2017年02月03日

【映画評】天使にショパンの歌声を

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The Passion of Augustine (French Version with English Subtitles)
The Passion of Augustine (French Version with English Subtitles)

カナダ/フランス語映画。
予告編見た時は「天使にラブソングを」みたいな内容かと思っていましたが、いい意味で裏切られました。ジャズっぽいバッハとか曲もよかった。

映画「天使にショパンの歌声を」公式サイト

イントロダクション
繊細かつ温かな人間ドラマの名手として知られ、カナダ映画界を支えてきた女性監督、レア・プール。その多彩なフィルモグラフィーで、国内外の数々の栄誉ある賞に輝いている。代表作となる、思春期の少女たちの愛と情熱に迫った『翼をください』、神秘の蝶と少年の奇跡の実話を映画化した『天国の青い蝶』は、日本でもスマッシュヒットを記録した。

長編映画監督デビューから35年となる2015年、映像作家として円熟期を迎えたレア・プールの最新作にして集大成が完成した。国をあげて近代化が推進された1960年代のカナダ・ケベックを舞台に、閉鎖に追い込まれた音楽学校を救おうと奮闘する女性教師と生徒たちの物語だ。
女性の権利や自由、社会進出はまだまだ認められていなかったこの時代に、音楽の力を信じて、古い考え方や大きな権力に立ち向かう女性たちの生き方が深い共感を呼び、カナダのケベック映画賞で作品賞を含む最多6部門を受賞する。さらに、自ら人生を切り開くという、現代にも通じる普遍的なテーマが絶賛され、アジア、アメリカ、ヨーロッパ各国の映画祭でも拍車喝采に包まれた。国境を越えて熱く支持され続けている音楽エンターテイメントが、遂に日本にもやって来る。
 
ケベックの広大な地にポツンと佇む小さな寄宿学校。そこは音楽教育に力を入れる名門女子校だったが、修道院による運営が財政難に陥り、閉鎖の危機に直面する。校長のオーギュスティーヌは音楽の力で世論を味方につけようと、音楽イベントの開催を計画する。そんな中、校長の姪のアリスが転校してくる。彼女にピアニストとしての天性の才能を見出した校長は、学校存続の鍵になると期待するが、孤独で心を閉ざしたアリスは、誰の言うことも聞かない問題児だった。様々な困難を乗り越えて、イベントの日を迎えるのだが──。

 オーギュスティーヌには、『愛の叫び 〜運命の100日』のセリーヌ・ボニアー。カナダでは、TVシリーズ、映画、舞台と幅広く活躍している演技派女優で、カナダのアカデミー賞にあたるジニー賞に3度ノミネートされている。アリスには、モントリオール音楽院に在学中のライサンダー・メナード。5歳からピアノを始め、数々のコンテストで優勝を飾り、2012年にはカナダを代表する未来の音楽家30人の1人に選ばれた新進気鋭のピアニストで、心の奥底まで届く、喜怒哀楽の感情を見事に表現した演奏で魅了する。
 冬は白銀のベールに包まれ、春の訪れと共に鮮やかな緑へと変わっていくカナダの美しく豊かな自然を背景に、全編にわたって流れるのは、ショパン、モーツァルト、ベートーヴェン、リストなど偉大な作曲家によるクラシックの名曲の数々。そこへ少女たちが弾く汚れなきピアノ、天使のごとき歌声、胸躍るダンス、愛らしい制服に絵本から出て来たような校舎や教室が、麗しいアンサンブルを奏でていく。

どうにもならない運命に時には涙しながらも、強く、たくましく、明るく、何より自分らしく生きようとした女性たち。彼女たちが音楽の力で未来の扉を開く姿に、笑顔と元気をもらえる希望の物語。

ストーリー

 カナダのケベックの小さな寄宿学校。修道院が経営するこの学校では、今日も少女たちの澄んだ歌声が響き渡っている。校長のオーギュスティーヌ(セリーヌ・ボニアー)が音楽教育に力を入れているためで、前回のピアノコンクールでは念願の銀メダルを獲得していた。
だが、そんな名門校が今、存続の危機に瀕している。近代化を進める政府の後押しを得て公立学校が増加し、転校する生徒が相次いだために経営が苦しくなってしまったのだ。体制を見直し始めた修道院の総長は、採算の合わない学校から閉鎖しようと考えていた。音楽会のチケット代にピアノ購入費と出費のかさむオーギュスティーヌの学校が、真っ先にそのやり玉にあげられているのだ。

