそうなセクシーさが魅力で、いま要注目の俳優です。

 映画全篇にわたるポルトガルロケ、ポーランド人ではないプロの俳優と実際に視覚に障害のあるアマチュアの子どもたちとの共演、ほぼ英語による台詞など、異色の設定による本作はポーランド・ニューウェイヴの代表作と言っても過言ではありません。目の見えない男女による恋というロマンティックな物語、パフォーミング・アートを思わせるユニークな授業風景、路面電車が行き交う古都リスボンのクラシックな佇まいが詩的美しさにあふれた映像でスクリーンに展開し、ポーランド映画祭2014 で観客の圧倒的支持を受けた『イマジン』。映画の本質とも言える“音と映像” のもつ意味性をラブストーリーとして見事に昇華させた傑作です。

ストーリー
 リスボンにある、視覚障害者のための診療所。ここでは古い修道院に無償で場所を借り、世界各国から集まった患者たちに治療やトレーニングをおこなっている。そこにひとりの男がやって来る。彼の名はイアン、診療所にいる盲目の子どもたちを相手に“反響定位” の方法を教えるインストラクターだ。これを身に付ければ目が不自由でも視覚障害者用の白杖を使わずに外へ出て、自分を取り巻く環境を探求することも可能なのだ。白杖なしで自由に歩けるイアンの目的は、自身の技術や信念を伝授すること。生徒たちを危険にさらさないことを条件に、イアンは診療所で働き始める。

 授業を受けるのは、さまざまな人種からなる子どもたちや10 代の若者たち。イアンは生徒たちの好奇心をあおり、勇気づけ、ときには少々危険を伴う行為にも挑戦させる。はじめは白杖を使わないイアンを不審気に見ていた生徒たちも、その独創的な授業にだんだんと夢中になっていく。だが、そんなイアンの授業が、生徒たちの安全を第一に考える診療所側にとって懸念すべき問題になりつつあることを、彼はまだ知らない。

 イアンの部屋の隣に暮らすのは、外国からやって来た成人女性のエヴァ。自室に籠もり誰とも口をきかずにいたが、次第にイアンに興味をもち、ときどき部屋を抜け出て彼の授業の様子を探りにくるようになる。やがてエヴァはイアンのノウハウを習得して、自分も自由に動き回ろうと決意する。ある日イアンとエヴァは、思い切って白杖なしで外へと出かけていく。迷路のようなリスボンの街角、路面電車やバイク、車の通過音、人々の足音、木々のざわめき。さまざまな音や匂いを楽しみながらたどり着いたバーのテラス席で、自家製ワインを楽しむふたり。イアンは、「この近くには港があり、そこに大型客船が出入りしているはずだ」とエヴァに語ってきかせる。

 そんななか、イアンは診療所側から一方的に解雇通告をうける。これ以上彼の授業で生徒たちを危険にさらせないというのだ。残りたいと嘆願するイアンだが、彼の希望は受け入れられない。一方エヴァのほかにも、イアンの行動を興味深く見つめている生徒がいた。青年セラーノだ。彼はイアンを憧れの目で見ながらも、彼の語ることはすべて噓なのではないかという疑いも抱えていた。こうしてイアンがエヴァに話していた大型客船の存在を確かめに、セラーノとイアンは夜の街へと冒険に出かけていく。

 やがてイアンが診療所を去る日が来る。ひとりさびしく街へ向かう彼。悲しみの表情に暮れる生徒たちを後にして、エヴァがイアンを追いかけ外へ出ていく。ふたりは果たして出会うことができるのだろうか。そしてイアンの言う「船」は本当に存在するのだろうか……。

※日本では道路交通法第14 条により、目が見えない者(目が見えない者に準ずる者を含む)は、道路を通行するときは、政令で定める杖を携え、又は政令で定める盲導犬を連れていなければならない、と定められています。




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迷路アトラクションのようなリスボンの街を縫うように視覚障害者が歩き回ります。しかも杖なしで。通り過ぎる車のノイズを頼りに路面電車路も四車線道路も斜め横断しますが、ヒロインが車に撥ねられた犬の血糊を浴びたり、肢体轢断された盲怪我人描写もあり一筋縄でない。

ヒロインのララさん。迷路のゴールたるカフェで健常者に間違われ口説かれるシーンが見もの。

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役柄に合わせ極端な斜視でしたが特殊メイクなの?日本では「総督閣下シリーズ」で非常にお馴染みではないかと思料されます。最近話題になったのは「けものフレンズ11話」など。



因みに滅多に見られないオリジナルはこちら。



「白杖を持って散歩すると街角で色々声を掛けられ鬱陶しいので杖を棄てた」など、作品内で描写されるノーマライゼーションには色々考えさせられますが、最後のカット、路面電車内からのカメラを使い彼女らが彷徨った施設からカフェまでの路順が種明かし(基本的に進行方向前面描写がないため)のように映されますが、とにかくリスボンの町並みが美しく、本当に迷路。ララさんにベタ惚れする素敵な映画でした。

満足度(5点満点)
☆☆☆☆

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Posted by kingcurtis 固定リンクComments(0)映画 | 人権問題
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