そんななか、オーギュスティーヌの姪のアリス(ライサンダー・メナード)が転校してくる。オーギュスティーヌはアリスに天性のピアニストの才能を見出して期待するが、両親に見放されたと思い込んでいるアリスは、傷ついた心を固く閉ざしていた。
総長から音楽をやめて代わりに良妻賢母になるための教育の実施を強いられたオーギュスティーヌは、「高い理想を持てと生徒たちに言っています」と毅然と拒絶し、帰校するとシスターたちに「あきらめないわ、闘うのよ」と宣言する。いつもは貞淑なシスターたちも、自分たちの愛する場所を守らなければという熱い想いに燃えていた。 支援してくれる保護者の協力を得て、まずはマスコミ作戦を計画するシスターたち。学校で音楽イベントを開いて記者たちを招待し、最高の演奏を聞かせることで音楽教育の素晴らしさを訴え、世論を動かすのだ。

ところが大切なイベントの前夜、クラスメイトをかばって学校で一番頑固なシスターとぶつかったアリスは怒りのあまり無断外出をしてしまう。恋におちた男の子と踊っているところを、オーギュスティーヌに無理矢理連れ戻されるのだった。
翌朝、アリスはイベントへの出演を拒否するが、オーギュスティーヌの真意を知って、少しずつ心を開き始める。アリスの素晴らしい演奏も効果を奏して、イベントは大成功をおさめ、翌朝の新聞にも大きく取り上げられる。

世間が注目するなか、コンクールで金メダルを獲得すれば、廃校は免れるはず──今やシスターと生徒たちの心はひとつ、1番のメダル候補はやはりアリスだ。全校あげてのレッスンが始まったその時、オーギュスティーヌのもとに、アリスの母親が倒れたという報せが届く──。

主な本編使用曲
ショパン:別れの曲
リスト:愛の夢 第3番
バッハ:平均律クラヴィーア曲集 第1巻〜第2曲 ハ短調
バッハ:半音階的幻想曲とフーガ ニ短調
(以上 ピアノ:ライサンダー・メナード)
ショパン/ジャン・ロワゼル:悲しみ(別れの曲)
(歌:エリザベス・トレンブレイ=ギャニオン、ピアノ:ライサンダー・メナード)
モーツァルト:アヴェ・ヴェルム・コルプス
ヴィヴァルディ:グローリア ニ長調
ドビュッシー:家なき子たちのクリスマス
フォーレ:レクイエム〜「楽園へ」
パーセル:ディドとエネアス〜「ディドの嘆き」
モーツァルト:幻想曲 ハ短調
ハイドン:ピアノ・ソナタ第35番 ハ長調
メンデルスゾーン:無言歌集〜第2曲 嬰ヘ短調
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第10番 ハ長調
ラヴェル:ピアノ協奏曲 ト長調
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第5番 ハ短調




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高校が廃校の危機→○○で優勝すれば廃校免れる!というぶっちゃけ、ガルパンやラブライブと同じ日本アニメの典型ストーリーですが、教師役も生徒役もキャラ立っていますし、テンポもいいので引き込まれます。お話の締めもエスプリが効いていい。

毎回ケチ付けている邦題問題ですが、本作もなんか変。原題は「La passion d'Augustine/The Passion of Augustine(オーギュスティーヌ校長の情熱)」という映画の内容そのままなのですが、邦題の「天使にショパンの歌声を」って、それは脇役の女の子じゃないですか。本題とは違う脇の脇の話をなんでタイトルにするのかなぁ?

その脇役とは一線を画し、非常に個性的な主役の女の子ですが、ボディ・ダブル使わず指がよく動くので特殊撮影?と思っていましたが、プロのピアニストなんだ。それであの演技とはびっくり。映画初出演作だそうです。
彼女が演奏したジャズ風のバッハはこちら。



『天使にショパンの歌声を』:天才ピアノ少女役のライサンダー・メナード独占インタヴュー | Rolling Stone(ローリングストーン) 日本版



OST自作して作業用音楽を作ったら幸せになりそう。

満足度(5点満点)
☆☆☆

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Posted by kingcurtis 固定リンクComments(0)映画 
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